花すすきひと夜はなびけむむさし坊
いつもの事ながら、蕪村の俳画を紹介します。今回は蕪村自身の俳画です。「弁慶図」と称するものですが、「花すすきひと夜はなびけむむさし坊」と、女に無縁の武骨者とされたきた武蔵坊弁慶に対する冷やかしである。一度くらいは女になびいたらどうだと唆されるものの、句の意味すら解せぬ風の弁慶の表情が可笑しい。ここに俳句の諧謔と俳画の対比の巧妙さがみられる。以下、近吟句会の投句を次に披露させて頂きます。
手酌にて孤独をよしとする新酒
升縁の塩を舐めなめ新酒酌む
今年酒仕切り直しの気を給ふ
残生の楽しみ量る新酒かな
天変地異いつの間にやら秋の雨
秋雨や神経痛と仲良しに
甲子園日本シリーズと蔦紅葉
御所の傍教会ありて蔦紅葉
以上