元気いっぱいの新老人の ツッパリ発言

団塊の世代のちょっと先輩。75歳を過ぎ、今の世の中がこうなったのも、少しは責任があるのかなと反省をこめての前向き発言

ビルエモット氏のご宣託。 アベノミクスで「日はまたまた沈む」のか?

2014年03月30日 13時50分29秒 | 日記
 『日はまた沈む』で、日本のバブル崩壊を予測し、『日はまた昇る』では、日本経済の復活を予測した、英国のエコノミストとして有名なビルエモット氏が、日経ビジネス電子版に「“イタリア化”する日本、アベノミクスは失敗する。構造改革なき消費増税で景気拡大に終止符」という題で、アベノミクスの経済政策を批判している。

 彼が指摘するのは、超金融緩和などの金融政策だけで、アベノミクスが成功したように見えるが、構造改革や自由化改革を伴わなければ、雇用創出や所得拡大、新規の事業投資を促す本当のインセンティブは働かない。

 欧州での、イタリアとスウェーデンの経済危機からの立ち直りの政策事例を引き合いに出して、分り易い解説をされている。

 イタリアが自国通貨のリラからユーロに切り替えて、金利負担などの改善が進んで、一見大きく立ち直るとみえたが、経済政策の改革が出来ずにいた為に、未だに経済の低迷が続いている。

 一方のスウェーデンは、政府が大規模な自由化改革プログラムを導入することで危機に対応した。そしてスウェーデンが95年に欧州連合(EU)に加入したことが、この改革を後押しした。

 これはアベノミクスで言う第三の矢で、既存勢力の構造改革や、自由化の風穴が開けられなければ、失敗すると言う警告だ。

 各地での経済特区設定等で、既存勢力に風穴が開く政策と言えるのか筆者には疑問であるが、根本的な経済構造を変えずに財政、金融政策を調整したところで、長期的な経済の方向性を転換することはできない。

 農業、医療機関などの自民党と関係の強い利益団体に、改革のドリルをねじ込む事が出来るのか、安倍首相の言葉では勢いが良いが、実績がどう花開くかエモット氏に言われるまでもなく、筆者も疑問を感じている。

 そして4月からの消費税の増税が始まる。せっかくの家計支出が拡大せずにしぼんでしまって、アベノミクスが消えうせると言う事態にならないように望むばかりだ。

(日経ビジネスより貼り付け)

“イタリア化”する日本、アベノミクスは失敗する
構造改革なき消費増税で景気拡大に終止符
ビル エモット
2014年3月26日(水)

 世界の国や地域は、お互いに学び合うことはできるのだろうか。もちろん、そうすべきだろう。なぜなら、国際的なデータや経験は、政策担当者たちにとって豊富な潜在的情報源になっているからだ。今、欧州と日本の間には、共有されるべき、大きく重要な教訓がいくつかある。それは、お互いにメリットをもたらすものだ。ただし、政治家たちがそれに関心を払うかどうかは、定かではない。

 政治家は、政治的に都合が良いときにだけお互いの歴史を利用し合うものだ。それゆえ、今年1月、スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムで、安倍晋三首相は1914年の欧州の悲劇的な歴史を引き合いに出した。東シナ海における中国の自己主張が引き起こす脅威について、世界に警鐘を鳴らすためだ。そして欧州の政策立案者たちは今、日本が近年に経験したデフレを例に挙げて、欧州でその歴史を繰り返さないようにすることの必要性を頻繁に話している。

政府は痛みを伴う教訓を学ぼうとしない

 しかし、問題なのは、歴史やほかの国からの教訓はしばしば、民主主義国の政府が無視したい政治的に厄介で痛みを伴う特徴を含んでいることだ。

 欧州の各国政府が日本から学ぶべき主な教訓は、デフレは、執拗に続く低成長率という形で、長期的な経済の脆弱性を生み出すということだ。それは、家計所得と政府借り入れという需要の主な牽引役が、いずれも弱い状態のままでいることが許される状況で起こり得る。

 1997年以降、日本は公的債務の上昇を抑制しようと財政再建策に舵を切った。それと同時に企業に対しては、正社員よりもパートタイムや非正規社員の雇用を促す労働市場改革を実施した。

 その結果、賃金は低下し、家計支出も横ばいか減少した。そして財政政策は基本的に緊縮的だったにもかかわらず、公的債務は増え続けた。もう1つの潜在的な需要の牽引役は事業投資だが、これも常に期待外れだった。企業は大きな新規投資をするよりも、現金を積み上げ債務を減らすことを優先した。

欧州の教訓無視する「アベノミクス」

 欧州は今、日本と同じ状況に陥るリスクを冒している。ドイツに導かれ、ユーロ加盟国は財政再建を目指している。大きな債務を抱える南欧諸国では、労働市場改革によって所得は低下。希望があるとすれば、いつの日か、事業投資の増加が欧州を窮地から救ってくれることだが、企業が投資を増やすべき明確な理由も見当たらない。

 欧州は今後数年間にわたり、デフレと期待外れの経済成長に耐えることになる。そして、最終的には、誰かがアベノミクスに似た政策を導入することで、欧州を救済する――。合理的に欧州経済の先行きを予測すれば、そうなる。

 だが、この予測にも問題がある。それは、アベノミクスそれ自体が、失敗しそうだからだ。なぜか?それは、安倍政権が、欧州の教訓を無視しているからにほかならない。

イタリアが示唆するアベノミクスの顛末

 欧州の教訓とは、構造改革や自由化改革を伴わなければ、雇用創出や所得拡大、新規の事業投資を促す本当のインセンティブは働かないということだ。経済構造を変えずに財政、金融政策を調整したところで、長期的な経済の方向性を転換することはできない。

