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由良町 文化賞に横浜の獅子舞保存会 長年の伝承活動を評価、後世へつなぐ 〈2020年10月10日〉

2020年10月10日 08時30分00秒 | 記事

県民俗芸能祭で披露した横浜の獅子舞(写真は平成29年)


 令和2年度由良町文化賞の受賞者が発表され、文化賞に横浜の獅子舞保存会(串本義一代表)が決まった。県無形民俗文化財の獅子舞を地元の神社で奉納するなど、長年にわたり祭りの伝承に力を注ぎ地域の文化向上や発展に尽力したことが高く評価された。功労賞、奨励賞の該当はなく、今年度の受賞者は同会だけ。表彰式は11月3日に役場で開く。
 横浜の獅子舞は昭和38年3月に県無形民俗文化財に指定され、39年1月に保存会を発足し、現在会員は約30人。
 古くから、地元の宇佐八幡神社秋季例大祭に奉納され、二段立ち(肩車)をする所作が大変珍しく、地元では「野遊勇(のべいさみ)の舞」と呼ばれ、「牡丹見(ぼたんみ)の舞」「うたたねの舞」「遠見(とおみ)の舞」の三小曲からなる。
 起源は江戸時代初めに長崎から伝わったとされ(伊勢神楽の系統など諸説ある)、毎年、10月の第3日曜日にとりおこなわれる同神社の例大祭で奉納されている。
 特徴は、笛、太鼓、カンコロ(締め太鼓)、チャミセンの囃子に合わせて約50分間かけて舞う雄壮なもの。獅子舞は乱獅子に似た曲から入り、牡丹の花に戯れる「牡丹見の舞」、眠りにつく獅子が虻を追い払う「うたたねの舞」、大きく伸び上がってあたりを警戒し遠くを眺める「遠見の舞」で、華麗な演技が古くから受け継がれている。
 秋祭りが近づく9月中旬から約1カ月かけて練習し、10月に神社で奉納。太鼓、カンコロ、チャミセンは小学生、獅子舞は高校生や青年が担当し、毎年見物客を楽しませている。
 近年では、ねんりんピック紀の国わかやま2019に伴い同町で開催のウオークラリー交流大会、平成29年に行われた県の減災対策事業・由良港防波堤整備事業起工式で披露したほか、県民俗芸能祭に2度にわたって出演し、伝統芸能の発信と同町のPR活動を積極的に行っている。平成6年には同町文化功労賞を受賞。
 串本義一代表(56)は「伝承していくことが大事と考えます。子どもが少なくなる中、獅子舞が後世に残るようつなげていければ。この度の文化賞受賞はありがたく、皆で伝承し、祭りで地元を盛り上げ地域に貢献していきたい」と話した。


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