草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句 / 日脚伸ぶ (四捨五入)

2015-01-26 | Weblog


生駒山の山麓にある石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)で吟行会がありましたので報告します。
近鉄奈良線の石切駅で降り、道幅の狭い急坂を下ると石切劔箭神社の境内に着きます。
今通ってきた急坂の両側には小さな店が立ち並び、門前市のような賑わいです。
この神社はでんぼの神様として有名らしく、参詣者の多いのには驚きました。
特に、拝殿前のお百度石を巡る人の列は壮観でした。回数を数えるために紙縒(こより)のようなものを握り、速足で歩いていました。写真が無くて残念ですが、Wikipediaに写真が載っていますのでご覧ください。(カットの写真は吟行とは無関係です)

  百度石巡り巡りて日脚伸ぶ
  悴める手に紙縒持ち百度踏む
  願掛ける人の多さよ風冴ゆる
  
  道狭くものの匂や冬の街
  ブリキ製の湯たんぽ売らる商店街
  寒ければ頭も見せず神馬どち
  
  大石の狭間に落つる寒の水
  びしやびしやと石打つばかり冬の滝
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阪神・淡路震災忌 九分九厘

2015-01-17 | Weblog
             

 今日は阪神・淡路大震災の20周忌にあたる。当日の私は神戸の留守宅で翌日の会議のために宿泊していた。驚くべき地震の衝撃に跳ね起き、すぐに東京に住んでいた家族に電話をした。てっきり、関東に大地震が起きていたものと思ったのである。その後の余震を含め、地震の恐ろしさが身に沁みこんでいる。
 地球は創世時にはマグマの球であったが、時間が経つにつれ表面が冷えて現在の大陸となる岩石盤を生成。この冷えた大陸とマグマが球体の中で対流現象を起こすことになる。表面が冷え続けることから、次第に大陸の大きさが大きくなって、対流の変動も大きくなり、地球の地殻は様々な変容の歴史を経由する。現在では地球儀で見るような、大陸分布の地殻を形成しているが、相変わらずゆっくりとマグマと地殻は対流現象を継続している。地球の真ん中近くのマグマの中にも、大陸と同じ地殻プレートが動いているという。現在の地球表面の大陸の形もいずれの時にか、必ずその姿を変化させることになる。即ち、その時には地殻変化に従い必ず地震を伴うことになる。日本は太平洋・フィリッピン・北米プレートなど複数のプレートが接する境界にあって、実に危険なところに位置している。現在の新しい研究では、多くのGPSを活断層に置いて、内陸プレートの動きを計測している。この結果、日本内陸プレートは一枚でなく、多くの複数のプレートが重なり合って出来ていることが分かり、日本列島は複雑な活断層を抱えていることが分かってきている。人間の力ではどうしようもない自然現象である。
 
 俳句で1・17を詠むことにトライしたが、うまく作れない。止むをえず、経験のない短歌で挑戦することにした。

  半世紀神戸に暮らす七十路に二十年積もる鎮魂の歌           銑二
  震災の記憶のカケラ舞ひ戻り二十年の月日を逆転す
  震災の日身動きできぬ吾ありて地獄の如き火は遠かりし
  この地球に生まれしこと感謝すれどいつか誰かが涙するを知る
 
 いつしか、日本の何処かで大地震がまた起きる。地震に強い国土づくりとは? 犠牲になる人を最小限にとどめることが人間の知恵の限界なのか? 記憶の風化を止めようとする、一日中報道されるメディアのマンネリズムの意義は? 考えることが多い一日であった。  以上
コメント (10)
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新春句会 好きな句発表

2015-01-08 | Weblog
すでにコメント欄に書き込んでいただきましたが、みなさま方の好きな句を、ここにまとめさせていただきます。改めてのご感想などあれば、書き込んでください。



(九分九厘)

 初孫と遊ぶ日々なり三ケ日    たろう
 妻の声遠くにあるや寝正月    龍峰
 書初めは進の一字と筆走る    ゆらぎ
 注連飾最初の客は雀どち     四捨五入

お一人ずつから一番好きな句を頂戴いたしました。

 龍峰さんの句の中では「初鴉一声落とすわが枕」が一番印象に残るのですが、詠み人の句解釈が欲しいです。寝ている枕元に初鴉の声が聞こえてきたことというだけでは面白く無いので、「鴉が正月の朝早々に、吾に向かって、叱咤激励の鳴き声をしやがった!」とでも理解してよろしいか?

