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80歳を過ぎても、日々の生活を楽しく豊かにする電子機器を使いこなそう

もうすぐそこに迫る新年は、佳い年になるだろうか?

2014年12月31日 23時14分26秒 | 日記
 年末を迎え、友人や知り合い同士の挨拶は、「佳いお年をお迎えください」というのが慣用句になている。

 いま、NHK恒例の紅白歌合戦を見ながら、このブログを書いているが、相変わらずのごった煮のような番組内容であり、民放に負けず劣らず、NHKの朝ドラやその他の番組の出演者をそろえて、NHKの番組宣伝臭もかなりきわどい構成だ。

 この放送を見ている限りは世の中ハッピーだなあと思うってしまう。

 しかし、世の中がなんとなく不安定で、世界情勢もここにきて、厳しさを増してきている。

 NYダウ株式市場も、17,983ドル ▲55.16 (30日 16:35現在)と石油関連企業の大幅安が原因で、値下がりに転じている。

 原油価格のあまりの下落で、シェールオイルなど米国の石油関連企業の業績の急落を嫌気されているようだ。

 日経株式市場も17,450円 ▲279円( 30日大引 )と値下がりをして終っている。

 ブルームバーグによると、日経225先物(大証)は 17,320.00 ▲130.00 とさらに下落している。

 筆者の予感では、日本の経済評論家が書いているような、楽観的な見通しは少々期待過剰ではないかと思う。

 世界経済では経験していないような原油価格の急落、場合によってはバーレル当たり30ドルの可能性もあると言う事になれば、単純にエネルギー輸入国の日本のメリット享受だけで予測するのではなく、その超安値が引き起こす世界の原油産出国の経済破たんの混乱と、波及なども予測する必要があり、この辺りは未体験の領域であり、決して羊年の優しさでは済まぬ年になりそうである。

 みなさん、佳いお年をお迎えください。 


 

安倍首相の外交政策は、やはりピント外れではないのか?

2014年12月29日 01時50分34秒 | 日記
 2015年をあと数日で迎えるに当たり、識者からの提言や意見などが出てきている。

 ダイヤモンド・オンラインに寺島実郎氏のコラムが掲載されている。

 寺島実郎氏は米国の政治家や経済界など幅広い交友関係があるせいか、比較的米国の考え方を正確に把握して伝えておられるように筆者は思っている。

 筆者が寺島氏の考え方で、一番共感するところは「米国との連携を深め、中国の脅威に立ち向かいたいという答えが返ってくるだろう。しかし、そのようなパラダイムこそ考え直すべきだと私は思う。日米で連携して中国と戦おうというゲームは、極めて偏狭な思い入れであり、米国に対する日本の「片思い」にすぎない。」というところだ。

 安倍首相の考え方で、一番ピントが外れていると筆者が思うのは、日米が共同して中国と戦うという日米同盟にひたすら固執した考え方である。

 米国の民主党政権側であるオバマ大統領は、経済的な実利主義もあり、時と場合によると日本より中国を重視している事は間違いない。

 共和党政権が出来ると若干は変化するかもしれないが、現実問題として米国内での中国や韓国のロビー活動で見られる人脈の厚さには、日本は圧倒されているのが現実である。

 寺島氏はアジア諸国に関しても、「日本は領有権問題で連携するという発想でベトナムやフィリピンを見がちだが、実際にはこうした国々はそのような連携は期待しておらず、日本には高みから中国と向き合っていてもらいたいと考えている。 彼らは、成熟した民主主義国家としての戦後日本の歴史を見つめている。 戦前の日本のように、間違っても軍事的プレゼンスを高めてアジアの脅威となるような国を目指しているという誤解を与えてはならない。」と指摘している。

 すなわち、安倍首相の好きな中国包囲網の確立などは、アジアの周辺国は望んでいないという見方だ。

 安倍政権の外交政策は、どう見てもピント外れと言えるのだ。

 経済政策ではアベノミクスに対する批判は、やはり官制相場で株価だけが上がっているいびつな形になっている危険性を指摘している。

(ダイヤモンド・オンラインより貼り付け)

