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アベノミクス、第三の矢は有効か?

2013年04月30日 22時45分10秒 | 日記
 アベノミクスの第三の矢と言われる新成長戦略が話題になっているが、ここで小泉時代の竹中平蔵氏がまたもや顔を出している。

 政府の主導で国際戦略総合特区や、地域活性化総合特区を推進する件と、コンセッションという聞きなれない英語で話されているが、簡単に言うと公共施設の運営部門を民間に任せて活性化を図ると言う件だ。

 これらは何も竹中氏が生み出した発想ではない。コンセッションなども欧州や米国で、最近では韓国でも採用されている方式で、要するに官に任しておいても新しい発想は生まれないから、民間の自由な発想に任せて、公共施設の運営にも新機軸を打ち出そうと言う事である。

 考えてみると日本の社会の構造改革が進まぬ原因の多くに、官僚による規制が幅広く張り巡らされており、民間企業で全く新しい事業を進めようとすると、多くの規制事項がストップをかけ、推進するのに長い時間がかかる仕組みになってしまっている。

 一度暇にあかしてGoogleでもYahooでも良いから、「特区」で検索してみると、国際戦略総合特区で7項目、地域活性化総合特区ではなんと37項目がヒットします。

 まあ中身を見て皆さんはどう感じられるでしょうか。筆者は官僚が考えるような思考方法で、民間や地域自治体の総合力を合体して、活性化を図ろうとしているなと感じました。

 しかしこれも新規事業への補助金をつけるための証文のように思いました。

 一番不思議なのは、責任を持つ部門がどこであるのか、責任を取る人はだれであるのかさっぱりわからないし、記述されていないのです。

 典型的な役人の作成した責任者の不明の文書が並んでいます。民間の事業では事業推進者が誰かをまず明記します。プロジェクトリーダーが全責任を持って事業を推進するのが当たり前です。

 一方で、日本の経済成長には短期では直接には役立たないが、民間では投資額が莫大で、リターンの時期も不明といった事業分野には、政府の補助金が必要な事業というものは有ると思います。

 しかし筆者はそれだから止めろとは思いません。例えば宇宙開発事業などは、膨大な資金を必要としますが、日本の経済力から参入せざるを得ないと思います。

 米国の凄いところは、この宇宙の分野にも多くの民間企業が、本格的なビジネスとして参入してきている事です。

 農業分野でも、TPPがらみでもあるのでしょうが、オランダのように農業生産物で多額の輸出で事業を行っている事例を見習い、輸出できる攻める農業を北海道地区の特区で行う事も項目にあがっています。

 しかしオランダの農産物はチューリップや乳製品など、我々が知っているだけでも長い歴史で洗練されてきた農産物なのです。

 昨日今日、あたふたと考えて作り出された農産物ではないのです。

 日本の農産物、海産物なども官の力を借りなくても、民間で洗練された製品は枚挙にいとまがないほどあると思います。

 身近な例では、日本の寿司が世界中で食べられるようになっているではありませんか。

 日本の食材でも、キッコーマンの醤油など永い海外開拓の成果で、海外生産されている立派な国際商品もあります。

 これなども立派な、筆者がいうジャパンブランドなのです。

 あわてずたゆまず、日本で生み出した良い商品、ブランドを大切にし海外進出をすることです。

 どちらにしても民間の地道な努力を規制しないよう、官僚は規制項目を必要に応じて廃止する勇気を持つ事です。

期待が持てない野党勢力。参院選は自民党の圧勝か?

2013年04月29日 15時16分00秒 | 日記
 28日の山口補欠選挙は予想通りに自民党の候補者が当選したが、40%を切る投票率であった。

 なんと言う事だろう。安倍首相のお膝元でありながら、この低投票率は。 

 いくら連休期間の最中とはいえ、事前投票も可能であったはずなのに。

 最近の地方市長選挙なども、例年よりもかなり低い投票率で推移している。

 地方の首長の選択は、ある意味、国会議員を選ぶより地域住民にとっては重要な筈である。

 それでありながら政治家への期待が、どうしてこんなに低下しているのであろうか?

 市民の政治への関心が大幅に低下している実態に、筆者は日本の行く末に対して危惧を感してしまう。

 この市民の熱が醒めきった情勢で、7月の参議院選挙を迎えると、どういう事になるのであろうか?

