草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 ミモザの花/ゆらぎ

2022-06-24 | Weblog

 今回は、季節の句に加え、今はなき吉岡幸雄さん(染織家)の『日本の色辞典』から、いくつか詠みました。また句友であった斉藤百鬼さんを偲んで
数句詠むことにしました。

(季節の句)
 かんぱちの握りはうまし夏惜しむ

 あやめ咲き鏡花の道は暮れなずむ

 ほほずき市百鬼夜行の下駄を履き
               
                  (浅草 辻屋本店製)
 夕凪や鳥の声聞きステテコで


(日本の色を題材に)

 美しき色を求めて雪の下

 朝ぼらけあまた輝く夏の色

 鎌倉朱縄文時代の色残す(あえて無季)
 
 五月雨るる女学生らは臙脂(えんじ)色

 助六や江戸紫は濃かりけり
  ~江戸紫は歌舞伎の助六が締めた鉢巻の色。
   ”紫と男は江戸に限るなり”という川柳がもてはやされた。

 口福やくちなしの花三杯酢

(今は亡き句友 斉藤百鬼さんを偲んで)7月10日は、彼の忌日である。


  思い出は暗号名と詠みし人
  ~2008年に、”女スパイ暗号名はミモザ咲く”、と詠んだ。こんな当    意即妙の歌人はいない。

 二合半(こなから)と言われてみると夏のよそ
  ~百鬼さんが、句会「れいの会」で、”李白一斗われは二合半寝待ち月”   と詠んで絶賛を博した。


 思い出は小春に似たる妻を持ち
  ~百鬼さんに、”小春日や小春に似たる妻を持ち”という愛情あふれる名   句がある。

 サスペンダぱちんと鳴らし虹二重



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今日の俳句 / 紫陽花  九分九厘

2022-06-16 | Weblog

        

 
 インプラントの手術は半年くらいかかるが、わざわざ信頼のおける夙川の歯医者に通っている。阪急苦楽園から河川敷緑地を通って、15分くらいかけて阪急夙川まで歩くときがある。春は勿論桜であるが、今は紫陽花の最盛期である。

       夙川の流れに添ひつ梅雨夕焼
       うすむらさきの想ひ出ばかりあぢさゆの花
       木漏れ日の薄もみ抱く紫陽花かな

       芍薬のいよよ白きや円い宙
       新樹晴ハッケヨイヨイ身も軽く


 ウクライナを憂いての二句です。

       人として人を愛してヒマワリの種
       ウクライナのことなど口に柏餅

 追記:下記の写真は、我が家の庭に咲く一重の白い芍薬です。「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」と唄われてきましたが、白い芍薬は清楚そのものです。実際に咲く時期は5月の中頃です。我が家の芍薬は、かつては牡丹の台木であって牡丹を咲かせていたもの、今では牡丹は咲かずに芍薬に変ってしまいました。

                          

                               以上
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今日の俳句:雨安居:葉有露

2022-06-08 | Weblog
 昨日一年半振りの光彩会展が、無事終了しました。
懐かしい仲間に会えたのが、作品鑑賞以上の収穫でした。
 やがて梅雨入りです。

 ・バンコクの熱き大地に雨安居
   梅雨近くなると、この地の雨期を思い出します。一日しとしと
  降るのではなく、毎日ほぼ同じ時間にどっかとシャワー状に降ります。
   この時期、僧侶は寺院に籠り修行三昧です。

 ・五月雨に古き手紙を開くのみ
 ・五月雨の止みし朝は径光り
 ・梔子は姿見せず香でかたり
 ・短夜の朝の冷気に我を知り


  
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