元気いっぱいの新老人の ツッパリ発言

団塊の世代のちょっと先輩。75歳を過ぎ、今の世の中がこうなったのも、少しは責任があるのかなと反省をこめての前向き発言

日米同盟にひた走る安倍官邸の動きに、今こそ「本当の中国」を知っておこう。

2015年04月29日 15時38分42秒 | 日記
 安倍首相の米国訪問は、オバマ大統領もそれなりの歓迎の姿勢を示してくれたようだ。

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)の参加国が米国の牽制にもかかわらず、同盟国の英、独、仏、伊を始め、欧州、アジア、アフリカ、中東など57カ国と予想以上に参加した。

 これを米国の覇権の低下という見方をする解説も多いが、どちらにしても米国が焦っている事は間違いないだろう。

 安倍首相の米国一途の思い入れを、米国は今更国粋主義者などと非難してもおられない。 TPPをなんとか成立に目指したいオバマ大統領にとっては、安倍首相をないがしろに出来なくなったのだろう。

 上下院議会での演説も、米国議会に強い影響力を持つイスラエルの力を借りたと言う噂話も、納得できる話で「ホロコースト記念館」をわざわざ安倍首相は訪れている。

 安倍、オバマの会見では、日米が中国の東シナ海での権益拡大を牽制する内容になっているが、一方でオバマ大統領は、慎重に中国に気を使ったアナウンスメントも行っている。

 どちらにしても、アジア地域での中国の影響力拡大を、日米両政府の軍事力で抑制できるであろうか?

 ところで、日本人の対中国の好感度は非常に低い。これはメディアの執拗な中国叩きの影響もあるだろうが、筆者が時々紹介している中村 繁夫氏の今回のコラムで、日本人の誤った思い入れを正している。

 日本人は南京大虐殺などで、中国人は日本に敵意を持っていると思っているであろうが、現実は全然違うと言うのだ。

 最近の中国人がカネの亡者になってしまったのは困った現実だが、中国人はモーレツな合理主義者で、国の為などという考え方はほとんどなく、自分を一番大事にして生きていると言う。

 そうだと思う。来日する観光客などを見ていると、全くおおらかだ。それが余りにも大ぴらなので、日本人の顰蹙を買う原因でもあるのだろうが、、、

 しかし、共産党一党支配の不合理さの現実に中国人は批判的であり、旧日本軍の行為などは、遥か昔の事件であり、もっと中国の現実を知るべきであると訴えている。

 確かに、日本の十倍以上の人口を抱えた国家であるだけに、成長も歪みも大きく作用する訳で、日本に比べ、国全体がレバレッジをかけたような力が働く訳で、隣国として真剣に付き合う必要がある国であることは間違いない。

 日本もそうだが、中国も、両国の政治家のプロパガンダに、国民は乗せられないように注意しなければならない。

(東洋経済オンラインより貼り付け)

中国人の大半は歴史問題など気にしていない
日本人は「本当の中国」を知らなさすぎる

中村 繁夫 :アドバンストマテリアルジャパン代表取締役社長
2015年04月28日

 テレビ東京の北京支局特派員として、中国全土を取材し当局に拘束されること計21回。最新刊『騒乱、混乱、波乱! ありえない中国』(集英社新書)を著した小林史憲氏(現同テレビ『ガイアの夜明け』プロデューサー)と、同じく最新刊『中国のエリートは実は日本好きだ』(東洋経済新報社)を著した日本のレアメタル王・中村繁夫氏との異色対談。

 戦後70年の節目を迎え、これから議論が高まるであろう「歴史問題」について、現地をよく知る両者に語ってもらった。

●「子どもの成績」までカネで買う社会に

中村:私は1980年代から中国とのビジネスを始めて、もう30年以上中国とは付き合ってきていますが、2000年代以降、豊かになってからの中国は本当に変わってしまった。

(中村 繁夫 アドバンストマテリアルジャパン代表取締役社長 中堅商社・蝶理(現東レグループ)でレアメタルの輸入買い付けを30年間担当。2004年に日本初のレアメタル専門商社を設立。)

 とりわけ中国の拝金主義はひどい。何でもおカネ、おカネの世の中に変わってしまいました。

 ビジネスや出世のためにおカネを使うのは、ある程度理解できますが、いまや子どもの学校の成績までおカネで買おうとする。学校の先生に賄賂を贈るのは当たり前になっています。

 中国では10歳にも満たない子どもの頃から、そういう汚い世界を見てしまっている。

 だから、子どもは子どもで、委員長になりたければお土産など物を配りまくっていると言います。完全に社会がおかしくなりますよ。

小林:担任の先生に賄賂や贈り物をしないと、その親の子はいじめられるという話は聞きますね。

 日本ではちょっと考えられませんけれども。その金額も大きい。

中村:実は、うちの孫娘が上海の現地の学校に入って、最初は「日本鬼子」などと言っていじめられていましたが、負けん気の強い子で、おカネではなく「贈り物攻撃」をして人気者になり、クラス委員長にまでなりました(笑)。

 もちろん、勉強も一生懸命やって成績でもいちばんになったのですが、一方で、孫娘が言うには、日本の学校の勉強は「生ぬるい」と。中国は小学校低学年から厳しい競争が始まっていると言っていました。競争というのは勉強面だけではなく、人の上に立つ競争も含めてです。

小林:中村さんが著書で述べられているように、中国のエリートは本当に日本が大好きで、それは子どもたちの間でも同じなんですね。中村さんのお孫さんの贈り物攻撃も、日本のお土産だったから効果が大きかったのではないでしょうか。

