草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 月/龍峰

2022-09-28 | Weblog

          月の出

          満月

今年の中秋の名月は、月が出ても雲の中、やきもきしたが、のぼるに従い満月となった。写真は大阪湾の月、手前は神戸、向こう岸は生駒、泉洲方面。

中秋の前後の月を詠み、かつての句帳も広げて句を探した。

 

       むら雲におだやかならず小望月

       幾たびか外に出にけり望の月

       月白や六甲の山黒々と

       月出て雲の波間をわたり行く

 

       やうやうに綾雲抜けて月今宵

       月天心地(つち)に明りと茅渟の海

       村雨の上がりて庭の良夜かな

       十六夜や生駒あたりのほの明かし

 

       宵闇や泉州の灯の消えんとす

       瀬音聞く奈良井の宿の月明り

       旧道をそれて信濃の月の膳

       六甲の山一灯消ゆや寝待月

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6 コメント

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好きな句 (葉有露)
2022-09-30 09:41:53
龍峰様

 中秋の名月を再現していただき有難うございます。
満月の写真も風情があり、貴句を一層盛り上げています。
 9月10日を思い出しながら、次の四句を頂きます。
  ・むら雲におだやかならず小望月
  ・幾たびか外に出にけり望の月
  ・月出で雲の波間をわたり行く
  ・やうやうに綾雲抜けて月今宵
 特に第三句の「雲の波間」の表現が気に入って
 います。

                葉有露拝
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好きな句 (九分九厘)
2022-09-30 14:08:29
龍峰さま
 二枚の写真が中秋の名月の様子を知らせてくれます。俳句も臨場感溢れていて、数時間にわたり作者が句作りに専念された雰囲気がよく分かります。写真は龍峰さんの家からか、或いは近所の絶好のスポットだろうと想像しています。厳選の上下記四句を頂きます。

   月白や六甲の山黒々と
   やうやうに綾雲抜けて月今宵
   村雨の上がりて庭の良夜かな
   六甲の山一灯消ゆや寝待月

 一句目は六甲山の中腹に住んでおられる作者の実感なのでしょう。白黒のモノトーンの俳句ですね。
 二句目・三句目の句は、時間経過をうまく処理され、美しい月夜を表現されています。そして、使われている日本語が、いずれの句においても美しくて好きな句です。
 四句目は下五がとても効果的でいいですね!
               以上
 
返信する
お礼 (龍峰)
2022-09-30 23:02:34
葉有露 様

早々に4句も取り上げて頂き、ご感想有難うございます。
今年の中秋の名月は、最初は雲の中にあり、満月を見るのは難しいかと思いましたが、やがて雲が晴れ、煌々と照り輝く満月を愛でることができました。

むら雲の句、中秋の前日の14日は曇り勝ちで、明日の満月はどうなるかと思い、詠みました。

月出でての句、「雲の波間」を気に入って頂き、有難うございます。綾雲に見え隠れする月は波間にを縫うようでした。
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お礼 (龍峰)
2022-09-30 23:23:23
九分九厘 様

早々に4句も選句いただき、各句にコメントを有難うございます。
今年の名月は最初は雲の中でやきもきしましたが、中天に差し掛かるころには晴れて満月を愛でることができました。意外と名月は曇りだったり、雨月になることが多いように感じます。
写真は拙宅の屋上から大阪湾を臨み、左側の黒い山影は六甲山です。

月白の句、ご指摘の通りです。

やうやうにのく、村雨の句、過分なるお褒めにあずかり面はゆい限りです。

六甲の山の句、少し誇張気味に詠みました。

古今東西月の句は一番多く詠まれている句の一つと思いますが、久々に詠んで、手あかのついた文言に流れやすい自分に、ハットして吟味しました。それでも誘惑に負けてしまった句があります。
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好きな句鑑賞、他 (かつらたろう(桑本栄太郎))
2022-10-01 15:37:16
龍峰様

今年の名月は十五夜の前日「待宵・小望月」、十五夜の「名月・満月」、十六夜の「十六夜・いざよひの月」とも素晴らしい観月が出来ましたね?概して小生は春の「桜、花」や秋の「月」などのあまりにも美しいものは言葉は不要と思い、どちらかと云えば苦手です。
嘗て、芒の会の皆様と京都御所に於いて「後の月、観月句会」を開いた事が懐かしく想われますね!!。
貴兄の御句はどの句も良く観察されたうえでの、詩情あふれる秀吟ばかりで驚いて居ります。その中でも特に良いと想われる句を厳選の上鑑賞させて頂きます。

