草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/新蕎麦(龍峰)

2013-10-27 | Weblog

秋に入って、兼ねて行きたいと念じていた中山道沿いの宿場町を歩くことができた。馬篭、妻籠、木曽福島そして奈良井宿。中でも奈良井宿では終日とぐろを巻いた。古いかっての街道筋の家々、外から眺め、中に入って天井を見て感激した。ところどころではスケッチをし、そして昔の味を楽しんだ。昼はその昔、庄屋であった建物の、今は蕎麦屋として繁盛している店で名物の新蕎麦をゆっくり味わった。(写真は奈良井宿スケッチ)

 走り蕎麦かつての庄屋暖簾掛け

 走り蕎麦老ゆるとも手打の幟立て

 走り蕎麦向かいの山に通り雨

 通り雨やり過ごす間の走り蕎麦

 渓谷の瀬音間近に走り蕎麦

 木曽駒の高原覆ふ芒かな

 けむり立つ浅間の原の芒かな

 駒跳ねる開田の牧の芒かな

 小諸なる虚子庵の庭花すすき

 穂芒の浅間の茜雲に映え

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今日の俳句  花茗荷/ 九分九厘

2013-10-22 | Weblog

  花茗荷地湧菩薩の生れしごと 

  花茗荷誰の指図か一斉に咲く

  生れ継ぐる日蔭の仙女花茗荷

 

  憂さあれど喉元過ぐる走り蕎麦

  新蕎麦や信濃の景の晴れしこと

 

  絵そらごと我恥じ入るや初紅葉

  初紅葉豪雨に祟る日本列島

 

我が家の庭の一隅に茗荷が植えてある。一夜明けてみると一斉に花が咲く。白い透き通った愛らしい花弁である。日蔭で何も手入れもしない所で、かくも可憐な花を咲かせるのは神のなせる業か? 

 
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今日の俳句/小梨(ゆらぎ)

2013-10-12 | Weblog

しばらく会津に遊んできました。彼の地で人の心の暖かさにふれ、気持ちのいい旅でした。


 また来むと五色の湖(うみ)の碧きこと

 実ざくろの弾ける如しわが想ひ

 銀木犀香り流れて詩(うた)生まる

 身に沁むや心の中の樂の音に

 晩秋の安達太良山は指呼の間

 風つどふ小梨の紅き実熟るる時

 深秋の会津の人のあたたかさ

 諳んずる歌に流るる木犀の香

 夕暮れの散歩楽しき秋の音

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今日の俳句 / 秋の山 (四捨五入)

2013-10-05 | Weblog

転害門秋の山並みふところに

ぽつこりと二つ並びて秋の山

身に入むや暁の星褪せゆけり

身に入むや水害石碑の水位線

新米と朱書のはり紙弁当屋

炊き立ての新米の味目に鼻に

新米や席をゆずれと櫃の中

境内の人出に上気初紅葉

鵙一声身震ひせしは池の鯉

ある句会での5つの兼題に対する出句です。したがって統一したテーマは「秋」以外にありません。メンバーからの評価は低く、2点句が1つ、1点句が3つでした。着眼点の平凡さ、詩情の不足、意味の明解さの不足等々に改善が必要と考えています。いずれも容易ではありませんが。

 

 

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