中村:都市部のエリートや富裕層は、みな日本好きだというのはわかりますが、農村部で暮らす人々や貧しい人たちはどうなのでしょうか。共産党の「反日教育」に洗脳されてはいないのでしょうか。

●本当の中国を理解しようとしていない日本人

小林:「反日」ではありませんね。内陸の農村に行くと、日本も含めて外国のことをよく知らないという人たちは存在しています。

(小林史憲(こばやし ふみのり)テレビ東京『ガイアの夜明け』プロデューサー。1998年同社入社。2008年から2013年まで北京支局特派員。これまで中国すべての省・自治区・直轄市・特別行政区を訪れ取材を刊行。現場主義を貫き、当局の拘束回数はなんと21回にのぼった)

 ただ、彼らは「反日」とか「日本嫌い」とかではなく、単純に教育や情報がなく、「知らない」という人たちです。

 都市部の人たちは、多くが「日本好き」だと言ってよいでしょう。なぜ、そんなにも「日本好き」なのかというと、その理由は明白です。中国の人たちは合理主義者なので、「自分たちの今の幸せが何よりも大切」という価値観で生きている人がほとんどです。

 だから、いくら「反日教育」をすり込まれても、「愛国心」を第一に考える人は少ない。大事なのは「国」ではなく「自分」です。「自分の幸せのために、質の高い日本製品に囲まれて生活したい」と普通の中国人は考えるわけです。

中村:おっしゃるとおりで、日本人は本当の中国を理解していないんです。私は日中の問題は、日本側にも多分に非があると思っています。

 本当の中国を見ようとしないで、雰囲気だけでものを言っている。中国はそれなりに日本に対して、ラブコールを発していますよ。旧正月には大好きな日本にやってきて、抱えきれないほどのお土産を買って帰ってくれる。そして、中国に帰れば、日本は本当によかったよと、友人たちに話をしてくれる。

 彼らのメッセージを受け流してしまっているのは日本のほうだと思います。「集団で来られて迷惑だ」「マナーがなっていない」など、あらを探して文句を言ってばかりです。それがネトウヨと言われるような若い世代に多いことも気がかりです。

小林:中国でもネットの世界では愛国主義に燃え、「反日」を声高に叫ぶ者もおりますが、総じて見れば、日本のほうが陰湿な気がします。中国を悪く言わなければ、「売国奴」などとののしられたりします。日本のほうが、愛国心が強いとも言えるかもしれませんが、異なった意見を言いにくい社会には、ちょっとした気持ちの悪さを感じますね。

中村:たしかに、日本は同質社会で異分子を認めない社会。一方、中国はいい意味で個人主義です。だから、日本のような「村八分」の文化や体質もないですね。

小林:中国の人はおおらかというか、先に述べたように合理主義者です。なので、過去の歴史を教えられ、反日教育をすり込まれてきても、それと現実の豊かな生活とは別なものと考えようとします。そのことを日本人は知らない、知ろうとしないというのは中村さんのご指摘のとおりだと思います。

 たとえば、私は取材で南京には何度も訪れていますが、料理はうまいし、街並みも古都の趣があるので、南京という街を非常に気に入っています。ただ、その話を日本の友人や知人にすると、みな一様に「えっ」という表情をします。

 彼らの頭にはまず「南京大虐殺」がイメージされるのですね。「日本人が南京へ足を踏み入れて大丈夫なのか」といった感じです。ただ、南京の人たちにとって、南京大虐殺は過去の歴史のひとつになっています。

 もちろん、戦争や歴史の話題になれば、彼らだって気分がいいはずはありませんが、普段から日本や日本人を恨んでいるような人は、極めて少ないでしょう。南京の人たちが日本人と話すときも、わざわざ戦争や歴史の話題を出してくることはほとんどないですしね。

●南京の人々の「苦難の歴史」をどこまで知っているか

中村:共産党の悪口は至るところで耳にしますけれども、日本を悪く言う人はほとんどいませんよね。ところが、日本人の多くは中国の人たちは、日本のやられたことをいつまでも恨んでいると思っている。中国のごく一部の人たちを除いては、歴史問題などまったく気にしていませんよ。

小林:南京を例に話せば、「日本にもひどいことをされたが、共産党にはもっとひどいことをされた」。「日本よりも共産党のほうが許せない」という人たちも少なからずいます。なにしろ、1958年から毛沢東が進めた大躍進政策では、犠牲になった国民の数は5000万人にも上るとも言われていますから。その多くが餓死です。戦争でもないのに、自国の指導者による経済政策の失敗によって、それだけの人が亡くなったわけですよね。

 また、南京という街は、中華民国の時代に国民党政権の首都だったこともあって、「エリートの街」「知識人の街」として知られています。街路樹も綺麗に整備されているし、病院や大学も多い文化都市です。それゆえ、1966年に始まった文化大革命(文革)の際にも、多くの犠牲者を出すことになりました。

 もちろん、だからといって日本がしたことが許されるわけではありません。南京大虐殺の犠牲者の数については諸説ありますが、南京に派兵した事実は間違いないですから。

 私が言いたいのは、日本人にとっては、「南京」イコール「大虐殺」ですが、南京の人にとっては、それ以降にもさまざまな苦難の歴史があるということです。彼らはそれらすべてを乗り越えて、現在、目の前の豊かな生活を享受しようとしています。非常に現実主義であり、合理主義です。

 しかし、日本にはこうした情報が伝わっていないためか、南京に進出する日本企業はほとんどないし、日本料理店も少ない。しかし、実際には現地の人たちは、中国のほかの街と同じように日本食を好きな人が多く、日本料理店をつくってほしいと思っているんです。

