草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/秋空(龍峰)

2010-09-29 | Weblog
先日平城遷都1300年祭で賑わう奈良を訪ねた。まだ暑さは残るものの、秋空の下平城京跡に再建された大極殿や朱雀門の姿をまじかに味わった。更に薬師寺に足をのばし、間もなく大改修に入る東塔の内部を見学した。奈良は何時訪ねても、広やかな、周囲の鄙びた光景に心が休まる。写真は大極殿。

 秋空や大極殿の金のしび
 秋天や耀うばかり朱雀門
 法話聞く若者の目や奈良の秋

 薬師寺の如来のほほや萩こぼる
 東塔の心柱太し秋燕
 東塔の相輪に舞う秋の風

9月の句会の投句は以下の通り。
 
 邯鄲や平家の里のわらべ唄
 書を伏せてグラス手に取る良夜かな
 歌麿の遊女のきせる良夜かな

 魂の宙へ抜け行く花野かな
 束の間の礼文の丘の花野かな
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今日の俳句 ( 秋の風 ) さゆり

2010-09-23 | Weblog

8月24日、25日、26日と長野にある白樺湖に行った。学生時代の友人13人と先生二人(先生は、若く音大卒の現役バリバリの方たち)の小さな合唱団で15人で一杯と云う小さなペンションを貸り切って二泊三日の歌の合宿をした。関西の猛暑から逃げ出したかった。さすが、朝夕は涼しかった。練習の合間に近くを散歩し俳句のネタ探し等をやりながら歩いた。白樺湖は人工湖だそうだ。ひと月、時を後戻りさせて読んでいただきたくお願いします。


 白樺の林やすでに秋の風

 湖にまで響く歌声秋の宿
 
 白樺湖秋のカヌーのすべり行く

 高原の風さわやかに透きとほる

 歩を止めて松虫草に屈み込む

 霧走る湖はさざ波返へしつつ


九月芒の会の五句

 遠周りして帰りたき良夜かな
 黄色白紫のある花野かな
 邯鄲の夢の響きや深き闇
 野に佇ちて風に花野の色を見る
 霧走る湖はさざ波かへしつつ
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今日の俳句 / 法師蝉 (九分九厘)

2010-09-18 | Weblog

友人の音楽リサイタルを聴くため、福井に行くついでに、曹洞宗大本山永平寺に立ち寄った。開祖道元禅師が生まれたのは西暦1200年丁度のことである。永平寺の承陽殿は道元の廟堂であるが、ここの仏壇の傍に小さな立札があって、御歳810歳と書かれてあった。彼の肉体は滅したが、心は死んでいないということだ。座禅を学ぶことは申し込めば誰にでも可能だそうだが、朝3時半の起床から始まって三日間の務めになる由。年齢制限はないようだが今更ながら一寸躊躇せざるを得ない。全山法師蝉の鳴き声でな夏の終わりを告げていた。

法師蝉偈頌をとなへし永平寺
汗ばみる頂上法堂永平寺
法堂の縁に端坐し秋の風
蕎麦食べて土産も蕎麦か永平寺

9月句会の句は次の通りです。

人ありて花野の花名言問はむ
すれ違ふ人のやさしき花野かな
湿原の雲の果てまで大花野
信濃路の別るる森の良夜かな
草木の修業成仏良夜なる
                             以上
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今日の俳句 ( 烏瓜 ) さゆり

2010-09-08 | Weblog
この前に「烏瓜の花」を詠みましたが、花の傍で烏瓜の実を見つけたので写真を撮っておきました。本などには、ラグビーのボールの小さくしたような形ですが、、この実はまんまるで、ミニ西瓜のようです。葉は烏瓜の葉に違いありません。でも、もうこ実は誰かに持ち去られて、今はありません。

実のなっているのを見た時の句
  
  連らなりて熟るるを待つや烏瓜


  掌に翡翠(ひすい)をおもふマスカット
  どの粒も日を閉ぢ込めて黒葡萄

  枝揺らす風仲秋の響きあり
  仲秋や信濃の空は青く澄み


  ひと山を被う勢ひ葛の花
  葛原の風に花穂の見え隠れ
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