視点:「不機嫌な時代」の到来と正念場のアベノミクス
寺島実郎氏
2014年 12月 26日

[東京 26日] - 日米中のトライアングル関係において、日本はどのような立ち位置を模索すべきか。日本がアジアでリーダーシップを発揮するためには何が必要か。そして、アベノミクスは幻想なのか。日本総合研究所の寺島実郎理事長が、2015年の世界と日本を見通す。

同氏の発言は、以下の通り。

<不機嫌な時代>

 世界は、冷戦後の米国による一国支配から「多極化」という時代を経て、もはや極という言葉では説明できない状況にまできている。つまり、「無極化」した全員参加型の秩序形成が問われ始めるのが2015年だと言えるだろう。

 そのような全員参加型の秩序、つまり真にグローバル化する世界において、2015年はすべての当事者にとって「不機嫌な時代」が訪れる。例えば、ウクライナ問題で世界を手玉にとったかのように思われたロシアも、国際社会からの信頼が低下し、また足元の原油安で経済も悪化しており、2015年はマイナス成長に陥るとみられる。

 一方、米国のオバマ政権はレームダック化し、議会が上下院ともに共和党に支配される中、ますます厳しい政権運営を強いられる。中国でも経済成長が減速するにつれ、国内で内部対立が噴出。中国政府のいら立ちは近隣諸国にも波及するだろう。

 こうした世界状況において、日本は、特に米国と中国とのトライアングル関係の中で、どのように立ち振る舞うべきか。

 もし日本政府にこう問いかけるならば、米国との連携を深め、中国の脅威に立ち向かいたいという答えが返ってくるだろう。しかし、そのようなパラダイムこそ考え直すべきだと私は思う。日米で連携して中国と戦おうというゲームは、極めて偏狭な思い入れであり、米国に対する日本の「片思い」にすぎない。

 米国にとって最も大事なのは、アジアにおける影響力の最大化だ。日中両国に対して米国の影響力を最大化し、ぎりぎりまで双方の期待をつなぎとめながら、アジアにおける米国のプレゼンスを最大化するというのが米国のゲームである。

 未来に向けた日米中関係において、日本は欧州における英国に近い役割を担うべきだと考える。英国は欧州から米国を孤立させない一方、米国に過大に依存する構造から抜け出している。 日本もアジアで影響力を最大化しつつ、日本自身がアジアで孤立することも、米国が孤立することも避けるというストーリーを構築する局面にきている。

 そのためには、日本はまず感情的な「プチ・ナショナリズム症候群」に陥っている現状から脱却し、一次元高いレベルから中国や韓国などの近隣諸国と向き合うことが大きなポイントとなる。これは、東南アジア諸国連合(ASEAN)の人たちと話して痛感したことだ。

 日本は領有権問題で連携するという発想でベトナムやフィリピンを見がちだが、実際にはこうした国々はそのような連携は期待しておらず、日本には高みから中国と向き合っていてもらいたいと考えている。彼らは、成熟した民主主義国家としての戦後日本の歴史を見つめている。戦前の日本のように、間違っても軍事的プレゼンスを高めてアジアの脅威となるような国を目指しているという誤解を与えてはならない。

 では、日本がアジアでリーダーシップを発揮するには何が必要か。その鍵は経済力よりも、むしろ理念性にある。全員参加型秩序の世界で国益を貫きつつ発言力を高めていくために必要なのは、筋が通っていることだ。主張を貫く理念がなければ、このような時代でリーダーにはなれない。果たして日本がそれに耐えうるだけの理念をもっているかどうかが問題だ。

<つり天井の経済>

 一方、経済・金融政策においては、相変わらず米国型モデルが世界の主流であり続けている。米国は量的金融緩和第3弾(QE3)を2014年10月末で終了し、2015年には利上げが開始される見通しだ。このように米金融緩和が出口戦略に向かう中、2015年はリフレ経済学に基づくアベノミクスの正当性が問われることとなるだろう。

 20年来苦しんできたデフレからの脱却を目指し、安倍晋三政権が掲げるアベノミクスは、異次元緩和(第1の矢)と財政出動(第2の矢)に続き成長戦略(第3の矢)を実行することで日本経済の成長率を底上げするという再生シナリオを描いている。だが、税収の倍近い歳出を賄うために、借金を重ねる日本政府は、まるで自分の身の丈の2倍の生活を送る愚か者のようだ。

