今日の俳句 夏富士~今日はプレバト(ゆらぎ)で遊びましょう
(最終ご報告)
皆々様、、極暑の中、精力的に佳句・銘句を投句頂きありがとうございました。お陰様で楽しい「プレバト」句会となりました。なお、それぞれの句の背景や作者の意図につきましては、コメント欄の書き込みを参照ください。
盛夏お伺い申し上げます。今回はいつもと少し趣向を変え、今日の世相を反映するような題を取り上げ、
「プレバト」方式で二句を詠むということをしてみたいと思います。ご参考として私の句を入れておきます。
もっとも、
「プレバト」といってもお馴染みのない方がおられるかも知れませんので、簡単にご説明しておきます。
「毎週木曜日の19時から20時の毎日放送のバラエティ番組として放映されます、”使える芸能人は誰だ”?プレッシャーバトル”という番組のタイトルを縮めて
プレバトと呼ばれている。様々な芸能人や著名人が
出演し、俳句や水彩画、生花などで技を競うわけです。プロの目で才能査定ランキングがなされ、俳句は俳人夏井いつきさんのご指導よろしきを得て、大人気である。俳句の大衆化の大きく貢献したと言われています。
俳句プレバトでは、事前に「兼題」と「兼題写真」が出され、その写真をもとに一句詠んで提出します。これを夏井いつき先生が指導・添削し、ランク付けします。今回は、この方式で進めようと思います。
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さて冒頭の写真は、オリンピックで来日中の英国のセーリングチームが駿河湾の伊豆半島西岸を帆走している時の写真です。英国の選手がSNSにアップしました。見事な写真ですね。背後に夏の富士がどっしりとした姿を見せています。ヨットは東北東を見ざし駿河湾を帆走しているのでしょうか。この光景を句に詠んでみようと思いました。
”島国の主役迎える夏駿河” (葉有露)
” 夏富士やユニオンジャックのヨットの帆” (たろう)
”サーフィンやチューブに舞ひし富士の山” (九分九厘)
”照る英旗のジェノアセールや夏の富士” (龍峰)
”夏富士や風孕みおり艇すべる” (ゆらぎ)
もちろんこの句には、満足しておりません。一つには、説明が過多であるかなという思いもあります。ご参考までに、その説明をギリギリまで絞った友岡子郷(しきょう)という俳人の句をご紹介いたします。
”思ひでのはじめは幹の甲虫(かぶとむし)”(1934)
(友岡子郷は現代俳句協会に属しており、飯田龍太の「雲母」に入会、2018年には蛇笏賞を受賞しています) ところで「俳句には多くの説明を要しない」といわれています。この子郷の句は、そういう背景的な説明もないので、分かりにくいかも知れません。この句について、俳人長谷川櫂は、つぎのような解説文を書いています。
「木の幹に甲虫がいて一心に樹液を吸っている。甲虫と聞くとその映像が思い浮かび、その映像から少年時代が鮮やかに蘇る。マルセル・プルーストの大作
『失われた時を求めて』で紅茶に浸したマドレーヌの香りから一切がよみがえるように。」
もう一つ、葛飾北斎という浮世世絵師に「神奈川沖浪裏」という物凄い傑作があります。富士山と砕け散る波濤ということでは同様の図柄でもあります。この景を題材に一句、お詠みいただいても結構です。どなたか挑戦されませんか?
”夏男浪襲い掛かるや木鶏に” (葉有露)
”北斎の波の間に間や夏の富士” (たろう)
”サーフィンの江戸のむかしにあったれば (たろう)
”海天にしぶき透かして夏の富士” (龍峰)
長くなりましたが、上掲の「夏富士」の拙句は、まだ説明が多く、かなり削ぎ落とさねねばならないと思うのです。
そこで諸兄の皆様に、冒頭の写真の光景から、一句お詠みいただくようお願いいたします。詠まれた句は、コメント欄でも、あるいは本文内の小生の句のあとにでも、あるいは最下段にでもお書き添えください。傑作お待ちしています。いわばブログ内での「プレバト」のようなものです。みなさまのチャレンジをお持ちしています! なお兼題は、「夏の富士」あるいは「夏富士」です。
もう一句、最近の世相を反映する句を。
”夏の日のマンダラートや恋の果つ” (たろう)
”マンダラート枡目の足らぬ真夏の夢” (九分九厘)
”マンダラートに込める二刀流雲の峰” (龍峰)
”蝉涼しマンダラート書く若き子ら” (ゆらぎ)
ご存知、メジャーリーグベースボールの
大谷翔平選手(ロサンゼルス・エンジェルス)は投手と打者との二刀流で大活躍をしています。彼が、花巻東高校にいた時に、先生の指導のもとで、
マンダラートという図表を書いています。(下記参照)ここに書かれていたことは、必ずしも野球のことに限りません。むしろ人間形成につながることです。あまりにも素晴らしいことなので、ここにご紹介した次第です。素晴らしいというのは、大谷選手がマンダラートに目標とその達成手段を書いたことだけでなく、それを真摯に追求し、最終目標を達成していったことです。
このマンダラートの図を思い浮かべながら、一句お詠みください。兼題は、「マンダラート」です。兼題写真は、下記の大谷の37号ホームランです。
力作をお待ちしています。
ゆらぎ拝
ご参考)
マンダラートとは仏教に登場する曼荼羅(マンダラ)模様に由来するもので、曼荼羅とアートを組み合わせた造語のこと。
曼荼羅模様のようなマス目を作り、そのマス目一つ一つにアイデアを書き込むことで、アイデアの整理や拡大などを図り、思考を深めるものである・
具体的には、①紙に縦3マス×横3マス、合計9マスのマス目を書く.。②中心のマス目に、これから思考や発想を深めたい課題を書き込む
③課題を書いたマス目の周りのマスに、課題に関連した語句を思いつくままに記入。9マスすべてを埋めたら、課題以外の8マスの中から1マスを選択し、そのマスに記入されていた語句を別紙に書いたマンダラート中心のマスに転記
新しいマンダラートは③の手順に戻り、そこから繰り返す