元気いっぱいの新老人の ツッパリ発言

団塊の世代のちょっと先輩。75歳を過ぎ、今の世の中がこうなったのも、少しは責任があるのかなと反省をこめての前向き発言

日朝政府間の拉致調査合意で、米、韓、中の北朝鮮交渉にもたらす困惑

2014年05月31日 11時55分46秒 | 日記
 5月29日夜のテレビ朝日の報道ステーションは、日朝政府間の拉致調査合意の報道で、歓迎ムードが漂っていたが、一夜明けた30日の放送では、被害者家族らが今まで散々北朝鮮の対応で、だまされてきた経緯があり、政府関係者との懇談会でも、「油断できない」といった不安と慎重論が全面に出ていた。

 報道ステーションに時々出席する元通産官僚の古賀茂明氏の解説も、筆者が30日付のこのブログで紹介したコラムとほぼ同じような見方で、今回の拉致調査合意を説明していた。

 一夜明けて、日本のメディアも、再び冷静に事の成り行きを見ようとしているようだ。

 下に貼り付けた読売新聞の記事に、端的に現れている。
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(読売新聞より貼り付け)
拉致調査合意、被害者家族「油断できない」
2014年05月30日 22時37分

 北朝鮮が拉致被害者を含む日本人の全面調査を約束したことを受け、拉致被害者の家族らが30日、内閣府を訪れ、日朝協議の合意内容について、古屋拉致問題相らから説明を受けた。

 これまで何度も北朝鮮に振り回されてきた家族らは面会後、「きちんとした結果が出るまで油断できない」と語った。

 面会には、増元るみ子さん(拉致当時24歳)の弟で、「家族会」事務局長の増元照明さん(58)や、「特定失踪者問題調査会」常務理事の曽田英雄さん(61)らが出席。

 面会後、取材に応じた増元さんらによると、家族からは「合意内容には様々なテーマが含まれ、拉致問題が置き去りにされるのではないか」という質問が出たが、政府側は「北朝鮮には何回も拉致問題が優先だと伝えた」と答えたという。

 制裁解除の対象に北朝鮮籍船舶の入港禁止措置も含まれているが、政府側は「北朝鮮には、(日本と北朝鮮を行き来していた)『万景峰マンギョンボン号の入港は認めない』と明確に伝えた」と説明。外務省の伊原アジア大洋州局長は「北朝鮮側は日本との関係を改善する最後の機会だと思っているのではないか」との見方を示した。(貼り付け終わり)

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 北朝鮮との交渉は、日本では拉致問題が大きく報道されるが、ご存じのとおり、米国、韓国、中国などは北朝鮮の核兵器装備の解体を目指して交渉を続けており、その問題が最重要事項なのである。

 かって小泉首相時代の拉致被害者送還も、国内では大喝采を浴びたが、海外からはひんしゅくを買っていた。

 今回も、韓国のメディア報道では、この辺りの懸念を示す記事が出ている。

 朝鮮日報の記事が読み易かったので貼り付けますが、本音では韓国、米国、中国も、日本に対して慎重に事を運んで欲しいという見方をしている。

 筆者も周辺国の北朝鮮への不信感を理解すると、安倍首相の今後のこの問題解決への対応は、安倍首相の支持率アップなどと言う、浅はかな野望で取り組んで欲しい問題ではないと思う。

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(朝鮮日報より貼り付け)

拉致再調査:日朝接近に韓米中は困惑
記事入力 : 2014/05/30 09:09

 日朝が29日、日本人拉致被害者の全面再調査で合意したのは、両国が直面している北東アジアでの孤立からの脱却を狙ったものと受け止められている。決して近寄ることのないような間柄に見えた両国の急接近は、北朝鮮の核問題をめぐる北東アジアのけん制構図を揺るがす可能性もあると見られる。韓米中3カ国からは一斉に困惑の声が上がっている。

■韓国の反応

 韓国政府は、共に北朝鮮に対し圧力を加えていかなければならない日本が突然、韓米日3カ国共助から離脱した形となり、困惑の色を隠せない。北朝鮮に対し、国際社会の対北朝鮮制裁をかいくぐり息をつかせるような「すき」を与え、6カ国協議当事国の間にも分裂をもたらすのでは、ということだ。

 世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本研究センター長は「韓国は日米はもちろん、中国まで説得して北朝鮮に圧力を加えるているのに、日本がすきを与えることで安全保障協力で足並みを乱している」と指摘した。韓国政府当局者は「『韓米日が団結し、中国が北朝鮮にさらに圧力を加えるよう説得しよう』というのがこれまでの北朝鮮核問題の解決策ではなかったのか。

