草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句:寒餅・は有露

2022-01-28 | Weblog
 睦月も、終わりに差し掛かり、立春の日が来週に迫っています。
にも拘わらづ、新年の句を出すのも気がひけますが、ご容赦ください。


 ・孫二十歳我歳男年新た
 ・餅搗く日自ずと皆々早起きし
 ・悴むも米を研ぐ手は止まずして
 ・寒餅を丸める子らの手は赤く
 ・寒餅を切る親父の手固まりぬ

                           葉有露拝
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今日の俳句 新春/龍峰

2022-01-21 | Weblog

   弓弦羽神社の八咫烏


   瀬音に戯れる白鷺

少し言訳めくが、松の内が過ぎて活動開始と思いきや、コロナなの新株猛威で、再びごろごろ生活。
句作は新春の俳句となった。もしかして残り福ありやと思し召し、ご容赦願いたい。
元日に初詣は氏神の弓弦羽神社、八咫烏がシンボルとてサッカーファンやフィギュアファンに人気がでている。
三日の散策は近所の川へ、そして正月が過ぎた。

   ボーダー柄拝む八咫烏初詣   
   門松や六甲おろし門鳴らす
   白山の肌を染めたり初明り
   初茜荒るる波頭や里の海

   年の数食べよと遠き日の雑煮
   引く波の地底掻く音や淑気満つ
   鐘鳴れば君と呼ばれリ嫁が君
   初筆やセーヌの水面茜染む

   初みそら画集の想を思ひつき
   取り寄せのお節つついて二日暮る
   白鷺の瀬音に戯る(あざる)三日かな
   読初や国の行く末夜半となり

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新春句会 選句発表ならびに感想

2022-01-14 | Weblog
みなさまの選句が出揃いましたので発表させて頂きます。引き続き感想文をお寄せください。本記事の最下段に書き込んでください。それが出揃ったところで、それぞれの句の詠み手の名前を書き込みます。

(九分九厘)
  皆さんの多くの佳句から四句選ぶのも、とても楽しいものでした。あれこれ迷っての選句を下記に記します。

  老いの春春夏秋冬蹴飛ばして (ゆらぎ)

  この御時世に、かくもお元気なご老体がおられるとは! 「春夏秋冬」の一年を通じて動き回ってやろうと、新年の意気込みが伝わります。下五「蹴飛ばす」のちょっと荒っぽい言葉がいいですね。

  計立てぬ元朝迎ふ久しけり (龍峰)

  下五の「久しけり」の手前で一呼吸を入れて読んでみると、この下五の意味と句意が浮き上がってきます。「計立てぬ元朝」が歳のせいなのか、コロナのせいなのか、おそらく両方をかけているのでしょう。作者の律義な性格も     垣間見える作だと思います。

  八咫烏つと光りたり初詣 (龍峰)

 上五・下五の言葉をつなぐ、中七の「つと光りたり」が物語を作っています。「つと光りたり」は、作者の頭に今年の物騒な世相の読みに直感がひらめいたのか、或いは今年こそは己の計画が成し遂げられると思われたのでしょうか。古事記に出てくる道先案内の八咫烏の話が下敷きにされていて、とても味わいのある句です。季語「初詣」の意もよく伝わってきます。

   二日朝順位千変権太坂 (龍峰)

 箱根駅伝の「花の2区」での若人の活躍ぶりが、漢字だけの句でとても上手に収まっています。今年は駒大の田沢選手が頑張りました。朝早くから、TVにかじりついて選手を応援するのも、正月の楽しみの一つです。


(龍峰)

   老いの春春夏秋冬蹴飛ばして (ゆらぎ)

   一年を敢えて「春夏秋冬」と詠ったところに、作者の四季への思いと、逆に老いての一年の時の長さ、厳しさを表現する妙味が感じられる。そして老いてもこの四季のそれぞれの厳しさに負けないぞという気概が、「蹴とばし て」という強い言葉で詠まれたものと思う。「蹴とばして」は穏当を欠くが、年の初めの心意気が強く伝わってくる。

 
   我作る黒豆五万米酒の春 (葉有露)

   これまではお節は奥様が作ってこられたが、ここまでくれば、正月の酒の肴は自ら作って、より一層「酒の春」を味わおうとする。これぞ老境の贅沢だと作者の得意な気持ちが伝わってくる。


   二日はやうどん喰ひたる昼餉かな (たろう)

