草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

夏目漱石を偲んで

2024-07-29 | Weblog
草若葉のスタイルを今回から以前のスタイルに戻すことに致します。幹事二人で、相談の上、これまでのスタイルに変えて、以前のように各月に一人が
俳句や俳句随想などを書き込むことに致しました。(今月の担当は、ゆらぎです)
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私、ゆらぎは、松山市にある道後温泉に生まれました。夏目漱石が、一時居留したところであります。また母方の祖父、速水滉(ひろし)は、夏目漱石の門下生や友人たちが集う「木曜会」の一員でありました。。そのようなことから、私は、夏目漱石とは深い縁があるのと思っています。

そのような訳で、今回は漱石を偲ぶ句と、今の季節(晩夏から初秋)を詠んだ句を並べることにしました。

(漱石を偲んで)
 (漱石の人生を辿って)・・・季語はほとんど取り入れておりません。ご容赦   ください。いわゆる無季の句です。芭蕉の、”松島やああ松島や松島や”、がよく知られています。  

 ①漱石も浸かりし温泉道後の湯

 ②松山に子規と遊ぶや二人して

 ③二十人余漱石も坐す子規句会
   ~明治31年新年句会にて

 ④漱石の聴くこともなき玉音放送
   ~昭和20年。漱石の死後ほぼ30年後のことである。

 ⑤倫敦(ロンドン)の寒灯のもとラブレター
   ~愛妻鏡子さんへ

 ⑥ホトトギス「吾輩は猫」起死回生

 ⑦修善寺に今日(けふ)なお残る漱石庵

 ⑧美しき人と出会えり小天(おあま)温泉

 ⑨『草枕』ゆかりの地なり小天温泉


(晩夏から初秋の句)

 ①蝉すだく朝から元気をもらひけり

 ②主計町道を歩けば蝉の声(金沢の景)

 ③まだ若き父の写真や蝉すだく
   ~終戦の夏、父は幽冥境を異にした。

 ④桔梗見て式部の事を思ひけり
   ~京都御所の北西の門を潜ると紫式部の住まいがあります。

 ⑤花火明かり草のゆらぎと幼子と
   ~再掲をお許し頂きたい。

 ⑥亡き父は「或微音」とぞ呼ばれけり
   注)アルビオン(英語: Albion、ラテン語: Albionは、知られている中で最 も古いブリテン島の名称(雅称)である。亡き父は、英文学専攻であり,     また予てより「ロンドンタイムズ」を一週間単位でロンドンから取り寄せていた。そのような訳で、小生は自然と英語に親しむようになった。

 ⑦倫敦(ロンドン)に住みたき願望亡き父は

                      以上














コメント (12)
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新若葉  文月句会  本句会を終ります。

2024-07-10 | Weblog
        

・遅くなりましたが、七月の句会を始めます。今回の幹事は九分九厘です
・早速の投稿有り難うございました。今回はゆらぎさんは欠席されます。コメント記入をお願いいたします。
・コメント記入を終了として、コメントバックをお願いいたします。
・今回の句会を終了いたします。皆様のご協力に感謝申し上げます。


(紘子)
七夕の逢瀬つつがなき日和
 ・「七夕」は、古来より我が国五節句の一つと云われ、一年にたった一度の織姫様と彦星様の逢瀬の日のようです。お互いに恙なく逢瀬を楽しむ佳日ですね!!。身罷られたご主人と、この日に「一年に一度でも良いから逢いたい」との心情が零れるように想われ、哀切を覚えます。(かつらたろう)

六月に寄り添ふ水無月生まれなる
亡き夫とお大師さまと夏は来ぬ
 ・亡くなられたご主人は七月生まれであったのでしょうか?又、お大師様(弘法大師様)は七月生まれと云われ、七月になればご主人とご信仰のお大師様の両方が想われ、嬉しくなる作者です。(かつらたろう)

森目覚め初夏の朝日のひとりごと
     · 光景も言葉も素晴らしい。作者の初夏の爽やかな感動が伝わってきます。(龍峰)
 「ひとりごと」は森でも朝日でも作者でも誰でもいい。ここで出逢った生き物全ての「祈りごと」なのでしょう。絵本に使えるいい言葉だと思います。〔九分九厘)

