草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/さるすべり(龍峰)

2024-09-01 | Weblog

    さるすべり

 この夏はことのほか暑かった。朝の散歩で街中に見る百日紅の鮮やかな色は貴重な慰めである。
手元のメモ代わりの日記で7,8月の気温を比べると去年、一昨年でも35度や38度の日もあった。しかし、適度に雨が降り、台風がきたりで気温が下がる日もあった。それに比べて今年は連日35度越えで、下がる日がほとんどなし。体は今年の方がはるかに参った。年が加算されたこともあろう。ともあれ今から来年が思いやられる。

  主住むや住まぬや今朝のさるすべり
  予報見るたび猫の目の野分かな
  初秋や薄暮の風の尖り消ゆ

  八十路越え残暑の背なのひしゃげをり
  句づくりの内なる目覚め芒かな
  妻天塩かけし西瓜よプロ裸足
  山門にしばし大の字涼新た 
 
 涼求め日帰りで若狭へ繰り出した。三方五湖、そのほとりの「若狭三方縄文博物館」、「年縞博物館」そして江戸時代栄えた鯖街道、その中心となる熊川宿を訪ねた。名を馳せた熊川宿も今は、秋雨の中に静かに眠るがごとくだった。
 中でも年縞博物館は特異の博物館である。この博物館は五湖の一つの水月湖の底に毎年積もった地層、地下垂直に45mの深さ、7万年間分を切り出した地層が展示されている。無論世界一。人類がこの世にあらわれてからの地球の歴史、日本列島の歴史の一端が一目でわかる。

   越路来て荒瀬をわたる秋茜
   湖越しに若狭の海や夾竹桃
   新涼の墨絵眼前三方五胡

   年縞や七万年の史知る秋
   縄文は土と炎よ秋暑し
   秋時雨掛け声いずこ鯖街道
   秋雨や時経てねむる熊川宿 

 年縞博物館の展示、途中の大山の噴火の辺り、0.7mmが1年


             熊川宿

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