今日の俳句 （ 風蘭 ） さゆり

毎日厳しい暑さが続いておりますが、皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。我が家も扇風機とクーラーがフル回転しております。

　　地面より沸き上がりくる暑さかな

　　グランドの早朝練習蝉しぐれ
　　庭夕べ背にこぼれくる蝉しぐれ

　　巨漢なる先生の持つミニ団扇

　　太陽のひかり燦々トマトもぐ
　　もぎたてのトマトに朝の匂ひあり

　　このハンカチ悲喜こもごもを知り尽くし
　　無事願ふ夫のハンカチ旅鞄

　　風蘭の風に生まれて風に咲く
　　山梔子の白きが浮かぶ雨の中　

　写真は、庭に咲く風欄　

今日の俳句 / 扇 （九分九厘）

写真は米永邦雄名人直筆の扇である。例会の兼題の一つが「扇、団扇」であったので、久し振りにこの扇子を出してきて、扇ぎながらの作句に取り組んだ。名人の名句が出るはずが、果てしなき迷句のつながりに疲労困憊。蒸し暑いことがその原因ではないことはよく分かっている。他の兼題は「虹」「浮いてこい」である。

扇子云ふ「富貴在天」勝負なし
扇子閉じ肩を叩くは将棋指し
拍子八分の六為す扇子かな
黒墨の納経ゆらぐ扇子かな

虹の上渡るを語る夢まこと
虹の下千尋にあまる天地かな
虹立つを逆さにみむと天の橋立

浮いてこいギネスの記録破れたり

今日の俳句/睡蓮（龍峰）

　睡蓮の変わらぬ白やモネの庭
　新緑や木陰のベンチ風遊ぶ
　庭茂る鳥とアパートパリの空
　夏の日や塔のゆれるちぎれ雲

　若葉雨モンパルナスのカフェーの灯
　ブルー映ゆるステンドグラス夏日差
　万緑の池に浮かびし古城かな
　青葉風セーヌに映ゆる美の館

先日パリ及び周辺の街を訪ねて帰ってきた。パリは初夏から真夏になるところで、気温は１２～３５℃まで変化したが、湿度は低く快適。ちょうどマロニエの新緑がそろい、街中はどこも鮮やかであった。今回はパリ郊外のジヴェルニーにあるモネの例の睡蓮のアトリエも訪ねることができ、収穫は大であった。写真はモネの庭。