 それなのに、日本が北朝鮮に対する制裁を先に解除してしまったら、立場的に困惑する」と言った。韓国政府は29日夜、「日本側の公式発表直前、外交ルートを通じて通知があった。30日に日本側から追加説明がある予定だ」と明らかにした。これと関連、別の政府当局者は「日本は交渉内容を米国にもきちんと説明していないと聞いている」と語った。

■米国の反応

 米国政府は特に見解を示していない。ただ、米国務省のジェン・サキ報道官は両国間の交渉について28日の定例記者会見で、「日本とはすべての案件について非常に密接に、頻繁に協議しており、調整している」と述べた。日本人拉致被害者問題は人道的次元の議論であるため、これに対し反対するのは難しいと思われる。

 南北問題に詳しいワシントンの外交消息筋は「北朝鮮の核問題やミサイル発射などに関する議論は進展がないのに、別次元での交渉が行われていることに対し、米国が歓迎する訳がない。特に今回の合意で、日本が制裁を解除することにしたのは、米国にとってかなり負担となるだろう」と言った。北朝鮮の姿勢を変える唯一の手段は経済制裁だが、これを解除すれば北朝鮮の核放棄はさらに困難になると見られる。

 最大の変数は、日本が今回の交渉過程や結果を米国にどこまで明らかにするかだ。ホワイトハウス関係者は「日本が独自に北朝鮮と交渉したとしても、友好国には進展状況や内容をきちんと伝えることが重要だ。北東アジア共助を害するようでは困る」と述べた。

■中国の反応

 中国人民大学国際関係学院の時殷弘教授は「日朝間の合意について、中国の本音を言えばあまり喜んではいない」と言った。日中関係が最悪の今、日朝関係改善が喜ばしいわけがないということだ。しかし、中国は表向きには日朝関係改善に反対しないと見られている。北京の外交筋は「中国は北朝鮮の孤立を避けるため、外の世界との接触を増やすべきだと主張してきた。日朝関係の改善に正式に反対する名分はない」と言った。

 だが、北朝鮮が日本と手を握ろうとすれば中国が警戒するだろうという見方もある。北京大学の韓半島(朝鮮半島)問題専門家は「中国は日朝関係改善をきっかけに北朝鮮との冷却期を終わりにしようとするかもしれない」と語った。北朝鮮による4回目の核実験など挑発行為を防ぐため、経済的・外交的圧力をかけている中国。習近平国家主席は近くソウルを訪れる。中国の国家主席が就任後、北朝鮮よりも前にソウルを訪れるのは初めてだ。こうした状況で、中国が平壌に「ニンジン」を与える必要性を感じているかもしれないとの見方もある。

ワシントン=ユン・ジョンホ特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

(貼り付け終わり)
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またまた出てきた、北朝鮮拉致被害者返還の実務者協議再開。

2014年05月30日 13時08分04秒 | 日記
 29日夕方、安倍首相の突然の記者会見が行われ、北朝鮮の拉致被害者再調査に合意し「全面解決へ向けて第一歩となる」とのニュースが、NHK始め各TVニュース番組で、大きく報じられた。

 集団的自衛権問題で、安倍政権に対する批判が高まる中、新しい安倍政権支持項目にしたいのかなと、筆者などは疑ってしまったよ。

 産経新聞などは、何故か号外まで発行している。 まさか新しく拉致被害者が帰って来た訳でもないのにねえ、、、

 しかし冷静にこの問題を視てみると、6年前の日朝実務者協議の合意に沿ったものが、中断していたが、振り出しに戻っただけの話だ。

 なぜ北朝鮮があえてこの時期に、日本に対して拉致問題を蒸し返えしたのだろうか?