中村:日本人は、よく情報を集めないで、自分で自粛してしまうところがありますね。レアアース関係の人たちと中国各地を視察する際にも、「南京だけは行かなくともよいのでは」「あの街に工場をつくるなんて難しいよ」と言う人はけっこういますよ。

 それでも私が強引に連れていって、夜に現地で宴会になると、皆、大歓迎してくれます。ところが宴もたけなわのところで、日本人のほうから「昔、ここで大虐殺をしてしまって」などと話をし始める。「なんで今、そんな話をするのか」とガッカリしてしまうことが何度もありました。

●実際に過去を問題にしている中国人は少ない

小林:私は南京に何度も行っていますが、一度も嫌な思いをしたことはないですよ。知り合いの日本人が「南京でタクシーに乗ったら運転手が虐殺の話を持ち出して非難された」と話していましたが、それは、「南京だから」ということではありません。

 逆に全国どこでも、ありえる話ですね。私もほかの都市で同じような経験をしたことがありますが、まれにそういう人もいるというだけです。それに、タクシーの運転手は地方からの出稼ぎの人が多いですから、純粋に“南京人”というわけでもありません。いずれにしても、日本人が思っているような感じで、過去を問題にしている中国人は本当に少ないですね。

中村:歴史問題は、北京の共産党政権が政治的に利用しているだけなんですね。それを、日本のメディアやインテリたちがストレートに受け取りすぎるんです。

 国内の不満のはけ口として、海外に敵をつくるというやり方は、カネもかけずに国民の意識を政権に向かせることができる、いわば常套手段なんです。ですから、日本は受け流せばよいものを、「なにくそ」と正面から受け止めてしまっている。これでは相手の思うつぼですよ。先ほど話に出ましたが、中国人のほとんどは、日本よりも共産党のほうが嫌いですし、過去にひどいことたくさんされたと思っています。

小林:中国の一般の人たちは共産党のことを信用していません。「日本憎し」などという前に、自分たちの政府に愛想をつかしてしまっているんです。だから、金持ちはどんどん海外に脱出している。それが、どうも日本にはうまく伝わらないというか、日本人は理解できないんですね。

 思うに、日本の人たちは、どうしても自分たちと同じ「物差し」で外国を見てしまうきらいがあります。しかしながら、日本のように国民に一体感があって、平均的に教育水準も高いという国は、世界の中では極めて特殊で、実は中国などは日本とは真逆と言ってもいい国です。大陸で国土は広いし、民族も人口も多い。国民はバラバラで、公共よりも自分優先、格差もとんでもなく大きい。

 ところが、同じ東アジアの国だし見た目も似ているということで、日本人はどこか自分たちと同じ感覚で中国を見てしまう。政府要人の発言は、中国国民全体の声だと思ってしまうし、一市民のインタビューを、中国国民全体の意見だと思ってしまう。しかし、そんなことは決してありません。日本人と同じ物差しで見ているかぎり、日本人は永遠に中国を理解できないと思います。

●日本はもっと「中国人の未来志向」を利用すべきだ

中村:少なくとも、中国の国民は日本よりも現実主義的で、「過去よりは未来」という志向が明確です。共産党政府がなんと言おうとも、日本に行きたい、日本製品が欲しいと思っています。

 日本人は自虐思想というか、反省しすぎなんですね。相手が何とも思っていないことを、自分から言い出してしまう。黙っていれば何の問題もないのに、余計なひと言をいつも言ってしまうんです。反省の意を見せれば相手は好意を感じてくれると思うのが、世界を知らない日本人の悪いところです。

小林:日本のほうが、歴史問題をずっと引きずっている印象がありますね。過去はどんどん過去になり、世界は大きく動いているのに、自ら過去の問題を持ち出して墓穴を掘っている感じがします。日本はもっと中国人の未来志向というか、日本大好きという感情を利用すればいいと思います。もっと戦略的に、賢くなったほうがいいでしょう。

中村:日本人の多くが、自分たちは世界の先進国だという意識があると思いますが、グローバル化という部分では、日本は世界に遅れをとっています。むしろ、ずっと後発の中国にうまくやられている部分が大きいくらいです。グローバルな視点でものを考えるという面では、中国のほうがかなり先を行っていますよ。中国人は国家を信用していないから、昔からグローバル志向なんです。どんどん外国に出て行くし、現地に住み着いてコミュニティを作り上げてしまう。

 アフリカなどがいい例ですが、中国は日本の先を行こうとあの手この手を打ち出してきています。今は家電製品や自動車など圧倒的に日本製品のほうがいいですが、このままだと10年、15年後にはどうなるかわかりませんよ。「性能9割、価格半分」の中国製品が市場を席巻してしまうかもしれません。

 日本人はそれが面白くないから、「無理に背伸びをして」とか「中国の三流技術が世界で売れるわけがない」とか言っていますが、そんなことを言っている暇があるなら、自分たちも本気でグローバル戦略に取り組むべきです。日本人が本気でやれば、中国はまだまだ敵ではありません。いまからでも遅くない。そのことを強く意識すべきだと思いますね。

(貼り付け終わり)

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地方選挙候補者に、果たして政党色が本当に必要なのか?

