初夏の旅時差を吹っ飛ばすトスカーナ
夏来るグルッパ芳し夕餉かな
赤薔薇の似合ふ城壁凝灰岩
アッシジの大教会の冷えた夏
涼風のテラスで食べるパスタかな
坂道を登りつめたる夏行脚
世の傚ひ疎かにせず更衣
少年期空腹我慢麦笛吹く
麦笛やからりと晴れる空を呼ぶ
うじゃうじゃと桶の穴子のカオスかな
有為なるか穴子捌かれ人の為
5月7日より12日間、イタリア・トスカーナの中世都市を巡りスケッチ旅行をしてきた。かなりの強行軍であったが、好きな絵を描く仲間の旅で楽しいものであった。写真はアッシジの全景である。事前にグーグルの検索でベストなスケッチポイントを検索できる時代になった。アッシジ全景を見るにはここが最高の所であるが、地元の車の運転手にこちらから場所を指示しなくてはならない。グルッパとは葡萄酒のとったあとの、絞り粕から蒸留した焼酎のことである。とても香りの良いウィスキーといえる。後半の句は最近の句会の投句のものである。
上の写真はアッシジのフランチェスコ教会の正面、及び正面から後方に長く伸びる僧院を横から撮したものである。山の斜面に見事に建設されている。ここもベストポイントである。15世紀ザビエル、ヴァリヤーノが来日してキリスト教を日本に伝えるが、彼らはローマのイエズス会の宣教師である。その後、遅れて急進派のフランチェスコ会派の宣教師が来日し布教に混乱をきたすことになる。いずれにせよ、結末は家康の追放令でキリシタンは世の表から消えることになる。以上