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道成寺 20日から、万寿丸生誕700年 北面秘仏が16年ぶりに姿現す 〈2021年9月16日〉

2021年09月16日 08時30分00秒 | 記事


本堂の初代千手観音立像背後にある北側の扉が開放される


 日高川町鐘巻、道成寺の二代目釣鐘を寄進した豪族、逸見万寿丸(1321~1378)の生誕七百年に合わせ、万寿丸が作ったと伝わる33年に一度しか見ることの出来ない北面秘仏の千手観音像(重要文化財)が16年ぶりに中開帳として20日午前9時から開扉法要を営んで公開される。北面秘仏は、本堂正面の千手観音像の背後に北側を向いた状態で鎮座しており、普段は開くことのない本堂北側の門扉が70日間にわたって開放される。

 道成寺には三体の千手観音像があるが、北面秘仏は、南北朝時代の1357年に万壽丸が本堂を建て替えたのと同じ時期に第3期の千手観音像として造られた。本堂正面の千手観音像の背後に北側を向いた状態で鎮座。道成寺を建立した文武天皇の后で、平城京の母とも言われる「宮子姫」を想い平城京のある北を向いているという説も。本堂が完成した当時、北面秘仏の前(本堂北側)に板壁があった痕跡があり、「絶対秘仏」として扱われたと伝えられ姿を隠していたが、その後本堂北側に扉が設けられ、江戸時代初期から33年に一度のご開帳が始まった記録が残っている。
 北面秘仏は高さ約3メートル60センチあり、当時、初代千手観音像(高さ約2メートル40センチ)がバラバラに壊れていたため、初代の像を隠す胎内仏(鞘仏)として一回り大きく造られた。初代本尊と二重にした状態で北向けにまつられていた事実は約600年間、知られることはなかったが、昭和61年の本堂解体修理で北面秘仏を修理した際、内部に初代本尊が納められていることが判明。秘仏は初代を守るように4枚の分厚いヒノキ材で彫られ、その後に頭部や手が取り付けられたことも分かった。その後、初代の手などが修理され、北面秘仏の中に収まらなくなったため、初代を本堂の正面にまつり、北面秘伝の観音像は初代を守るように北向きに祭られている。
 普段は開くことがない本堂北側の扉は、33年に一度の春33日間だけ開き、北面秘仏を目にすることが出来る。昭和47年以来となった前回の2005年には3月26日に開扉法要が行われ、鐘供養会式当日の4月27日夕刻に扉が閉じられた。本来なら2038年に開帳されるが、秘仏を造った万寿丸の生誕700年にあたる今年、10月24日には紀の国わかやま文化祭2021の地域文化発信事業で二代目釣鐘が京都市の妙満寺から里帰りし、秘仏も中開帳として公開される。拝観無料。


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