 四捨五入さんの句の中で「あらし去り心に穴の三日かな」という句があるのですが、これはいかに理解すべきでしょうか? 丁度、私は年末にインフルエンザに罹り、悪戦苦闘の嵐から漸く抜けて元旦を迎え、三日間何も考えない空白の時間を持ちました。まさに、私の心境を詠んで頂いたような気がしております。
 

(かつらたろう)

 初富士の夢もあるかよそのうちに  九分九厘

 初夢は色々な説がありますが、新年を迎え初めて
見る夢が初夢と言われ、吉祥の良い順番は一富士
二鷹、三茄子と古来から言われているようですね。
先年の歳晩に風邪を召された作者ならではの、強い
吉祥願望が読み取れ素敵です。

 淑気満つノーベル賞の祝儀酒  九分九厘

 ノーベル賞受章の祝賀パーティーに供されたと言う
日本酒の瓶のLED色とは後世の謂れともなり、縁起
ものですね?その後、家に飾って置くだけでも来客
との話題にもなり、まさに淑気満つのようです。

 妻の声遠くにあるや寝正月  龍峰

 寝たい時に寝、起きたい時に起き、食べたい時に、
食べたいものを、食べたいだけ食べる・・・な~んにも
制約されない事が、正月の良いところ・・・ほらほら
遠くで奥さんが呼んでいますよ・・・「お父さん、少しは
手伝って・・・お客さんが来るんだから」・・・。

 中吉のみくじ引きたりおらが春  龍峰
 
 良寛の句「めでたさもちうくらいなりをらがはる」を彷彿
させ、大吉でもなく兇でもない中吉と言うところが良い
ですね!!上記の御句もあわせて、すこしゆったりと
正月を楽しまれて居て、良い雰囲気です。

  注連飾り最初の客は雀どち  四捨五入

 なるほど!!。りっぱな注連飾りは裏白、橙、などと
一緒に実物の稲穂を飾り、垂らしますね。
我家でも家内は毎年奮発して豪華なものをドア扉
に飾っています。

 あらし去り心に穴の三日かな  四捨五入

 ふだんはひっそりとも思えるほどの家の中でも正月
は、孫嵐ですね。喧騒とも思える賑わいが正月の
特徴かも知れません。それも帰ってしまえば、喧騒
が懐かしいほどの寂寥感です。

 とことはのふたり暮らしに初明かり  ゆらぎ

 ふたり暮らしの我家に今年もいつものように新年の明かりがさして来た。
何も変哲もない、このささやかとも思える幸せの
とことはなれと思う作者の心情にとても共感致します。
これからは、一年一年をかみしめながら大切にと小生
もつくづく思います。

 書初めは進の一字と筆走る ゆらぎ

 時の流れるような、随分りっぱな書ですね。
「ただひたすらに前進あるのみ」・・・との正月の決意
のようですね!!。「つまづいたっていいじゃないか 人間だもの」との
相田みつをの言葉が急に想いだされました。

 柊の花に乗せたるわが想ひ ゆらぎ

 清楚で香しい柊の花も、不用意に手を伸ばせば思いがけず痛い目に遭います。
いや~、その心情には痛いほど?共感いたします。

自選句ですが・・・。
 初孫とあそぶ日々なり三ヶ日 かつらたろう

 (詳しい説明は、前回の記事のコメント欄をご覧ください。


(龍峰)