2015年04月27日 13時34分17秒 | 日記
 統一地方選挙が昨日終了したが、予想されていたように低投票率を更新した。

 本来は有権者の一番身近な政治家を選ぶ訳だから、もっと投票に参加すべきであるはずなのに、現実は有権者が遠のいている。

 筆者が思うには、人口が急速に高齢化に向かい、地域住民の高齢化や減少が著しい。現実に筆者の周りでも、自治会の運営ができなくなったり、自治会長や運営委員の成り手がおらなくなってきている。

 町議会や市議会議員の立候補者が少なく、無投票当選地域も増大している原因と共通していると思う。

 人口減少という現実が進行している結果、市町村議会の運営方法も、根本的な改善の必要性があろう。

 例えば夜間に議会を開催するとか、議員そのものもボランティア議員に置き換えるとか、市民がもっと気安く議会で発言できるようにするとか、大幅な改善を要する時期に来ていると思われる。

 メディアの報道は、市長選も議員選も相変わらず自民が優勢とかいった政党色を強調するが、果たして地域の代表者選出に、そこまでの政党色が必要なのであろうか?

 殆んどの末端の地域議会では、政党色の必要な案件など議案に出てこない。

 自民党候補者は特に、中央と直結した権益のばらまきを強調する結果になり、場合によっては自治の本来の在り方から離反する。

 筆者には相も変らぬ政党色による判断を、地方自治にも疑いもなく適用しようとするメディアにも、住民が選挙に離反する一因があるように思うのだ。


【東京新聞社説より貼り付け)】

統一地方選 終わる 自治にもっと工夫を
2015年4月27日

 人口減時代を見据えて持続可能な地方の在り方が問われているが、地方自治を支える選挙が全般に低調だ。このままではいけない、との自覚を持ちたい。

 18回目の統一地方選が終わった。翌日開票分を待って、すべての当選者が確定する。

 全地方選に占める統一選の割合を示す「統一率」は27%台にまで落ち込んでいるが、それでも、前半戦として十道県知事と41道府県議、政令指定都市の5市長と17市議、後半戦として211市町村長と668市町村議、東京都の11区長と21区議の選挙が行われた。

◆続出した無投票当選

 今回の統一選で何よりも目立ったのは、定数を上回るだけの候補者が立たない無投票当選の多さである。住民の代表を投票で選ぶ機会が失われては、地方自治の基盤は大きく揺らぐ。

 前半戦の道府県議選では、全選挙区の実に三分の一、総定数の22%に当たる501人が無投票当選となった。

 後半戦の市議選でも、無投票当選は15市の計246人で前回の7市計116人から倍増。総定数に占める割合は過去最高の3.6%となった。

 首長選挙でも、政令市を除く市長選の約3割、県庁所在地の津と長崎を含む27市長が無投票で決まった。

 人口減少が進む町村は“なり手不足”がより深刻だ。

 町村長選は全体の43%、53町村が無投票に。町村議選は、総定数の22%、89町村の930人が無投票当選となった。長野県南牧村や東京都神津島村など、定数割れする議会も出た。

 富山県では、唯一予定されていた舟橋村議選が無投票となった結果、後半戦の投票が一つもなくなってしまった。

◆「一強多弱」の波及

 無投票となることで、その地方の将来を左右する課題を論じ合う機会が失われる。民意の在りかも見えなくなるだろう。

 例えば、原発再稼働問題。原子力規制委が断層問題を評価中の北陸電力志賀原発がある石川県志賀町議選も無投票で当選が決まり、断層、再稼働問題は議論の俎上(そじょう)に載せられる間もなかった。

 投票率の低下傾向に歯止めがかからぬ上、論戦なしの無投票当選が続出するようでは、地方自治の足腰は弱まるばかりだ。逆に、人口減少時代を迎え、自治体がこれから直面する課題は重くなる一方である。

 今回、向こう4年間の任期を託された首長、議員にも、待ったなしの大仕事が待ち受けている。

 日本の人口減少と絡め、政府は「地方創生」を掲げ、50年後の人口一億人維持を目指す「長期ビジョン」と今後5カ年の施策の方向性を示す「総合戦略」を昨年末に閣議決定。都道府県、市町村に対しては、地方版の「人口ビジョン」と「総合戦略」を本年度中に策定するよう求めている。

 その地方創生に、いかに対応するか。政府のペースに振り回されることなく、地域地域の事情に即した構想をまとめるには、首長のリーダーシップと議会の適切なチェックが不可欠である。

 地方選挙の不振は、国政の反映という見方が強い。しかし、国政の一強多弱が地方に持ち込まれ、揚げ句にばらまき政治が、もし、はびこるようであれば、いっときはしのげても、十年後、二十年後がおぼつかない。

 総人口が減っていくことを考えれば、これからの地方自治は、希望を示すと同時にムダを削る“退却戦”の手腕も問われる。右肩上がりの時代とは違う。

 難しい時代を前に、自治の担い手不足を放置しておくわけにはいかない。地方自治に幅広い人材の参画を促す大胆な議会改革や環境整備が急務である。

 例えば、小規模町村を中心に、議員報酬だけではとても生活できない、との声も上がる。低報酬が多様な人材の参画を妨げているのなら、兼業を前提とするような議会の在り方の大胆な見直しも検討してみたい。

 だれでも参加できるようにするためには、夜間や休日にも議会を開けるようにする、といった工夫も有効だろう。

◆多様な人材の参画を

 会社員が立候補するなら、勤め先の会社の理解が必要になる。見習いたい先行事例がある。

 司法の分野では、裁判員制度導入という大改革で市民参加を実現させた。地方自治でも、参考にできないか。

 低調だった今回の統一地方選が物語るのは、地方自治の在り方を根本から問い直す時が来た、ということだ。このままでは自治の空洞化は進む。手をこまねいている場合ではない。四年後にまた、低調な選挙は見たくない。

