小雨
鈴木大拙先生が言った
「空から水が落ちてきている」
「はい」
「空から水が落ちている」
「はい」
鈴木大拙先生は建造物と草木に落ちる雨粒を見た
わたしも習った
見た
粒を
雨の
ーーー
柳原通りから南進する
この道になれてきた
瀬戸線を目下にする辺り
草木の盛りに
会うということ
さまざま
草花の分別に目を奪われ
声を発し
南進する
ーーー
無言の女人
有言と成る
「低い声だ」
鈴木大拙先生が言う
「はい」
夜遅く
雨
たくさん
落ちる
風の音も