   正月料理としきたりに飽きて、二日の昼餉はうどんだと。発想の逆転に、江戸前の巷の俳諧の匂いがしていいですね。


   太箸の白きに目覚む吾在りて (九分九厘)

   正月のお雑煮を太箸で食べていて、その白さに、今日まで歩んできた自分、そして今の自分の存在にはっと気づいたと。作者の心の底は、とても覗けないが、今年一年の生きることへの強い信念、何かを成
   そうという作者の強い決意が伝わってくる。


(葉有露)

    発表の23句を拝見しながら、投句の主人公を想像して楽しんでいます。小生の好きな句は、以下の三句です。

   老いの春春夏秋冬蹴飛ばして (ゆらぎ)

    全くの同感、冬無用。

  
   東雲のうすき明かりや初御空 (たろう)

    武庫川の岸辺で同じ体験をしました。


   二日はやうどん喰いたる昼餉かな (たろう)

    小生は元旦から朝パン昼麺夜おせちでした。 


(ゆらぎ)

   佳句・佳吟が多く、選ぶのに苦労しました。精選の結果、下記の四句を頂きます。あれこれ新春風景を楽しませて頂きました。

   新年や今日のよき風あすも亦< (九分九厘)
 
   新年になって、明日も明後日も、そしてその先もずうーっといい風が吹くだろう。まことにシンプルな句ではあるが、心惹かれる句である。こんな句を誰が詠んだのか、気になるところ。

   二日朝順位千変権太坂 (龍峰)

   正月二日の箱根駅伝、小生も見ていました。往路2区の難所ですね。順位が激しく入れ替わる権太坂。手に汗握って応援していました。 漢字ばかりの句ですが、おさまりがいいです。


   太箸の白きに目覚む吾在りて (九分九厘)

   正月の食膳に用いる白木の太い箸、思わず、身を正して箸を手に取る。今の若い人は、なんとも感じないかも知れませんが、あだや疎かにできぬ太箸です。そして威儀を正す句です。なかなか、このような句は詠めません。


   「船中八策」極辛の屠蘇を酌む (九分九厘)

   坂本龍馬が起案した「船中八策」。これが五箇条の誓文につながる。それに因んだこの日本酒「船中八策」は、高知の司牡丹の銘酒。これをお屠 蘇にするとは、贅沢でんなあ!!


(たろう)

   八十皺の面は誰ぞや初鏡 (九分九厘)

  人はもの心が付く年頃より、毎日鏡を見ているものであります。女性はお化粧の乗りや口紅の具合、男性は髪型が決まっているかどうかなどです。又鏡は女性にとって命とも云われ、荷出しの時は相手の  家に鏡を一番最初に    入れる事も決まりです。更に男性にとって顔は特に社会的に意義のあるものであり、鏡に映る顔(面)はとても重要であります。揚句は初鏡に自身の八十路の顔が皺を蓄えた姿を見て、我ながら驚いている作者です。しかし、男の顔の皺は人生の勲章と云うもののようです。

   八咫烏つと光りたり初詣 (龍峰)

  八咫烏は神武天皇東征の折り、熊野から大和への道案内を行った霊験あらたな目出度い鳥とされています。又この八咫烏は足が三本ある事でも有名です。その八咫烏が一瞬光ったように思う初詣でです。

   太箸の白きに目覚む吾在りて (九分九厘)

 太箸は正月用の紅白の袋に入ったお祝い用の箸の事であり真ん中が少しふくらみ真っ白である。この太箸を正月の三ヶ日は専用として使います。作者は改めてこの太箸の持つ「めでたさ」にはまって居ります。


   二人には未来あらむや屠蘇祝う  (ゆらぎ)

 子供達はそれぞれ独立し、今では二人だけの暮らしぶりです。例年であれば、子供達、孫達も一緒に集い正月を祝う所ながらこのコロナ禍の時代ではままならず、二人で質素に屠蘇を祝っております。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(感想文記入欄)

 九分九厘
 新春の草若葉の句会は楽しいものでした。詠まれる句は、やはり高齢者の生活がにじみ出るものになっています。そして、コロナ禍でなかなか会えない仲間の消息を知ることが出来る句会でした。詠み手が分からない状況で、コメントを入れるのは初めての経験かもしれません。好き勝手なコメントを書いてしまったようです。こうした企画を時々やりましょう。俳句作りにメリハリがついてきます。ゆらぎさんのお世話に感謝申し上げます。
 俳句を始めてそろそろ20年近くになります。最近は、言葉を使って俳句(17文字の時空)を作るわけですから、言葉と意味との関係を正確に知ることに努力しています。俳句に使う言葉をとにかく『広辞苑』をひいてみること。漢字は白川静の『字通・字統』を参照すること。そこには新しい発見があります。
 しかし、今の世の中はカタカナが溢れ返っています。今朝の日経新聞の記事を引用します。・・・

