草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

中国旅吟(1)/(龍峰)

2008-05-31 | Weblog
川沿いに蘇州の館古茶の味
夏の陽や呉越交えし石の門
船に揺れ蘇州夜曲や夏の夜

柿若葉水面に壁の映りけり
夏の夕烏遠くに寒山寺
新緑や弘法おはす寒山寺

先日蘇州、上海を駆け足で回ってきた。四川省の大地震の影響をちょっと心配して出掛けたが、外見はほとんど影響は感じられなかった。現地とは1600km以上離れているとのこと。
蘇州も初夏。日本人にも昔から知られた運河と古い町並み、新緑が易しい風光明媚な街である。戦国の呉越の争い、張継の「楓橋夜泊」の詩で余りにも有名な寒山寺、今回初めて知ったが、ここに若き空海も立ち寄った由。境内には立派な青年僧を祀った太子堂があった。
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今日の俳句/祭(四捨五入)

2008-05-28 | Weblog
夏祭ビルの谷間に谺あり
地車の坂にかかりて児等ばてる
地車の若衆見上ぐる嫗達

夏つばめ自由自在の三次元
遠来の客を労ふ新樹かな

句会の兼題に「祭」が出されていた。たまたま東灘を通りかかったとき幸運にも住吉神社の夏祭に遭遇した。だんじりの屋根で幣を振り回す若者を見ているとこちらも元気になったような気がした。
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今日の俳句 / 菖蒲 (九分九厘)

2008-05-25 | Weblog

牛蛙ぶわーっと鳴いて雨を呼ぶ
日に返す真昼の讃辞花菖蒲
鮒釣りの浮子も動かぬ菖蒲池
亀のゐる菖蒲の池や水重し


奥須磨公園のことである。腹の底に響く河馬みたいな鳴き声がするので、聞いてみると牛蛙という大きな食用蛙の声だそうだ。蛙は春の季語のようであるが、都合がよいことに、牛蛙については夏の季語になっている。亀もいた。
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今日の俳句 / 新茶 (九分九厘)

2008-05-22 | Weblog

吹く風に青を濃くする新樹かな
口笛の軽き音色や若葉風
今年又よろこび仰ぐ新樹かな

晴天の山門くぐる一番茶
徒然の一日を終へし新茶かな

新樹陰子豚が売りのカフェテラス

先週のことになるが、毎月の句会のあと、皆と連れだって神戸元町大丸にあるカフェテリアに行った。新緑の大きな欅の木の下で、この店の名物の、クリームに図柄を付けたカプチーノを楽しんだ。
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今日の俳句/新樹(龍峰)

2008-05-18 | Weblog
一坪の庭なる世界この新樹
裏山に塔一つある新樹かな
中辺路の霏霏と雨降る新樹かな

夕闇に祭ばやしや今日の酒
村まつり今も心に響きをり

五月は恐らく一年で一番気候のよい月ではないだろうか。湿度は低く、気温は寒からず、暑くなく、森羅万象活発に息づき、新しい生命を誕生させる。柔らかい黄緑色の新樹を見ているとつくづく生きていることの喜びを感ずるのである。
そして、この時期あちこちから日本人がご先祖様から長く引き継いできた祭り囃子が聞こえてくる。
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今日の俳句/新茶(ゆらぎ)

2008-05-16 | Weblog
 端座して八一読む間の新茶かな
 新茶淹る人生はまだ午後三時
 玉蘭と大雅となりたや新茶淹る

 奔放に生きて行く身や風青し
 短夜やバケットリスト改むる

 新樹光ブルーヘイズの山連れて
 新樹ゆれ阿弥陀の光さながらに

一年中で最も好きな季節がやってきました。野山を歩き回りたいですね。
写真は、”なんじゃもんじゃ”の花。すぐ散ってしまうので、うっかりすると見過ごします。



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今日の俳句 / 牡丹 (九分九厘)

2008-05-10 | Weblog

絢爛に豪華を載せて牡丹花
ぼうたんの匂ひもありて躙り口
乱れざる心を措きし牡丹かな
半世紀倦かず伴する紅牡丹

今日は朝から雨で気温も低い。庭の牡丹も終わりであるが、芍薬が同じ根から花を咲かせている。
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今日の俳句/アカシアの花(ゆらぎ)

2008-05-08 | Weblog
 うごかざる幟見つめる幼き児
 鯉のぼりねだる幼子夢の中

 二人して異口同音に冷や麦と
 筍は刺身にすべし天の声
 
 (郡上八幡にて)
 筍をすこし刺身にみずの町(新)

 飛行船乗りてゆきたや昼寝覚
 人知れずアカシア花を降らしけり
 アカシアの花降りゆく日嫁ぎゆく
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今日の俳句/薫風(龍峰)

2008-05-05 | Weblog
薫風や北山杉の青ひかり
風薫るクラリネットやモツアルト
巣立ち後も冑飾りし妹が胸
花みずき静かに雨は降りにけり
妹と来て海老定食や鳥羽の夏

今年は五月になる前から30度を超えた。暑そうな夏の季節になった。
しかし、5月はやはりさわやか、風が薫るのを五感で味わいたい。
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今日の俳句 / 夏は来ぬ (九分九厘)

2008-05-03 | Weblog

大楠の若葉の陰の平和かな
木漏れ日の眼鏡の端に夏は来ぬ
緑陰のバニラの匂ひ食しける

七十路や藺草の長き粽解く

写真は須磨離宮公園の大楠の木である。日陰にいて夏が来たことを実感致しました。帰りに俳句を詠む題材として、家内が粽を買った。久しぶりの味であるが、なんと素朴な食べ物であることか!
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