草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句/山法師(ゆらぎ)

2009-05-30 | Weblog
山門を覆い尽くしてヤマボウシ
戯れる幼子の声山法師
おちこちにヤマボウシ咲く旅の刻(とき)
連れ立ちて歩む小道やヤマボウシ

山門に悟りきりたる雨蛙
日曜の古刹静かに雨蛙
雨蛙男のロマン忘るまじ
雨蛙甘いものでも如何です

たれ知らず泰山木の花咲ける
泰山木見てきし心美しく
泰山木優しき風に包まるる


 泰山木が咲きだしました。この大輪の白い花からは甘い香りが漂ってきます。高みに咲くのでなかなか気がつきませんが、香りの行方を追って見つけました。ちょっと孤高の花の感じがします。山法師(ヤマボウシ)は、花水木の系統ですが、一ヶ月ほど遅れて咲きだします。これも白い花。旅先や近くで見つけては喜んでいます。
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今日の俳句 / 夏めきて (九分九厘)

2009-05-27 | Weblog

夏めきて日蔭の花の星形見
旅五月悪霊はびこり蟄居せり

メタボなるメダカの泳ぎ我に似る
めだかの目小さきが故の魂胆かな

麦の秋黄金の畦の地蔵様

神戸のインフルエンザもそろそろ下火になったのかな? 1957年以前に生まれた人は免疫があるとの新聞記事を見て一寸だけ安心。今日の俳句は、あれこれと雑多な思いつきの句になってしまった。写真は、我が家の紫陽花の根元の日蔭で咲く可愛らしい花である。名前が分からないまま、ここ十数年「星きり草」なる通称で、我が家だけでは通用するのですが、何方か知っておられたら、正式の名前を教えて下さい。
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今日の俳句 /若葉 ( さゆり )

2009-05-24 | Weblog
  
  葉桜の木漏れ日の中友と行く
  濃き薄き山の緑の深かりし
  老鶯の声谺する摩耶の渓
  摩耶ケーブル青葉若葉をわけ登る
  リフトから見下ろす木々や山法師
 
  更衣終え羊むしゃむしゃ草を食む
  摩耶の夜街きらめきて若葉風
  初夏の夜眼下きらめく港街
  紫陽花の小粒の蕾雨近し

年に一回学生時代の仲の良かった友人達と一緒に一泊旅行をすることにしている。今年は5月10日、11日で、神戸の摩耶山(六甲山地の一峰、標高702メートル)で一泊、
、次の日は六甲山牧場でゆっくり遊んだ。山頂までは、ケーブルカーに乗り、それからリフトで上がる。下から登山する人も多い。山は若葉で覆われ牧場の羊達は、すでに毛を刈られまるまる太り草を食べていた。写真はケーブルから撮ったものだ。すごい急勾配だった。
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今日の俳句(夏浅き)/龍峰

2009-05-22 | Weblog
 夏浅き山はかわらじ利尻富士
 利尻富士あつもり草の守りけり
 昆布干す猫のひたいの利尻浜

 一輪のエーデルワイス礼文の丘
 夏疾風礼文の丘の座禅草
 初夏や層雲峡雪の風呂


先日北の利尻島、礼文島へ行ってきた。余花を求め、少し早いが高山植物の開花を探しに行った。特に利尻島は思い出が多い。50年前の学生時代、友人と二人でテントを担いで稚内から船で島に渡り、海岸でテントを張った。夜の10時頃に利尻富士(写真)を目がけて出発。ご来光を拝むべく苦闘6時間、4時過ぎに頂上(1721m)着。かろうじて日の出に間に合った。当時は山に登る人もほとんどいなかった。今回再度訪ねたが、見るからに険しくよくぞ登ったものだと我ながら感心した。島全体が山で海上に富士山が浮かぶ感じである。緯度は高く高山植物が地上で見られる。厚盛草は少し早かったが他の植物は咲き出していた。礼文島も黄、赤、青、白かなり色とりどりの花が咲き出していた。その中にエーデルワイスを見つけた。帰り層雲峡に寄ったら朝方雪が積もっていた。
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今日の俳句/余花(ゆらぎ)と俳句鑑賞

