kotoba日記                     小久保圭介

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『弱いわたしの子守歌』

2021年09月22日 | 生活詩
  


『弱いわたしの子守歌』



何十年も前
わたしは生まれた
どういうわけだか生まれてしまった

人生を振り返っても
許される歳月ではあるけれど
そうそう振り返ってばかりもいられない

なぜってわたし
今日も生きてるので

生きてるからには
生きなきゃね
どうこうしても
生きなきゃね
面唐ュさいけど
生きなきゃね


明日を歌う若者に言ってやりたい

「未来はないよ
 未来をこしらえるのは
 今日の行いだけよ」

なんてえらそうに


わたしは弱いので
生きてる途中で
祈りの真似事してみたら
これがあんがい便利な代物
手を合わせるだけで
言葉を少し言うだけで
思いもよらず
うまくいったり
うれしくなったり

怒りの中で
泣いたことも
痛みの中で
憎んだことも
苦しみもがき
いまだに深く傷つきながらも
あっちらこっちら生きている

ケセラセラ
ケセラセラ
くよくよしてもしょうがないけど
くよくよするのがわたしなの
それでいいの
わたしはわたし
誰に文句言わせない
くよくよしててそれでいいの
深く傷つくのも良いことなのよ
それだけちゃんと
生きてるってことだもの

あとどれだけ生きるか知らないけれど
生きてるうちは
くよくよするの
ずっとずっと傷つくの
最後までわたしは悟らない
悟ってなんてやるものか
こんちくしょう


生まれてきたから
生きてやる
自分のことだけ考えて
くよくよしながら
めそめそしながら
生きてやる
誰のためでもない
大好きな
わたしだけの人生に
誰にも何も言わせない
偽って
ごまかして
汚いままで生きてやる
純粋なんてどぶに捨てたわ
それでいいの
それが生きる力になるの


少しの情と
大きな欲で
わがまま勝手に生きてやる
だって
だって
一回限りの人生だもの


弱い者は弱いなりに
強がってみせたり
甘えて上手になってみたり
ぜんぶわたしのことは
わたしが一番知っている


生きるって
たいへんなの
こころって
たいへんなのよ
それはそれでしょうがない
生まれてきたので
面唐ュさいけど
生きてあげる
どうにかこうにか
生きてあげるの


誰でもない
わたしのために
わたしの中の
誰かのために



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