 このことを理解するには、イタリアとスウェーデンを見比べてみるのが一番良いだろう。両国とも90年代初頭に大規模な金融危機に直面した。イタリアの場合、その危機は90年代中頃以降の大きな財政再建プログラムにつながった。99年に自国通貨リラを欧州統一通貨ユーロに切り替えることで、政策金利は大幅に下落した。それはいわば、“アベノミクス”型の景気拡大を促す大きな力となるはずのものだった。しかし、そのような拡大は全く起こらず、経済の低迷は続いた。

 対照的にスウェーデンでは、政府は大規模な自由化改革プログラムを導入することで危機に対応した。スウェーデンが95年に欧州連合(EU)に加入したことが、この改革を後押しした。つまり、EUの単一市場に参加したことで、貿易と投資に対する障壁が少なくなったのである。

日本にはスウェーデン流の自由化改革が必要

 それは、米国と日本、そしてアジア各国が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の締結によって、今後10年に成し遂げようとしていることと重なる。今やスウェーデンの公的債務は低水準で、過去10年において最も高い経済成長を達成した国の1つとなった。

 日本が学ぶべき欧州の教訓は、今やもう明らかなはずだ。自由化改革を軸とした、アベノミクスの3本目の矢を放つことだ。それは、政治的には痛みを伴う。自由民主党を何十年も支持してきた利益団体と衝突し、打ち負かさなければならないからだ。しかも、すべての成果が表れるまで長い年月がかかるために、実行しにくい。

 今のところ、農家や製薬会社、医師会など様々な利益団体に対する姿勢やTPP参加交渉への対応の仕方を見る限り、安倍政権は日本がスウェーデンよりもイタリアのようになることを望んでいるように見える。

 日本は今、消費増税を間近に控えている。それによって、最近の家計支出の拡大は終わりそうだ。それは、あまり喜ばしい見通しではないが、第3の矢を放ち損なうことによって安倍首相が、自ら選択した結果だろう。
(貼り付け終わり)
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安倍首相の右翼的政権に困惑しているのは、中韓だけではない米国のCSIS研究員

2014年03月29日 13時16分50秒 | 日記
 米国の戦略国際問題研究所(CSIS)はどちらかと言うと米国のタカ派の組織であると筆者は認識しているが、パシフィックフォーラムのニューズレターに投稿された記事が、筆者には興味をひかれた。

 彼らにも、安倍政権の右翼タカ派的政権の考え方が、日本人の多くの人達の考え方なのか、理解に苦しんでいるようだ。

 少なくとも彼らが日本の知識階級や一般市民に永年に渡り影響を与えてきたと思っている、米国の民主主義思想や、米国と日本の防衛関係強化などにつぎ込んできた努力の結果とは、期待外れの安倍政権の思想や政策であるからだ。

 まず米国側が受けたショックは、安倍政権などの右翼系の人達が、先の太平洋戦争での日本の敗戦は騙された結果であり、東京裁判も不当に裁かれたし、今の日本の平和憲法もあてがい扶持であるし、南京大虐殺事件なども事実は不明と広言している事である。

 確かに上記の様な内容は、保守系大手週刊誌などでは、繰り返し繰り返し、大見出しで書かれている内容である。

 一般市民も、いつの間にかそういう記事内容に洗脳される可能性は、筆者でも充分感じられることだ。

 そして日本の右翼的タカ派の発言に、過剰に反応する中国、韓国のお互いのナショナリストの角突き合わせた対立が不毛である事は自明の理であり、米国が適切な対応を取るべきであったと書いている。

 今までは時として日中の対立を、日米同盟の強化に役立てようとしていた戦略が、米国側にあったように思うが、米中の二大国論に米国も徐々に考え方をシフトしてきている結果かもしれない。

 安倍政権がまだ存続する限り、日本国民が米国、中国、韓国など近隣国との付き合い方をどうすれば良いのか、考える必要があると筆者は思うのだ。

(JBプレスより貼り付け)
 
安倍首相を理解しよう、しかし焦点は「日本」に

2014.03.28(金) パシフィックフォーラム CSIS
(米「パシフィックフォーラム CSIS」ニュースレター、2014年20号)
By Grant Newsham

 安倍晋三首相の“右翼”的政策の結果、日本が中国との紛争にアメリカを引きずり込む恐れがあるとの懸念が強まっている。安倍総理の見解には進展ないしは楽観的な根拠となるものと同様にそのような懸念の裏付けとなるものが併存しているため、その発言は全体として正しくとらえなければならない。

 安倍首相の取る行動の中には、とりわけ靖国参拝は日米同盟を重視する人々にとって不可解であり、また失望させるような行為も見受けられる。また、それと同じくらい正当化するのが困難なのは、NHK会長や日本政府関係者による、従軍慰安婦に関してならびに第2次世界大戦中とそれに至るまでの10年間における日本の行動に関するお決まりの挑発的なコメントである。

 しかしながら、彼らの思考の背景を理解すれば、それらの行動はそれほど不可解とは言えなくなる。

 安倍首相ならびに一握りの日本の支配階級は、日本は戦争によってアジアでの白人支配を打倒し有色人種を解放するという高貴な行為を遂行した(筆者の言葉ではなく彼らの言葉)と信じている。さらに彼らは東京戦犯裁判(訳注:極東国際軍事裁判)は違法であり、南京大虐殺ならびにその他の“申し立てられている蛮行”は単に“申し立てられている”に過ぎないと考えている。そして、たとえ日本が何らかの過ちを犯したとしても、戦争中には誰によってもそのような過ちは犯されるものだ、と論じているのである。

 安倍首相やそれら一部の日本の支配階級は、日本がこの“自虐”史観(筆者の言葉ではなく彼らの言葉)を受け入れている限り、日本はその独立と尊厳、すなわち日本自身の自尊と他国による尊敬、を回復しないであろうと考えているのである。したがって、安倍首相の靖国訪問のような行動は、現在の日本政権は過去の謝罪と“罪”の告白は受け入れがたいということの発信であり、それらは日本を抑制する“自己屈辱”に反駁しようという行為なのである。安倍首相はそのような行動を取ることは道義的リーダーシップであると考えており、それらの行動が批判を巻き起こしても実施する価値があると思っているのだ。

