いよいよ平成最後の12月も残り少なくなった。今年もまた、自然災害や人災、色々な事件も目白押しであった。しかし、これらも数年たてば人の脳裏からは沫雪のごとく薄れていくだろう。そして大きな事件も小さなトラブルも、この後も繰り返される。その度、人は悲しみ、憤り、はたまた喜びを感じて時は過ぎてゆくのだろう。
誘われて昨夜、近くの教会のキャンドルサーヴィスに行ってきた。実に爽やかな一時であった。
我ながら老いを感じる一つに記憶の持続性が薄弱になったことが挙げられる。
日に三度確かむ予定師走かな
少し時間は遡るが先月初め同窓会で山中温泉へ行った。ここも気候異変か、紅葉のはじめであった。ここは奥の細道で芭蕉が8泊9日も滞在したお気に入りの温泉で長旅の疲れを十分に癒した。
山中や菊はたおらぬ湯の匂 芭蕉
芭蕉の館
山中や瀬より染め上ぐ初紅葉
鶴仙渓瀬音しずめる秋しぐれ
秋風や煩悩とかす露天の湯
秋深し翁佇みしこほろぎ橋
湯けむりを透かして見ゆる初紅葉
道終えて翁の長居や秋しぐれ
忙中閑を得て北海道へショート旅をした。ちょうど大雪に出会ったが、交通機関はさすがなれたもの、何の心配もなく、バスは全道を走った。湯につかる楽しみと山と湖、雪原の丹頂に会えたことはラッキーだった。
阿寒湖温泉
釧路湿原の丹頂の群れ
北国の静かな雪よ露天の湯
雪かぶるとゆの湯音や阿寒の郷
夜の更けて湯舟の岩にぼたん雪
雪しまくからまつ林地に果てり
人絶えぬ幸福てふ駅雪の中
鱈汁に安堵の釧路屋台村