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御坊市「野口橋」の利用実態調査「あるほうがよい」半数やや超え 〈2024年2月20日〉

2024年02月20日 08時30分00秒 | 記事


今後の対応に苦慮している野口橋


 御坊市は、懸案の老朽インフラのひとつ日高川に架かる野口橋(延長351・8メートル)を廃止するか、当面維持するかの方針を決めるための参考とする利用実態調査結果(速報値)をまとめた。昭和34年完成から65年が経過し、過去2回の定期点検で早期に対策が必要とされるが、10億円以上かかる耐震補強や架け替えは困難なため、廃止撤去を視野に検討しており、調査結果のより詳細な分析を行った上で令和6年度中に方針を出す考え。

 野口橋は、御坊大橋(延長480メートル)に次いで市道で2番目に長い橋。平成10年に約1億円かけて塗装塗り替えなど修繕を行っただけで老朽化が進む。耐震調査も未実施で、5年に1回の定期点検で過去2回とも「早期に何からの対策が必要」との結果。老朽化による落橋事故が懸念されるほか、藤井側での車両進入待機による交通障害、橋脚による水の流れの阻害といった問題もある。
 今後の対策として「架け替え」「耐震補強を含む大規模改修」「塗装塗り替えなど修繕(車両通行止めなど通行規制も含む)」「廃止して撤去」が考えられるが、架け替えは20億円程度、耐震補強を含む大規模改修は12億円以上必要なため、市単独で行うのは現状困難。塗装塗り替えなど修繕を行った上で当面維持するか、廃止して撤去か。修繕でも1億円以上、撤去は6億円程度必要だという。
 最近の交通量調査では一日約740台の自動車・自動二輪車、約90人の自転車・歩行者が利用。まず利用実態を把握しようと、昨年12月22日から今年1月31日まで野口、藤田町藤井・吉田の全世帯1264世帯(アンケート用紙)と、市内外問わず日ごろ橋を利用している人(インターネットのロゴフォーム)を対象に調査を行い、アンケート用紙583件、ロゴフォーム426件の計1009件の回答があった。
 利用頻度は、ほぼ毎日15・6%、週1回程度22・6%、月1回程度19・9%、利用しない41・8%。利用する人の年齢は60歳以上46・7%、18~59歳49・9%、学生3・4%。交通手段は軽自動車40・3%、普通車34・9%、自転車9・1%、バイク5・5%、徒歩10・1%。利用する方向は両方から66・2%、藤井から野口19・8%、野口から藤井14%。利用目的は買物36%、通勤11%、送迎9・2%、散歩9・2%、レジャー7・8%、通院4・7%、通学1・6%など。
 今後については「あるほうがよい」が50・8%と半数をやや超えた。「なくてもよい」は27・3%で、これに「どちらでもよい」の21・9%をあわせればニーズは半々との見方もできる。市都市建設課は「『あるほうがよい』と答えた人の中に、日ごろ橋を利用していない人もいるので結果について詳細な分析を行いたい」とし、今年度中に分析結果をまとめ、来年度中に方針を打ち出す。


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