晴れた
洗濯物を干して
出かける
朝の川
の
亀
水面に浮かんで
ゆっくり
進む
青年を励ます初老の男
「心の持ち方しだい」
とナマステ先生は言う
そうですね
道路のゴミを拾う
郵便局の前で話す
台車を押して北に向かう
人と
朝のあいさつをする
おはようございます
おはようございます
良い天気ですね
良い天気ですね
笑顔
笑顔
あの人は
大丈夫でしょうか
あの人は
大丈夫でしょうか
体をこわしているのでは
ないだろうか
青い車に戻った男
キーをさして
北へ向かった
ちりとりにたまった
雨水
ぶちまける
雨水は
土に浸み込み
消える
深き水脈に
ちりとりにたまった
雨水が辿り着くとき
大きな流れに混ざって
海に向かうのか
川に向かうのか
木に吸い上げられるのか
蒸気となって
空に向かうのか
その循環の中に
わたしもいる
ちりとりの雨水は
ぶちまけました
それは
いつか
あなたの涙になるかもね
いつか
あなたの汗になるかも
いつか
あなたの血液になるかも
いつか
あなたのコップの水になって
あなたの体を循環して
また蒸発して
雲になり
雨になり
また
ちりとりにたまるのかも
しれませんね
それとも
大海の
エイの体を循環しているかも
いずれにしても
水はとどまらず
運悪く
ペットボトルの中に
閉じ込められた水もある
それはすべて
開放されて
循環の輪に戻る時が
必ず
来る
北極の
永久凍土が
解けてきた
カモシカに感染した
ウイルスが
溶けだした氷とともに
また世界をめぐる
わたしたちは
水でできている
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良き
風
暑くなってきたので
インナーマスクをやめ
普通にマスクに戻す
2mの距離を保ち
人と近づく時は
マスクをする
そうでない時は
マスクを外す
フィジカルディスタンスを
もう人々は忘れている
covid19の第二波が来たとき
わたしたち
フィジカルディスタンスを思い出す
励行されたマスクと手洗いとうがいと
フィジカルディスタンス
これが
covid19以降の
習慣になるのでしょうね
さびしいけれど
ワクチンができるまでは
しょうがない
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ナマステ先生から
みたらし団子二本と大判焼きをいただく
ありがとうございます
ナマステ先生は
もうずいぶん前から
ユニセフをはじめ
たくさんの寄付をしています
わたしもそろそろ
生活は苦しいけれど
月に三千円のユニセフ寄付か
国境のない医師団に寄付か
考えているところです
黙って寄付している友人が二人いて
ナマステ先生を入れると
三人になります
習え
習え
偉人たちに
遠くの友人から
葉書が来た
そして
給付金の封筒も来た
しずかな夜
わたしは
思う
この世の
たくさんを