草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/梅(龍峰)

2014-03-29 | Weblog

先日大阪城内の梅林へ出かけた。2月から3月末まで次々と咲き繋ぐ梅の花、当日も各種咲いていた。ここには100種類、1200本の梅の木が植えられている。

天守閣からは真下に見下ろすように梅園が広がる。城を見上げる度に、秀吉は、淀君は、はたまた徳川の面々はと想像を掻き立てられる。

今年は運よく日本に3か所しかないと言われる「華農玉蝶」と称する貴重な花に出会えた。この花は花の雄しべの中にもう一輪花を付ける誠に奇妙なる花である(写真)。よく見てもらうために大きめの写真を搭載した。この木に咲く花が、全てこのような花をつけるのではなく、一本の木に2,3輪の咲くのである。又、「夫婦梅枝垂れ」と称する梅が咲いていたが、名前の由来を姿に見んとてしばし眺めたものである。

 梅林を睥睨すなり天守閣

 馥郁と梅咲きにけり先途の跡

 残り香を求むる吾や万朶の梅

 先がけて明るさ振りぬ枝垂れ梅

 華農玉蝶の花を見つけしたり顔

 面影を求めむ夫婦梅枝垂れ

 

(写真は、「夫婦梅枝垂れ)

     

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句/ 氷塊 (九分九厘)

2014-03-21 | Weblog

 NY滞在中、日帰り旅行で冬のナイヤガラ瀑布を見に行った。前日が猛吹雪でバッファロー空港閉鎖であったが、当日は打って変わっての快晴であった。空港の整備で1時間半の遅れでバッファローに到着。白銀の壮大なる瀑布のパノマラに圧倒される。気温は零下5°cぐらいで現地の人にとっては丁度良いらしい。滝の裏に回る地下道があってそこから氷の滝を観る。この滝に最初に飛び込んだのは、1901年に世を儚んだ70歳代の女性だそうだ。頑丈に補強した樽の中に入って、黒猫と一緒に飛び込み無事成功。黒猫は白猫に変わっていたという作り話がある。以降十数人が冒険して成功率は6割から7割くらいだったそうである。1960年代に危険とされ禁止されている。冬の瀑布はどんな厳寒でも決して凍ることはない。上流で流氷を食い止めて瀑布の崖の侵食を防いでいるという。瀑布の中央にアメリカとカナダの国境線がある。

 

 ナイヤガラ視野全界滝氷

 青空と白銀のみの冬瀑布

 ぎんぎんと冴ゆる瀑布の裏通り

 白銀の滝の飛沫は氷塊と化す

 凍てついて音も聞こえぬナイヤガラ

 

俳句にするにはどうにもならない風景であった。

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句/沈丁花(ゆらぎ)

2014-03-12 | Weblog

さまざまな木の芽がふくらみ始めています。かりんの芽、トチノキの芽、ライラックの芽、雪柳も。名残り雪が降ったというのに、辛夷まで小さな白い花をつけ始めています。自然の生きるべき姿を見るたびに、春の歌心が湧いてきます。『英語歳時記』(研究社)の春の巻を開くと、なんと”三月の陽(ひ)は五月のように感じられることか”と言っています。

 ”How the March sun feels like May!
                          (ロバート・ブラウニング)

というような訳で、春の句が次から次から湧いてきました。花鳥諷詠、写生などは無視して・・・。脈絡のない句ばかり、お許し乞う。


 ビル街に半旗を掲げ花を待つ (東北大震災を思って)

 春泥は死語となりしや空まろし

 雪の果湯の香恋しき奥飛騨路・・・・・なんか、演歌みたいですね(笑)

 木の芽雨わが嘆き夜もすがら

 花ミモザランボルギーニで出かけましょう

          

 沈丁花言わず語らず別れゆく

 うたたねに恋しき人を夢枕

 新しき命生まるや春一番

 

 (西行忌)・・・昔むかし詠んだ句を再掲。すこし手をいれて・・・・‥西行終焉の地、大阪郊外の金剛山麓にある弘川寺にて。

          

 西行忌薄紅(うすくれない)の花匂ふ
 
 ひたぶるに花散りつづく西行忌

 散る花も根に帰りゆく桜かな
 

 

 

 

 

 

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の俳句/恋の猫(龍峰)

2014-03-07 | Weblog

猫の恋は気温と大いに関係がると読んだが、これから暖かくなると恋の季節がやってくる。現在の住まいは猪、犬、猫など動物がよく出物し、結構賑やかである。

  夜襲受けみけんに傷の恋の猫

  一戦を終へて帰還す恋の猫

  恋猫の一戦終へて鈴落とす

  恋猫の有馬街道ひた走る

  恋猫の泥のごとくに眠りこけ

  恋猫の大黒柱に爪をとぐ

  うらやましこころのままに恋の猫

  

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする