何とも難しい本を貸してくれたものだ。
恩田陸お得意の
異母兄弟やら
偶然のひらめきで解決されるミステリーやら
メタ的世界やらが
見本市のように繰り広げられる。
恩田さん自身も
売るための本
というより
自分の展示会のような意味合いか
メモとして描いたプロットのようなものではないだろうか。
さらにこの本を楽しむためには
ある程度の映画・文学への教養のようなものも必要とされるようで
ただでさせ比喩隠語を並べられた文面を
さらに難解なものにしている。
わかる人だけ手に取ってくれればよろしい。
とピシャッとシャットアウトする。
ある意味
「前略、好みなんて聞いてないぜエール」
のような
「恩田陸と書いて何でもできると読む」
を地でいくような
何とも引き出しの多さを感じる作品なのである。
徹頭徹尾内輪うけに徹するその様は
さながらとんねるずのテレビ番組のようですらある。
そしてこの第四章・・・。
これは如何とすべきか笑。
全部の小説が詰まっている。
おそらくはデビュー前、
それも少女時代に端を発するアイデアも
含まれているのではないだろうか。
というくらい
青臭くエゴに満ちた小説。