草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句  春一番 / 九分九厘

2022-02-26 | Weblog
       

 二月は私の誕生月。二月末ぎりぎりの投句になりました。誕生日の九日の日に、春一番の風が吹いたことを克明に覚えています。毎日のことですが、連れ合ひと裏山を散歩しています。一緒になって、もう六十年になろうかという年月が経ちました。まだまだ長生きをするつもりですのよろしくお願いいたします。狭庭に沈丁花がほころび始めました。まだ香りはしていませんが俳句では満開のようです。


       梅二月いのち授かり八十五年

       春一番ふと連れ合いの手を取りて

       春一番背中を押してくれる君

       風やさし野梅の空の広さかな

       沈丁花あかき蕾の明媚なる

       狭庭ゆえ丁子の風のなやましき

                             以上
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今日の俳句 盆梅(2)/葉有露

2022-02-22 | Weblog
 立春が過ぎても、東北・北海道中心に冬に逆行するような日々が続いています。この時分に、温かい風が少しでも混じっていたら、気分も随分明るくになるのですが。今日初めて、新聞に梅便りが出ました。

 いつもながら、少ない投句で恐縮です。

  ・掌に光掬へど春浅し

  ・絵具溶き浅き春をば求めたり

  ・近づけばなにやらありて草萌ゆる

  ・盆梅の枝に手をいれ目覚め待ち

  ・盆梅のくねりし幹ぞわが身なる

  ・盆梅の老い枝先青い苔
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今日の俳句 盆梅/龍峰

2022-02-15 | Weblog

                庭の盆梅

この春も引き続き寒いのか、梅の出足が鈍いようだ。近所の梅林に行ってみたが、3分咲きぐらいだった。世の中なべて縮み込む、人も万象もか。否、左様なことはあるまい。
今回も乱れ打ちとなった。

         盆梅の耐へ耐へぬいて咲きそろふ
         紅梅の一輪咲いて声上げし
         石段の目と目の会釈梅見かな
         海見えて梅の遅速を楽しめり

         明け六つを聞き一ねむり春障子
         代替わり塀直したる余寒かな
         獺祭りの魚魚棚に勝りけり
         夜な夜なに引き留めらるや浮かれ猫

         春浅し潮騒未だ荒荒し
         朝市のいか干す軒や春疾風
         春の海日の沈むころ静もれり
         春の雪なほ降り来しと兄の文

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芒の会の思い出

2022-02-10 | Weblog
「芒の会」の思い出
              写真は、第一回の句会報の内表紙より(紘子さんが曽爾原で撮影されたもののように覚えている)

 「芒の会」の思い出

 今年の一月、「草若葉草創記」と題して、草若葉を立ち上げた頃の思い出を書きました。それと前後して、六甲アイランドでの句会「芒の会」が始まりました。その頃の経緯(いきさつ)を知る人間は、今となっては九分九厘/ゆらぎの両名のみとなりました。記録のため、当時の詳しいことを書き記しておきます。

 ”朝方の激しい雨が上がり、晴天の下「芒の会」が順調にスタートできたことをうれしく思います。三月十九日の神鋼三六会での九分九厘・ゆらぎ両兄からの俳句指導者を紹介してほしいという要望、四月二十二日の三宮にしむらコーヒー店での長山あや様との初顔合わせ、本日(五月十七日)の第一回句会と、何の障害も無く相当なスピードで進展できたのは、九分九厘・ゆらぎ両兄の熱意のおかげである”


 上記は、当初から句会に参加した四捨五入さんの第一回句会報での彼のメモである。これを頼りに、詳しく当時のことを思い起こしてみることにしたい。

 これよりかなり以前から、九分九厘とゆらぎ両名は、あるネット句会にはいり、全国津々浦々の人々と俳句で交歓していた。その中には、故人となった百鬼さん、やまももさん(奈良の佳人)などもおられた。その頃は、九分九厘、ゆらぎ両名は一日10句から15句くらい詠んでいた。あるときからブログ「草若葉」を立ち上げ、そこに投句をしていた。そうこうするうちに、”ネットもいいが、景勝の地に足を運ぶ吟行もやってみたい、できれば指導者を得て教えを仰いで本格的に勉強したいと思うようになった。

 その頃、会社の同期会で、たまたま九分九厘/ゆらぎ/四捨五入が、同じテーブルに座った。”俳句の指導者を探している”、と話すと、有世さんが、”同郷(金沢)の同窓で長山あやという俳人がいる。指導してくれるかどうか聞いてみようか”、ということで本格的に詰めることとした。

