草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/冬日和(ゆらぎ)

2019-11-26 | Weblog

東京で音楽会を聴いた次の日、国立近代美術館で鏑木清方の「築地明石町」を見てきました。幻の絵といわれていましたが、特別公開されました。古きよき明治の情緒を描いたものです。その時、会場の入り口でその絵から抜け出たような美女と遭遇。背格好も着物も全く同じでした。青緑色の小紋、黒の羽織(裏は赤)。聞いてみると、この絵を見るために着物を仕立てて上京されたそうです。お洒落も極まったという感じでした。

 

 浄瑠璃寺浄土訪ぬる冬日和

 哀歓を隠して小紋小六月

          

 天泣や立原道造詩集読む

 

 雪売が冬の信濃路とぼとぼと

 決勝戦ノーサイドの声小春空

 落ち葉散る思ひ出ひとつまた一つ

 

 むなしさや独飲嘆息しぐれけり

 ハモニカの音澄みて冬独飲す

 父逝きて日月過ぎぬ散り紅葉

 

 灯(ひ)の紅き木屋町歩めば冬至梅

 鰤大根おでんきんぴら十四代

 唇に紅刷くおみな息白し

 

 

 

 

コメント (7)
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