 異次元緩和を実施して株高・円安にしたものの、「第3の矢」はいつ飛ぶのか。今の日本経済はいわば「つり天井の経済」で、株価がつり上げられ景気が良くなっていると錯覚を起こすが、実は実体経済の柱や土台がない。株価をつり上げているのは海外の投資家であり、世界経済の動向次第でこの天井はすぐにつぶれかねない。

 「第3の矢」が急がれるゆえんだが、結局放たれないまま「第1の矢」と「第2の矢」に戻って追加金融緩和と追加財政出動を繰り返す恐れがある。実際、日銀は10月31日に追加緩和に乗り出した。こうした景気刺激的な政策への過度な依存は、傷口を広げ、次の世代に問題を先送りにするだけだ。

 実体を伴わない株価先行の今の日本経済は、かつての米国経済をほうふつさせる。米国では、2001年に電力デリバティブなどを手掛けていたエネルギー大手エンロンが倒産してから7年後となる2008年、サブプライムローンが引き金となりリーマンショックが発生。そして2015年はそれからまた7年後に当たり、リーマンショック・パート2が起きる可能性がある。

 その背景には、アルゴリズムを取り入れた株式の超高速取引などでマネーゲームが高度化したことや、複雑化した金融派生商品がある。英フィナンシャル・タイムズが2014年8月に指摘したところによれば、複雑に手の込んだ新種の金融派生商品が開発され、運用力のない金融機関に静かに浸透しており、再び金融危機の芽になりかねないという。

 翻って日本に目を向けると、金融機関の間で資金運用力の差が極端に開いてきている。以前は国債に逃げるという手があったが、大量発行にもかかわらず日銀の大規模購入によって金利が抑え込まれたことで現在10年物の利回りは0.3%近辺の低水準にある。実力のない金融機関にとって運用は悩みの種となっており、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、不可解な金融派生商品投資への甘い誘いに再び乗せられないとも限らないだろう。

 一方、米経済が再浮上した2つの要因は、日本にとっても非常に示唆的だ。1つはシェールガス・オイル革命で、米国はすでに石油と天然ガスの合計生産量において、サウジアラビアとロシアを抜いて世界1位になっている。原油価格下落の主な要因でもあるが、これは米国の産業競争力にもつながり、経常・財政収支のいわゆる「双子の赤字」問題も改善するという好循環となっている。日本も天然ガスの一種であるメタンハイドレートの産出などエネルギー戦略強化に向け、今のうちに手を打っておくべきだ。

 2つ目に次世代ICT(情報通信技術)革命、ビッグデータ時代の到来が挙げられる。例えば、米ゼネラル・エレクトリック(GE)は現在、ビッグデータを活用して産業の効率性を飛躍的に高めるプロジェクトを主導している。日本においても、国力の底上げにつながる類似のプロジェクトを先導する企業がもっと現れて然るべきだ。

 これら米経済の「光と影」は、正念場を迎えることになる2015年のアベノミクスへの教訓として大いに生かされるべきだろう。
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*寺島実郎氏は一般財団法人日本総合研究所理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長。経済産業省・資源エネルギー庁総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の委員として、国のエネルギー政策議論にも参加している。

(貼り付け終わり)

あー、なんと度量の狭い安倍晋三首相だ。沖縄翁長雄志新知事の挨拶を受けないとは。

2014年12月27日 02時14分06秒 | 日記
 26日のメディアの報道では、沖縄の新知事である翁長雄志氏が就任の挨拶で安倍首相や菅官房長官を訪問したが、両者とも合わなかったという。

 なんと言う狭量な奴らが国のトップにおるのであろうか。

 安倍政権が普天間基地の辺野古沖への移転を進めようと、前仲井間知事に強引にウンと言わせた手前、辺野古移転に反対表明して、圧倒的な沖縄県民の支持で当選した翁長雄志知事は敵のような思いで、会わなかったのだろう。

 安倍晋三という男は本当に馬鹿な奴だ。なんと言う度量の狭さだ。翁長雄志知事の後ろに控えている沖縄県民の真の姿が見えていないのだ。

 仲井間前知事が沖縄県民の意志に反して、知事就任時の公約を破って、辺野古移転にOKを出した。その結果に沖縄県民が怒り、今回の沖縄知事選で落選するのは当たり前なのだ。

