草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 猫柳と猫の恋/ 九分九厘

2014-02-27 | Weblog

  銀鼠の美学を問はむ猫柳

  我輩もうかれて楽し恋の猫

  戯れの浮気は御法度恋の猫

  猫の恋一途なること憐れなり

  夢見てもそれは昔の猫の恋

  

 冬季オリンピックも終わった。森元首相が「真央は肝心なときに必ず転ぶ」と言ったことに、浅田真央は反撃して「人間は失敗することもある。私は気にしていないが、森さんが一寸反省しているのではないか」と外人の記者に答えていた。なかなか根性のある若きアスリートである。それにしても無念であったであろう。

  ソチ終へし真央の無念や春浅し

                                      以上

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京の句アンソロジー~冬から早春にかけて((ゆらぎ)

2014-02-21 | Weblog

京の句アンソロジー~名刹を訪ねて

 恒例の句会も終わり、句を詠むことにいささかの倦みも感じます。そこで、箸休め的に冬から早春にかけての<京都>の句を集めてみました。このところ上洛すること多く、半ば京都人となった、ゆらぎの独断と偏見にて。

(ご案内)・・・・みなさんから頂いたコメントについて、総括し、この記事の最後に一文掲載させていただきました。最後尾をごらんください。

 (竜安寺)
   鏡容池
  
   木瓜咲いて岩に小亀を乗せにけり  (大串章)
   竜安寺おしどり池も温みけり      (増田手古奈)
  
   (書院中庭にて)”日本最古 侘助椿 豊太閤 朝鮮伝来)
   侘助のしづ枝暮れいる龍安寺     (石原八束)

   石庭

   方丈の大庇より春の蝶        (高野素十)
  
   侘助を活けて「知足」といふことを (水野久代)
     ー方丈の裏側、茶室「蔵六庵」の露地に銭形の蹲居(つくばい)が据えられている。その中央に口があり、それを吾、唯、足、知の四文字が共有している  ”吾れ、唯だ、足ることを知る”

 (金閣寺)
   春雪や金閣金を恣(ほしいまま)   (松根東洋城)

(下鴨神社 糺の森あたり)

   春月や上加茂川の橋一つ       (河東碧梧桐)
   加茂川の日々に涸れゆく酸茎かな  (岸風三楼)

(源氏物語~「宇治十帖」古跡)
  
   宇治十帖十碑を巡り青き踏む    (駒木逸歩)

(祇園~祇園新橋~花見小路)) 

   凍ゆるむ白川沿いから縄手へと   (小山洋山)
   勇の碑めぐり祇園の恋の猫      (桜井八重)

   花まだき花見小路の燈に遊ぶ    (角川春樹)

(哲学の道)銀閣寺橋と若王子橋との間を、ゆるやかにカーブする道を南に向かうと路傍に素十の句碑がある。
   
   大いなる春といふもの来たるべし  (高野素十)
   瀬音聞く哲学の道寒明くる       (池本守)

(法然院)哲学の道から、わずかに道一本東に入る。河上肇著名人の墓が多く、だれもがそこに入りたいと言うとか。三名椿で知られる。

          

  椿落ちて林泉の春動きけり      (松尾いはほ)
  春や椿二十五菩薩二十五花     (日野草城)
  一幹に五色装う椿かな          (山本松枝)
  ひとつ咲く酒中花はわが恋椿     (石田波郷)


みなさまのお気に召した句がありましたでしょうか? また、これらの句のほかにみなさまのお好きな京の句がございましたら、ご自身の句もふくめ、ぜひご紹介ください。ただし季節は冬から早春で。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

みなみな様

 京都の早春、冬の句に熱心なコメントをお寄せ頂きありがとうございました。わたくしめが選んだ句もふくめて、選句の結果をまとめてみますと、下記が選ばれています。

 ”大いなる春といふもの来たるべし”  (高野素十)・・・4点

 ”侘助のしづ枝暮れいる龍安寺”    (石原八束)・・・3点
 ”瀬音聞く哲学の道寒明くる”       (池本守)・・・3点
 ”椿落ちて林泉の春動きけり      (松尾いはほ)・・3点


ま、妥当なところかと。それはともかく、これらの句を並べて見てみると、とても勉強になります。京都の名所など、数カ所まわり、地名や碑銘など固有名詞を入れて句を詠み、そこで句会をするというのも興趣があろうかと思った次第です。たろうさんが、いくつも詠まれた四条界隈なども面白いかとおもいます。たろうさん、ここで出された句も、どんどん句会で出した見てください。「芽柳」の句なぞ、いいじゃないですか?

ところで、どなたもご指摘がなかったのですが、掲載の冒頭写真、いいでしょう! 白川の上流の方、近代美術館から少し南のところです。ちょうど落花が土手に散り敷いて、見事な眺めでした。

それから最後に”種あかし”をいたします。京都の友人から”京都案内”にいい本がある、と彼の友人の本を頂きました。それが、京都在住の元ビジネスマンである池本健一さんの書かれた『京都「五七五』あるき』という本です。各名所ごとに俳句やそこの歴史、謂われなどなどをまとめた、なかなか楽しい本です。ほかの俳書もみましたが、概ねはそこから選ばせていただきました。著者の池本さんにあつく御礼申し上げる次第です。

 

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今日の俳句/雪女郎(龍峰)

2014-02-13 | Weblog

2月に入って立春も過ぎたのにまだまだ寒い。明日から又、終日雪だと。この冬に詠んだものの、春になり、来年までお蔵入りにしようとしていた句を引っ張り出してきた。

  白銀の櫛で髪すく雪女郎

  雪女郎銀の櫛のせ髪長し

  雪女郎細身に細き眉をひき

  雪女郎につと笑ひて招きをり

  雪女郎の笑みに思はず踏み出しぬ

  雪女郎湯殿に消える銀の髪

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今日の俳句 冬の蘭/ 九分九厘

2014-02-07 | Weblog

 立春を過ぎたというのに、急に冷え込んできました。これが「冴え返る」ということでしょうか。思いついたままの句を書きます。「室蘭」が冬の季語になるかどうか、ちょっと疑問のあるところですが、我が家で見事に咲き始めました。多くの鉢を家の中に取り込むので、本箱をいつも移動させます。

 

  老二人室蘭咲くを喜べり

  冬蘭の花の顔つき事多き

  春立つや論語ひもとく集ひあり

  立春をニュースで知るや冬地獄

  春隣菩薩の衣紋緩みゐる

  風花や何とは無しに胸騒ぐ

  風花や輪廻を迷ふ又三郎

                   以上

 
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今日の俳句/冬惜しむ(ゆらぎ)

2014-02-01 | Weblog

 なんの脈絡もなく、冬の句を詠み散らしました。 ご容赦ください。


冬惜しむ浪花の夜にきんき愛(め)づ

地蔵凍つされど冬芽のあたたかさ

春信やわが心にも灯がともる

氷柱とる幼き子の手ほの紅き

短編を読み終へし窓寒雀

風花やほのかに淡き恋心

化粧(けわい)せず席をたちたる冬帽子

ゆらめける心のともしび星冴ゆる

かにせんべいほのかに甘し春を待つ

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