 安倍首相とその支持者たちの見解のうちほとんど認められないことの1つは、第2次大戦で日本が敗北したこと(彼らは日本が騙されたと信じている)ならびに占領されたことに対する彼らの憤激である。同様に厄介なことは、日本の憲法が(それに民主主義も!)アメリカ人によって押し付けられたものであるということである。

 安倍首相たちは外国人が日本を支配するという考えを嫌悪しており、アメリカにより課せられた民主主義を遺憾に思っていると耳にしたことさえある。彼らは、日本は全ての人々の利益のためにエリート階級(彼ら)が動かす儒教的社会である、と考えている。

アメリカはどのような日本人と親交を深めるべきか

 これらの人々の多くは、米国との(軍事同盟を含めた)関係を継続させたがってはいるものの、彼らの憤激は不穏な潜在的感情として存在し、常に肝に銘じておかなければならない。安倍首相の振る舞いに対して“なぜ”を問う時、そのように解釈することが鍵となるだろう。

 それを解き明かすのはさほど難しいわけではない。ただ彼や彼の仲間たちに尋ねればいいだけなのだ。しかし、たいていの場合アメリカ人は尋ねそこねてしまう。

 日本の保守主義者との親交が明らかに欠如しているのだ。それは筆者の長きにわたる観察と一致する。つまり、アメリカの“外交政策階級”(外交官、シンクタンク研究者、ジャーナリスト、学者、ブロガー)は比較的少数の日本人エリートやメディアにのみしか話をしていないようである。

 日本の著名な閣僚が就任する少し前に、その閣僚は筆者に「あなた方アメリカ人は、いつも不適切な日本人と話している」と語った(筆者も彼に、日本人もいつも不適切なアメリカ人と話している、と告げたのだが)。「外交総論101」のように思われるであろうが、時として我々は、日本の政界の全ての分野とコミュニケーションを図ることが、日米相互理解の改善にとって不可欠であることを忘れてしまっていたのである。

 安倍首相や右翼タカ派の考え方は多くの日本人に共鳴されるであろうか? それほどでもあるまい。重要なことに、日本の支配階級と言ってもいい人たちの中には、第2次大戦に関する上記のような憤激の感情を抱いていない人や、安倍首相や彼の後援者たちと完全には意見が一致しない人々が多数存在する。彼らは米国を評価し、より平等な関係とはいえ、しっかりとした関係を望んでいるのである。

 アメリカはこのような人々との親交を築きあげ、より支援すべきだ。定期的に彼らと話し合うことは大いに有用である。これにより彼らの日本の階層の中での地位を高め、アメリカが日本をよりよく理解するのを助長することになるであろう。

 日本の政治家、役人(現役も退官したものも)、学者そしてメディアは、しばしば彼らの見識を伝えることができないことに不満を表明する。彼らは現政権関係者と近づく手段を持たないか、対話を統制することしか頭にない人々に妨害されている。太平洋軍、ペンタゴンそれにワシントンの外交政策関係者といったアメリカ側は、適切な門戸開放政策を実施し、このような人々をもっともっと対話に招き入れなければならない。

 「トラックII対話」(訳注:民間学者、退官役人、退役将校、その他民間専門家など非政府関係者などで行われる民間外交)、シンクタンクでの議論、それにセミナーは有益なコミュニケーション手段である。それらは、英語が堪能でない(実際にはこのような人々がこのグループの大部分なのであるが)学者や役人、その他の人々を組み込むための協調的努力を行うことで、より改善することが可能である。比較的少数派である英語に堪能な日本人グループ以上のことを成すことにより、理解を双方向へ拡大することができる。通訳には費用がかかるが、それだけの見返りがあるのは間違いない。

 アメリカ人は、特定の政権に関心を集中させるのではなく、一歩下がって日本をより大局的見地から考察すべきである。日本の首相は入れ替わりが激しく、彼らの多くにはそれぞれ特徴がある。特定のコメントに拘泥してはならない。鳩山由紀夫元首相の言動の中には、安倍首相が言ったことと同じくらいの驚きを与えるものもあった。しかし日本という国には、首相や、彼らの歴史に関する興味深い考えよりも、多くの意味があるのだ。

米国と日本は特別な関係を築くことができる

 最後になったが、安倍首相にも日本にも、中国やその他に対して戦いをふっかける意図はないことを理解すべきである。結局のところ日本は、多くの隣国、とりわけ中国、北朝鮮、ロシアよりも文明的であり、信頼できる振る舞い、個人の自由、立憲政体などがより高度に顕現されているのである。

 日本はめったに自らを上手に弁明しないが、日本は米国の助けを利用することができる。例えば中国や韓国は、安倍首相が、1930年代の軍国主義の寸前の頃に日本を舞い戻らせたと、確固たる事実として主張する。米国政府は、この誤った主張に日本が異議を唱えるのを助けるべきである。

 また米国政府のスポークスマンは、安倍首相の靖国参拝に対して公に“失望”を表明する代わりに、日本の過去70年間における手本とすべき立派な振る舞いを強調することができたであろうし、靖国参拝によって日米関係が白紙に戻されることなどない、と宣言できたであろう。もし必要ならば、不満は非公式に申し伝えられるべきである。

 もし米国がアジアにおける米国の国家安全保障上の目的を本気で達成しようとするのならば、米国は安倍政権の特異な行動の先を見据えて、米国が英国との間に築いた“特別な関係”と類似した関係を日本との間に構築しなければならない。

 日本には日本の風変わりな点があり、米国には米国の風変わりさがある。しかしながら、我々両国はアジアにおける自由と繁栄を依然として希求している。その鍵は、安倍首相ではなく日本に焦点を合わせることにある。

(本記事は筆者個人の見解を述べたものであり、必ずしもパシフィックフォーラムCSISあるいは戦略国際問題研究所[CSIS]の見解を代表するものではない。)

[筆者プロフィール]
グラント・ニューシャム(Grant Newsham)・・・20年にわたり、外交官、ビジネス・エグゼクティブ、それに陸上自衛隊に対するアメリカ海兵隊連絡将校として日本に滞在した。現在は日本戦略研究フォーラム上席研究員。
© 2014 Pacific Forum CSIS. All rights reserved.

(貼り付け終わり)
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安倍政権も、結局は米国と同調するしかなかったのか?

2014年03月28日 16時02分25秒 | 日記
 田中 宇(さかい)氏の「国際ニュース解説」は、筆者にとって非常に世界情勢を知る貴重なサイトです。

 インターネット上に流れている情報を冷静に分析して、この解説記事サイトを作成していく才能には敬服の限りである。

 そこには国際情勢に対しての思い込みや、一方的な見方をするのではなく、多方面の情報を分析しておられ、非常に読みごたえのある記事になっている。

 今回の「ウクライナ危機は日英イスラエルの転機」は、後半の英国に関する記述は、次回であるが、前編のうちから少々長い記事であるため、筆者の独断で、日本の今後に対する分析が書かれている辺りから、転載させてもらった。

 筆者もこのブログに書いていたように、米国が中国包囲網から転換を始めており、ウクライナ問題がより中国支持にならざるを得ない状況を造っていると、田中氏も書いておられる。

 そして北東アジアは、将来はやはり中国が中心になって、まとまっていくとの予測を書いておられる。この辺りは興味をそそられる部分だ。

 石原慎太郎氏の尖閣諸島を東京都が買い取ると言う発言から、火が噴いた尖閣国有化問題と中国の反日運動に対して、最近石原氏本人が、「あれは間違いであった」と自己否定しているようだ。

 やはり、対米追従派の石原氏も、米国からの強い修正要求に同調せざるを得なかったのであろう。

 しかし日本の尖閣諸島の国有化などの一連の政治行動の結果や、右傾化した石原・安倍の支持派も、はしごを外されたようなものだ

 その他北朝鮮の問題などなど、田中宇氏の分析は是非読まれる事をお勧めします。

(田中宇の国際ニュース解説より貼り付け)

ウクライナ危機は日英イスラエルの転機
2014年3月25日   田中 宇

 安保上の唯一の後ろ盾だった米国が弱さを見せるので国家戦略を転換せざるを得なくなっているのは、イスラエルだけでない。日本も同じだ。日本は、戦後の国是だった(官僚独裁制を維持するための)対米従属を延命させるための策として、尖閣諸島の国有化を皮切りに、南京大虐殺など誇張的な東京裁判史観の否定、首相の靖国訪問などによって中国との敵対を煽り、竹島問題や従軍慰安婦問題否定で韓国との敵対を煽ってきた。

 世界多極化の一環として、東アジアは長期的に見て、冷戦構造(米覇権)から脱却して中国中心の国際秩序に移行する途上にある。韓国や北朝鮮、東南アジア諸国は、すでに中国の傘下に入る傾向が顕在化している。日本がこの流れに抵抗せず、中国や韓国と良好な関係を保っていると、日本は中国中心の東アジア国際体制を容認したと米国からみなされ、いずれ日米安保体制を解かれ、沖縄駐留米軍にグアムに撤退され、対米従属ができなくなっていく。日本の権力(官僚)機構がこれを阻止するには、中国や韓国、北朝鮮との敵対関係をできるだけ永続するのがよい。日本が中韓朝と仲違いしている限り、米国は日米安保体制を崩しにくい。このような構図の上に、中韓朝との対立が扇動されてきた。

 しかしウクライナ危機で米露対立が激化するのと前後して、日本政府は中韓朝との敵対を緩和する動きを開始している。最大のものは、これまで韓国の朴槿恵大統領と会わないようにしてきた安倍首相が3月26日、オランダでの核安保サミットで、米オバマ大統領の仲裁のもと、今政権で初めての日韓会談を行ったことだ。これは4月に予定されているオバマの日韓訪問を前に、米国が日本に「韓国と仲直りしてくれないとオバマが訪日しにくい」と圧力をかけた結果とも考えられ、4月のオバマ訪日後、日本政府は再び韓国と仲を悪くするような策を講じるかもしれない。

 しかし安倍は3国会談で、韓国語を話して朴槿恵の気を引こうとするなど、米国の圧力でいやいやながら日韓会談したと考えるには、サービスしすぎだ。韓国語を発して気を引こうとする安倍に対し、朴槿恵は真顔で冷たく対応したと報じられている。こうした構図から見えるのは、米国の圧力で日本がいやいや日韓会談したのでなく、日本が米国に頼んで韓国との関係改善に転換したという経緯だ。

 安倍は朴槿恵に会談を受けてもらうために、日本が「戦争犯罪」について謝罪した93年の河野談話と95年の村山談話の撤回をしないと決定している。2つの談話の撤回を検討してきた安倍政権が、撤回しない決定を下したのだから、これは不可逆的で、安倍は今後、同じ件で韓国を怒らせる策を再発動できない。安倍が、オバマ訪日後に韓国との敵対を再開したいなら、こんな手は採らない。