 それになお、度量の狭さを上塗りをする事を政府が検討していると言う。

 2015年度の沖縄振興予算を概算要求(3794億円)から減額する方針を固めたというのだ。

 これこそまさにアメとムチの行為だ。

 こんな汚い政府には沖縄県民は、大いに怒るべきだ。

 これこそ、脆弱な野党体制ではあるが、与党に対して大いに反発するべきである。与党であっても公明党も政府方針に異議を唱えるべきだ。

 こんな政府を担いでいる国民は恥ずかしくないのか。あー、本当にいやな気分で新年を迎える事になるよ。

(東京新聞電子版より貼り付け)

沖縄振興予算、概算要求から減額 政府方針、新知事冷遇
2014年12月26日

 政府は2015年度の沖縄振興予算を概算要求(3794億円)から減額する方針を固めた。複数の政府関係者が26日明らかにした。日米合意に基づく米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を容認した仲井真弘多前知事時代の14年度予算では概算要求を上回る額を確保しており、辺野古移設反対の翁長雄志知事を事実上冷遇した形。24~26日の日程で知事就任後初めて上京した翁長氏と、安倍晋三首相や菅義偉官房長官との会談は設定されなかった。

 山口俊一沖縄北方担当相は26日、翁長氏と東京都内で会談した。十分な振興予算を求める翁長氏に対し、満額回答の可否には言及しなかった。
(共同)
(貼り付け終わり)

中国・人民日報のアベノミクス批判を読むと、これが的外れでない指摘になっている。

2014年12月27日 01時26分20秒 | 日記
 安倍政権はアベノミクスを「この道しかない」と大見えを切って行なった選挙結果で、与党自民・公明党が大勝をおさめたうえ、日経の世論調査では安倍政権の支持率が50%を超えて上昇したと言う。

 最も中身をみると、野党で選ぶべき政党がないと言う、まことに消極的な理由が挙げられてはいたが。

 隣国の中國から指摘されるのは、はなはだこそばがゆい感がするが、このアベノミクスに対しての批判記事が人民網日本版に掲載されている。

 中身を読むと、これが決して的外れではなく、安倍政権の経済政策にこそ、的外れな危なかしさがある事を指摘している。

 日銀による大量の国債買い上げや、年金資金などにより、巨額の海外株式、国内株式に対する投資等、官制相場による株式値上がりが行われているが、大多数の国民は進行する円安が原因の、食料品価格などの値上がりのとばっちりを受け、生活費の負担が急増している。

 雇用の内容を見ても非正規社員が全雇用者の40%近くまで増加し、平均年間給与200万円以下の人達が1120万人にも増加しているという。

 果してこのように貧困化が膨らむ社会で、果して日本が成長できると言えるのだろうか?

 それでも正社員の人達は、将来に対する不安からささやかでも貯金に励んでいるようだ。

 その貯金も円安が進むと価値が下がってしまう。あまり暗い気持ちで新年を迎えたくないが、激しく政府にも反発する中国や韓国の人達に比べると、本当に日本人はおとなしい国民性だと筆者は、つくづく感心してしまうよ。 

(人民網日本語版より貼り付け)

日本を誤った道に導く「アベノミクス」 的外れな「三本の矢」
人民網日本語版 2014年12月26日

 2014年もまもなく終わり、新しい年を迎えようとしている今、ともに過去を振り返り、未来に目を凝らそう。日本は24日、会期3日間の特別国会を招集し、衆参両院本会議で首相指名選挙を行い、自民党の安倍晋三総裁を第97代首相に指名した。中国経済網が伝えた。

 安倍首相は2012年の就任以来、経済回復を最重要政策として、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「3本の矢」からなるいわゆる「アベノミクス」を打ち出した。年末には「アベノミクス」を焦点に解散総選挙を行い、選挙の勝利によって民意を確かめると豪語した。自民党と公明党の与党連盟は大勝を収めたが、有権者が「アベノミクス」を認めたとは限らない。政党の論戦では厳しい批判にもさらされたこの「アベノミクス」は日本に何をもたらしたのだろうか。

