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kotoba日記                     小久保圭介

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ふちがみとふなとday

2008年04月13日 | 文学
杉花粉が終わり、
ヒノキの花粉です。
おかげで一週間前からくしゃみ、鼻づまりです。
本当かどうか判りませんけれど、
花粉症の症例で倦怠感もあるとか。
今日は一日、だるくて、
本も読めず、音楽をずっと聴いていました。

夕方から雨が降ってきて、
夜ずっと雨の音を聞きながら、
部屋の明かりを消して音楽を聴いていました。
「雨の音だ」と思いながら、
雨が壁や窓枠、階下のアスファルト、車のボンネットなど、
雨の音とは、
接触音だと思い至りました。
雨と雨がぶつかる音も。
耳に聞こえるのは、しゃあああー、が連続している音なのですけれど。

音楽。
ふちがみとふなとの「ハッピーセット」をエンドレスで。
「日曜日ひとりででかけた」を二回。
「ハッピーセット」を聴いていると、
歌詞で胸がキューとなるということじゃないな、と気が付きました。
渕上純子さんの声が泣いているのです。
勿論、それは技術で、初期のアルバム「日曜日ひとりででかけた」
では、歌が本当に上手です。いわゆる美声。
ところが、「ハッピーセット」、「ヒーのワルツ」では、
その美声が、
裸の声というか、ざらっとしています。
ウッドベースの船戸博史さんの音も、
微妙で、
一音一音が、繊細で大胆で、
美しいです。

歌詞にも、深みがあって、
先日引用した「このまち」の歌詞でもそうですけれど、
「ぼくが元気をなくしたら」
じゃなくて、
「ぼくが元気をなくしかけたら」
と歌っています。
歌う場合の、言葉の音数の都合もあるのでしょうけれど、
「元気をなくした後だったら、とてもじゃないけど無理です」
という意味があって、
「元気をなくしかけた時、ナントカできるかもしらん」
という意味がふくまれているように思います。
「このまち」は町の様子も2行で歌われていて、
恋愛心情だけじゃないところが、
本当に素晴らしいです。
あの2行の導入に、渕上純子さんのセンスを感じます。
あの2行が、どれだけ世界を広くさせることか!

雨の音とふちがみとふなとを同時に聴いていて、
夜もすっかり更けて夜中まで、
電気を消して、
毛布にくるまって、
聴いていました。

生活を歌う、それも繊細で、大胆、ユーモラスに。
それがふちがみとふなとです。
幸せです。



コメント (2)
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