       ☆むら雲におだやかならず小望月
十五夜の前日十四夜月は「待宵」とも「小望月」とも云うようですが、この日の宵口の頃より空には雲があって、やきもきされたようですね?「おだやかならず」との措辞に、その心情がとても良く汲み取れます。しかし、全く雲もなくただ明るいお月さまより、雲間に入ったり出たりの方が風情があるようにも想います。
       
       ☆幾たびか外に出にけり望の月
お月様を愛でる俳句作りの時は、何度も戸外に出てお月さまの状態を眺めますね?その時の落ち着かない慌ただしい様子が垣間見えるようです。
       
       ☆月出て雲の波間をわたり行く
上のお写真のように、雲に遮られるお月様は雲の波間をわたりゆくようですね?出たり入ったり、雲が明るくなったりと変幻自在のお月様ですね!!。

       ☆やうやうに綾雲抜けて月今宵
漸く雲間を抜けて満月の状態があらわになりました。雲がお月様に照らされ、暗くなったり明るくなったりして丸いお姿が見えれば、まさに「月今宵」です。
       
       ☆月天心地(つち)に明りと茅渟の海
十五夜の満月も夜更けともなれば、真上にあり(月天心)、地上を明るく照らし、大阪湾の夜景が一層美しく映えますね?「茅渟の海」との措辞が抜群に効いた秀吟ですね!!。
      
       ☆十六夜や生駒あたりのほの明かし
お住いが少し山の手にあると云う、観月のロケーションが良いようですね?十六夜月の光景は手前街並の神戸の夜景、そして海を隔てた対岸の大阪の夜景、そしてその明りによって生駒方面がほのかに明るく眺められます。このような夜景はいつまでも眺めて居たいものです。
 
       ☆旧道をそれて信濃の月の膳
嘗ての信濃路の旅の時の、想い出のお月様による御句でしょうか?旧道を逸れて鄙びた宿の名月の時の御膳が忘れられないとの一句ですね!!。「月の膳」との措辞が、旅先での観月の祝を現して居り、好い風情です。

さて、その当時の小生の拙句を!!。
       ☆待宵の月のぼりゆく峰の奥/栄太郎
       ☆朝よりの曇りを愁ふ月今宵/栄太郎
       ☆名月や月下美人の咲くかまへ/栄太郎

次に昨日久しぶりに歌を詠んでみました。

「同郷の 妻にしあれば ふるさとの
          最後の梨を 半分こづつ」

「学も無く 肩書もなき 吾が半生
          総理なれずも つつましくあり」

「何もかも 値あげとならむ 十月の
          ストも起こせず 年金者らは」
お粗末様でした!!。
       
返信する
お礼 (龍峰)
2022-10-02 15:52:40
たらう 様

拙句を7句の多くも取り上げて頂き、その上懇切丁寧なコメントを頂き有難うございます。
貴兄と同じく月を真正面から詠むのは苦手です。いかなる言葉も感情も、名月にははるかに及ばないですから。
皆さんとご一緒した京都御所での寒月会が懐かしく思い出されます。

  むら雲にの句、この句をよく鑑賞いただき有難うございます。月に適度な雲は確かに風情がありますね。

  幾たびかの句、今年の月は最初は雲の中に出てどうなることかと、これまた気をもみました。そこで何回か外に出て、月を眺め、写真なんぞを取った次第です。

  やうやうにの句、ようやく雲を抜けて月が現れた次第。彩に染められた雲もまた趣がありますね。

  月天心の句、煌々と照る月を大きくとらえようとすると少し気取った言葉を使ってしまいました。

  十六夜の句、いつでも大阪湾は明るいですが、十六夜の月に照らされた大阪湾、取り巻く生駒や信貴山、泉州の辺りは一段とほの明るい感じがしました。

  旧道をの句、以前長野へ、この頃に行った時の月夜を思い出し、詠みました。少し手あかのついた言葉で気恥しい感じがします。

貴兄の御句

  ☆待宵の月のぼりゆく峰の奥/栄太郎
「峰の奥」がぐっと句を引き立て、イメージがクリアに湧いてきます。いいですね。

  ☆朝よりの曇りを愁ふ月今宵/栄太郎
俳人は皆、この夜に気をもむわけですね。「愁う」がいいですね。

  ☆名月や月下美人の咲くかまへ/栄太郎
名月を月下美人の咲く様に例えたわけですね。あでやかで妖艶です。せいぜい2,3日しか花は持たないのも、月に似ています。

「同郷の 妻にしあれば ふるさとの
          最後の梨を 半分こづつ」
何と微笑ましい光景でしょう。古里の梨は格別でしょう。二人の会話は尽きないことでしょう。

「学も無く 肩書もなき 吾が半生
          総理なれずも つつましくあり」
貴兄はそんなことはありません。総理にはなれなかったかもしれないが、立派な現役の俳人です。
毎日の吟行俳句作りにただただ頭が下がる思いです。  
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