2009-05-20 | Weblog
吉野なる山の辺の道余花求め
余花一枝鐘声至る吉野山

きざはしを上がれば飛騨は柿若葉
青楓(かえで)心の窓に投げ入れむ


          ~~~~~~~~~~~~~~~

 つたない句はさておき、たまには俳句鑑賞といきましょう。今日は、プロフェッショナルの俳人ではなく作家の江国滋の句をいくつかご紹介します。江國 滋(えくに しげる、1934年8月14日 - 1997年8月10日)は、東京出身の演芸評論家にしてエッセイスト、そして俳人でもある。俳号は滋酔郎。

 ”おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 ”
 ”ものの芽やひとにやさしくしたくなり”

俳句についての、楽しいエッセイの中のひとつに『俳句旅行とあそぶ法』(朝日文庫)という本がある。鷹羽狩行もおすすめの本である。その中の一文を。

”まず作ることである。句のよしあしなぞ気にすることはない。だいいち、あなた、よしあしを言えた身分ですか。はじめて作るというのに、よしあしなぞを口にするのは僭越というんものである。結果なんぞは考えないで、やみくもにとりかかることが先決である。なに簡単なものよ。旅先で目についたものを一つ、季語を一つ、あとは「かな」でも「けり」でも好きな結びをひとつ。原材料としては、それだけで十分なんだから・・・・”

ということで江国先生は、飛騨高山に足を伸ばした。『俳句旅行のすすめ』の中の
「飛騨を詠みに」というエッセイが楽しい。

 ”飛騨高山は、何度でもいきたい数少ない土地の一つである。とくに初夏の高山がいい。重畳たる山々にかこまれた高山は、冬が長いかわりに、春と初夏がいっぺんにやってくる。むせ返るような新緑のあいだには、梅と桜と桃と李と辛夷が思い思いに咲き誇って、百花斉放とはこのことか、と思う。長い冬に耐えた人間に対する天のご褒美が、こ美しい自然となって一気に現出するのだろうか。・・・

  繚乱の飛騨路すみずみまでの初夏

贅沢をきわめる百花百草に呼応して、街をつらぬく宮川の水が、ひときわ澄み渡るのもこの季節である。京都の加茂川に擬せられるこの川の、おだやかな表情が素晴らしい。そうして、その宮川の東を流れる江名古(えなご)川にかかるたくさんの橋の名前がまた忘れがたい。

桔梗、小桜、千鳥、小柳、錦、宝・・・・。

これがみんな橋の名前なのである。なんだか大昔の吉原の花魁の源氏名を連想させるような色っぽいネーミングぞろいだが、ほかに助六、愛宕、東などという橋もある。”

  花魁てふキャリアウーマンしゃがの花
  ギャル闊歩みたらしだんご春の昼
  
  朝曇りたるべし河畔の朝市は
  朝市もぴんからきりや紫蘇五束

  風薫る温故知新をいふことば

 
 こんな肩のこらない、軽妙洒脱な句もいいものですね。高山は私にとっても好きなスポットです。定宿のような小さい宿があって気が向くと訪れる。そんなこともあって、ここに載せた滋酔郎の句をことのほか気に入っています。  
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光芒子(アマリリス)

2009-05-18 | Weblog
 アマリリスラリラリラリと夏立ちぬ
 アマリリス真っ赤なペットの競い合い
 走り梅雨赤い花弁がうなずきぬ

庭のアマリリスが競うように咲きました。
トランペットに似た形の強烈な赤色の花は一気に狭い庭を占領する感じです。 
宿根草ですので桜の頃に顔を出した茎がにょきにょき伸びて濃緑の細長い葉が少し出たところで一気に花が開きます。 
花言葉は「誇り、内気、すばらしく美しい」
この花が終わる頃はもう暑い夏の盛りです。
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今日の俳句 / 新緑 (九分九厘)