 マスコミの予測では、自民党などの与党が圧勝するであろうとの見透しであるが、素人の筆者でもそう思わざるを得ない。

 民主党を中心とした野党勢は余りにも、まとまりを欠いている。まるで糸の切れた凧のような状態である。

 日本のリベラル派の実態は、こんなにもお粗末であったのであろうか。

 安倍首相のアベノミクス経済政策が、今のところ順調に進んでいるように見えるため、仕方がないのかもしれないが、与党に対する的を得た政策批判を打ち出し切れていないためであろう。

 筆者は与党のインフレ政策は間違いなく破綻すると見ているが、明確になるには1年以上かかるであろう。
 
 結局この一年間は、憲法改正などの安倍政権のやりたい放題を何とか阻止するしかないが、主要中央マスコミが安倍政権にべったりになっているため期待薄。

 欧州や中東、アジア諸国、アメリカ等の政治的な激変が、アベノミクス推進のブレーキになるのを待つしかないではないかというのが、なんともはかない期待にかけざるを得ないトホホである。

安倍首相の靖国参拝正当化の問題点

2013年04月28日 12時07分36秒 | 日記
 靖国神社に閣僚や国会議員が参拝したことで、またもや韓国中国から非難されており、外交交渉が頓挫している。

 安倍首相は戦争で亡くなった兵士の霊に参拝して何がおかしい、脅しには屈しないと息巻いている。

 だが韓国中国がクレームをつけるのは、靖国神社に戦争犯罪人が合祀されている事を問題にしているのだ。

 それに対して、安倍氏は戦争犯罪人が合祀された最初の頃は、非難がなかったとふてくされている。

 どうも安倍首相を始めとする右派勢力は、日本が中国韓国を侵略した事も、米国と戦争を始めたのも、当時の世界の政治状況から言って、中韓解放の為になっていたのだと強弁しているようだ。

 その論理から、日本の軍部責任者は戦争犯罪人ではないと言う。

 しかし、日独伊三国同盟により第二次世界大戦が勃発しており、国際的な認識では日本の軍部、政府はファシズムの推進者とみなされている事まで反論できるであろうか?

 米欧の民主主義推進諸国は、絶対にファシズムを容認しない。

 ましてTPP参加などで、米国に尻尾を振りまくっている安倍政権が、日本の戦勝国のアメリカ様に、そこまで日本に正当性があると言いきるであろうか。

 安倍首相に出来るならやって見ろと言いたい。

 韓国中国の靖国問題への非難は、戦前の日本の軍事圧力を正当化しようとする、安倍政権のような右翼的な発言にあるのだ。

 中、韓、米、露などと本当に対立したいのならどうぞ。

 筆者は一日本人として,安倍政権の「世論支持率70%は本当かね」と疑っているが、そのような浅はかな男について行く気は毛頭ないぞ。

ユニクロの世界戦略が、ひとつの日本の生き残る道か?

2013年04月27日 12時00分24秒 | 日記
 我々の賃金を上げる唯一の方法は、日本人でしか作り出せないもの(なにも製造物だけではありません。ITのソフトであろうと、流通のシステムであろうと何でもよいのですが。)日本人の知恵とか美的感覚が生み出した物を作り出す事に特化するしかないでしょう。

 その一つは世界に受け入れられるジャパンブランドの確立です。例えば腕時計の世界を見てみましょう。
 スイス製のブランド腕時計の高価格製品は、日本製のセイコー、シチズンブランドの十倍以上が当たり前の世界です。

 スイス製の中には、クオーツではなく、まだ自動巻きの世界があります。そうです。この高級腕時計の世界では、高精度の時間を表示できる事ではなく、美術品と同じ感覚の世界で商売がされているのです。

 従って本物そっくりの偽物商品が出回る筈です。本物と同じ製品を作る技術を持ち、そこそこの加工品を作れるメーカーでは十分造れる品物なのです。

 しかし、その商品についているブランドだけは偽造することはできても、所詮偽物を作ってしまう事になります。

 永年かかかって確立されたブランドは、それほどに優位にあるのです。

 欧州製のバッグや服飾品、靴、香水など、今でも日本人は高くても買い求めているではありませんか。

 フランスやイタリアのブランドメーカーが、ゆったりと商売をしている理由は、まさにそこにあります。

 前回に筆者が話題にしたユニクロは、高級衣料品ではなく低価格で高品質な衣料品、いわゆるファストファッション製品販売の世界戦略を展開しようとしています。

 もしも、激烈な競争状態にあるこの世界でユニクロブランドが確立できれば、世界中のマーケット規模は膨大なものになります。柳井会長の狙いはそこに照準を決めておられるのでしょう。

