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バイデン副大統領の訪日後、分った事は日本の発想転換が必要な事だ。

2013年12月11日 14時21分07秒 | 日記
 懸案のTPP交渉も、日本の農産品の関税率撤廃に妥協をしなかった事と、参加している開発途上国側が米国の特許期限の延長など認められないと猛反発し、米国との交渉が年内締結には時間的に無理になり、年を超す事になった。

 アジア周辺諸国に対する権益を維持して行きたい米国にとって、力をつけてきた中国の存在は、余りにも大きく厄介な問題であろう。

 例によって、筆者は田中宇氏の「国際政治ニュース解説」の論説判断に間違いがないと思っているが、今回は「米国にはしごを外されそうな日本」と言う題で論説を出されている。

 確かに唐突に発表された中国防空識別圏の問題でも、最初の米国の対応と時間経過後の対応には、大きなぶれが生じてきている。

 前回も田中宇氏が指摘されていたが、米国はグローバル企業の大企業群の力が強く、米政府は大企業側の論理に引きずられる様であり、結局今後の中国との取引拡大を目指そうとする彼らを、押し込める訳にいかないのが米政府の現状のようだ。

 バイデン副大統領が日中韓を訪問したが、どう見ても日本と中国の鍔競り合いを避ける目的で訪問した事は、冷静に見れば誰にでも分る行動だった。

 ところが日本政府も日本の大手メディアも、ひたすら日米の従来路線の継続を期待していたようだ。

 バイデン副大統領の帰国後、なぜか安倍首相が日中対話を重要政策のように言う、路線変更を試みようとしているのも、筆者から見ると相変わらずの安倍政権の米国従属の姿勢に見えて、笑ってしまう。

 田中宇氏が、この解説の中で、英国の厚かましいと言うか、ずるがしこいと言うか、英国の中国すり寄りの実態を書いているが、結局自国の経済立て直しの為には、経済運営でどの国を重視するのかを考えざるを得ないと言う事だろう。

 筆者はいつも思うのだが、何故日本は対米従属一辺倒しか考えられないのであろうか?

 地理的なロケーションとしては、中国、韓国、台湾やフィリッピン等々、外交的には絶好の場所におりながら、どうして独自外交政策が打ち出せないのだろうか?

 沖縄普天間基地も、米国の本音はグアムの米軍基地に統合したいと言う思いが前からあるのに、「海兵隊がいなくなると日本が危ない」と言う思い込みの強い石破氏等の意見で、沖縄住民の反対が多い辺野古への移転に固執する。(米軍も仕方がないから同意はしているが、、、)

 何故、自衛隊をもう少し強化して、米軍に頼り切らず、自国を守ろうと努力しないのであろうか?

 そういう時には、「米国の核の傘に日本が入っているから安全なのだ」と言出だす。 本当だろうか? 北朝鮮が日本に核攻撃をする? 北朝鮮が日本を攻撃して、どういうメリットがあるだろうか?

 中国が日本に核攻撃をする? もしそういう事になれば、核を持たない日本に核攻撃をした中国は、国連で袋だたきにあうであろう。 逆にそれだからこそ日本は軍備を拡張しても、核装備を持つべきではない。 持つ方がよっぽど危険だ。

 もっとも、こういう仮定の話は対米従属派の作り話にすぎない。

 どう見ても、現在のアジアでは、昔の日中戦争が起きた時のような国力の差はない。現在では一度戦争状態になると、互いに傷つく範囲は膨大になろう。

 そういう発想の転換をすれば、米軍基地の日本からの縮小は当然行えるであろうし、日本がアジアの中でいかに生きていくかを、もっと真剣に考える事も出来る。

 中国も日本の正当な国防への取り組みには、反対はできないであろう。

 そのためにも、日中韓やアジア諸国との経済活動のより一層の深化が、最重要事項であるべきなのだと思う。
 
 アベノミクスでチマチマと経済特区などと地域の構想をしているが、アジアの主導権を握るような、超大型の経済特区を、日本という国が目指すと言った、でっかい発想が出来ないものかと思ってしまうよ。

 今のままでは、恐らくこういったでっかい構想も、中国に取られてしまうように思われて仕方がない。

(以下に田中 宇の国際政治ニュースを貼り付けます)

