草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/鬼の子 ( さゆり )

2009-11-30 | Weblog
前に龍峰様がお書きくださっているように、お天気に恵まれ、素晴らしい紅葉を見ての吟行の会でした。
即吟の苦手なさゆりにとっては、四苦八苦した一日でした。拙い句ですがお目通し頂ければ嬉しいです。


芒の会投句 兼題、柊の花、大根

 鬼の子や宙の広さを覗き見る
 香を残しほろと零るる花柊

 千丈の杉の間透かし紅葉見る

 ことことと煮て大根の飴色に
 菊の鉢赤子抱くごと運びだす


信貴山吟行句

 山寺へ続く石段落葉積む
 般若経声高々や紅葉散る
 信貴山を一望にして冬に入る

 参拝の銅鑼の音響く紅葉谷
 冬霞かかりて淡き畝傍山
 燈道の銀杏黄葉の散り初めし

 信貴山の紅葉の錦ちりじりに
 袈裟着けし高僧きりりと白き足袋
 木漏れ日のきらめく参道冬日和

 仏手柑ほとけの御手の招きけり

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今日の俳句(大根)/龍峰

2009-11-25 | Weblog
今月の句会は「大根」と「柊の花」が兼題であった。大根は色々句が出たが柊は意外と難しかった。句会の前日京都の嵯峨野を散策。落柿舎を訪れたところ、前の田んぼに立派な大根が作られており、最後の一句を作ることが出来た。写真は落柿舎とその前の田んぼの大根。

  落柿舎の前に大根育ちをり
  軒深し鍋の大根狐いろ
  日の暮れて大根の香の家に満ち

  娘(こ)の炊きし大根味の深まり来
  柊の花こぼれをり小さき罪

翌々日俳句の皆さんと信貴山へ吟行。天候と仲間に恵まれ、和やかな内にちょっぴり緊張感もある(10句投句)充実した1日であった。境内には古刹の他に樹齢1500年の榧の木や珍種の公孫樹があり、句材は豊富であった。

  本堂へ献灯並ぶ冬の坂
  大寅の大口やさし小春空
  冬の日や古木のにほい寅の絵馬

  山上の冷気圧する経の声
  榧の木の無言の光陰冬うらら

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今日の俳句 / 小春日 (九分九厘)

2009-11-22 | Weblog

紅葉散る行者の声に驚きて
底冷えの池に鯉見ゆ信貴の山
信貴山の寅ひげ白し冬の朝

信貴の山賑ふ寅の小春かな
小春日やはるかに見ゆる畝傍山

納経に綴じこむ紅葉信貴の山
毘沙門天の胎内めぐりて冬を知る
山茶花の白の饗応玉蔵院

昨土曜日、信貴山縁起絵巻で有名な「信貴山朝護孫子寺」に俳句仲間八人で吟行に出かけた。幸い天気にも恵まれ素晴らしい紅葉のもとで、楽しい句会を持つことが出来た。聖徳太子が物部氏討伐祈願をした時に毘沙門天が現われ、必勝の秘法を受けたことを祈念して造られた寺院である。毘沙門天が現われてのが寅年・寅の日・寅の刻といわれ、寺内のあちらこちらに虎が沢山見られる。阪神ファンにとっては有難いお寺である。

11月例句会の句(兼題:柊の花、大根)

寄り添ふに際ありて柊の花
ことさらの小言云はずや大根煮る
七十路の大根おろすにゆるりゆるり

茫洋の海に音なし石蕗の花

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今日の俳句/ ( 黄菊 ) さゆり

2009-11-18 | Weblog
 黄菊咲き狭庭にわかに華やぎぬ
 蓑虫の日当たりながら枝の先

 新米の一粒ずつの日の匂い
 球根を土に託して秋惜しむ

 友と行く椎茸狩りや山日和
 山からの風受け揺れる柿すだれ

 星月夜淡路は深くねむりをり
 鳥渡る海の子午線かすめけり

 晴れわたり風穏やかや今朝の冬
 立冬の蝶さまよえり池の傍

すっかり寒くなり冬らしくなって参りました。
「立冬」までに作った拙い句を出しました。季節遅れの感じのものですが、お目を通して頂ければ嬉しく思います。
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今日の俳句/磯釣り

