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日高川町文化賞に森田淳三氏と寒川祭保存会 〈2016年10月28日〉

2016年10月28日 08時30分00秒 | 記事

森田淳三氏

保存会によって受け継がれる寒川祭


 日高川町は、町政誕生後2度目の文化賞と文化奨励賞受賞者を発表。文化賞には、川辺文化協会の顧問を14年間にわたり務めた森田淳三氏(87)=小熊=、団体では昭和35年に発足し、寒川地区に伝わる寒川祭の保存、継承に努める寒川祭保存会(奥村昌弘代表)が選ばれた。文化賞とともに奨励賞の個人で書道の手島千奈さん=大成中3年=と、あすなろ倶楽部・絆の星(中本毅代表)が受賞する。

 森田氏は、高校の社会科教師として古事記、日本書紀に精通した経験を生かして「川辺町史」の勉強会を主催したほか、「郷土史同好会」発足後も積極的に活動を展開。昨年まで顧問を14年間務めた川辺文化協会では、研修で自作資料を配布して解説するなど、文化活動の推進や文化の向上発展に尽力した。
 平成7年にNHK教育テレビの「NHK短歌」に入選し、その後もテレビや新聞の「歌壇」に数多く入選。選者に選ばれた歌は500首を超える。故郷にちなんだ和歌を数多く詠み、平成10年から16年間、「会報川辺文化」に「短歌 ふるさと寸描」を連載。平成18年には歌集「残照」を発行した。
 寒川祭保存会は、昭和35年に発足し、地域に伝わる寒川祭の保存、継承に努めている。
 寒川祭は、花のぼりや神輿を先頭に4人立ち獅子舞の道中神楽などが連なって御旅所まで練り歩く渡御が見どころ。祭礼参加者が酒を飲まない古式豊かな祭りとして、県の無形民俗文化財にも指定されている。
 県民俗芸能大会4度出場はじめ、昭和45年の「大阪万博博覧会 世界の市」、昭和51年の「近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会」、平成9年の「紀伊半島民俗芸能サミット」に出演。地域文化の振興と継承が評価され、これまでに文部科学大臣が表彰する「地域文化功労者」や「県文化奨励賞」を受賞している。
 手島さんは、小学校3年生から書道を始め、平成26年の第30回成田山全国競書大会「読売大賞」はじめ数多くの賞を受賞したほか、日中少年少女書道交流団の日本代表15人に選ばれ、中国の北京市に派遣された。
 第49回高野山全国競書大会「審査委員長賞」、第31回成田山全国競書大会条幅の部「日輪賞」、第1回県ジュニア美術展覧会入賞、第14回全国たなばた書道展「たなばた準大賞」、第51回高野山全国競書大会「高野山書道協会賞」などを受賞し、今後さらなる活躍が期待される。
 あすなろ倶楽部・絆の星は、平成24年8月に同町と大阪狭山市の子ども達が演じた「日高川・大阪狭山交流舞台~ふたりのひとつ星」の出演をきっかけに結成。町内の小学生から高校生まで16人が活動している。
 町の各種イベントで大阪狭山市の表現倶楽部「うどぃ」と共演、同市での公演などに出演し、両市町の交流を促進しながら表現活動やボランティア活動を展開。平成26年、あすなろ倶楽部の第1回公演となる日高川町を題材にした大阪狭山市との交流舞台「絆の星」を開催し、今年8月の第2回公演も大盛況だった。若者の健全育成や舞台を通じたさらなる地域交流と町の文化振興への期待が大きい。


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