 TPPの内容を見てもわかるように、TPPの本当の狙いはデザイン、ブランド、特許、映画やアニメなどの作品等の財貨価値を、ガッチリと守られる先進諸国の優位性を保護する政策なのです。

 日本が生き残る道も、そういった世界ではないかと思います。

 かって松下幸之助氏が水道水のように安い値段であれば、黙って飲まれても文句は言われない。大量生産方式で安く作った商品を販売すれば、みんなが豊かになれると言った水道哲学を頼りにした経済活動を続けるのは、もはや難しくなった日本になってしまいました。

 果してアベノミクスの三本目の矢には、どんな政策が出るのか?
 
 賃金上昇にまで結びつくような政策が期待できるでしょうか。

 なにか、新成長戦略とか言っているのを聞くと、労働人口が減る中、女性の社会進出を後押しするとか言っていますが、保育所託児所の充実で済む話です。あまり驚くような新規性もありません。

 先進医学の世界はIPS細胞の発見のように、政府がどうのこうのという前に、世界中で激烈な開発競争が行われています。せいぜい政府(税金)による資金援助でバックアップをするしかありません。

 結局、災害対策とか安心安全対策とか言った名目の、公共工事のばらまきだけの一過性で終わるのではないかと危惧します。


賃金上昇は見込めぬ。アベノミクスの欺瞞にユニクロ会長が本音?

2013年04月26日 14時06分14秒 | 日記
 このところユニクロの柳井会長兼社長が、朝日新聞上での会見や、テレビ、ネット上で話題になっている。

 ユニクロ入社3年以内で50%の新入社員が夢破れて退社するとか、上海新店舗の中国の新入社員が希望に胸ふくらませて、TVの取材に答えているとか、両極端の事実を見せられると筆者も柳井会長の人物像を把握するのに混乱をきたす状態です。

 しかし彼が主張しているユニクロ全世界の店舗の採用条件の理想は、世界同一賃金で経営を考えたいという見方は、グローバル化する企業の経営者では当然の発想でありましょう。

 日本の電機や繊維の製造業が安い製造人件費を求めて、中国を始め東南アジア諸国のインフラ整備環境と見比べながら、製造拠点を鵜の目鷹の目で探している実態が、20年前から現在まで続いているのも事実です。

 グローバル化とは結局、日本国民の人件費が中国などの東南アジアと比較して、経営者が納得のできる線まで収斂していく事を表しているのではないでしょうか。

 すなわちアベノミクスで言われる、日銀が円札を大量に刷って日本国内のインフレを無理やり作り出し、景気を好転させれば、需要も増え生産も増え、それに伴い人件費が上がると言う、まるで「風が吹けば桶屋が儲かる」というような手法をいくら使っても、グローバル化した経営者はアジアの中の日本としか見ておらず、アジア諸国の人々の賃金がまず上がらなければ、日本の人件費までは影響を及ぼさないという事になるのではないでしょうか?

 柳井会長は、見事にアベノミクスの賃金上昇の欺瞞を、自分達の経営経験から反論している事になったのです。

 日本がバブル崩壊後、人件費が下降し続けたのはデフレの影響ではなく、このグローバル化した経済の結果だったのです。

 筆者も、日本人の賃金上昇を本当に願いますが、グローバル化に踏み切っている日本では、柳井氏の発言の様に、経営者からみると従業員の生み出す付加価値が同じなら、同一賃金を払って経営したいというのが本音だと思います。

 収益の上がっている企業は人件費を上げるべきだという安倍政権の愚痴は、グローバル経済下では物笑いの種でしょう。

 企業はそんなお人良しではないのです。当たり前です。明日はどうなるか? どんな経営者でも判らないから、責任感のある経営者ほど自己資金を大事に使おうと、次の投資先等を必死に探しているのです。

 従って、アベノミクスの日銀政策をいくら期待しても、賃金上昇まではまずつながらず、待っても無駄だという事です。(笑)