僕の前世はたぶんオランダ人。

おもしろきこともなき世をおもしろく

わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)

2014年07月31日 | よむ

ラスト何ページかのためにある本。

そこに至るまでの過程がそれはもう

暇で暇で暇でしょうがない。

同じ題材ならアイランドの方がよっぽどおもしろいや。

イギリスの寄宿学校という古めかしい雰囲気でこの題材を扱うという

ギャップというか、

霧に包まれたような不思議な世界を作り出した手法は面白いけど

霧を抜けた最後にあるものは

例えようもないくらい真っ暗でどこまでもつづくような絶望。

一面の霧の中を手探りで進むかの如く話が進むため

二周目でようやく

ああ、そういうことか!

という楽しみ方ができる。

ちなみに読んでる最中から村上春樹ににてるなぁ

と感じていたが

村上春樹のファンでもある長崎生まれの

日系イギリス人の著書であったようす。

キーラナイトレイで映画化もしたのだとか。

なっとく。


警官の血(佐々木譲)

2014年07月20日 | よむ

なにこれクッソ面白い!

面白すぎて図書館とツタヤで読破してしまったじゃないか!

2008年「このミス」大賞になったり

話題性のある本だってことは知ってて

逆にそれがいやで読まなかったのだけど。

戦後の混乱期に警官になり、子も孫も警官になり、

戦後の混乱期の事件が迷宮入りするも

3代に渡って謎解きが引き継がれていく。

という話。

本筋の謎解きももちろん面白いし

何より昭和の事件史が随所にちりばめられているのが

時代を思い出すとともにリアルな肉付けに成功している。

ミステリーx犯罪史×大河

というのがこの本の面白さでしょうか。

逆に視点がぼやけっぱなしという評価もあるようですが。

それを置いても

3代目の時代に出てくる汚職警官加賀谷!

これが最高!

スペリオール連載中のクロコーチと清家管理官のやりとりを思い出す。

そうなってくるとリチャードウーが最高だとか

クロコーチは警官の血をパクッるんじゃ・・・

とかややこしくなってくるのでこの辺で。

いやぁミステリーはたまに読むと面白いなぁ。


全国一宮巡り甲州編と鶏モツ煮

2014年07月18日 | ぶらぶらする

全国一之宮巡り第何弾か忘れたけど

今回は甲州こと甲斐の国へやってきました!

甲州一宮とくれば吉田の北口本宮浅間神社だ

とばかり思っていたがそれは大きな勘違い。

正解はここ、

御坂ICから桃直売所が軒を連ねる御坂みちから

奥まったところにあるアサマ神社。

浅間と書いてアサマ神社と読む。

吉田の浅間のような神秘的な佇まいを期待してきただけに

この寂れっぷりというか

もっさりっぷりにはやや拍子抜け。

両部鳥居だけはかっこいい。

アングルによってはかっこよくも見える拝殿だけれども。

やっぱり社殿よりも桃に心奪われてしまう。

甲府とくれば小作のほうとう

と晩飯相場は決まっているのだが

ちょっとした気の迷いで

鶏モツ煮で有名な奥藤本店へやってきた。

ビールでモツ煮!

といきたいところだが

涙を呑んで鶏もつ煮丼を頂くことに。

元来甘辛濃ゆ~い煮物は口に合わないたちなのだが

名物なのだし・・・ということで

今更ながらB級グルメに挑戦。

淡い期待を抱いていたのだが

見た目通りの甘辛濃ゆ~い煮物で笑。

キンカンと鶏モツを甘辛濃ゆ~く醤油で煮込んだやつでした。

キンカンは見た目こそ濃厚な卵の黄身なのだが

食べてみると卵白の淡白な味わいそのもの。

店の本業は蕎麦屋のようで

鶏モツも蕎麦屋のサイドメニューから発祥とのことでした。


風濤(井上靖)

2014年07月06日 | よむ

何かの本で引用されていたため気にはなっていた本書。

結局どこの本屋でも見つからずお取り寄せ。

元寇ものってことで

お決まりの北条時宗の玄界灘防衛戦線の話かと思えば

時宗のトの字もできやしねえ。

どころか戦闘シーンがひとつもない笑。

内容としては「朝鮮視点で見た元寇」で

以前に読んだ敦煌とは打って変わって

イマジネーションの欠片もなく

淡々と朝鮮半島の寒村が描かれる。

あえてそうしたようにも感じられるが

ひたすら読みにくい。

フビライはほんとは日本への支配欲も

半島への支配欲もなく

大陸を制圧した暇つぶしにちょっと嫌がらせをしたかっただけなのかもしれない。

唐入りの秀吉も半島民の恨みをかっているが

フビライも秀吉も半島を「島と大陸を結ぶ道」程度にしか

考えていなかった。

というのはおそらく真実なのだろう。

逆に言うとそんな半島民が二千年も態を保てている状況は驚きだ。