草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句  ( 袋掛 ) さゆり

2010-05-30 | Weblog

 農家では、ちょうど今頃に果実を鳥や病虫害から守るために新聞紙やその他の紙で袋を掛ける「袋掛」が、行われます。淡路島の枇杷の実にも、白い袋が、掛けられたようです。

  実から実へ手さばき速し袋掛
  青空もひとかけら詰め袋掛
  袋掛姉さん被りに日の暮るる

  蓋とりにて匂ひなつかし麦の飯
  記念日の夫の所望の麦の飯 
  現代はダイエットによし麦の飯


五月の芒の会より 兼題 「初鰹」「芥子の花」「業平忌」

  黒潮の香り盛られて初鰹
  ひと風にはらりと解けし芥子の花
  芦屋川の風のさみどり業平忌
  長旅の疲れを癒す柿若葉
  朝靄に沈む花芥子いろ淡し

  写真は道端に咲いている一群れの芥子の花
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今日の俳句/製鉄所(光芒子)

2010-05-27 | Weblog
  
  夏来る槌音高く焔見ゆ
  鉄皮錆アイアンマンの汗の跡
  蟻地獄鉄鋼原料サイロ内
  5月尽高炉廻りに煙無し
  省人化人影消えて夏の空

数十年ぶりに製鉄所を見学した。
新入社員当時、製鉄所といえば黒煙モクモクの煙突、粉塵もうもうの原料ヤード、空をも焦がす真赤な出銑風景・・・今ならとんでもない事であるが、高度経済成長、繁栄の象徴ともてはやされた時代であった。
鉄鋼の製造方法は当時とほとんど変わりはないが、省人化と無公害化は進み、工場は随分静かでクリーンになったものである。無機質の工場を俳句にと挑戦したもののやはり結果は散々です。
写真は発電所のタービン建屋から右手に溶鉱炉をみたもので、高炉の向こうは六甲アイランドです。
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今日の俳句/芥子の花(龍峰)

2010-05-24 | Weblog
先日句会が行われた。今回から本欄でもお馴染みのかつらたろう様及びもうお一方が参加され、賑わしくスタートした。万物にお詳しく、秀吟をなさるかつら様及びもうお一方のご活躍をお祈りします。今月の兼題は「芥子の花」、「初鰹」、「業平忌」でした。
写真の芥子の花は淡路島の花桟敷で撮ったものです。

 鐘塔の丘埋めつくす芥子の花
 黒潮に勇み乗りたる初鰹
 今もなほ鎌倉沖ぞ初鰹
 
 業平忌ひげそり跡の青きかな
 古里を鳥に事問ふ業平忌
 
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今日の俳句 / 囀 (四捨五入)

2010-05-15 | Weblog
囀に誘はれのぞく空の奥
紙風船頬風船のやうにして
耳慣れぬ囀といふ妻の声

春愁や白き頁の日記帳
春愁や多羅葉にらみ言葉なし
春愁や一筋の道果てしなく

だいぶ時期遅れとなりましたが、4月句会のご報告をします。
この時の兼題に関係のある写真は難しいので、最近見かけた珍しい色の躑躅をご紹介することとしました。
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今日の俳句/囀(龍峰)

2010-05-07 | Weblog
少し時間が経ちましたが、前回の句会の拙句を掲載します。
兼題は囀、風船、春愁でした。いずれの兼題もいざ詠もうとするとなかなか手ごわいものがありました。

 囀に目くばせをして箸を置く
 高原の囀こぼす雲間かな
 道へだて囀交わす朝の杜
 
 点となる赤き風船命やも
 春愁を払う薪割里の朝



 
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