(貼り付け終わり)
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黒田日銀の超金融緩和を続けても、2%インフレは成功しない。

2015年04月26日 12時45分00秒 | 日記
 黒田日銀総裁が打ち出した、超金融緩和によるインフレ目標2%の達成は、すでに2年以上経過するが、殆んどそれらしいインフレの傾向は発生していない。

 日銀側の言い逃れとして、原油価格の想定外ともいえる50%以上の大幅値下がりの結果、インフレを抑えていると言われており、世間もそのように思いこんでいる面がある。 筆者も実はそのように考えていた。

 しかし、 池尾和人・慶応大学教授はリフレ派の理論そのものが間違っていると指摘する。

 まず、原油価格の値下がりがあっても、その余裕で使えるようになったお金で、他の商品の消費に向かう筈であり、インフレのブレーキにはならないと指摘している。

 確かにそうであろう。筆者もクルマのガソリン代が最近安くなったと感じているが、その余裕を貯蓄に回そうなどとの発想にはならない。その他の商品の消費に使ってしまっている。

 そのように我々消費者の行動は、モノの値段が上がりそうだから、急いで色々買いだめしようなどとする動きは、全く見られない。

 従来以上に、安い商品を探し、必要なモノだけを買っているのではなかろうか?

 販売業者の方も、今まで以上に値上げには慎重だ。 消費者の財布の紐は決して緩んでいないからだ。

 結局金融緩和で、カネの発行数量が増えても、だぶついたカネは株式投資などに向かいはするが、経済成長につながる活性化には働いていない。

 経済の活性化には、基本となる人口増や新技術の開発、規制緩和の拡大など、本来の地道な経済発展を 
追求するしか方法はないのではなかろうか。


(ロイターより貼り付け)

池尾和人教授、「リフレ派理論は実現せず」
日銀は自縄自縛になりかねない
2015年04月24日

[東京 24日 ロイター] - 池尾和人・慶応大学教授はロイターのインタビューで、日銀の量的・質的金融緩和(QQE)の理論では、一般物価は貨幣量で決まるため原油安には左右されないはずと指摘。足元で物価上昇率が鈍化しているのは理論が当てはまっていないためであり、日銀はロジックを総括すべきだと語った。

 追加緩和をしてもその限界的効果は薄れており、インフレ期待に働きかけるコミュニケーション戦略も、市場に過度な期待を持たせることで自縄自縛になりかねないとみている。

インタビューは23日に行った。

●リフレ派理論は実現せず、日銀は総括必要

 QQE導入から2年が経過、現状をみると、消費税率引き上げの影響を除いた物価上昇率は再びゼロ%程度で低迷している。池尾氏は「QQEの理論が現実には当てはまっていないことが明らかだ」と指摘。実現していない理論が2つあるとみている。

 まず、「岩田規久男副総裁が提唱していたロジックでは、原油安というのはあくまで相対価格であり、一般物価水準は貨幣数量で決まるという主張だったはず。現在、物価上昇が鈍化している背景について原油安を言い出すのであれば、総括が必要だ」と指摘する。

 いわゆるリフレ派の理論は、原油価格が下落すればその分余裕のできた支出を他のモノやサービスに回すことで、全体の物価水準は下がらないとされる。この物価水準を規定するのはあくまでマネーの量だとする。岩田副総裁が就任前に主張していたのは、ベースマネーの供給量を80兆円程度に増やすことで、物価上昇が可能になるというものだった。

 もうひとつは、「消費税率引き上げによる景気低迷も、追加緩和によりキャンセルできると言っていたはずだが、これも打ち消せたとは言えない」という点。「論理を一貫させるのであれば、緩和が足りないということになる」と指摘する。

 池尾氏は以前から「ゼロ金利制約のもとでは、量的緩和の追加的な効果は乏しい」と主張してきた。「日銀は、QQEは有効だと主張してきたが、実際には反証されたということ。貨幣供給量を増やせば物価を動かすことは容易だという理論が誤っていたのなら、変更するべき。株価が上がったからそれでいいという話も理解できなくはないが、それで済まされないのではないか。そこは論理を再点検してほしい」と語る。

 黒田東彦総裁は期待インフレ率に働きかけることで2%の物価目標を達成しようとしているが、池尾氏はその手法にも疑問を呈する。

 「(物価目標達成への)強いコミットメントと、それを裏付けるためのベースマネーの大量供給の2つにより期待インフレ率を引き上げ、実質金利を低下させるというのが、日銀の理論だ。しかしゼロ金利で貨幣乗数メカニズムが働かない状況下で、ベースマネーを増やすとなぜ期待インフレ率が上がるのか、コミットさえすれば期待インフレ率が上がるのか、その論理は私には理解できない」という。

 その期待インフレ率自体についても「19日のミネソタでの講演で黒田総裁はインフレ予想自体、その測定や形成について明確な知見がないと認めている。にもかかわらず、中央銀行が物価目標に強いコミットをすれば、人々の期待はそれに沿って形成されていくというような、とても断定的な言い方をしている」と指摘。

●日銀にジレンマ

 ただ、期待インフレ率自体のロジックが崩れると、QQE全体が成り立たなくなってしまうため、池尾氏は黒田総裁が2%の物価目標に自信たっぷりに振る舞うことには理解を示す。しかし「それが中央銀行に対する過度な期待を持たせることになるなら、このコミュニケーション戦略はかえって日銀を自縄自縛に陥らせることになりかねず、ジレンマがある」とみている。

