kotoba日記                     小久保圭介

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オジのラジオ

2009年09月23日 | 生活
朝、労働場に行くと、
オジは時々、
小さなトランジスタラジオを聞いています。
耳。
夜、今日も労働が遅くなり、
オジはラジオを聞いていました。
小さな音で聞いていました。
「子供の時からラジオを聞いている」
とオジは前、言いました。
オジはラジオが好きで、
ラジオもオジが好きでした。
ラジオの言うことに、
オジは耳を向け、目を向けます。
オジのラジオは、
小さくて、軽く、
銀色です。
イヤホーンの黒い線は、
ずいぶん長そうで、
「5メートルぐらいある?」
と聞くと、
「そんなにあるか」と言いました。
オジなら、5メートルぐらい先に、
ラジオを置いて、
線を伸ばして、
聞きそうな感じがしたから。
オジはラジオを聞いていて、
歌に合わせて歌ったり、
政治のニュースの断片を、
僕に伝えます。
夜の中で、
僕はハンバートを口ずさみ、
オジのラジオは、
オジに歌い、話します。
そんなふうにして、
オジと僕は、
西に続く、
夜の灯りの連なりの白銀を、
見ています。


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