米国にはしごを外されそうな日本
2013年12月9日   田中 宇
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 米国の国際政治雑誌フォーリンポリシーのブログに、オバマ政権と米国防総省の高官たちが、中国による東シナ海への防空識別圏の設定を、容認する姿勢を見せ始めたとする記事が載った。中国の識別圏設定に関して米国として容認できない点は、識別圏を設定したこと自体でなく、識別圏設定のやり方であると、高官らが言っている。識別圏に入ってくる外国の飛行機の中には、中国の領空に入らず、中国大陸に並行するコースで公海上を飛んでいくだけのものも多く、並行して飛ぶだけなら中国にとって何の脅威もない。それなのに中国政府は、識別圏に入ってくる外国の飛行機のすべてに、飛行計画の提出を求めている。こうした識別圏の設定方法が問題だと、米高官たちが言っている。 (Team Obama Changes Course, Appears to Accept China Air Defense Zone)

 米高官らは中国に対し、できれば識別圏設定を撤回してほしいが、それは長期的に中国と交渉するとして、中国が、並行コースを飛ぶ飛行機を識別圏設定の対象から外す改善をしたり、日本との緊張を解く外交努力をするなら、とりあえず中国の識別圏そのものは一時的に認めるという新しい姿勢をとり始めている。米国が中国の識別圏設定を認めてしまうことは、日米が組んで中国に識別圏を撤回させようとすることで日米同盟を強化できる(中国は拒否するだろうから対立は長引き、ますます日米同盟が強まる)と考えてきた日本にとって失望になる。

 問題の発言は、12月4日に米国防総省でヘーゲル国防長官とデンプシー統合参謀本部議長が行った記者会見で発せられた。国防総省が発表した記者会見録によると、記者が「中国は識別圏設定を撤回すべきだと考えるか」などと質問したのに対し、ヘーゲルは「識別圏自体は、新規なことでなく、特別なことでもない。最大の問題は、今回の措置が、非常に一方的に、関係諸国との事前協議なしに行われたことだ」とこたえた。デンプシーは「国際規範では、識別圏内に入る飛行機のうち、その先の領空に入る予定のものだけが、設定国に事前報告すればよい。それなのに中国は、識別圏に入ってくるすべてに対し、報告を求めている。この点が問題だ」と述べた。 (Department of Defense Press Briefing by Secretary Hagel and General Dempsey in the Pentagon Briefing Room)

 米国はこれまでも、訓練と称して米軍機をあえて新設の識別圏に突入させ、中国の識別圏設定に絶対反対の態度を示した数日後、米国の航空会社に対し、中国の識別圏設定にしたがって飛行計画を出すことを求めるなど、強硬姿勢と宥和姿勢の間を行ったりきたりして態度が定まらない。「中国の識別圏設定に対する米政府の態度は日によって変わる」と揶揄されている。 (Obama admin. signals U.S. will accept China's Air Defense Zone) (従属のための自立)

 12月3日に来日したバイデン副大統領は、東京で、中国による識別圏の設定が、東アジアの緊張を高める動きであるとして懸念を表明した。しかし、日本側が望んでいた、日米で中国に識別圏設定の撤回を迫るところまで行かず、日米は懸念と不容認の態度を表明するだけで終わった。バイデンは、東京の後に訪問した北京で習近平主席と5時間も会談し、識別圏の話も出たとされるが、記者会見では識別圏の件を何も言わなかった(東京での安倍バイデン会談は1時間半だった)。バイデンは習近平に対し、識別圏の設定を撤回させようとするのでなく、日本との敵対を緩和する対話の仕組みを作るよう求める姿勢をとった。バイデンの言動からも、米国が、中国の識別圏設定自体を問題にしているのでないことがうかがえる。 (China gives no ground to Biden in air zone dispute)