 安倍首相は2012年12月の再任後、「アベノミクス」と呼ばれるようになるこの大胆な措置を打ち出した。「第一の矢」の最初の措置は、日本政府発行の国債の日銀の保有額を高めることなどを通じて、市場への通貨供給量を拡大することだった。第二の金融措置は、円安誘導の為替政策を通じて輸出を増加することだった。第三の金融措置は、年金や積立金などの政府の基金の株式市場への投入量を拡大し、株価の上昇を刺激することだった。日経平均株価は7年ぶりの高値をつけ、市場は活気を取り戻した。

 だが日本の一般市民からは、「アベノミクス」で利益を得ているのは大企業や富裕層だけで、中小企業や貧困層は困窮しているとの声が上がっている。定年退職して年金で一人暮らしをする春海教子さんは、「アベノミクス」は富裕層を富ますだけで、高齢者の生活は困難になっていると語る。「物価は上がっても年金は上がらない。同額の年金の価値は下がる。1万円が9千円、8千円、7千円になる。消費税が上がれば、1万円は6千円の価値しかなくなる。大企業で働けば定年後に企業年金を受け取るが、国民年金だけで生活している私たちは、生きるのに精一杯となる。アベノミクスで利益を得ているのは富裕層だけだ」

 統計によると、年収が200万円以下の労働者は2013年、前年比30万人増の1120万人となった。一方、クレディ・スイス銀行によると、資産1億円を超える富裕層は今年、去年より9万人増え、50世帯に1世帯は1億円長者ということになる。「アベノミクス」は貧富の格差を広げている。資産増加の主な原因は、保有する株式価格や投資基金価格が上がったことにある。

 日本のグローバル企業のベテラン戦略立案者を務める成玉麟氏によると、「アベノミクス」のような常道から外れたやり方で予期が満たされなければ、安倍政権への各界の信頼は一気に下がる可能性がある。

 今年4月に消費税が8%に引き上げてから、各種経済データは芳しくない。内需は縮小し、家庭消費は下がり、輸出は減少し、輸入は増加している。「アベノミクス」の副作用は市場の想定を超え、日本政府と日銀にも不安を呼び起こしている。

 「第二の矢」は、予算を補充し、国家財政の手段によって、経済や市場への政府の有効供給を増加し、経済を刺激することだった。2年で10兆円余りが「社会保障」「災害復興・防災」「地方経済活性化」などの分野に投入された。だが建築業の深刻な人手不足や建材価格の高騰で、公共工事は特に地方で計画通り進まず、経済刺激の効果は弱かった。

 前借りで食いつなぐようなこのやり方には、国際的からも疑いの目が向けられ始めている。国際格付け機関のムーディーズは日本国債の格付けを1段階引き下げた。フィッチ・レーティングスも日本の国債を格下げし、見通しを「ネガティブ」とした。日本政府の無闇な国債発行と償還能力の低下が格付け引き下げのきっかけとなった。

 「第三の矢」は経済成長戦略である。昨年打ち出された第一弾の経済成長戦略は、大企業や大都市を支援し、強い企業をさらに強くすることを特徴とし、中小企業は配慮されていなかった。今年の第二弾は、「地方経済と中小企業の活性化」を核心としたものとされたが、平凡な政策を羅列しただけという印象を与えるものとなった。「第三の矢」は飛ばないのではないかという声も上がった。

 朝日新聞の特別編集委員の星浩氏は、世界経済が回復の兆しを見せない限り、日本経済の復活の見込みは低いと見ている。「第一の矢はすでに限界に来ている。政府が発行する国債の7割を日銀が引き受けているのは異常だ。第二の矢の財政政策も、日本の年間予算90兆円のうち40兆円は借金である現状でさらに借金するのは難しい。公共工事を拡大しようにも、労働力不足では難しい。第三の矢が放たれなければ経済を好転させることはできない。だが産業構造の改革を進めようとすれば、自民党とその支持層との利益関係に対立が生まれる。痛みを伴う改革の推進は困難だ」

 衆院選勝利後、安倍首相はすぐに「アベノミクス」継続を宣言した。だがこの経済政策はもう賞味期限切れにも見える。円安が継続し、国際原油価格が下落しているのに、日本経済は第2・第3の2四半期連続の縮小となり、「自律的景気後退」と呼ばれる状況に陥った。華々しい株式市場の影で開き続ける格差、円の信用の下落、庶民に行き届かない利益。本当の経済回復がいつ来るのか、不安の声が高まっている。(編集MA)

(貼り付け終わり)

自民党の「保守本流」が、今の安倍政権にとって代われるか?