梅雨晴れ間空のやさしさ森に触れ
 ・「空のやさしさ」の表現に、自然の呉れる安らぎと調和のすばらしさを感じます(葉有露)

(かつらたろう)
蜘蛛の子の生れてちりぢり糸千本
手花火の命果つかにぷいと墜つ
赤児泣く朝の団地や梅雨深し
捩花や雨の滴の捩じれをり
 ・2か月前に、「捻花」の句を詠んだことがあります。
   捻花野を行く君を見送りて
   捻花身のこのなし見せなやましき   (葉有露)
 ・<葉有露様へ> 
 小生の上記の句に事寄せ、貴兄の過去の句をご紹介頂きまして大変有難う御座います!!。雨の日に眺めた捩花は、水滴が花に沿って捩じれて居り、当たり前の事ながらとても愉快であり美しいものでした。(かつらたろう)

おもひ出は夢の中とや蛍狩り
     ·    何ともノスタルジックな、小さい頃、夢中になって行った蛍狩り。今や夢の中だけだと。老いが被さって一抹の淋しさを感じますね。(龍峰)
 ・ 本当にノスタルジックな句でね。これから先の人生で蛍狩りなぞ恐らくないのでしょう。九割が思い出の人生となってきたこの歳ごろです。〔九分九厘)
 ・<龍峰様、九分九厘様へ>
 小生の上記の句に、素晴らしいご句評を頂戴しまして大変有難う御座います!!。
小学生の低学年の子供の頃は、毎夜のように蛍狩りに出掛け、蚊帳の中に蛍籠を頭元に於き寝て居りました。又、我が家でも子供が小さい頃は夜になれば蛍狩りに出掛けましたが二人だけとなった今では、思い出と夢の中ばかりとなりました!(かつらたろう)


(葉有露)
老いの坂夏越峠仰ぎ見る
梔子の花の匂いに人想う
 ・ 梔子の花の盛りは過ぎましたが、この花はとても良い大人の女性の香りがしますね?先日も買物で出かけました生協の生垣に、八重の梔子の花が咲いて居り余りにも良い香りに、暫く佇んで居りました。小生の小さい頃に亡くなった母親とも、その昔の年上の女性などを想い出しておりました。(かつらたろう)
 (お礼)たろう様
   コメントをお寄せ頂き有難うございます。くちなしの花は、その姿よりも其の香りが印象深く、この香に似合う女人を想像するのも楽しいいものです。
                             葉有露拝

くちなしの香りの誘う小径あり
サングラス優しい声にほっとして
 ・人は他の人と相対した時、相手の目鼻口などの表情により他者を一瞬にして判断します。その中でも、視線は大部分を占めます。ところが相手がサングラスを掛けて居れば、視線が読み取れず不安になります。話してみて、その声に安堵した作者です。(かつらたろう)
  (お礼)
 平凡な句ながらお採りあげ戴き、お礼申し上げます。サングラスは、どちらかといえば、他の人と距離をおき、あるいは遠ざける印象があります。それにもかかわらず、その優しい声に接したときのギャップが新鮮だなと思って,句にしてみました。             葉有露拝

サングラスかけて迷いを隠しおり
     ·     サングラスは魔法の杖。作者のユーモア満点、俳味溢れる句で、いいですね。(龍峰)
 ・   夏の日差しが強いと私もサングラスを使います。普段の眼鏡の上に更にかけ、帽子とマスクもするので、先ずは私の特徴は殆ど分かりません。仮面舞踏会の自由さとはこのスタイルかも。(九分九厘)
 (お礼)龍峰様、九分九厘様
 お採りあげ戴き有難うございます。サングラスは、おしゃれの小道具と気軽にも居られるようですが、様々な心理状況中では、必須の小道具でもあります。
  小生が多用したのは、春山スキーで激しい紫外線、雪からの反射光線をさけるためでした。                 葉有露拝

(龍峰)
荒梅雨や砂利道急ぐセザンヌ展
 ・何処のセザンヌ展に出掛けられましたでしょうか?洋画を嗜まれる龍峰様ならではの行動力ですね?荒梅雨や砂利道はなんのそのとの想いで、展覧会場へ急がれる作者が見えるようです。(かつらたろう)
かつらたろう様
 本句の選句有難うございます。読み取っていただいた通りです。強いて言えば、荒梅雨と砂利道の中を押して、セザンヌを見たいという気持ちを込めたつもりです。(龍峰)