 日本政府は、北朝鮮との交渉再開も模索している。安倍政権は、拉致問題を解決するためと言って、北朝鮮との早期に交渉再開したいと表明している。日本政府はこれまで、拉致問題は解決したいが、北朝鮮はウソをつくし、軍事的脅威を日本に与えているので交渉を再開できないと言っていた。北朝鮮は最近、ウクライナ危機を境に中露の結束と米国の覇権衰退が起こり、北朝鮮問題の解決が米国でなく中露の手に委ねられることに対する不満を表明するためか、さかんに短距離ミサイルを試射し、威嚇している。日本政府が「北朝鮮と交渉できない」とさじを投げて当然の状況だ。しかし日本政府は逆に「北朝鮮との次官級協議を予定どおり行う」と表明している。日本にとって、急いで北と交渉せねばならない状況になっている感じだ。

 3月17日には、拉致被害者の横田めぐみさんの両親がモンゴルでめぐみさんの娘のキム・ウンギョンさんと面会した。安倍政権内でも飯島勲・内閣官房参与は、めぐみさんはすでに死んでいるとの北朝鮮の主張を日本側が認めたことになりかねないとして、この面会が政府の戦略として良くないと反対する姿勢を示している。飯島は17日の時点で、日朝の次官級交渉にも否定的だった。面会はもっと上層部の、おそらく安倍首相自身の意志で行われた感じだ。

 対米従属策としては北朝鮮との恒久対立が好ましいので、外務省など官僚機構は面会に反対したのだろうが、安倍自身は、模範とする小泉元首相が成し遂げられなかった拉致問題の解決を自分がやることで歴史に名を残すことを優先しているのだろう。安倍の姿勢の背景に、日本はもう対米従属を続けられないのだから、北との恒久対立をやめて拉致問題を解決しても良いはずだ、という見方がありそうだ。

 3月26日には石原慎太郎が講演で、12年の尖閣諸島の国有化について「中国を刺激してしまう間違った政策だった」という趣旨の発言をしている。尖閣の国有化はもともと石原自身が都知事時代に渡米したとき、米国のヘリテージ財団にそそのかされて「尖閣の土地を東京都が買い取って公有地にする」と宣言し、石原に中国敵視の道具に使われるぐらいなら国有化した方がましだという野田政権の判断で、国有化されている。米国の傀儡として尖閣国有化への道を扇動した中国敵視の石原自身が、国有化は中国との対立を煽ったので失敗だったと言うとは、全く馬鹿げている。

 石原発言で注目すべきは「石原はけしからん」という点でない(彼は、敵から「けしからん」と言われることを成功と思う人だ)。米国とつながっている、尖閣紛争の原点たる石原が「中国敵視を煽った尖閣国有化は失敗」と宣言したのは、米国がもはや中国敵視策や尖閣紛争を歓迎していないこと、米国の後ろ盾を失った日本が尖閣紛争で中国敵視を続けるのが得策でないと石原ですらが思っていることを示している。

 日本をめぐるこれらのことを総合して考えると、ウクライナ危機勃発後、オバマ政権がまだ中国包囲網策を維持しているかどうか、確かめるべき状況になっている。米国はロシアとの敵対を最重視し、中国敵視策をすべてやめる決定をしずかに下し、それを日本政府の上層部に伝えてきた可能性がある。米英ではすでに、米国がロシア敵視のために中国を宥和しそうだという記事が出ている。そのような前提で考えないと、安倍が朴槿恵に韓国語でおべっかを言いつつ会談してもらうとか、日朝交渉を再開するとか、石原が中国敵視の尖閣紛争の扇動を自己否定する発言を放つことの説明がつかない。

 米国がロシア敵視策を理由に中国と和解し、日本がはしごをはずされるのだとしたら、それは1972年にニクソン政権が、ロシア敵視を理由に中国と和解した時と同じ構図だ。この米中接近の後、中国は国際的な優位性を増し、ベトナムから西沙諸島を軍事的に奪っている。今の状況で米国が中国敵視をやめたら、国際的に日本の弱体化と中国の台頭が加速し、中国は日米同盟の強さを試すことも兼ねて、軍事的に尖閣諸島を奪いにくるかもしれない。

 とはいえ中国では最近、テレビなどが反日的な放送を控えるようになったとも伝えられている。中国は、尖閣を奪うよりも、米国にはしごを外されて困窮する日本を諭しつつ許してやり、日本人を自発的に土下座へと誘導するのが得策だろう。日本人は世界の大きな動きを知覚できないまま、長期の対米従属の後、しずかに長期の対中従属に入るのかもしれない。

(貼り付け終わり)
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中国江蘇省の銀行で取り付け騒ぎがあったが、中国経済を注視しよう。

2014年03月27日 15時02分44秒 | 日記
ウクライナ、クリミヤ問題から視点をを移せば、やはり中国経済に筆者などは関心を持ってしまう。

 3月末を控えて、中国の理財商品などのデフォルトが起こるのではないかと言う報道もあったが、どちらにしても中国国内の投資家は戦々恐々としているであろう。

 ロイターによると、「中国・江蘇省塩城市にある江蘇射陽農村商業銀行の支店で取り付け騒ぎが発生」との報道が流れた。

 これは破綻の噂による取り付け騒ぎであったようだが、27日付けのロイターの記事では、うわさを広めた容疑者が逮捕されたと言う。

(以下に貼り付け)
2014年 03月 25日 19:38 JST
[上海 25日 ロイター] - 中国の通信社、中国新聞社によると、江蘇省塩城市にある銀行で24日、取り付け騒ぎが起きた。銀行が破綻するとのうわさが広がり、預金を引き出そうと数百人が押しかけた。

 中国新聞社によると、塩城市にある江蘇射陽農村商業銀行の支店で取り付け騒ぎが発生。現地の当局者はこれを確認した。同行の会長、Zang Zhengzhi氏は、すべての預金者に対する支払いを確実に行うと述べた。