 新雪の山肌なりし秋吉洞        たろう
 淑気満つノーベル賞の祝儀酒     九分九厘
 注連飾最初の客は雀どち        四捨五入
 書初めは進の一字と筆走る       ゆらぎ


 秋吉台の岩肌に新雪が載り、わずかな緑との対比がきれいだろうなと感じます。岩肌の冷たさも加わり、冬の厳しさを感じます。酒心館には小生も参りましたが、日本人のノーベル賞受賞の幟まで立てられPRされていました。そのゆかりの大吟醸で正月を祝う、特別の淑気を感じられたのではないでしょうか。

注連縄で飾られている我が家に最初に訪れたのは雀であったと。淑気満るの中に雀が来たという俳諧味と作者の雀に対する暖かいものを感じます。
き初めに進の一字とは、今年も突っ走る気持ちが強く表れています。筆者の躍動する姿が字にも溢れています。
九分九厘さんの小生の句へのご質問ですが、いつものことながらカラスは朝早くから屋根の上を飛んできます。まるで今朝も寝正月は許さない、早く起きろと言っているような感じです。九分九厘さんの解釈通りです


(四捨五入)


 初孫と遊ぶ日々なり三ケ日       たろう

 正月には孫と遊べるのが大きな楽しみですが、初孫ともなればうれしさ百倍でしょう。わが家にも孫が押し寄せましたが、高校2年生ともなると、さっと来てさっと帰ってしまい、遊ぶ時間もありませんでした

 初富士の夢もあるかよそのうちに    九分九厘

 「そのうちに」に惹かれました。「果報は寝て待て」に通じるところがあります。あくせくせず悠々と人生を送られるところが素敵です。

 おさな手にあふるる七枚花かるた    龍峰

 花かるたとは花札のことですね。花札と聴けば賭博を連想するので、幼子と花札の取り合わせはどきりとさせられます。しかし、小さな手で分厚い花札を7枚も持っているさまはとてもかわいらしいですね

 とことはのふたり暮らしに初明り    ゆらぎ

 もう何年も二人だけの生活が続いてきたが、また平和な正月が巡ってきた。これからもずっと続くだろう、続いてほしいものだ。という感慨が伝わってきます。思いは同じですね



(ゆらぎ)

  みなさまの新春気分が横溢した楽しい句から、厳選して下記の句を選ばせていただきました。


 風雪の荒ぶや家族初詣  たろう         

 この風雪は初詣の折の天候のことでしょうが、同時にこれまで家族が辿って来た人生、さらにはこれからも厳しさもあろう人生の旅、そのことも同時に織り込まれているようで、そんな中で家族が揃って初詣する。家族の結束のことをも詠まれているや、に感じ取れ、興趣あふれる句かと拝察いたしました。注)下五が、”初詣り”となっていましたが、”詣り”を”まいり”と読ませるのは初耳なので、はつもうで、とさせていただきました。

 初富士や今年裏から見て候 九分九厘
 
 本当に新年に裏富士を見られたのかどうかは分かりませんが、いずれにしろ河口湖あるいは三つ峠あたりから見た富士山の眺めは壮観です。秋に見たことがあります。それが頂上に雪を頂いた富士とあればなおのことの眺めかと。そういう作者の感慨が深々と読み取れて、気持ちのよい、新年にふさわしい句となりました。


 おさな手にあふるる七枚花かるた 龍峰

 お孫さんの遊びの風景であろう。多分、”七短”の手を得て喜んでいるのであろう。しかし、七枚ともなると小さな手に余る。それでも一生懸命、それを見せる。そのひたむきさ、いじらしさが堪らないのである。楽しさ溢れる佳句かと。


 注連飾り最初の客は雀どち 四捨五入

 微笑しい光景である。すこし気張って立派な注連縄を戸口に飾った。もちろん年賀客に見せるためである。また己の気分高揚のためでもある。ところが、そこへ来た初めての客が可愛い雀たち。微笑ましい雰囲気がよく現れていて、好きな句です。
        

