草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 夏来る / 九分九厘

2015-05-28 | Weblog

    初夏の旅時差を吹っ飛ばすトスカーナ
    夏来るグルッパ芳し夕餉かな
    赤薔薇の似合ふ城壁凝灰岩
    アッシジの大教会の冷えた夏
    涼風のテラスで食べるパスタかな
    坂道を登りつめたる夏行脚
  
    世の傚ひ疎かにせず更衣
    少年期空腹我慢麦笛吹く
    麦笛やからりと晴れる空を呼ぶ
    うじゃうじゃと桶の穴子のカオスかな 
    有為なるか穴子捌かれ人の為

 5月7日より12日間、イタリア・トスカーナの中世都市を巡りスケッチ旅行をしてきた。かなりの強行軍であったが、好きな絵を描く仲間の旅で楽しいものであった。写真はアッシジの全景である。事前にグーグルの検索でベストなスケッチポイントを検索できる時代になった。アッシジ全景を見るにはここが最高の所であるが、地元の車の運転手にこちらから場所を指示しなくてはならない。グルッパとは葡萄酒のとったあとの、絞り粕から蒸留した焼酎のことである。とても香りの良いウィスキーといえる。後半の句は最近の句会の投句のものである。
  
              

 上の写真はアッシジのフランチェスコ教会の正面、及び正面から後方に長く伸びる僧院を横から撮したものである。山の斜面に見事に建設されている。ここもベストポイントである。15世紀ザビエル、ヴァリヤーノが来日してキリスト教を日本に伝えるが、彼らはローマのイエズス会の宣教師である。その後、遅れて急進派のフランチェスコ会派の宣教師が来日し布教に混乱をきたすことになる。いずれにせよ、結末は家康の追放令でキリシタンは世の表から消えることになる。以上
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今日の俳句/辛夷(龍峰)

2015-05-02 | Weblog


五月に入って後4日で立夏。春は残り数日、辛うじて春の句を纏めて掲げたい。
今年は辛夷の花がよく目に付いた。ある句会の兼題であったことも事実。写真は辛夷の花。

 白山の一路を辿れば花辛夷
 岨道を行けば褒美の花辛夷
 城址の小雨をさそふ辛夷かな

 中世の街に春雨色を付け
 立ちつくす日和が丘や涅槃雪
 白梅や花緑青の天守閣

 灯台の岬まわれば蒲公英黄
 春眠の夜明けに目ざむ齢かな
 海底の宮にぞあらむ春眠す

 花びらの堰に集まり音に消ゆ
 み吉野のかりそめの宮花慕ふ
 み吉野の雨に花追ふ古男
 
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