2009-05-15 | Weblog


夏立ちぬきざはし高き金毘羅さん
駕籠かきの汗の金毘羅八百段
新緑の旅に由一の脂絵かな
賢人は襖に涼し応挙の間
順を待つ讃岐うどんに夏帽子
渋滞に若葉の風や息一つ

先週の連休の最中5日に、四国讃岐の金刀比羅宮に行ってきた。ここある寺宝の展覧会が連休末で終わるし、高速千円で車が行けることの欲も絡んでの日帰りの強行軍。応挙、若冲、探幽、それに高橋由一など錚々たる名画に満足してきた。行きの西下りはあっという間の二時間で快調であったが、帰りは渋滞で四時間。まずは、往復二千円の高速料金では文句は言えない旅であった。なお、金毘羅さんの階段の数は正確には786段(悩む)だそうだ。駕籠に乗ると登り片道三千五百円程度で、一段の登るごとに5円位といった勘定だが、まだまだ自分の足で登る元気が残っていた。

尚、<さゆり>さんの句に関しての「エーデルワイス」の写真が、光芒子さんからご提供がありましたので、次に掲載いたします。


 光芒子さんからご提供の「アルプス自生のエーデルワイス」


  光芒子さんからご提供の「マッターホルン」



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今日の俳句 / エーデルワイス (さゆり)

2009-05-13 | Weblog

  アルプスの想ひは遥かエーデルワイス
  薄雪草人恋しげな息づかひ
  薄雪草銀の世界に遊びゐる
  よくぞ来し我が庭にエーデルワイス
  薄雪草銀のうぶ毛に触れてみる

薄雪草とエーデルワイスは同じ仲間である。俳句界はどちらもエーデルワイスと詠まれるが、本来のエーデルワイスは一種でヨーロッパアルプスにしか見られない。日本にはこの仲間はミヤマウスユキソウ、ハヤチネウスユキソウなど五種が自生し、そのうちの一種がウスユキソウ(薄雪草)である。昨年近くの植え木市で買って植えていたのが、今年初めて咲いた。エーデルワイスの歌にあるように、真白い花ではなく、薄い鼠色かかった銀色の小さな花だ。
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今日の俳句/えごの花(ゆらぎ)

2009-05-11 | Weblog
初夏の風わたりゆくえごの花
さつきの香満ち足りてゆく夕かな

男らが足踏みあひて荒神輿
微笑みは祭り浴衣の幼き子
薫風にだんじり行くや美し(うまし)国

聖五月マックザナイフの響きおり
封切りて新茶の匂い陽の匂い
風薫る膝の子も聞く弦の音

白鳳の夢の甍や夏の朝


  
ご多分にもれずゴールデンウィークはおとなしくしていました。それでも近隣のだんじり祭りを見たり、平山郁夫の絵画展に足を運んだりと、結構楽しむことができましたた。平山郁夫の「藤原京」の大作は、大和三山にいにしえの都が浮かび上がって描かれており、その大作にタイムロマンを感じてしばし陶然とした時間が流れました。
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今日の俳句/熊蜂(四捨五入)

2009-05-09 | Weblog
熊蜂の羽音溢るる棚の下
熊蜂や蜜吸ふ間は可愛らし
熊蜂の体当たり受け房揺れて

裏返しがうなたちまち立ち直り
寄居虫の長くはもたぬ死んだふり
大呆けと夏鶯の来鳴きけり

季節の移ろいの早さには、なかなかついて行けません。
熊蜂もやどかり(=がうな)も4月です。
夏鶯でご勘弁を。

季節遅れのおまけにもう1句。
花屑を掬ひて重し朝の庭



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