草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句  曼珠沙華 / 九分九厘

2021-09-30 | Weblog
             


 狭庭に一株の白い彼岸花が咲いた。二日ほどで、蕾を頭にして50センチ位の茎があれよあれよと伸びてきた。その速さに驚き、自然の不思議に新鮮さを感じた。そのあとは毎日観測を続けて、彼岸花の俳句を詠むことにした。
 三日経つと最初の花が咲き、全部の花が満開になるのに次の三日が経過した。全部の花が満開で咲き誇っていた期間は四日間であった。約二週間の楽しみであったが、不思議なことに彼岸の中日を過ぎた途端に、花は萎れ始めてきた。花の命はまことに短いものである。
 

    あれあれよ蕾すくすく曼珠沙華

    お先にと一輪ひらく彼岸花
  
    魍魎と思うに明かし曼珠沙華

    曼珠沙華うつつは四日の浄土かな

    曼珠沙華あの世のよすが赤と白
 

  
 ー四半世紀付き合ってきた絵画の師匠を追悼するー
  
  
    曼珠沙華破顔のままに師は逝きて  

    伊太利の海に散華や彼岸花

    人逝きて往く雲白し彼岸花


 彼岸花の球根は、3年前に知人から譲り受けたもの。翌年は花を咲かせたがその次の年は姿を現さなかった。日経新聞夕刊の随筆欄に中井貴恵さんが寄稿しているが、彼岸花を毎年元気に咲かせるコツを紹介していた。花が終わった後、周りの雑草を取り除いて土の表面に肥料をまいておくと、翌年には立派な花を咲かせるという。
                                        以上

       
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今日の俳句:猫じゃらし:葉有露

2021-09-25 | Weblog
お早うございます。
昨日,彼岸の墓参り後バス停で待っていると、ふと秋風を
感じました。
 9月より「藍俳句会」に入会しました。家近くの公民館
で開催されていて、8月の下見で会の雰囲気が良かったのと、
第二金曜日開催で都合よくて決めました。
 決めた後で,この会を調べましたら、日野草城氏・伊丹三樹彦氏の
弟子であった花谷和子氏が創設され、現在は子息の花谷清氏が
主宰されているとのことでした。草若葉の諸兄は既にご存じの
内容と思います。花谷清氏は、かって京大エネルギー理工学研究所
助教授であったとの事です。9月の句会に来られお会いすることが
できました。

今回より、教室を分けずに投句致します。
 ・猫じゃらし道の果てには幼き日
 ・道草は疎開先での猫じゃらし
 ・台風来権太坊主も神妙に
 ・台風一過川床一掃新たなり
 ・台風の後の多忙ぞ今無想
 ・梨かぶる涼しさ一杯呉れたるや
 ・梨一口野の匂いをも合わせ入れ

              葉有露拝
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今日の俳句 秋/龍峰

2021-09-16 | Weblog

   鞆の浦 弁天島望む 「墨絵のごと」

先日鞆の浦へ吟行を決行した。
コロナ感染も下降気味であり、平日の日中を選んで出かけた。道中も混まず、目的地も空いていた。

ご存知のように、鞆の浦は、古来瀬戸内の中央部に位置し、交通、軍事上の要衝とされてきた。歴史的にも南北朝時代の争い、
信長と対立した最後の将軍足利義昭がこの地で終焉を迎えた。去年の大河ドラマでも描かれていた。
戦略的に要衝であると同時に風光明媚な地として知られ、又沖合は瀬戸内海の東西の潮流の分岐点、故に、これまた「潮待ちの湊」として古来より栄えていた。来日した朝鮮通信使が、古くは太宰府から都に帰る大伴旅人らが帰港し、絶景を前に旅の疲れを癒した。かって栄えた港町は現在までそのまま残り、江戸時代の古地図と現在の地図があまり変わらないと言われる。

        感佩(かんばい)の万葉人や鞆の秋
        墨絵のごと瀬戸の島々すだれ越し
        鞆の津の北前船の影や秋
        通信使の憩いし古刹秋の風

        鯛刺しの鞆の味満つ秋渇き
        鯛めしのこれぞ鞆なり天高し
        舟板を腰板とせり萩の花
        船具屋の看板錆ぶや秋の蝶


「舟溜まり」

    「商家の路地」

    江戸時代に建てられた「常夜灯」

        朝漁終へし舟溜まり秋の昼
        江戸地図をたどる舟宿昼の虫
        鈴虫や商家の路地の江戸風情
        常夜灯湊の栄枯見つや秋   

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今日の俳句 秋なす(ゆらぎ)

2021-09-09 | Weblog
 すでに初秋を過ぎていますが、まだまだ猛暑の日もあります。そこで歳時記の晩夏の候から「日盛り」などの句を数句詠みました。その後、初秋の句を詠みました。
                                                      (写真の花はアマリリスです)


 日の盛パンデミックの予感あり
  第五波さらにミュー株など第六波がくるかも知れません。

 通信簿隠して帰る日の盛
 
 片陰を歩む薬師寺までの道


 喜雨注ぐ酒肴ととのへ友を待つ

 何もかも忘れ果てたるダリアかな→修正いたします。  ”何もかも忘れ果てたる葉鶏頭” 
  ~写真の花が今咲いているのですが、本当に皇帝ダリアなのでしょうか? どなたかご存知の方は、お教えください。  →たろうさんのご指摘により、葉鶏頭であることがわかりました。
          

 秋渇落ち着くところは麻婆茄子
   ~今頃の茄子は、ことのほかうまい。

 残る蝉やがて夕日の縄のれん

 三日ほど独りにされし秋なすび


 短編を好む齢(よわい)や長き夜

 泳ぎては岩場に戻り愛し合ふ
  ~『燃える男』のクリーシーーとナディアのシーンを思い出して。

 月明の朋友(とも)に閑談とめどなし 



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