 さらにQQE継続の副作用として「市場機能の劣化がはっきりと出てきている」とし、財政政策への影響も大きいと指摘。黒田総裁自らが「デフレを脱却した際には金利も上がる」と警告しているように、「公的債務が余りに巨額なために、わずかな金利上昇でも債務残高GDP比率に与える影響は非常に大きくなる」という。

 「長期金利が上昇した際に、抑制ないし安定させることができるのかどうか。出口戦略は重要になるのだが、そこは曖昧なままになっている」と懸念している。
(中川泉 編集:石田仁志)

(貼り付け終わり)
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シェールオイルの減産だけでは原油価格が上昇しない、サウジアラビアの諸事情。

2015年04月25日 00時23分48秒 | 日記
 米国のシェールオイル生産に減産の動きが続き、最近は国際原油価格が上昇の兆しを見せていた。

 専門家の一部からは、夏場から秋にかけて、原油価格は上昇の幅を広げるという見方が報じられてもいた。

 1か月以上前には、筆者は3月17日のブログで、原油在庫が増え続けているため、原油価格が値下がりする傾向が続くだろうとの情報を紹介していた。

 しかし、原油価格の上昇は、掘削しても採算が合わなくなったシェールオイル企業の減産が広がったりしているため、米国市場で上昇がみられた結果である。

 ところが、中東の最大の産油国であるサウジアラビアは、現在も目一杯の原油の増産を続けているという。

 サウジアラビアにとって、原油は国家の大収入源であり、原油の輸出が最重要産業なのだ。

 原油価格の大幅下落により国家の収入も減っている中で、ISIL(イスラム国)に加わる若者やイエメンのフーシ派が国内でテロを引き起こすことにも警戒しなければならない。

 その結果、イエメンに対する空爆などの軍事費も増大している。

 軍事費を賄うためにも、原油の大増産をせざるを得ないと言えるのだ。

 一方、シェールオイル開発に投資をしている金融関係のリスクも増大している。

 エネルギーの専門家である藤 和彦氏の最新のコラムを読んでおこう。

 藤氏はコラムの最終章に、『規制当局が政策行動を採るのは世界経済の安定化のためには望ましいことである。だが、世界各国の中央銀行が前例のない規模の刺激策を続けているために生じた「債券バブル」が、原油価格急落により弾けようとしているときに、それを穴埋めできる規模の量的緩和策が存在するのだろうか。

 6月のOPEC総会の結果が、2014年11月と同様に世界の失望を招くものになれば、世界の原油価格のさらなる下落を招き、金融危機の懸念が一層高まることになる。サウジアラビアの今後の動向からますます目が離せなくなっている。』と、薄氷を踏むような世界経済の危険性を指摘している。

(JBプレスより貼り付け)

サウジアラビアはなぜ原油の増産を続けるのか
原油価格下落を穴埋め、過去最大水準に達する可能性も
藤 和彦
2015.04.24(金)

 4月のサウジアラビアの原油生産量は日量約1000万バレルと過去最高に近い水準だった。

 韓国を訪問中のサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相がインタビューの中でこう述べた。同国の原油生産量は3月も日量約1030万バレルと過去最高の水準だった(最近のピークは2013年8月の日量約1020万バレル)。

 サウジアラビアの強気の姿勢の背景には、深刻な危機感があった。中国の需要低迷とロシア、クウェート、UAEといった競合国の安値攻勢に直面して、2014年の原油輸出量が前年比5.7%減となったからだ。2015年に入っても、生産量の10%に当たる中国向けの輸出量が、1~2月に2011年以来の低水準に落ち込み、同8%を占める米国向けが1月にはほぼ半減していた。

 石油輸出国機構(OPEC)全体の3月の原油生産量も、前月に比べ89万バレル増加して日量3102万バレルとなり、約4年ぶりの大幅増加となった。サウジアラビアに加えてイラクやリビアが増産したからであり、OPECの4月の原油生産はさらに増加する可能性があると言われている(OPECの原油生産能力は日量3350万バレル)。

 国際エネルギー機関(IEA)は「米国で供給の伸びが鈍り、価格低下により原油需要が増えるため、今年下期に需給が逼迫する」と予想していたが、このような事態を踏まえ、4月15日、「均衡を探る市場の動きはまだ初期の段階であり、需給の引き締まりは予想よりも先になる」と見方を変更した。

●シェールオイル生産に「急ブレーキ」

 一方、世界の原油価格は3月に付けた安値から約30%上昇した。これは、世界の原油価格下落を主導していたシェールオイルの生産に「急ブレーキ」がかかったことが主要因である。

 米国内の石油掘削リグ稼働数は4月17日時点で前週比26基減の734基と2010年以来の低水準になり、1987年以来過去最長の19週連続の減少を記録した。州別に見るとテキサス州が15基減の411基と最大の落ち込みを示し、稼働数は2009年以来の低水準となった。

 石油受け渡し拠点であるオクラホマ州クッシングで、4月13日の週後半の原油在庫が減少したとの情報が広まったこともあり、4月13日の週の原油価格の上昇幅は約4年ぶりの大幅高となった。

 米エネルギー省は、同国のシェールオイル生産が5月に減少し、原油生産全体も6月に減り始めるとの見通しを示したため、ヘッジファンドによる原油価格上昇を見込む買い越しは8カ月ぶりの高水準に増加した。昨年後半から続いていたドル高が米国の利上げ観測によって一服したことも、原油価格上昇に一役買っている。リーマン・ショック後の原油価格は6カ月間急落した後、3カ月間の揉み合いを経て再び上昇基調を見せており、今後原油価格は反転するとの見方も増えてきている。

