草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句あじさゐ/龍峰

2021-05-29 | Weblog


今年の梅雨入りは例年より20日以上も早く、コロナ禍に、更に何だか不穏なものが加わりそうな感じがする。
雨の中ようやく1回目のワクチンを接種した。2日たってもまだ腕が痛い。
俳句はいつもの如く乱詠。

   あじさゐや雨あがる苑寂び潜む
   鶯の老いて全き音足を止め
   夏うぐいす谷わたり聞く午後の珈琲
   こと多きこの春惜しむあまりあり

   明石の門島発つ船に卯浪立つ
   荒南風や大将然と淡路島
   鯖さばく妻の裏方板につき
   傷口のしびれかすかや梅雨寒し

   青嵐コロナ禍に立つ若き医師
   老鶯を背に公会堂ワクチンかな
   接種待つ窓に卯の花腐しかな
   ワクチンを打ちて小安堵夏の夕

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今日の俳句 白牡丹(ゆらぎ)

2021-05-18 | Weblog
 いつもの乱れ打に加え、敬愛する夏目漱石の句を題材に和歌の本歌取りのようなことをして遊んでみました。また乱れ打ちの句もできるだけ若々しい句を詠むようにしました。字余りにもこだわらず、下手な鉄砲を数だけは沢山撃ちました。ご笑覧ください。


 ハーレーの爆音響く雲の峰

 美しき五月となりぬ楽譜買ふ
  ~シューマンの「詩人の恋」にちなんで

 心太今日もけふとて「ドラゴン桜」
 ~ご存知「ドラゴン桜」。阿部寛主演の学園ドラマ。東大専科という名のスパルタ授業。面白くて痛快極まる。


 夜を深み二人して嗅ぐ若葉の匂い

 会はぬ人面影若し鴛涼し(おしすずし)

 紅花や二胡の音激しく響きたる


 灯の赤き先斗町へと宵涼し

 ぶり大根やっこきんぴら夏のよそ
  ~最近、茨城の美酒「雄町」と出会へり。さわやかで、口中ではじける。ワインのようで、食中酒として最高。

 衣更まずは走れりユニクロへ


 母の日や香箸いまだ出会わざり

 灯涼しひとりあそびぞ我はまされる
  ~良寛は越後の庵で独居しつつ読書(ひとり遊び)を好んだ

 遠き日は星空夢見し宵蛍


 木苺の甘みと酸味忘れめや
  ~村住みの余慶とや

 能筆は三好達治か白牡丹
  ~詩人三好達治は大変な能書家である。その香り高きこと、大輪の白牡丹のようだ。


(夏目漱石の句をもじって)
  和歌では、本歌取りということが行われます。歌人にして情報科学者の坂井修一さんの書かれた小文によると・・・。

   ”本歌取りは、もとの歌とは主題を変えることが大切。古典和歌の世界のルールとしては、①有名な歌から取ること②取るのは二句までとする③題を変えること④句の位置を変えること。”
   これを俳句でやるとなると、なかなか難しい。③をメインにして、季語を変えて遊んでみました。


 霰酒奈良の朝こそ恋しけれ
  ~あられ酒は、酒の中にもち米の糀を浮かべたもので奈良の特産。

 春夕べ聖教帖を習はんか
  ~「聖教帖」は王羲之の筆跡による聖教序の拓本。後鳥羽院は春の夕方の情趣を賛美していた。王羲之の筆跡でも真似てみようかと
   いう気分にもなる。

 玉蘭の大雅と遊ぶ蘭の秋
  ~南画で知られる池大雅とその妻玉蘭は仲のいい夫婦で、そのありさまは、まことに気品があり四君子とよばれる蘭の花のようであった。

 空に消ゆる鐸の響きや漱石忌
  ~鐸は青銅で鋳造された大型の鈴。奈良の薬師寺の風鐸が有名である。








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今日の俳句 皐月 / 九分九厘

2021-05-07 | Weblog
             


 草若葉の当番が巡ってきたので、いつも散策する裏山にカメラを持って草花を撮りながら俳句のネタ探しをしました。いろんな花が咲いています。皐月が満開となっている、ツツジは咲き始め、千日紅と蒲公英が群れて咲いている。ブログ草若葉はひとときの自然との触れ合いの機会を与えてくれます。

  不可逆の満開皐月あはれとや
  色違へども名一つの皐月かな
  放縦のつつじさざめく山舞台

  たんぽぽや互いの距離に節度あり
  蒲公英や生薬効きて老いまじく
  タンポポやあっけらかんの笑顔かな

  千日紅群れて長生たのしみけり
  千日紅いのち等しく両隣
  久闊を叙して安堵の千日紅


   
         
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