  ・・・ ソニーグループがEV参入の検討に入りました。「スマートフォンに続く、テックの最大のメガトレンドがモビリティーだ。既存のプラットフォーマーが指を加えて見ているはずがない。米アップルが向こう2、3年で完全自動運転を発表する可能性が高い。中国ファーウエイも同様で24〜25年にかけて覇権争いが始まる」
 
 家内に読ませると意味不明といいます。世相を詠むにも、カタカナ俳句が必要な時期が来ているのでしょう。辞書を引いて紀元前14世紀の甲骨文字に触れる。一方では、次の新しいフロンティアと言われる「メタバース」「宇宙」での技術開発に思いを寄せる。この歳になっても、頭の中はとても忙しいようです。

 龍峰
今回の新年句会の企画、運営を行って頂いたゆらぎさんにお礼申し上げます。
有難うございました。

お陰様で正月も過度にだらけることもなく、句作をせんとして、一定の緊張感をもって過ごすことができました。たろうさんのように毎日句を詠んでいないものですから、俳句モードに移るのに一定の時間はいりましたが、正月の間よい時間を持てました。

各位の投句を拝見した上で、選句を行うわけですが、この作業は中々面白いです。俳句の解釈、作者の気持ちを推し量って、その中から選ぶのは、いわば自分自身を試しているようで、大変勉強になります。
今回は大きなテーマは新年ですが、ここの正月の季語に則り、その意味を調べたりして、選句しましたが、佳句が多く選句に迷うところが多かったです。
中々良い企画でした。有難うございました。


 葉有露
 年初に清新な心に触れることができました。投句ー選句―発表の手順の合間を待つのもいい気分でした。初体験の感想を述べさせていただきます。

 先ず、今回の記念作として次の二句を挙げました。

 ・老いの春春夏秋冬蹴飛ばして
   上五中七の正調に対し、下五の突然の破調は
  なんとも心地よい気分です。気合が入ります。

 ・八咫烏つと光たり初詣
    自然と親しみ、敬意を払う民族性故の感覚
   でしょう。「つと光たり」は、その場にいて
   こそのひらめきでもあり、新鮮で魅力があり
   ます。

 次に、新年を彩る生活句を頂きました。
   順に ・太箸の白気に目覚む吾在りて
      ・「船中八策」極辛の屠蘇を酌む
      ・我作る黒豆五万米酒の春
      ・二日はやうどん喰いたる昼餉かな
      ・新年や今日のよき風あすも亦
  おめでとうございます。この五句で新年の一日が過ごせます。


 ゆらぎ
 今回の新春句会を企画した時に思い出したのは、草若葉を始めた頃の2008年1月の新春俳句サロンでした。たろうさんから、”あらたまの年の初めを寿ぎつ句を詠み集ふ楽しきわれ等は”という歌が寄せられました。
 
 そして坂東の地からと、亡くなられた百鬼さんが詠まれた句、”お降りに朱と華やげる一の目の”という句が寄せられました。この句会では、四捨五入さん/やまももさん/龍峰さんの句もありました。今年の句会に出された句はかなり進歩したのでしょうか(笑)。そしてみな様の句を楽しく味あわせて頂きました。「権太坂」の句や「太箸の白き」や「二日はや」、「船中八策」などが特に印象に残りました。

 今回のように詠み手を知らずに鑑賞し、コメントするのは初めてのことで面白く思いました。
 来年も引き続き開催できるよう心から願っています。


 たろう
 小生の頂きました句の他に二句追加させて頂きます。

☆「船中八策」極辛の屠蘇を酌む
「船中八策」とは坂本竜馬」の思想であり、明治の「五か条の御誓文」の基礎となった内容ですね?その名前に因んだ土佐の銘酒とは、そこまで読み切れませんでした。現代では「維新八策」へも繋がるものでしょうか!!??。

☆計立てぬ元朝迎ふ久しけり
「一年の計は元旦にあり」とも云われ、その昔はお互いに「今年の抱負はどうですか?」などとよく尋ね合いましたね?。
「定年退職後は、永らく「元旦の計」を立てなくなって久しいものだ」との句意と解釈しました。
しかし、その意味であれば「迎ふ」との終止形ではなく、「迎へ」との連用形の文法であり、「計立てぬ元朝迎へ久しけり」の方が相応しいのでは?と思います。