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新春句会、始まりました

2015-01-01 | Weblog
明けましておめでとうございます。今朝は気持ちの良い初明りがみられました。今年も楽しく俳句を詠んで参りましょう。恒例の新春句会です。
三が日のうちに、みなさん三句ないし五句程度新年にちなんだ句を詠んで投稿ください(コメント欄に書き込み) 出揃ったところで互選に入ります。
当季雑詠が混じっても構いません。 ご相談ですが、自薦も一句混ぜるというのは如何でしょう。ご意見お聞かせください。


          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 みなさまより投句が出揃いましたので、まずはそれぞれをご披露もうしあげます。早いもの順です。また前書きなどの文は省いています。詳しくはコメント欄をごらんください。

(句会の進め方を変更します)お正月に堅苦しく、なんのたれべえ、が一等、二等とやるのもどうかと思い、いつものスタイルに変更させていただきます。各自、お好きな句を一、二句選んでコメントをしてください。優れた句、印象に残る句など。また全員の句を対象にせずともかまいません。勝手放題で結構です。コメント欄に書き込んでいただけば、すぐ本ページにアップいたします。 また写真がありましたら、メールで送ってください。記事の中に挿入いたします。

(かつらたろう)
 皆様あけましておめでとうございます。本年も皆様及び御家族様にとり、益々良いことの多いい年でありますよう。


 午後の日の”のぞみ”は西へ寒波来る

 初雪を眼下に望み年明くる

 風雪の荒ぶや家族初詣り

 新雪の山肌なりし秋吉洞

 初孫と遊ぶ日々なり三ケ日


(九分九厘)
 明けましておめでとうございます。予防注射は受けてたものの、昨年末にA型インフルエンザに罹り、全身の筋肉痛と高熱にうなされることになった。漸く治まった時が大晦日の夜のこと。正月を平熱で迎えられたことに感謝せねばならない。
 取りたてて何も変わらぬお正月、ではあるが、ともあれほんの少しだけ元旦の酒を飲む。昨年の年末に入手しておいた酒心館の「福寿」の大吟醸である。昨年のノーベル賞の晩餐会に出されたというお酒である。ノーベル賞記念に酒の瓶の色は、LE Dの素晴らしい青色に仕上げられ ている。この瓶は後々重宝に利用出来そうである。

 お正月七十八の回重ね

 初富士の夢もあるかよそのうちに

 初富士や今年裏から見て候

 消費税ありてさもなむ初詣

 淑気満つノーベル賞の祝儀酒


(龍峰) 
 皆様明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。大いに詠んで喧々諤々討論しましょう。

          

 おさな手にあふるる七枚花かるた

 初鴉一声落とすわが枕

 妻の声遠くにあるや寝正月

 白雪の降りつむる夜や猫の声

 中吉のみくじ引きたりおらが春


(四捨五入)
 あけましておめでとうございます。本年もお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。


 注連飾最初の客は雀どち

 マイパッド手古摺るままに三日かな

 あらし去り心に穴の三日かな
 
 思はざる人より賀状頬弛む

 歳旧れど賀状の束の薄からず


(ゆらぎ)
 明けましておめでとうございます。いつも拙い句ばかりで、みなさまのお目を汚しておりますが、ご寛容のほどお願い申しあげます。昨年末から短歌の勉強をはじめました。その影響が色濃くでてくるかも分かりません。
 よろしくお付き合いのほどおねがいいたします。


 とことはのふたり暮らしに初明り

 闇を深み蝋梅の香をたずねゆく

 書初めは進の一字と筆走る

          

 白ワインバカラのグラスぞ今朝の春

 初便アイフォーンに声乗せて

 柊の花に乗せたるわが想ひ



       ~~~~~~~~~~~~~コメント~~~~~~~~~~~~~










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