 塩城市では1月にも、地元協同組合が資金不足から閉鎖しており、預金者の間に不安が広がっていた。

 江蘇射陽農村商業銀行には預金準備率など、預金者保護のための規制が適用されているため、預金者の間で突然破綻の懸念が広がった理由は明らかではない。

 支店がある塩城市亭湖区の共産党委員会のZhang Chaoyang氏は、「このようなうわさが存在するというのは事実だが、(銀行の破綻は)実際は不可能だ。協同組合の問題とは全く状況が違う」と述べた。

 江蘇射陽農村商業銀行の事務管理部門の職員は、間もなく声明を発表するとしている。同行のウェブサイトによると、同行の資本金は5億2500万元(8500万ドル)で、2月末時点の預金残高は120億元となっていた。

続いて
2014年 03月 27日 11:43 JST(ロイター)

中国塩城市当局、銀行取り付け騒ぎでうわさを広げた容疑者を拘束
(記事内容は省略)

といった具合だ。

 日本の経済評論家の中には、中国経済に破綻が起こると予想する人もいるようだが、確かに数年に渡り続いた高度成長が減速に入っている事は間違いないが、筆者などは中国の政治状況が中国共産党一党支配である事が、ある意味で最悪の事態に陥るのを防止できるのではないかと思っているくらいだ。

 しかし非常に関心を引く中国経済である事は間違いなく、今日のフィナンシャルタイムズ紙の評論が、筆者にも納得のいく内容であったので、貼り付けておきます。

 中国は国民1人当たりの国内総生産(GDP)が6700ドルという、中所得国の上位に位置する国になり、中国は先進国を目指している。

 世界の経済環境が余り良くなく、中国の経済規模が非常に大きくなっており、労働力が縮小傾向にあることなどから潜在成長率は7~8%に低下、都市化率は50%を超えて、都市の環境汚染問題もひどい。

 などなど問題点は多々あるが、中国の新指導部が国内に抱える問題解決に、意欲を持っている事をこの評論では評価しています。

 多くのリスクを抱えた中国は、それだけに目が離せません。下に貼り付けたFTの評論は、中国経済が抱える問題点を的確に解説されており、是非読まれる事をお勧めします。

(以下に貼り付け)

ニューエコノミーを目指す中国の奮闘
政府が計画する大改革は成し遂げられるのか?
(2014年3月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国経済はこれからどうなるのか? 今やこれ以上に重要な経済問題はほとんどあるまい。筆者はつい先日、北京で開かれた中国開発フォーラムに参加した。これは西側諸国の財界人や学者、そして中国の政府高官や学者が一堂に会するイベントで、参加者はみな上記の問いを強く意識していた。

 中国国外では、この大国があの高度成長を維持できるのかという悲観論が強まっている。過大な生産能力、過大な投資、そして過大な債務が特に懸念されている。今よりも緩やかでバランスの取れた経済成長に移行することは、中国が既に満たした基準に照らしても極めて困難だという見方については、筆者もその通りだと思う。

○中国政策立案者は成功してきたが、最上の名馬でも失敗する可能性

 しかし、中国の政策立案者は成功しないという予想は、これまでずっと外れている。駿馬(しゅんめ)が新たな障害に挑む時には、これを乗り越える可能性の方が高いに違いない。しかし、最上の名馬でも失敗する可能性はある。

 中国共産党の中央財経領導小組弁公室の楊偉民副主任は、非常に貴重な背景説明資料の中で、中国が新たに打ち出した「改革の全面的な深化のための指針」を解説してくれた。ここには新しい状況がいくつか記述されている。

○フォーブス誌の長者番付、アジアが富豪数で世界2位に

 第1に、中国は国民1人当たりの国内総生産(GDP)が6700ドルという、中所得国の上位に位置する国である。現在は、先進国になるという、あまり達成されたことのない目標に挑んでいる。

 第2に、国外の環境は以前に比べると芳しくない。高所得国の経済が構造的に非常に弱いこと、中国経済の規模が他の国々に比べて非常に大きくなったことなどがその理由だ。

 第3に、中国経済自体も変化した。まず、労働力が縮小傾向にあることなどから潜在成長率は7~8%に低下している。生産能力は、中国の基準に照らしてみてもかなり過大になっている。地方政府の過大な借り入れ、住宅バブル、そしてシャドーバンキング(影の銀行)の拡大のせいで金融リスクも高まっている。

 都市化率は50%を超えたが、中国の都市は大気汚染など様々な問題に苦しんでいる。そして、資源集約的な経済成長のパターンは限界に――特に直接輸出入することができない水の面で――達しつつある。

○政府の描く青写真

 昨年11月に合意された「改革の全面的な深化における若干の重要問題に関する中共中央の決定」は、こうした問題への対応にほかならない。この「決定」は、次の段階の改革の青写真だ。「行政による命令的な統治」から「法による統治」への移行など重大な制度・政治改革が提案されていることに目を見張らされる。

 また、資源配分においては市場が「決定的な」役割を果たすと謳われている。そのため政府は「マクロ経済の規制、市場の規制、公共サービス、社会管理、環境保護」を担当するという。西側諸国の人ならいずれの改革も認めるだろう。

 この青写真からは、国有企業の役割が変化することが読み取れる。また、新規参入企業に示されるリストが、ポジティブリストからネガティブリストに変わることも読み取れる。原則禁止だが認可を得ればできるという方式から、禁じられたこと以外は原則自由に行えるという方式に変わるということだ。これは革命的な変化かもしれない。

 さらに、戸籍制度改革が提案されていることも重要だ。実行されれば、農村から都市に移った1億人の人々が恒久的な都市住民になることが可能になるだろう。

○中国の大気汚染に「宣戦布告」、李首相が約束した対策

 大半の部外者にとって、公的な宣言文書の言葉遣いは退屈きわまりない代物だ。しかし、筆者は李克強首相や張高麗副首相の話を聞いて、少なくともその分析においては説得力があると感じた。

 目の前の困難に対して抜本的な施策を講じる必要があることを、彼らは明らかに認識している。また、彼らがやりたいと思っていることは、経済問題にしても環境問題にしても理にかなっている。

