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一票の格差は、選挙民がもっと怒って 然るべき問題のはずだが、、、

2013年12月01日 14時11分44秒 | 日記
 「1票の格差」が最大4・77倍だった7月の参院選について、広島高裁岡山支部は「違憲」と判断し、岡山選挙区の結果を「無効」とする判決を言い渡した。

 昨日今日の問題ではなく、永年にわたり国会議員の「一票の格差」は問題視されてきた。

 当然のことである。 民主主義国家として,唯一の意思表示の機会である国政選挙の一票の重みに、大きな差が生じていると、現れた結果は国民の総意とは言い難いものになる。

 分りきっているこの格差がなかなか解消しないのは、立法府の立役者である国会議員になれるか、落ちるかの大きな問題が、自分たちの首を絞めるような、身分保全にかかわってくる問題だからに他ならない。

 長く続くこの状態に業を煮やした、広島高裁岡山支部が当選無効と判決したのだ。

 少し前の最高裁判決は、まだ煮え切らずに、違憲状態と言う意味の判決をしている。違憲状態とは何なのだろう。こんな判決を出す限りでは国会議員は屁とも思わないであろう。

 やはり、無効と言う判決は、なんとかせよと迫っているのだ。

 ところで、この判決の大手各紙の社説を見てみると、朝日、毎日、産経、東京など各紙は、早急の改革を迫っている判決に賛意を示しているが、驚くべきは読売である。 筆者は思わず政府の広報紙かと見間違った。

 なんと裁判所の判断に乱暴すぎると言っている。さすがに読売だ。新社屋の完成披露パーティーに安倍総理、森元総理など自民党関係者が参加している新聞社だ。

 保守本流は、最大マスコミに守られ、安泰である理由も良く解るよ。

 下記に読売、毎日の社説を貼り付けますから、皆さんで判断してください。

 しかし、最大部数を誇る読売がこのような社説を出すこの国は、まず改革が進まないであろうし、政府の片棒を担ぐ記事に文句を言わない国民が多いと思うと、なんだか筆者は日本の将来に気が滅入るよ。

(以下に読売社説、毎日社説を貼り付け)

参院1票の格差 選挙無効判決は乱暴に過ぎる(11月29日付・読売社説)

 国会の裁量権に踏み込んだ独りよがりの判決と言わざるを得ない。

 「1票の格差」が最大4・77倍だった7月の参院選について、広島高裁岡山支部は「違憲」と判断し、岡山選挙区の結果を「無効」とする判決を言い渡した。

 参院選を無効とした司法判断は初めてである。

 岡山支部は、3月にも衆院選の「1票の格差」訴訟で「無効」判決を出している。同じ裁判長による今回の判決にも、政治や国会への理解不足が目立つ。

 判決は、投票価値の平等を憲法上の「最も基本的な要請」と断じ、格差是正を最優先すべきだとの見解を示した。

 しかし、昨年12月の衆院小選挙区選を「違憲状態」とした20日の最高裁判決は、「投票価値の平等は選挙制度を決める絶対の基準ではない」と指摘した。

 選挙区選は行政区画を基にしており、地理的状況や交通事情にも配慮する必要性を認めたものだ。これは参院選にも当てはまる。

 参院では、3年ごとに半数が改選されるため、各選挙区に最低2人を割り振らねばならない。参院特有の事情をどこまで考慮したのか、甚だ疑問だ。

 さらに問題なのは「無効」判断である。再選挙のルールも明確でないのに選挙のやり直しを命じるのは、無責任ではないか。

 判決は、47選挙区の全てが無効になり、議員が失職しても、比例代表の議員と非改選の議員がいるため、参院の活動には問題がない、という独自の認識も示した。

 比例選が民意の反映を重視しているのに対し、選挙区選には、民意を集約して政治の安定を図るという重要な機能がある。選挙区選の機能を軽んじる今回の判決は、参院の民意をゆがめる極論だ。

 国会は昨年11月、選挙区定数を「4増4減」する改正公職選挙法を成立させ、最大格差は3年前の5・00倍から縮小した。

 今年9月に発足した参院の各派実務者による協議会は、2016年の次回参院選までの制度改革を目指し、検討を重ねている。

 岡山支部は、こうした対応を一顧だにしなかった。国会の裁量権をあまりに軽視している。

 ただ、国会の取り組みも十分ではない。抜本改革に向けた議論を加速せねばならない。

 今回は、参院選後に提起された訴訟の最初の判決だった。被告の岡山県選挙管理委員会は上告する見通しだ。最高裁には現実的な判断が求められる。

(2013年11月29日01時32分 読売新聞)
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社説:初の参院選無効 司法が発した強い警告

毎日新聞 2013年11月29日 02時30分

 選挙区定数を「4増4減」して実施された7月の参院選について、広島高裁岡山支部は「違憲・選挙無効」の判決を言い渡した。

 判決は、現行制度そのものを改革しない限り、憲法が要請する投票価値の平等の実現はありえないと指摘した。1票の著しい格差を放置することに比べ、無効とすることの弊害が大きいとは言えないとも述べた。国会の怠慢への強い警告だ。

 無効判断は参院選で初めてだが、2010年参院選を違憲状態とした最高裁判決では「13年選挙が現行法の枠組みで実施されるなら無効とすべきだ」と警鐘を鳴らす裁判官もいた。最大格差が5・00倍から4・77倍に縮小したとはいえ、小手先の対応は通用しない。年内に全国各地の高裁で同種訴訟の判決があるが、厳しい判断が続いてもおかしくない。

 参院選で格差を生む最大の要因は、選挙区が都道府県単位になっていることだ。半数改選のため、各選挙区に最低2議席を割り振らねばならず、人口の少ない選挙区では定数を減らそうにも限界がある。あらかじめ選挙区に1議席を割り振る衆院の「1人別枠方式」と併せて、国会は制度見直しを迫られている。

 国政選挙のたびに違憲か違憲状態と指摘される状況なのに、国会の動きは鈍い。「違憲の府」から脱するために猶予はないはずだ。

 参院では、16年選挙に向けて制度を抜本的に見直し、来年中に改革案をとりまとめる予定だ。都道府県選挙区の見直しに踏み込まざるを得ない。地域ブロックを選挙区とすることも一つの案となろう。

 だが、判決は、そういう国会の動きにも手厳しい。07年参院選の最高裁判決(09年9月)が制度見直しの検討を求めて以降、一部の手直しにとどまったとして、「16年選挙に向け、抜本的見直しをした法案が成立する見通しは甚だ不透明といわざるを得ない」と言及した。疑念というより、司法が国会の改革姿勢に強い不信感を表したものと言える。

 7月の参院選で衆参両院の与野党ねじれ状態が解消され、「再考の府」としての参院の存在意義が問われている。2院制を有効に機能させるには、議員の選出方法と役割が異なることが必要だ。任期が長く解散もない参院には、長期的、多面的な視点から民意を反映することで安定した国政を継続する役割もある。

 1票の格差是正を急がねばならない与野党にとって、中長期的に参院の役割をどう考えていくのかも重い課題だ。私たちは、参院を「地方代表の府」とすることも一つの選択肢と指摘してきた。衆院との機能分担のあり方について、政党は議論を深めるべきだろう。

(貼り付け終わり)