 いま、北朝鮮の盟友であった中国が、敵国である韓国と蜜月に入ろうとしている。

 北朝鮮が直接交渉の相手になって欲しかった米国も、中国、韓国を向いたままだ。

 しかも北朝鮮は財政的にも非常に厳しい状況であり、ここは日本に拉致問題交渉を蒸し返して、カネを出させたいという魂胆は、我々素人にでも理解できる状況だ。

 日本の北朝鮮大使館とも言って良い、競売にかかっている朝鮮総連ビルもなんとか有利に買い戻したいところであろう。

 筆者が思うに、北朝鮮には、拉致被害者の所在に関して、もう十分手元に詳細なデータは揃っている筈だ。

 機密情報を持っていない拉致日本人は誰だれなんてことは、調査時間を置く必要もなく、北朝鮮には分かっている事と思う。

 その割には、交渉時間の計画が遅いのは、やはりどのカードを切るかという駆け引きの為であろう。

 しかし筆者は思う。 恐らく今回は日本の支援内容金額によっては、5~10名程度は返還しないと、日本の世論も許さないであろう。

 この問題で、政府報道の垂れ流しではなく、東洋経済オンラインに的確な解説コラムが出ました。

 筆者も、このコラムがかなり、まっとうで、当を得た解説と思います。一読の価値ありです。

(東洋経済オンラインより貼り付け)

北朝鮮、「拉致被害者再調査」の”茶番”
日本のメディアの報道から抜け落ちていること

高橋 浩祐 :ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー東京特派員 
2014年05月30日

 スウェーデンでの3日間に及ぶ日朝外務省局長級協議を踏まえ、北朝鮮が日本人拉致被害者についての再調査を実施することを表明した。日本もこの再調査の進展次第で、北朝鮮に対する独自の経済制裁の一部緩和を実施することを表明した。

 今回の日朝合意は、2008年6、8月の日朝実務者協議の合意に沿ったものだ。6年前の振り出しに戻ったとみていい。北朝鮮は同年6月の日朝実務者協議で、人的往来を認めることや人道目的での北朝鮮船舶の入港禁止解除の検討などを条件に再調査に同意していた。同年8月の協議では再調査委員会を設置して秋の間に調査を終えることでも合意した。しかし、同年9月に当時の福田康夫首相が退陣表明すると、委員会の設置を先送りした。

 この6年前の日朝協議同様、今回、合意に至った背景としては、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」との従来スタンスを変えて柔軟姿勢を見せたことが大きい。

 では、なぜ今回、北朝鮮が柔軟姿勢を見せて拉致被害者の再調査の同意に至ったのか。なぜ日本との交渉に前向きになったのか。

●「血の盟友」中国が韓国に接近

 その理由には、北朝鮮とともに朝鮮戦争で一緒に戦い、「血の盟友」と言われ続けてきた中国が昨年以来、韓国に急激に接近していることが挙げられる。

 中国の王毅外相は今週初めに、韓国を訪問し、朴槿恵大統領や尹炳世外相と会談、中韓関係について「これまでで最良」との認識を示した。王毅外相は、年内に予定されている習近平・中国国家主席の初の訪韓日程についても調整したと報じられている。日本との歴史問題をめぐって、中韓が共闘を強めていることは読者もよくご存じだろう。

 こうした中韓の親密ぶりが北朝鮮に強いプレッシャーを与えていることは間違いない。北朝鮮にしてみれば、その対抗策として、譲歩覚悟で日本に接近している。特に韓国に対し、頭ごなしで日本と交渉することは、イライラや出し抜け感を募らせる北の有効手段となっている。

 では、中国はなぜ、韓国に接近しているのか。その理由としては、中国が経済的に韓国との相互依存を深め、かりに将来、韓国主導で朝鮮半島が統一されても、統一朝鮮が反中にはならないとの判断に傾いていることがあるとみられる。

 また、米中がお互いの利益を尊重する協調主義的な「新型大国間関係」を強め、中国は米国に対しての自信を強めている。今や太平洋の東半分と西半分の「棲み分け」を米国に提案するくらいだ。そんな中、自信あふれる昨今の中国にとっては、米韓に対する緩衝地帯(バッファーゾーン)としての北朝鮮の戦略的価値が低下しているとみられる。

●本来は調査など必要ない

 北朝鮮は今回、日本側に対し、拉致被害者の再調査の実施を約束したが、本来、北朝鮮が拉致被害者を捜したり、生存を確認したりするのに調査など必要ない。なぜなら、北朝鮮は既に日本人拉致被害者の居所なり状況を把握しているはずだからだ。

 北朝鮮は日本と違い、移動の自由が制限されている。また、拉致被害者は、日本人を含めた外国人との結婚が強制されていると言われている。北朝鮮のような閉鎖的で流動性の少ない社会の中で、日本人がいれば容易に気付かれてしまうものだ。

 実は安倍首相も10年前の2004年の自民党幹事長時代、当時の日本政府が提案した安否不明者10人についての日朝合同の調査委員会構想について問われ、次のように答えている。