2014年12月26日 11時27分55秒 | 日記
 筆者も今の自民党に対抗する野党が出現するには、あまりにも前民主党政権が国民の期待を裏切り過ぎた結果、至難の業であるとこのブログで書いた事もある。

 自民党内に在籍する中道派は、安倍首相に同調する右寄り勢力に圧倒されているように見えるが、少なからず在籍していることは間違いない。

 自民党内のこのグループが反安倍の旗印を鮮明にし、野党の賛同者が結集すると、始めて現行自民党の勢力に対抗できる反安倍の勢力になると、このブログに書いた事もあったが、さすがに自民党や民主党の政治史に詳しい田中秀征氏は、自民党の中の「保守本流」が新しい政策を打ち出し、政治勢力を発揮すべきだと見ている。

 確かに筆者も田中秀征氏が指摘するような、保守本流が活躍していた時代を良く知っている。

 しかし、時代の流れと共に例の小泉純一郎氏が政権に就くときに、「今の自民党をぶっ壊す」と言って、結果的には保守本流の惰性に流れた政治をけ散らかしてしまった。

 小泉氏は、いわゆるポピュリズム政治の趣で、長期に人気のある政権を確立した。

 しかしポスト小泉の自民党政権の継続は、麻生氏では実力不足で、国民の期待は民主党に移ったと言えるだろう。

 その後は読者の皆さまもご存じの内容で、せっかく政権交代を果たしながら、民主党のふがいなさから、安倍政権の誕生を許してしまった。

 下のコラムを読む限り、田中秀征氏は小泉純一郎に関しての記載はしていない。

 田中秀征氏は自民党の主流であった保守本流が、今の政治には絶対に必要ではないかとみている。

 筆者もその考えに異論はない。

(ダイヤモンド・オンラインより貼り付け)

かつての「保守本流」に学ぶべきとき
田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
2014年12月25日

 2014年が暮れていく。この1年を振り返ると、政治と経済の二つの分野に限れば“不毛の年”であったと言わざるを得ない。

 その象徴的な出来事が今回の総選挙であろう。

●総選挙で与党圧勝の理由
有権者は寄り合い所帯の野党にこりごり

 多少の時間を置いたから、与党圧勝の理由が絞られてきた。(1)に野党のふがいなさであり、(2)に重要案件の先送りによる争点ぼかしであろう。その点では安倍晋三戦略が的中したと言えなくもない。しかし、これは安倍政権の危機をも先送りしたとも言えるだろう。

 前回私は(1)を最大の理由として指摘したが、その後の世論調査(18日朝日)によってそれが裏付けられた。何と72%の世論が「野党に魅力がなかったから」と答えているのだ。

 また「政権を任せられる野党」については、野党第一党の民主党は3%、第二党の維新の党も3%と全く評価されていない。両党合わせても6%と悲惨な結果が出てしまった。これはもう単なる野党結集という数合わせで対抗できる域を越えている。民主党政権の歴史的失敗を経験した有権者は寄り合い所帯の政党にはこりごりなのである。今回の結いの党と維新の会の合流は競合選挙区の調整効果はあったが、それ以上のものではなかった。

●かつての「保守本流」と
その思想的輪郭とは

 さて、2年前の総選挙の頃から、私のところに「かつての保守本流、自民党宏池会のような考え方を打ち出す政党はできないものか」という声が寄せられるようになった。一般の人はもちろんだが、中には政治家やジャーナリストの声も少なくなかった。

 かつての保守本流とは、主として昭和20年代の吉田茂元首相が率いた自由党の流れを言っている。

 その後、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一各首相などを輩出している。橋本龍太郎、小渕恵三の両首相もこの流れに属している。自民党結成後、保守本流の流れは、池田派(宏池会)と佐藤派にほぼ二分された。

