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日高川町のバイオセンター中津がゴンパチの優良苗を販売 〈2021年5月19日〉

2021年05月19日 08時30分00秒 | 記事


バイオセンター中津が増産したイタドリの優良苗「東牟婁3」


 「ごんちゃん漬け」と呼ばれる日高川町美山地区特産品の原材料となるゴンパチ(イタドリ)の優良種を量産した同町高津尾のバイオセンター中津が、苗販売の電話予約を20日から始める。同優良種は、栽培方法を確立した県林業試験場(上富田町)が、県内から集めた品種の中から見つけ名付けられた「東牟婁3」。バイオセンターが量産に成功し、昨年から販売を始めると、予想を上回る注文が入り、キャンセル待ちの状態となるなど用意した3500株が同町はじめ県下各地の栽培者に販売された。

 元々、ゴンパチは日高地方の山間部にも多く自生していたが激減。そんな中、休耕地などを利用した山間地域の新たな栽培品目として脚光を浴びている。栽培方法を研究した県林業試験場は、県内から集めたイタドリの中から太くて収量が多く、皮むきなどの加工に適した優良品種を選抜。同試験場が組織培養で増やした約20株をもとにバイオセンター中津が昨年、約4000株の増殖に成功した。
 初めて栽培者に販売提供した昨年は、植栽に適した梅雨時期に合わせ6月1日から1苗50円で3500株を販売したところ、予約初日から同町はじめ白浜町や田辺市の西牟婁地方や橋本市など県下各地の栽培団体や個人から注文が相次ぎ、キャンセル待ちが出るほどの人気ぶりで3500株が完売した。
 「ごんちゃん漬け」を生んだ美山地区では、地元生研グループが若芽を使ったジャムペースト、ドレッシング、健康茶などの新商品を生みだし、町内の産品販売所で「美山の贅(ぜい)シリーズ」として販売するなど盛ん。同センターの小早川勇さんは「地域の遊休農地解消の対策にお役に立てればうれしい」と話す。
 今季もバイオセンターでは、プラグトレイ(72穴)を活用して苗を育てており、1トレー単位で販売。1トレー3000円(60株補償・税込み)で、10苗など少量の販売は受け付けていない。イタドリの植栽に適した梅雨入りに合わせ20日から予約の受付を開始し、6月1日から30日まで1苗50円で同センターで受け渡す。予約と購入の問い合わせはバイオセンター中津(電話54・0095)へ。


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