 バイデンが習近平に、日本との対話強化を要請した後の12月7日、安倍首相が、習近平に会談を呼びかけた。安倍は就任後、まだ習近平と会談していない。これまで中国を許さない態度をとってきた安倍が、急に習近平と会いたがるのは奇妙だ。安倍が本気で習近平と会談する気があるのか不明だが、バイデンが習近平に「日本との緊張を高めるな」と求めたら、習近平は「緊張を高めているのは日本の方だ。日本にも緊張緩和せよと言ってくれ」と切り返し、それを受けて米国側が安倍に「習近平と会うぐらいしたらどうか」と言ったのかもしれない。安倍の動きからも、米国が、日本と組んで中国と敵対する姿勢をやめて、中国に譲歩するとともに、日本をなだめに入っていることが見え隠れしている。 (Japan's Abe seeks summit with China's XI)

 11月23日に中国が防空識別圏を設定した直後は、米国が日本を誘って中国との敵対を強め、日米対中国の戦争が近いと感じられる緊張状態だったが、結局のところ、米国は日本の中国敵視策を煽っておいて、日本がその気になり、国会が中国非難を決議した後になって、米国は、中国の識別圏設定を容認する譲歩をめだたないように開始し、日本が米国にはしごを外される懸念が強まっている。米国は今後、再び中国敵視を強めるかもしれないが、その場合、さらに後でまた中国に譲歩することが繰り返されるだろう。米国が中国に対して強い姿勢をとり続けられないことが判明するほど、中国は、真綿で首を絞めるように、隠然と長期的に、貿易・経済面などで日本に報復するだろう。イラン敵視策で米国にはしごを外されたイスラエルを見るまでもなく、同盟国にとって米国は、あてにできない国になっている。こうした状況について、日本国内でほとんど指摘する人がいないのもまずい。 (頼れなくなる米国との同盟)

 日本はかつて国際政治上、米国と並んで、英国を模範としてきた。国際協調主義をとりつつ自国に好都合な世界体制を維持する英国の世界戦略は、過激でむら気があり不可解な米国の戦略より、日本にとってなじみがある。日本は「対米従属」でなく「対英従属」だったといってもいいぐらいだ。しかし今や、中国との関係において、英国は、日本とまったく逆の方向に進んでいる。英国のキャメロン首相は12月初め、百人以上の英財界人を引き連れて中国を訪問した。キャメロンは、中国との貿易や、ロンドンを対中投資の世界最大のオフショア市場にしたい金融分野など、経済での中国との関係強化を重視するあまり、中国がいやがる防空識別圏やチベット、人権問題などの話を、首脳会談や記者会見の席でまったく出さなかった。 (A painful lesson in how not to deal with China)

 英国は、キャメロン自身がつい2年ほど前まで、あえてダライラマと面会して中国を怒らせるなど、積極的な中国敵視策ととり、米英同盟を最重視してきた。だが、米国の金融システムがリーマン危機後延命するだけで蘇生せず、いずれ米国覇権を崩壊させる金融危機再発が不可避と予測されるうえ、中国などBRICSが台頭して多極化が不可逆的に進んでいる。英国は財政破綻のふちにあり、経済難と貧富格差拡大が続き、英国民の4分の1が食糧難の貧困状態にある。キャメロンは中国政策を大転換し、中国との経済関係を強化して英経済を救う動きを開始している。国内の原子力発電所の建設を中国に発注し、中国の国際的な原発売り込みの宣伝役を買って出る半面、人権問題などで中国を困らせるのをきっぱりやめて、米国の右派に揶揄されている。 (Quarter of UK adults in food poverty)

 英国は、米国が敵視をやめたイランにも接近し、外交関係を復活する半面、米国からはしごを外されてイラン敵視をやめられないイスラエルに対し、パレスチナ問題での非難を強め、容赦なく水に落ちた犬を打っている。英国はずるい国だが、国際政治の先読みをして機先を制するのが得意だ。日本が、中国にすり寄る英国を批判しつつ、中国敵視を続けていると、いずれ米国からはしごを外され、英国の後塵を拝するかたちで、日本自身が中国にすり寄らねばならなくなるかもしれない。中国は、すり寄ってくる者に対して傲慢に振る舞うので、中国に媚を売るのは良くない。しかし同時に、米国からはしごを外されて中国に負ける可能性が高いのに、中国との敵対を加速する今の日本も、ばかげたことをやっている。日本はできるだけ早く、自国の尊厳を維持できるかたちで、中国と和解していくべきだ。

(貼り付け終わり)