 その頃、九分九厘もゆらぎも、まだ俳句の世界には馴染みがない。しかし、ホトトギスだかキリギリスだか、そんな名前は聞いた事もない。そこで二人は行動を開始した。

まず九分九厘は、「長山あや」という名前のあるサイトと句を検索して、片っ端からプリントアウトし、めぼしいものを取り出した。”めぼしいもの”といっても、俳句ビギナーがやるのであるから、それが妥当かどうかは分からない。その結果、”いや、悪くないなあ。いい句があるようだ”、とゆらぎまで云ってきた。

一方、ゆらぎは「ホトトギス」の関西の本拠地が芦屋にあることを知り、早速芦屋市平田町まで車を走らせた。そこには、堂々たる建物(虚子記念文学館)があった。車寄せに車を止めて、中に入り、窓口の妙齢の美女に、”長山あやさんにお会いしたいのですが・・”、というと、”長山は、今はおりませんと言うので、句集を見たいというと、二階の部屋に案内された。そこには、「ホトトギス」という分厚い雑誌が整然とならび、そのほか様々な人(俳人)の句集が並んでいた。

あやさんの句集はなかったので、ホトトギスを片端からチェックしていった。あやさんの句が、あるはあるは! それも巻頭句か、またはそれにちかい位置に記されていた。どうも大変な俳人のようだ、と思いながら、それらの句をメモしていった。そして家に帰ってから、九分九厘さんと電話で、お互いの状況を報告し合った。そして、”悪くないんじゃない、いやいや相当な俳人らしい”という結論に落ち着いた。この芦屋虚子文学館への訪問には、後日譚があり、あやさんに、”ベンツに乗った立派な(?)な紳士が来られて、長山さんのことを、随分時間かけて調べてゆかれましたよ”、とスタッフが報告したそうだ。ほんとに怖いもの知らずだった。

 そして数日してあやさんとお会いするになりました。あやさん/四捨五入/九分九厘/ゆらぎの四名で、JR三宮駅山側にある「珈琲にしむら」の二階のボックス席に座りました。。そこでお互いに、相手側の人物・器量を見定めたのです。まことに失礼なことをしました。

あやさんをお迎えし、二三お話して、人格識見ともに優れておられると思ったので、すぐにこの方を句会の指導者としてお迎えしたいと感じました。また、あやさんも私たちの話を聴き、用意しておいた二人の句に目を通されて、二人とも”立派な紳士”(笑)であると感じられたのでしょう、即座に話はまとまり、句会(芒の会)の主宰としてお迎えすることになりました。2007年(平成19年)4月のことでした。

 そしてその年の5月、第一回の句会を持ちました。この句会では、九分九厘夫妻、四捨五入夫妻、ゆらぎ、それに奈良の麗人紘子さんも参加。

その句会で詠まれた句をいくつか拾っておきます。

 (あや)薔薇剪ってなにか得しとも失せしとも

 (九分九厘)草笛や忘れし過去の日記帳

 (四捨五入)筍を囲む夕餉や雨の音

 (ゆらぎ)遠き日や百万本の薔薇のこと


 吟行にも出かけました。第一回は、あやさんのお好きな「芒」を見るということで、奈良県の曽爾原へ出かけたように覚えています。

いずれも、今となっては懐かしい思い出です。










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今日の俳句  万両 / 九分九厘 

2022-02-04 | Weblog
  


 隣の家の万両が綺麗に実っている。懐もおなじであればなおよし。寒いが裏山の散歩を続けている。寒鴉が空を回って鳴くが、可愛らしいところがない。あとひと月もすれば春めくことであろう。

       実万両限りある筈その数に

       万両を隔てて会釈両隣


       異の国のユーカリ高し寒鴉

       わけありの鳴き声わるし寒鴉
  
       縄張りを廻りて睥睨寒鴉

       寒鴉うだつの上の居丈高 


       雀みる日なたの砂場春隣
         
                             以上

 追記:読者からのご指摘がありました。本稿に掲載している写真は「千両」であって、「万両」ではありません。作者はてっきり「万両」と思っていました。慎んで訂正の詫びを申し上げます。ただ、写真はそのままにて掲載させていただきます。急に懐が寂しくなってしまいました。(九分九厘)

 「千両」はセンリョウ科、「万両」はサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。 どちらも高さ1mほどで、赤い小さな実をつけます。 見分け方は、実のつく場所の違い。 センリョウは枝の先端に実の塊をつけますが、マンリョウは葉の下側に幹を取り囲んでつけます。
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