●サウジはなぜ原油増産の姿勢を取り続けているのか

 とはいえ、世界の原油市場は依然として構造的に需給が緩みやすい状況にあり、「価格の反発は短期的な調整にとどまる」との見方が一般的である。このような微妙な時期に市場シェアを回復したサウジアラビアが、なぜ原油増産の姿勢を取り続けているのだろうか。

 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は4月13日、2014年の世界の軍事費を発表した。これによると、サウジアラビアの軍事費は2013年に続き世界第4位であり、支出額の上位国の中で最高の伸び率を記録した(前年比17%増)。2014年の軍事費は808億ドルとなり、日本の2倍近い水準に達し、軍事費の対GDP比率も10%を超えた(この比率は北朝鮮に次いで高いとする向きもある)。2011年にサウジアラビアの軍事費は413億ドルに過ぎなかったが、2012年から2014年後半までの原油価格高騰局面で、軍事費が倍増したことになる。

 サウジアラビアのGDPにおける輸出額比率は5割以上、輸出額に占める石油売却代金の比率は約9割である。サウジアラビア政府は歳入の90%以上を石油収入に依存しているため、2014年末に策定した2015年度予算は約390億ドルの赤字となった。3月下旬から開始したイエメン空爆により軍事費は大幅増加し、赤字幅は大幅に拡大している可能性が高い(3月26日に開始した空爆は4月21日に終了したが、その間の戦闘機の出撃は2415回に及んだ)。

 2015年1月に死去したアブドラ前国王は、近年オバマ大統領との間で中東政策を巡り意見の相違が目立ち、米国への不信感が募っていた。

 4月14日、米エネルギー省は「米国は2017年までに天然ガスの純輸入国から純輸出国に移行し、15年以内にエネルギーの純輸出国に転じる」との見通しを明らかにした。この見通しからも明らかなように、エネルギーの中東依存度の低下によって米国の中東地域に対する関与の度合いは今後下がることはあっても高まることはないだろう。

 就任後3カ月が経つサルマン新国王(79歳)も、自分たちの身を自分たちで守る体制への転換を模索し始めている。3月29日、アラブ連盟首脳国会議でアラブ合同軍を創設するとの声明を出したのはその一環の動きである。

 安全保障を重視するサルマン国王の下でその重責を担うのは、国王の息子であるムハンマド国防相である。ムハンマド氏の年齢は30歳前後と若いが、国防相は国王になるための登竜門の1つであり、王位継承権の上位に一気に躍り出た感がある。新国防相は「国王のえこひいき」との批判を払拭する意味でも、イエメンでの軍事作戦をなんとしても成功させなければならない。今後、イエメン情勢によっては軍事費がさらに拡大する可能性がある(イエメン南部タイズの政府側の旅団司令部を「フーシ派」が制圧したため、4月22日、サウジアラビアは空爆を再開した)。

 一方、中枢から外されているとの見方も出ており影が薄いのがムクリン皇太子(69歳)である。初代国王(イブン・サウード氏)の息子の中で最も若いムクリン氏は、母親がイエメン出身のため傍流とされてきたが、同じく「ズデイリ・セブン」(ズデイリ妃が生んだ7人の王子)の一員でないアブドラ前国王が自身の死後、一族の後見を託す狙いで抜擢したとされている。今後、新旧国王の取り巻きの間で抗争が起きるかもしれない。

 また、サウジアラビア内務省が4月20日に、「国有石油会社アラムコの石油施設等に対する外国からの攻撃の可能性に関する情報を得ており、治安部隊に出動態勢を整えるよう指示した」と発表したように、サウジアラビア政府はISIL(いわゆるイスラム国)に加わる若者やイエメンのフーシ派がが国内でテロを引き起こすことにも警戒しなければならない。

 このように内憂外患を抱えるサウジアラビア政府にとって、原油価格下落のデメリットを増産で補いたいという誘惑にかられていてもおかしくはない。予算穴埋めのため、今後原油生産量を前例のない水準まで引き上げる可能性があるのではないだろうか(サウジアラビアの原油生産能力は日量1250万バレル)。

 OPECは2カ月後の6月に再び総会を迎えるが、サウジアラビアの姿勢に対して不安を覚えるOPEC加盟国から、「2008年以降設定されていない“加盟各国に対する生産割り当て”の復活を検討すべきだ」との意見が出てきている。イランへの石油に関する制裁解除によりイランの原油輸出が増加する可能性があり、OPEC全体で対処する必要があるという理由である。米エネルギー省は「イランへの制裁解除により、2016年の1バレル当たりの原油価格は5~15ドル下回る可能性がある」と指摘している。

 だが、生産割り当ての復活は市場シェアに直結するため、激しい議論を呼ぶことは必至である(OPEC全体の原油生産能力は日量日量約3350万バレル。日量3000万バレルという数字は生産目標に過ぎない)。

●原油価格急落と金融リスクの高まり

 話題を世界経済に転じると、原油価格急落は、当初期待されていた景気押し上げ効果を生まないばかりか、エネルギー分野での大量リストラというデメリットが目立ち始めている。世界のエネルギー関連業界の人員削減数は既に10万人を大幅に上回っており、その大半は米国に集中している(3月の統計によればテキサス州は約2万5000人の雇用減となり全米で最悪の数字だった)。