 現在はエール大学に籍を置くスティーブン・ローチ氏による中期的な経済見通しの資料とプレゼンテーションによれば、中国はこれまでにも、資源集約的な経済成長から雇用集約的な経済成長への緩やかな移行を進めてきている。GDPにおけるサービスセクターの比率は、他のほぼすべての国々よりも大幅に小さいものの、2013年には史上初めて工業セクターのそれを上回った。

 また2008年以前は、GDPが1%成長しても都市部の雇用の増加幅は100万人に及ばなかったが、2008年以降は平均で140万人分の雇用が生み出されている。インフレはしっかり制御されており、経済成長率が低下したにもかかわらず企業収益は持ち堪えている。

 総じて言えば中国経済は、労働力を含む手つかずの資源をこれまでのように利用できなくなったことによる経済成長の避けがたい鈍化に、実にスムーズに適応しているように見える。

○極めてバランスの悪い経済が抱えるリスク

 しかし、中国は非常にバランスの悪い経済でもある。特に目を引くのは、GDPにおける消費(官民合計)の割合が極めて低く、逆に投資の割合が極めて高いことだ(どちらもGDPの半分近くを占めている)。昨年はやや低下したとはいえ、投資の割合は今世紀に入ってからほぼ休むことなくハイペースで伸び続けてきた。

 現在の中国のGDPにおける個人消費の割合は約35%で、米国のそれのざっと半分にとどまる。これまでは、極めて高いシェアを握る投資が経済成長を牽引してきたわけだが、これは余剰生産能力の増大や借り入れの膨張にも直接関係している。

 ローチ氏の中期的な経済見通しの資料が示している通り、中国経済のパフォーマンスを脅かす顕著なリスクは、金融パニック、崩壊しつつある不動産バブル、地方政府が抱える巨額の債務、そして余剰生産能力による互いに関連し合うリスクである。何かが急激に調整されれば、その影響が他にも及んで正のフィードバックが生じ、予想をはるかに超える景気減速に至る恐れがある。

○中国、成長率目標7.5%は達成可能か

 多くの重要な産業では、既に生産量が生産能力の75%相当の水準を割り込んでいる。しかし、中国経済は巨大であるため、この余力を輸出で解消することができない。

 例えば、中国の粗鋼生産能力は年当たり10億トンで、現在の生産量は7億2000万トン。この生産量は世界全体の生産量の46%に当たる。

 インフラや不動産への投資が大幅に減少すれば、製鉄所の稼働率は劇的に落ち込むだろう。同じことはセメントにも言える。そして不良債権が急増することになろう。

○調整圧力が当局の管理能力を上回る恐れ

 従って最大の問題は、中国経済における調整圧力が、必要な調整をスムーズに管理していく政府当局の能力を上回ってしまう恐れはないのか、というものになる。

 中国経済はまさに一度クラッシュする必要がある、との意見もあるかもしれない。中国当局はそれには同意しないだろうし、筆者も同意しない(筆者ごときがそうしたところで何も変わらないが)。それに、中国当局には利用できる政策対応手段がたくさんある。

 とはいえ、金融面のストレスやマクロ経済の調整のために景気が下振れするリスクは急激に増大している。そのリスクはどれほどの大きさなのか。取られ得る対応策にはどんなものがあるのか。それは来週論じることにしたい。

By Martin Wolf

(貼り付け終わり)
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日米韓首脳会談が開かれたが、米中首脳会談でウクライナ問題に積極仲介を提案。

2014年03月26日 15時29分44秒 | 日記
 オランダ・ハーグで行われた核安全保障サミットに参加した、安倍首相、オバマ大統領、朴大統領の三者会談は、米国の仲介でようやく開催された。

 中身は北朝鮮の核問題などが議論の中心で、相互に同盟関係にある米日、米韓の三国の関係強化を図りたい米国の期待をにじませた会談であったが、歴史問題には触れない会談であるから、日韓が一挙に融和する訳ではない。 なんとも硬さが残る会談であった。

 その会談の前に、中韓は習近平国家主席、朴大統領の首脳会談も行われ、米中はオバマ、習の首脳会談も行われている。

 一時安倍首相が計画していた、アジアでの中国囲い込み外交政策は、どう見ても成功していない。

 やはり米国、中国間の「新 大国関係」が、現実問題として徐々に進行しているように見える。

 米国は、政界の力よりも、グローバルに展開する経済界の発言力が強く、彼らがビジネスの成長を優先するために、中国の持っているマーケットの大きさを絶対に無視出来ないはずだ。

 軍産複合体の巨大な戦争ビジネスの展開を図ろうとするグループと共和党は結びつきが強いとはいえ、民主党のオバマ政権と完全に対立しての行動をとるだけの大義名分はない。

 特に、ここにきてウクライナ、クリミヤ紛争が起こると、米国もロシアとの対応上、中国習近平主席の積極仲介を期待せざるを得なくなっている。

 「オバマ訪日を前にして日米同盟に暗雲、米中関係の深化が止まらない」と言うコラムを書いている古森 義久氏は、産経新聞の米国ワシントン駐在特派員だが、日米関係の強化こそ絶対必要と主張していた人物だ。

 しかし、安倍首相の靖国参拝以降、政権関係者の右寄り発言が頻発し、米国が信頼を寄せる国が、中国、韓国に傾きつつあるように、どう贔屓目に見ても見えてしまう。

 古森氏が米中関係の深化が進むのを、不安げに見ているのが手に取るようなコラムだ。

(JB Pressより貼り付け)

オバマ訪日を前にして日米同盟に暗雲、
米中関係の深化が止まらない

2014.03.26(水) 古森 義久
国のオバマ大統領が4月に日本を訪問する。今回の訪日では、日米両国間の切迫した諸課題に加えて、米中両国関係の新しい概念「新型大国関係」を安倍晋三首相との間で語る見通しが強くなった。