 「誰が考えても茶番で、直ちに取り下げるべきだ。拉致をしたのは彼らで、行方を知っている。知らないふりをして一緒に調査するというのは、時間延ばし以外の何物でもない。拉致問題は金総書記がすべてを話せば一秒で解決する話だ」(2004年5月22日付の日本経済新聞記事)

 「包括的かつ全面的な調査」で新たに拉致被害者の生存を見つけたことにしなければ、これまで北朝鮮が「解決済み」としてきた嘘がバレてしまうことになる。北のメンツが立たなくなる。このため、「再調査」とはあくまで拉致問題解決のために日朝が編み出した政治手法、あるいは北への政治的な配慮であって、本来は茶番劇だ。

 いずれにせよ、今後、「特別の権限(全ての機関を対象とした調査を行うことのできる権限)が付与された特別調査委員会」が数カ月以内に拉致被害の生存者を「発見」するだろう。そして、日朝の合意文書にあるように、そうした生存者は安全に帰国させるとみられる。

 問題は北朝鮮がいったい何人の生存者を見つけたと言ってくるかだ。数人と数十人とでは、日本国内の世論の受け止め方に大変な差が出てくることが明らかだ。その世論の状況次第で、日本政府の次の一手となる政策も違ってくるだろう。2002年10月に拉致被害者5人が帰国した際、日朝の両国を待ち受けていたのは、予想に反し、拉致問題の全面解決を求める被害者家族と世論の強い反発だった。少ない人数では同じことが起こりかねない。

●次なる生存者も北朝鮮の工作活動と無関係か

 もともと日本人拉致は、故金正日総書記が1970年後半と1980年代前半、対南工作向けに日本人に化けたスパイを養成するため、工作機関に指示したものだ。金正日はその頃、まだ30代で父親・金日成に次の指導者として認めてもらうため、対南工作を通じて自らの実績作りに励んでいた。

 拉致被害者の一人、田口八重子さんは、ソウルオリンピックが翌年に迫った87年の大韓航空機爆破事件の犯人で北朝鮮の元工作員、金賢姫の日本人化教育係。横田めぐみさんもその金賢姫の同僚の女性工作員の金淑姫の教育係だったとされる。北朝鮮はビルマ(当時)の首都ラングーンでの韓国大統領暗殺未遂(1983年)や大韓航空機爆破を「でっち上げ」などと言い続け、犯行を認めていない。このため、過去の嘘や矛盾がばれることから、今回も対南工作活動とは無縁の日本人生存者を意図的に差し出すとみられる。北朝鮮がどのように動くか、注視していく必要がある。

(貼り付け終わり)
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朝日新聞デジタルの「吉田調書」を読んで、改めて原発を見直してみる。

2014年05月29日 17時14分18秒 | 日記
 朝日新聞デジタルに連載が始まった「吉田調書」、朝日新聞が入手した調書を分析・検証した特集企画「吉田調書 福島第一原発事故、吉田昌郎所長の語ったもの」を読んでいる。

 改めて、福島第一原発で発生した過酷事故のドキュメントに、身を震わされる思いだ。

 このドキュメントの書き出しで、『政府事故調査委員会が、吉田氏から聴取しながら報告書ではほとんど言及しなかった「人の行動、判断」の部分に焦点をあて、「原発は誰が止めるか」「住民は避難できるか」「ヒトが止められるか」を考えます。調書の分析・検証にあたっては、東電テレビ会議録、時系列表、および別途入手した東電の内部資料を読み込み、各方面を取材しました。朝日新聞では、吉田調書でわかった新事実を報道します』とうたっている。

 この事故に対応している現場の混乱状況や、本店との連絡、官邸の絡み、報道機関への情報操作など、緊迫している現場の雰囲気を、このドキュメントはよく表現していると筆者は思う。

 そして第2章まで発表されている、このドキュメントを読んで、地震であれ津波であれ、原子力発電所が一たび過酷事故に陥ると、およそ人間がコントロールするのは、至難の業だと理解できるであろう。

 まして、事故収束に必死になっている現場では、周辺に住む住民への放射能漏洩通報や避難指示までは、手が回りかねる事も理解できるくらいだ。

 改めて、今の原子力規制委員会のメンバーにも、ぜひ読んで欲しいし、本当に原発をあくまで推進することが必要なのか、筆者などは疑問に思う。

 現時点で公開されているのは下記の各章までだ。

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第1章 原発は誰が止めるか

1. フクシマ・フィフティーの真相
「非常事態だと私は判断して、一回退避しろと」

2. ここだけは思い出したくない
「チャイナシンドローム…ああいう状況になってしまう」

3. 誰も助けに来なかった
「ものすごい恨みつらみが残っていますから」

第2章 住民は避難できるか

1. 真水か海水か
「あの、もう、水がさ、なくなったからさ」

2. 広報などは知りません
「プレスをするか、しないか、勝手にやってくれ」


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日本からかなり遠いインド。新政権について是非知っておきたいインド事情。

