全幅10・25メートルに拡幅する藤井の県道御坊美山線
県が御坊市内で進めている藤田町藤井地内、日高川右岸の堤防強化を兼ねた県道御坊美山線改良事業、日高川水系河川整備計画のひとつ下川放水路整備事業は、ともに令和6年度から着工される見通し。県道は現道を堤内(民家)側へ全幅10・25メートルに拡幅、下川放水路は通称18メートル道路の地下にボックスカルバートを設置。ともに長年の懸案事業で早期完成が期待される。
藤井地内の日高川沿いを走る御坊美山線は中学・高校生等の自転車通学路、地域住民の生活道路、川辺インターへのアクセス道路として交通量が多いが、市水道事務所周辺から野口橋周辺までの延長840メートル区間は幅員が4メートル~5・5メートルと狭く、道路照明もないほか、野口橋右岸取り付け部は見通しが悪い交通難所のひとつとなっている。
また、県道と一体化している右岸堤防は昭和28年水害後に完成して約70年が経過し、川側の法面コンクリートが老朽化。「御坊市にとって防災上、市民の命を守る重要な堤防」として堤防強化を兼ねた早急な道路拡幅を求め、県が令和元年度から着手し、現在は用地買収を進めている。
計画では現道を堤内側(民家側)に拡げて全幅10・25メートルに拡幅。車道は6メートルあり、堤内側に2・5メートルの歩道を整備。堤内側に現道を拡幅することで堤防強化につながる。現在の堤防部分についてはボーリング調査で空洞は確認されていないが、工事中に何からの支障が生じていれば必要な対策をあわせて行う。
県は新年度予算に1億円を計上。日高振興局建設部は「引き続き用地買収を進めるとともに一部区間で着工したい」としている。
下川放水路整備事業は令和3年度から着手し、現在は詳細設計中。天理教湯川分教会前交差点から日高川堤防まで約1・5キロの通称18メートル道路(県道御坊停車場線)の地中に3・4メートル~4メートル四方の放水路(ボックスカルバート)を設置。
18メートル道路4車線のうち中央の2車線部分の地下に放水路を設置するため、工事期間中は両サイドを通行できるようにする。県は新年度当初予算に4200万円を計上。振興局建設部は「令和6年度中に一部着工したい」とし、下流部分(日高川堤防付近)からの着工を考えている。
下川は河川ぎりぎりまで家屋が密集し拡幅が難しいため、大雨時は放水路から日高川に直接放流することで下川の氾らんを防ぐ。
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