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新春句会 投句発表

2022-01-10 | Weblog
句会の参加は、九分九厘/龍峰/ゆらぎ/葉有露/たろう(敬称略)の四名となりました。全23句を下記に並べますので、お好きな句を3~4句お選び頂き、選んだ理由などコメントを書き添えてください。これもメールで、ゆらぎまで
お送りください。なお、文中に誤りがあったりなど修正を要するものは、コメント欄に書き込んでください。また、本句会のすすめ方について、ご意見があればこれも同様に書き込んでください。

 初明り恋女房の膝枕(ひざまくら)

 老いの春春夏秋冬蹴飛ばして

 新年や今日のよき風あすも亦

 計立てぬ元朝迎ふ久しけり



 コロナ禍や直ぐにあらずの去年今年

 我作る黒豆五万米酒の春

 東雲のうすき明かりや初御空

 娘(こ)届し寂なる魁夷の初暦



 初観音知り染めし人ちらと見ゆ

 二日朝順位千変権太坂

 丈越へし孫身ちぢめりお年玉

 二日はやうどん喰ひたる昼餉かな


 湯に浸かり寺の鐘聞く去年今年

 太箸の白きに目覚む吾在りて

 八咫烏つと光りたり初詣

 荒事や團十郎みる二日かな


 御降やきらきら光る青き空

 「船中八策」極辛の屠蘇を酌む

 八十皺の面は誰ぞや初鏡

 初夢のトイレタイムに途切らるる


 二人には未来あらむや屠蘇祝う

 正月は年の色々揃いおり

 老いの春干支を七回新なり




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新春句会投句状況(2)

2022-01-09 | Weblog
丁半、駒揃いました! 整理の上、あす全句をアップいたします。




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新春句会、投句状況

2022-01-07 | Weblog
投句は、順調に進んでいます。予定通り九日に締め切り、一〇日もしくは一一日にに全句アップいたします。しばらくお待ち下さい。









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新春句会のご案内

2022-01-05 | Weblog
初春の句会を開催いたします。みなさま、奮ってご参加ください。(事務局・・・ゆらぎ)
                             写真は森林植物園の藪椿。

(句会の手順)

①みなさまより、3~5句をお詠みいただいたうえで、メールにて「ゆらぎ」までご連絡ください。季語は「新年」に限ります。新年、正月、初春、享年今年、・・・・、初便、初湯、三日、弾初などなど。
 歳時記の新年の項一切より。 投句のめどは、おおよそ1月9日とします。

②それを整理した上で、匿名で本ブログで発表します。順不同です。同一人物でも、句はばらばらに並べます。

③それが揃ったところで、みなさんのお好きな句を三句お選び頂き、必要ならコメント(選んだ理由など)を書き添えてください。これもメールでご報告ください。もちろん、ブログの編集手順に沿って書き込んでいただいても
 結構です。

④全句が揃ったところで、各自の感想を本ブログのコメント欄に書き込んでください。事務局(ゆらぎ)の方で、一括してご報告します。


 ご協力のほど、よろしくお願いいたします。たろうさんも、よろしければご参加ください。やまももさんとも連絡が取れるようでしたら、参加をお願いいたします。




 
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草若葉思い出話

2022-01-03 | Weblog

     写真は、萩の花。草若葉を始めた2007年9月の投句の冒頭を飾ったもの。

草若葉草創期の思い出。

 「今朝の春」にあたり、草若葉の草創期の頃を振り返ってみました。また、句友であった故人のことを偲んで、その頃のことも取り上げました。

 2007年の夏に草若葉を立ち上げたのですが、当初は九分九厘兄とゆらぎの二人だけで始まりました。二人とも、まだ俳句を始めたばかりであった。その頃、投句された句は、まだまだ幼稚なものであり、俳句というより、川柳に近いものもありました。(笑)

 ”蛸茹でて縮む亭主の赤烏帽子” (九分九厘)
 ”冷や麦は半田の麺と決めており”(ゆらぎ)

  ”満月やこれでどうだと大花火” (九分九厘)


