草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 麦秋/龍峰

2022-05-28 | Weblog

            信楽のたぬき達

コロナ小康状態の今がチャンスと捉え、先日信楽の陶芸村へ出かけた。
沢山の窯元があるが、訪ねたのは明治21年に開窯の老舗。すでに引退はしているが、大きな100年の歴史を支えた登り窯は、満身創痍のひび割れ、窯の天井や壁は1300度の熱で実に味わいのある緋色で存在感があった。但し、今は雰囲気のある喫茶店として活用されている。
信楽と云えばやはり、たぬきの置物。本格的に作り出したのは昭和26年の昭和天皇のこの地への行幸がきっかけとか。
戦後間もなし迄は、火鉢の生産で全国の9割り方をしめていた。今は、昔ながらの茶器の他、植木鉢、傘立て、スパ用の五右衛門風呂等など。時代と共に陶芸品のニーズも変わってきているようであり、苦労がしのばれた。

    黄あざやか長雨前の麦秋かな
    植え揃ふ棚田のひかる伊賀の里
    竹の秋山郭深く家二軒

    新緑や今も変わらぬたぬき達
    葛饅頭スカーレットの湯飲みかな
    万緑や緋色の壁の古茶房

    緑陰や深きねむりののぼり窯
    薫風や信楽背負ひし登り窯
    老鶯や明治のひびののぼり窯
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今日の俳句 キビタキ/ゆらぎ

2022-05-19 | Weblog
     ~写真は、美しい声で鳴くキビタキ。

くちずけを知り染めし日の若楓
  ~こんな日もあったかなあ!
今いちど言葉少なに蛍の夜

香水や罪の闇路を踏み迷う

少年のような目差し五月晴れ

マロニエや色と色とは弾き遊ぶ
  ~三木露風の詩(現身)より採りました。鳥も花も春の日差しの中に酔う  、その様を”色と色とは弾き遊ぶ”、と詠んだもので色彩感覚を半ば踏まえ、それをまた何かの楽器の合奏するさまに言いかけたもの。

夕ぐれの時はよい時初蛍


白鳥は大空を翔け風薫る

父の日や娘(こ)の鏡裏思い羽(ば)を
  ~おしどりの雄が橙色の飾り羽をピンと立てている。雌を引き付けるための勝負服。これを鴛鴦の思い羽という。かつては、その思い羽を嫁ぐ娘の鏡の裏に忍ばせる習わしがあった。夫婦愛の筆頭に挙げられていた。

五月野に瑠璃囀(るりてん)の鳥鳴くこずえ
  ~伊良子清白の詩「五月野」より。「瑠璃囀」の囀は、さえずるの意。オオルリの鳴き声から詠んだ。澄んで、まろく、珠のように揺らめく。
 

五月晴れなんじゃもんじゃの花が咲く
  ~六甲アイランドでの自然詠。次の句も。

著莪(しゃが)の花キビタキたまにわが家へも















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今日の俳句 / 鉄線花  九分九厘

2022-05-11 | Weblog
          

 今日の俳句は、我が家の庭で今が盛りの鉄線の花と、見事な緑を演出してくれる柿若葉を詠みます。朝起きたときに目に入る濃の鉄線花と光に輝く柿若葉の色に、朦朧とした頭が新鮮に蘇ります。
     
          鉄線花日の差す空に対峙せり

          鉄線やこれぞおのれと濃紫

        
        


          柿若葉ひかりの先の空の青

          腑に落ちる色がすべての柿若葉

          柿若葉ひかりに匂ひありにけり


 前回の葉有露さんの俳句投稿で「蝶」を詠まれました。これに引かれて三句ができ上がりました。

          マリュウポリ慄く蝶は地下に舞ふ

            緩歩する吾に戯るる蝶ありて

          夏の蝶平和の日々を待ち望む

                                                                      以上
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今日の俳句:朧:葉有露

2022-05-01 | Weblog
 自室から見える教会の菩提樹の葉は、雨にうたれて生命の
輝きを鮮やかに見せてくれています。
 今回の投句の内容は、4月上旬の俳句教室での作句でいささか
季節はずれの感があります。ご容赦ください。

 俳句教室 兼題:春愁・朧・蝶
 ・春愁を遠くに置きて老いを得る
 ・遠き日の面影いまも月朧
 ・長き日の出会ひし人のみな朧
 ・さなぎ捨て蝶軽々と飛び去りし
 ・高き塀助走もなしに蝶は越え




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