2009-11-14 | Weblog
磯釣りや四温日和にチヌ狙う
黒鯛が遍羅や寒鯛時に蛸
虎河豚や餌取り名人針も取る
外道でも喰ってみろよとフグがクエッ
水澄みて海草揺らぐ冬浅し
沖の磯乾く間もなし冬鴎

 故郷の友人にかねがね誘われていた磯釣りに先週の好天の日にでかけた。 
高浜のボート繋留筏からほんの数分の近場の岩礁に乗りつけ黒鯛を狙うのである。
「こんなエエー日は冬の日まずないよ!」と友人も驚く温暖快晴、無風、よく澄んだ鏡のような海面に糸を垂れた。 途中立ち寄った餌屋のおっちゃんの「天気が良すぎてチヌはおらんかも?」の予測が的中した。
 結局本命の黒鯛にはお目にかかれなかったが、随分良型美味のベラや寒鯛、おまけに蛸まで釣れて大いに満足の一日、結構な快気祝いであった。 まだまだ豊かな若狭の海に感謝である。 
良型チヌは何とか年内にリベンジを果たしたいと思っているが天気と潮次第である。
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今日の俳句(つわの花)/龍峰

2009-11-11 | Weblog
 旅終へてをり立つ庭やつわの花
 横時雨神田の古書肆覗きけり

 おでん喰ふいつもの結論寮仲間
 少年の坂走り過ぐ落葉かな

 古語辞書を幾たび引くや夜の咳
 臥せしこと無き妻臥せり神の留守

いつの間にか11月に入って10日も過ぎ、時雨の度に冷たさを感じます。
旅から戻ると、庭の片隅のつわの花がけなげにも咲いていました。

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今日の俳句/秋の錦帯橋と厳島神社 ( さゆり )

2009-11-07 | Weblog
岩国の錦帯橋にて

 秋深き五つのアーチ錦帯橋
 桜紅葉見ながら渡る錦帯橋

 せせらぎの秋を流るる錦川
 荒れはてし武家屋敷あと柿熟るる
 
 落鮎の見ゆる高さや錦帯橋
 岩国の槍倒し松色変へず

「槍倒し松」とは、昔、参勤交代の時、石高の高い大名が、低い小国を通る時槍を倒さなかったので、岩国(小国)では、槍を倒して通るように松を道に被さるように植えたのが、槍倒しの松と言われるようになったそうです。今も青々として残っている。

宮島の厳島神社にて

 ま青なる秋空に立つ大鳥居
 朱の色の長き回廊秋の風

 海を背に蘭陵王てふ神楽舞ふ

 干潮の砂に寝そべる牡鹿かな
 夕食は宮島産の牡蠣尽くし

木枯らしの吹く前の良き天気に恵まれた旅でした。錦帯橋も、厳島神社も、原爆ドームも私は初めてでした。広島の街は、世界中の人が訪れるのか、大変綺麗な都市だと思いました。
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今日の俳句 / 紅葉 (九分九厘)

2009-11-04 | Weblog

錦帯橋降り見る水の澄みにけり
もみじ見つ昇りつ降りつ錦帯橋

紅葉を映して流る錦川
半月の月見ゆ五橋錦川

引き潮にもみじの浮きて厳島
厳島神社朱の回廊の秋深し

江田島の静かなる桜紅葉かな
江田島の手旗信号秋の色

先週、広島在住の旧友との再会を期して、ついでのことながら岩国の錦帯橋、宮島の厳島神社に遊び、帰路江田島の旧海軍兵学校に行き構内を見学。二泊三日の快晴の旅を楽しんだ。江田島の14万坪の広大な敷地にある明治以来の立派な建物に圧倒された。写真は百年に近い旧海兵学校の建物。使われている赤煉瓦は英国からの輸入品で、一つずつ油紙に包まれて輸送され、現在の価格にすると、煉瓦一つで2万円に相当するとの事。高温で焼かれたもので磁器に近く、建物は建築以来一度も外壁を洗っていないという。年末放映のNHK大河ドラマ「坂の上の雲」でこの建物が出てくる。
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