紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

日高川町のユーカリが多摩動物公園へ 〈2016年7月29日〉

2016年07月29日 08時30分00秒 | 記事

川辺地内で生産されているコアラのエサとなるユーカリ


 日高川町の川辺森林組合が、約30年間栽培しているコアラのエサとなる「ユーカリ」が、新たに東京日野市の多摩動物公園に向けて提供が始まった。同森林組合では、大阪市立天王寺動物園で飼育されているコアラに、昭和61年からユーカリを提供してきたが、同園のコアラが1匹だけになって出荷量の減少が心配されていた。そんな中、新たな提供先に多摩動物公園が決まり、明るい手応えを感じている。

 日高川町のユーカリ栽培は、旧川辺町当時から矢田地区などで始まり、現在は千津川、土生、小熊地内など10カ所の園地を借りて、周年で年間1万本近い切り枝を生産。昭和61年からコアラのエサとして天王寺動物園に出荷しており、同動物園が必要とするユーカリの3分の1を提供し、コアラの飼育数が最も多い7頭が居た時期には多くのユーカリが出荷されていた。
 しかし、ここ数年で天王寺動物園のコアラが一気に減少。7頭だったコアラが現在では1頭になり、同園向けのユーカリの出荷量も毎週2回、1箱(65本入り、約20キロ)まで減少した。そんな中、同動物園などを通じて東京の多摩動物公園へサンプル出荷などを重ねて提供を働きかけ、6月上旬から正式に出荷が始まった。多摩動物公園では3頭のコアラが飼育されており、現在は週1回、3~5箱のユーカリを提供。今後も10年契約で提供することが決まっている。
 また、天王寺動物園から香港のアミューズメント施設「オーシャンパーク」にコアラが引き渡されたのを受け、現地のユーカリに慣れるまでの契約で、昨年11月から初の海外出荷を開始。川辺産のユーカリが海を越え、これまで4回、香港に届けられた。
 約30年間、川辺森林組合が生産してきたユーカリは天王寺動物園だけに提供されていたため、同動物園の飼育数減少でユーカリ栽培の継続も危ぐされていた。そんな中、多摩動物公園という新たな提供先が決まり、今後の栽培継続にも明るい話題となりそうだ。


その他の主なニュース

 高速湯浅御坊間 年度内96%発注で工事全面展開、
 御坊~印南(御坊田辺間)も33年末同時完成へ

 県中学ソフトテニスで鈴木美悠・塩路ほのか組(印南)優勝

 御坊労働規準監督署が卸・小売業に係る労務・安全衛生管理説明会

 中学野球、松洋が準決勝で新庄下し2年ぶり近畿大会出場決める