夏帽の色深まるや旅支度
 ・日本の四季は、その生活の随所に働きかけて、季節のもたらす秩序を意識させてれます。(葉有露)
葉有露様
 本句を取り上げて頂き有難うございます。仰せの通りです。日本の四季の変化の豊かさ、万物の移り変わりは人の心に訴えるものがありますね。比較的出かけることが好きな故にか、いつも被っている帽子が日に焼けて小麦色が深まったいることを、旅の準備をしながら、ふと気づき、過ぎ去った過去を思い出しました。(龍峰)

黒南風や市場にこもる人いきれ
大土佐や八金の藁焼き鰹
 ・土佐の高知では男性の豪放磊落な(いごっそう)、女性は快活で働き者の(はちきん)で有名ですね?土佐を訪れ、藁焼き鰹と皿鉢(さはち)料理の歓待を受けられたようですね!!。(かつらたろう)
かつらたろう様
 本句のコメントを有難うございます。「歓待をを受けた」の部分を除いて、土佐はご説明の通りです。高知で市の中心部の市場で、何ともエネルギッシュな雰囲気を味わった様子です。(龍峰)

万緑を分けて鉄塔若狭近し
 ・この句は絵画をすぐに連想させてくれます。龍峰さんもこの絵を描かれたような気がしています。柳宗元と山水画の話し以来、「俳画」なるものに気が向いています。〔九分九厘)
九分九厘様
 本句を深く鑑賞いただき有難うございます。絵画的な見方のご指摘、句を詠んだ時には全く気づきませんでした。
「万緑」と言うイメージは日本の夏の緑一色の生命力を感じます。そこに鉄塔と言う人工的なエネルギーを加えました。そして、「若狭」は原発の近さも暗示しました。
しかし、上記のような自句自解の説明は句を台無しにしますね。(龍峰)

(九分九厘)
それぞれに猪口才ありし金魚かな
 ・熱帯魚や金魚は眺めればとても心が落ち着き、癒やされると言いますね?お家には金魚を水槽にて飼われているようですね?良く眺めれて居れば、それぞれの金魚に猪口才な個性がある事を発見した作者が見えます。(かつらたろう)
 ・たろう様、コメント有り難うございます。金魚を飼うのも20年以上になります。理由は分かりませんが、金魚と一緒の人生がそのまま続いて行かねばならぬと思っています。(九分九厘)
百日紅ひこばえ既に咲くを待つ
耽読のあげくの晩夏旨酒を汲む
 ・文章に酔い、酒に酔う、これぞ人生の旨味。     (葉有露)
 本を読みふけっている内に、夏も遂に晩夏となってしまいました。夜更けに酒を汲みながら、又本を読む事も一興かともですね!!。このまま読書の秋を迎えたい心情かとも?(かつらたろう)
 ・葉有露さま、たろう様
コメント有り難うございます。仲間との研究会での発表資料作成に、ここ2ヶ月近く懸案の難解書を読み続け漸く終りました。辛口の清酒を冷で飲みましたが旨かったです。
(九分九厘)

短夜の端踏む母の夢彼方
老いまじく老いし自覚や夏の幻
     ·    いかにも老人臭くは老いたくないと思いつつも、いつの間にか老いてしまった事を実感する。しかしこれはいっ時の幻なのか、現実なのか。淋しさを感じるも、かくの如く自問自答する心の余裕は素晴らしい。(龍峰)
 ・ 龍峰さん、有り難うございます。いつも正鵠を得たコメントに感心しています。
「老いまじく」は精神的な事のようで、肉体的にはそれなりの自覚があります。これをなんとかして退治せねばと思っていますが。 (九分九厘)
                  以上
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新しいスタイルの草若葉を!

2024-07-07 | Weblog
現在の草若葉でも、諸兄諸姉の様々な句を楽しむ事ができ、それなりに楽しいいものであります。ただ、一回に五句というのは、いささか物足りません。

そこで初めの頃の「草若葉」に戻り、詠みたいように句を詠む、十句でも二十句でも・・・・。ということでは如何でしょうか? 次項に草若葉当初の頃の一例(「桔梗」)を示しますので、皆さまのご意見をお聞かせください。
                         (ゆらぎ 記)

   






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