 8月に入ると、九分九厘さんの「俳句論考」と題する投稿がありました。「「狂女」と「蕪村」」と題するものでした。

 俳句としては、下記二句など、レベルが少し上ってきました。

 ”かささぎの橋に結ばや国と国” (ゆらぎ)日中友好を願って
 ”砂時計動かなくした「うつ」の極” (九分九厘)・・やや難解ですが。
 
 9月になると、この頃から百鬼さんがコメント欄に登場しました。これは九分九厘さんの「江戸俳諧とケータイ小説までの一考察」と題するもので、この中の「中村真一郎の俳句談義」に関してコメントしたものです。いつも切れ味鋭いコメントをされ感じ入っていました。

 斉藤百鬼さんとは、別なネット句会で知り合った仲で、関東の方でした。その句は、極めて斬新かつ従来の陋習にとらわれないもので、九分九厘さんともども強烈な印象を持ちました。お互いに、それぞれのブログに投稿して、コメントを交換していました。そうこうするうちに、とうとう東京でお会いすることになり、九分九厘さんともども上京し、お会いしてすぐ旧知の仲のようにお付き合いすることなった次第です。残念ながら、それからしばらくして病に倒れられ,決別の止むなきにいたりました。(2010年) もし、ご存命であれば、今も相変わらず楽しく俳句論議を交わしていたものと思います。 百鬼さんは、草若葉のメンバーではありませんでしたが、九分九厘さんとゆらぎにとっては、それをも超える濃いお付き合いをして、それ以上の存在でした。 

 ”女スパイ暗号名はミモザ咲く” ・・・2008年3月に投稿された句で、こんなウイットに溢れる句が草若葉にもでないかなと思いました。

 秋口になると、コメント欄に四捨五入/やまもも/たろうさんなどの名前が登場しました。龍峰さんの名もありました。 2008年3月に初めての投句がありました。これには、”お主やるなあ”。と驚嘆しました。

 ”陽炎や丘果つるまで羊群” (龍峰)


 四捨五入さんは、九分九厘/ゆらぎと入社同期で東大では自動車部キャプテンをしておられました。余り人前で目立つこともなく、とても温厚な方だでしたが、時にはっとするような句を詠まれ、みんなの耳目を驚かせていませした。12月には、次のような佳句を詠まれていました。

 ”うすらひや池の波紋を拒みけり”・・・この句について句会の主宰は。”ゆるんでいるのはこの日だけでよかったですね”、となんともウイットに溢れるコメントしていました。

ちなみに四捨五入さんの句会(芒の会)での初めての投句は、次のような味わいに溢れたものでした。

 ”をなもみや幼き日々の庭遊び”  

 かと思えば、上記句会の句集には、次のような正統派の句がありました。
 
 ”風雪に耐えし築地や落椿”
 ”野の光句座へ運びし花大根”

 ”動くとも見えぬ風鐸冬日和”

残念ながら2018年3月に、あの世へと旅立たれました。彼の草若葉への最後の投句には、次の銘句がありました。
 
 ”大寒の日差し力を秘めてをり” 

お別れするのは、とても辛いことでした。

 
 忘れてならないのは、光芒子さんです。絵の仲間でしたが、九分九厘/龍峰/ゆらぎで、俳句の道に引っ張り込み、歳時記と俳句の本まで買い揃えさせて、とうとう草若葉の仲間に入れてしまいました。

 ”曼珠沙華畦を燃やして地獄花”

 ”春の海浮木をみつめてひもすがら”
 ”春浅し坊主同士の明石浦”
 ”若布採り腰を伸ばして釣り談義”

      

 ~写真は句に添えられた光芒子さんのスケッチです。

    ~上記は、初めての投句です。絵を描き、魚釣りを楽しみ、また皆を喜ばせることに心を砕く、良き友でした。彼のおかげで、桃の木を育てるという貴重な体験をさせて頂きました。私の選んだ桃の木では、収穫の時に100個以上の収穫がありました。また、彼の故郷である小浜から鯖を送ってもらったことがありました。特別に手をかけた養殖鯖でしたが、美味絶品極まりないものでした。 

お付き合いしていて、気のおけぬ心楽しい句友でした。彼も残念ながら、病を得て,2019年9月に早逝されてしまいました。みんな、いいやつは消えて逝く。

  ~~~~~~~~~~~~~~


 今回は、故人の句を中心にご紹介しましたが、残った者たち(九分九厘/ゆらぎ/龍峰/葉有露の4名)で、今もなお脈々と句を詠み続けております。草創期の文には出てこなかった葉有露さんの句をご紹介して、この文の締めくくりとします。葉有露さんは、2021年から参加されました。

 ”うそ寒や日差し見つけてにじり寄り” (葉有露) まだ俳句を詠み始めて日の浅い葉有露さんですが、着実に進歩をされています。


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