 オバマ政権は、米中両国が共に大国として特別の絆を結び、国際秩序の運営に主導的な役割を果たすという「新型大国関係」を受け入れる形となってきた。そうなると、日米同盟への大きな影響も不可避となる。日本としても当然、その新たな動きの真意をオバマ大統領に問うことが必要となるわけである。

 オバマ大統領の訪日では日米両国間の共同防衛強化の諸策や日本のTPP加盟問題、さらには歴史関連課題などが語られる見通しだが、そうした日米両国だけの案件に加えて、中国との関係が主要課題の1つとなりそうである。オバマ政権側も、中国への新たな取り組みは当然日本側への説明が必要だと見なすだろう。

自国の「核心的利益」も認めさせようとする中国

 ブッシュ前政権の国務、国防両省でアジア担当の高官を務めたランディ・シュライバー氏は、3月19日、ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」が主催したオバマ大統領のアジア訪問を論じるセミナーで、オバマ・安倍会談の議題について次のように語った。

 「オバマ大統領は安倍首相に対し、米国がいま受け入れつつある中国との『新型大国関係』の内容について説明する必要がある。特に米中両国のそのような接近が、日本のようなアジアの同盟諸国にとってどんな意味があるのかの説明が不可欠となるだろう。その理由の1つは、中国側がこの新型大国関係という概念に自国の『核心的利益』を加えて、米国にそれを認めさせようとしているからだ」

 中国の唱える「核心的利益」とは、台湾、チベット、新彊ウイグル自治区などに対する中国の不可侵の主権主張である。米国を含めて他国はこれらの課題には一切関与するな、という宣言でもある。そして中国政府はその「核心的利益」に南シナ海での紛争諸島や東シナ海の尖閣諸島を含めるようになってきたのだ。

 そうなると、米国が中国との新しい型の大国関係を認めた場合、中国の尖閣諸島領有の権利までを暗に認めたとするような解釈が、少なくとも中国側から出てきかねない。さらには、米国がアジアでの同盟諸国と摩擦を起こし、脅しさえかけている中国と新たなつながりを拡大するとなれば、米国の長年の同盟軽視という構図さえ浮かんでくる。

 つまりは米国が同盟諸国の立場を無視して頭越しに中国と直接的に連携するという危険性なのである。米国側でもシュライバー氏のような共和党側のアジア専門家は特にこの動きを警戒し、極めて批判的な見方を述べているのだ。

 だが、この種の懸念は現実のものとなりつつある。オランダのハーグで催された3月24日の米中首脳会談では、会談開始直前の共同声明で、オバマ大統領が「新型の米中両国関係の強化と構築」を宣言した。習近平国家主席も待っていましたといわんばかりに「米中両大国の新型関係」を強調し、「対決や衝突をなくし、相互尊重、ウィン・ウィンの協力」を築くことを力説したのだった。

 この米中首脳会談直後の米側からの発表でも、両国首脳が、2国間の経済協力だけでなく、北朝鮮の核武装、イランの核兵器開発、ロシアのウクライナ奪取など広範な国際課題を協議したことが報告された。まるで米中2国が国際秩序を管理していくかのような響きだった。

 米国側は中国の東シナ海、南シナ海での領有権拡張の強引な手法に一応の批判は述べたとされたが、あくまでごく控えめの位置づけだった。

国内の批判をよそに深化する米中関係

 中国が切望する「米中新型大国関係」の概念は、米中両国が国際社会全体で主導的な立場に立つ特別な大国同士として関わりを深め、協調を広くするという発想である。その考えは、オバマ政権の発足直後に政権周辺で唱えられた「米中G2」構想にも似ている。

 しかし米国側では米中新型大国関係への反対も多い。米国側の政策立案者や関係議員らの間では、このG2構想は「現実にそぐわない」として葬られた。
 G2に反対する根拠としては、中国が国際的リーダーシップを発揮するにはあまりに多くの領域で国際的な合意や規則に違反しているという現実や、中国との利害が衝突する日本やインドなど、米国にとっての同盟相手あるいは友好国への悪影響が大きいという点が指摘された。

 「米中新型大国関係」が中国代表から最初に対外的に打ち出されたのは、2012年2月、当時、国家主席になることが決まっていた習近平氏が訪米した際だった。2013年6月のカリフォルニア州での米中首脳会談でも習氏はその概念を強調した。だがこの時点では、オバマ大統領はそれに正面から応じるという姿勢は見せなかった。

 だがオバマ政権はその概念を受け入れるようになり、2013年11月には、国家安全保障担当の大統領補佐官スーザン・ライス氏がアジア政策の演説の中で、「米国も中国との新型大国関係を機能させることを目指す」と述べた。中国側の言葉をそのまま使ったことや、その際にアジアの同盟諸国への影響を述べなかったことが、米国内の対中慎重派などの批判を招いた。同時に日本側でも、米中の急速な接近が日米同盟の弱体化につながりかねないという懸念を生んだ。

 米国内で反対論が消えない理由の1つには、オバマ政権が「新型大国関係」の内容について、米側としての定義づけを明確にしないことがある。そんな懸念の中で2013年12月にジョセフ・バイデン副大統領が訪中し、中国側首脳との会談で「新型大国関係」の重要性を極めて前向きな姿勢で謳い上げた。内容に関する説明はほとんどなかった。だからこそ前述のシュライバー氏による批判のような反応が起きたわけである。

 こんな複雑な経緯をたどってきた米中両国間の「新型大国関係」は、今回のオランダでの米中首脳会談で、少なくとも両首脳の公式言明の次元ではさらに一段と前進したと言える。この動きが日本や日米関係にどう反映されていくのか。安倍首相にとっても重大な関心事だろう。

(貼り付け終わり)
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