縁

晴くもり

すごく暑い

人混みの中で
座る場所を見つけて
明日の書類を作り
ぼんやりしていると
彼は来た
「やあ」
「どうも」

わたしたちは
２カ月ぶりぐらい前に会ったことを
日にちをさかのぼり
思い出していた

エスカレーターを
のぼったり
おりたいして
絵を見た
声を聞いた
写真を撮った

夜道をゆき
曲がり
止まり
いつもの店に入り
夜遅くまで
ずっと
話していた

彼と初めて会った時のことをおぼえている
あれから１３年も経った
一緒に東京にも行った
駅のホームから桜が散り終えそうな時期だった
そしてまた上京した

ある日
東に向かって
地下鉄に乗って
帰りは
どしゃ降りの川沿い道を
カッパを着て
駅まで歩いた

今
ここで
彼と話しているということ

縁がある
そう思う