 このかつての保守本流は小渕政権後に衰弱の一途を辿り、近年では砂漠の中の川のように消え去りつつある。

 いわゆる保守本流の思想的輪郭は次のようなものであった。

(1)現行憲法を尊重する。これは、憲法制定時に自由党が政権の座にあったことにも由来している。

 ただ、革新側の護憲と違うのは、憲法を不磨の大典とは見なさず、時代の変化に対応した改正の必要性を理解してきたことだろう。

(2)先きの戦争の誤りを認めてその反省の上に立ち、二度とあやまちを繰り返さない決意を持っていること。宏池会に属していた古賀誠元自民党幹事長が、靖国神社からのA級戦犯の分祀にこだわるのはそのためであろう。

(3)自由党の党名が示すように、この流れは、言論の自由や表現の自由をとりわけ重視し、それを発展させることに努めてきた。「自由にものを言える社会」を維持し、重要案件については、党内議論、国民議論を尽くすことを旨とした。

(4)戦後の経済復興や経済成長を主導したが、その根底には「国民生活の向上」を図る並々ならない決意があった。

 この流れは、「軽武装、経済優先」と言われたり、「積極経済、積極財政」路線とも言われてきた。

 この保守本流の思想潮流は、かつての旧社会党と親和性があるとも見られるが、それは憲法制定時の直接的責任、薄い戦争責任などを共有していたからだろう。

 しかし、経済では、分配よりも成長を重視する点で、とかく分配に関心を集中する社会党など革新政党と決定的に違っていた。

 また、保守本流には“国家”という意識が根強くあり、社会主義などインターナショナルな思想を軸とする革新政党とはこの点で明確な一線を画していた。

 かつて社会党の浅沼稲次郎委員長が「米帝国主義は日中共同の敵」と言ったとき、保守本流の政治家は最も激しくこれに反発した。

●保守本流の思想潮流は
軌道修正で今後も妥当性

 さて、安倍晋三首相が「戦後レジームからの脱却」を唱えるのは、このような保守本流の思想潮流からの脱却を意味しているのだろうか。

 わたしは前述した思想潮流は今後も妥当性を持っていると信じている。

 もちろん、保守本流の思想潮流がそのままでいいわけではない。多くの点で時代状況に対応した軌道修正が必要である。

 特に破綻寸前になっている国家財政を考えると財政の大盤振る舞いは慎み、その再建を重視することは当然だ。

 また、有数の有力国となったからには、世界の安全保障面でもそれに相応しい役割を果たさなければならない。保守本流は経済を優先するあまり、安保・防衛政策では旧民主党系に遅れをとってきた印象は否めない。

 さらに、保守本流と言われた首相には官僚出身者が多く、そのためか官僚制度改革や行政改革に熱心さが感じられなかった。

 ところで、かつての保守本流は昭和30年の自民党結成以来、それに対抗する党内勢力(旧民主党など)とときには抗争を演じながらも互いに補完し合って長期政権を維持してきたのである。

 自由民主党は、昭和30年当時の保守・革新陣営の厳しい対決を乗り切るために、自由党と民主党が「保守合同」によって結成された。

 民主党に結集しそれを主導したのは、(1)公職追放が解除された政治家、(2)A級戦犯などに擬せられた政治家、(3)改進党など自由党以外の保守政党に所属していた政治家、(4)自由党を離党した政治家などであった。これらの政治家たちが自民党結成後、保守本流に対抗する勢力として伸長してきたのである。

 そして、最近では安倍首相をはじめ岸信介元首相、福田赳夫元首相の系譜に属する政治家が数多く首相の任を務め、今や第二段階の本流と化している感がある。

 冷戦の終結以来、社民党(旧社会党)の没落が象徴的に示すように、保守革新の対立時代は名実ともに終わりを告げたと言うべきだろう。

 そう考えると、巨大政党と化した自民党が、もう一度昭和30年当時の二つの保守党に分離することに国民的期待が集まるのも自然のなりゆきである。

 今回の総選挙で棄権した約半数の有権者の多くがそれを切望しているとみても間違いとは言えないだろう。

 来年の政治がその方向に大きく進むことを願って新しい年を迎えたいものだ。
(貼り付け終わり)