 このような事態を踏まえ、JPモルガンは今年第1四半期にエネルギー関連企業向け融資の焦げ付きに備える意味で、商業銀行部門の貸倒引当金を積み増した。

 またバンク・オブ・アメリカによれば、債務を積み上げてきたジャンク級(投機的格付け)のエネルギー企業が打撃を受けているため、デフォルトに陥る可能性が最も高いと投資家が考える「ディストレスト債」(経営破たんしたり経営不振の企業が発行する債券)の発行残高は過去1年で倍以上に増加(1210億ドル)し、市場価格はリーマン・ショック以来の大幅安となっているという。

 原油価格急落により産油国の外貨準備高が減少していることも気にかかる。例えばサウジアラビアの外貨準備高は2月に202億ドル減少した。これはリーマン・ショック直後の2倍のペースであり、少なくとも15年ぶりの大幅減であった。OPEC諸国が市場に流動性を供給するのではなく流動性を吸収するようになるのは20年ぶりのことである。

 IMF(国際通貨基金)は4月16日に発表した国際金融安定性報告書の中で「金融リスクが過去半年で高まっており、市場は流動性が『突然』消え、ボラティリティが急激に増大するような状況に陥りやすくなる可能性がある」と警告を発している。IMF加盟国の間でも、「IMFは苦境に陥った各国への貸し手となるだけはなく、リーマン・ショックの際に米FRBが主導したような、世界の金融安定化を実行する『システム全体の警察官』に進化する必要がある」との要望が高まっている。

●原油価格急落で弾けようとしている「債券バブル」

 主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(4月17日)では、中国が提唱する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」ばかりに焦点が集まったが、その声明の中で「各証券清算機構の脆弱性に対処し、市場ショックに確実に耐えられるよう、規制当局が講じる政策行動を採る」ことが盛り込まれた。

 ここで言う清算機構とは、主に市場関係者の間で「ダークプール」と呼ばれる私設取引システムのことを指す。金融派生商品(デリバティブ)の活用事例が増加したことで、ダークプールは急速に拡大している。しかし匿名性が高いため新たなタイプのリスクが生まれつつある。政策当局者は、ダークプールが破綻すれば市場に大混乱を招くとの懸念を有している。

 規制当局が政策行動を採るのは世界経済の安定化のためには望ましいことである。だが、世界各国の中央銀行が前例のない規模の刺激策を続けているために生じた「債券バブル」が、原油価格急落により弾けようとしているときに、それを穴埋めできる規模の量的緩和策が存在するのだろうか。

 6月のOPEC総会の結果が、2014年11月と同様に世界の失望を招くものになれば、世界の原油価格のさらなる下落を招き、金融危機の懸念が一層高まることになる。サウジアラビアの今後の動向からますます目が離せなくなっている。
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藤 和彦  早稲田大学法学部昭和59年卒。経済産業省より出向。産業金融・通商政策・エネルギー・中小企業分野等に携わった後、平成15年から内閣官房へ出向(エコノミック・インテリジェンスを担当)。平成23年より世界平和研究所主任研究員 石油、エネルギー関係のエキスパート
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国連のPKO活動でさえも、最前線は戦争状態そのもの。「報道ステーション」は頑張っているぞ。

2015年04月24日 00時52分38秒 | 日記
 古賀茂明氏が、安倍政権からバッシングを受けていると暴露して、大騒ぎになったテレビ朝日の「報道ステーション」。

 さてその後、この番組がどのような報道姿勢を取るか、筆者は興味をもって見ていた。

 どこまで調査報道などを行って、視聴者に視たくなる番組を提供できるだろうか? 

 昨夜23日の番組では、結構面白い報道を行っていたので簡単に紹介しよう。

 安倍政権は、自衛隊の海外派兵を行なえるようにと、各種の法案策定に躍起になっているが、国連に派兵するにしても、どういう実態であろうか?。

 この日の特集では、緊迫のアフリカ、コンゴ民主共和国の東部地域で、PKO(国連平和維持活動)に密着取材していた。

 そこで行われているPKOでは、間違いなく反政府組織との戦闘行為が行われていた。

 国連職員であるベテランの日本人職員に同行しての現地取材は、カメラを通じてでも緊迫状態が伝わってくる内容であった。

 しかし、平和憲法を固守する日本であっても参加できる職域が、国連派遣団の中にもあった。

 国連軍事監視団という仕事だ。 この国連職員は紛争地域の真っただ中でも、武器を持たずに紛争の調停を行っている。

 武器を持たないからこそ、紛争の当事者双方から信頼されているのである。

 報道では、治安の悪い地域にUNと大書した自動車で乗り入れ、調停を行っている職員の仕事振りを映していた。

 一人の職員の胸には、小さなインドの国旗が縫い付けてあるのが、筆者には確認できた。もちろん調停には、このように多国籍の職員が参加している。

 しかし、無防備の国連職員でも、調停作業中にも3名が犠牲になっていると、コメントされていた。

 国連の任務であっても、戦闘状態の地域の現実は、死傷者が発生する危険性は当然なのである。

 ましてや、同盟国に自衛隊が参加して、現地で死傷状態が発生するのは、国連の現場以上に当然発生するであろう。

 今までの日本の自衛隊は海外派遣を行っても、当時の日本政府の方針で、幸いな事にあくまで後方支援であったから死傷者は出なかった。

 しかし安倍首相は、普通の国になりたくて仕方がないらしい。 自衛隊の皆さん、今後海外派兵には死を決する覚悟で決定してください。

 今回の報道ステーションは、予想以上に良い調査報道を行っていました。

 また官邸から、テレビ朝日にあんな放送はするなとクレームがつくかな? この内容ではクレームの付けようがないだろう。

 国連であろうと同盟国支援であろうと、例え名目に平和維持のためと付こうが、戦闘行為が避けられないのが、現実なのである、
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