2014年05月28日 15時10分08秒 | 日記
 このブログの5月26日に、インドの新首相ナレンドラ・モディ氏がナショナリスト政権として、当選し、今後のインドの右傾化を危惧したブログを書いたが、インドに関しては、やはり我々日本のジャーナリストでは、詳しく語るものは少ない。

 永年に渡りインドを植民地として統治してきた英国が、やはり何と言っても、インドの詳しい歴史を知っている。

 英国のエコノミスト紙に、このナレンドラ・モディ首相をとりあげたコラムを見つけましたので、読んでみる価値があります。

 インドと言えば、我々一般的な日本人はマハトマ・ガンジー、ネルー首相程度しか知識がないのが実情ではないでしょうか?

 インドで気長に自動車を販売し、今ではシェアトップクラスのスズキ自動車の鈴木修会長なら,結構詳しくご存じでしょうが(笑)

 このコラムでは、インドが抱えている政治風土や、地方の各州が手放さない権力、ヒンズー教とイスラム教の対立、今後の経済発展にはどうしても必要なパキスタンとの和解などなど解り易く書かれています。

 先ずは、ナレンドラ・モディ氏が選ばれた経緯など、お勉強しておきましょう。

(JBPressより貼り付け)

ナレンドラ・モディ:インドの強力な指導者
2014.05.28(水) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年5月24日号)

 ナレンドラ・モディ氏の圧倒的勝利により、インドは繁栄に向け、かつてない絶好のチャンスを手にしている。

 インドはまだ世界最大の貧困人口を抱えている。

 過去30年に世界で起きた最も重要な変化は、中国の台頭だ。中国の国民1人当たりの国内総生産(GDP)は、30年間で年平均およそ300ドルから6,750ドルに増加した。

 これにより、かつては想像もできなかった繁栄が何億人もの中国国民にもたらされただけでなく、世界の経済と地政学も姿を変えた。

 インドの国民1人当たりのGDPは、30年前は中国と同じだった。だが、今では中国の4分の1にも満たない。2~3度の改革と急成長にもかかわらず、インド経済はこれまで、東アジアの多くの国を貧困から引き上げたような勢いを得たことがない。

 インド国民は不満を抱え、仕事や教育を得られず、不健康で飢えている。その観点で言えば、人的損失は計り知れない。

 だが今、インドは史上初めて、成長を最優先事項に掲げる強力な政権を手にした。インド人民党(BJP)を率いるナレンドラ・モディ氏は、インド経済を機能させるという公約の力により、圧倒的な勝利を収めた。本誌(英エコノミスト)はモディ氏を支持してこなかった。モディ氏がグジャラート州首相を務めていた時期に、同州で起きたイスラム教徒の虐殺について、十分な償いをしていないと考えているためだ。

 それでも、本誌はモディ氏の成功を祈っている。インドの成長という奇跡が起きれば、それはインド国民にとってだけでなく、世界にとっても素晴らしいことだからだ。

●家臣からリーダーへ

 インドの失敗の中心にあるのは、政府だ。インドが過去に得た数少ない強力な政権――いずれもネルー・ガンジー一族の地盤である国民会議派が支配する政権だった――が立てた経済計画は腐敗していた。退任するマンモハン・シン現首相のような改革派の政治家は、自らの政策を実施できるだけの影響力を持たなかった。

 そうした状況になった一因は、インドが並外れて統治の難しい国だという点にある。権力の多くは各州に移譲されている。インドの政治は小党乱立的な性質があるため、無数の地域政党やカーストベースの政党を相手に、常に取引をしなければならない。そして、植民地時代と社会主義の過去の遺産として、方向を変えるのが難しい官僚組織が残されている。

 ガンジー家の家臣に過ぎなかったシン氏には、方向を変えられる見込みがほとんどなかった。

 それに対して、モディ氏は党内でも国内でも巨大な権力を握っている。BJPの勝利は、優れた組織力のおかげでもあるが、リーダーの訴求力によるところが大きい。インディラ・ガンジー元首相が暗殺された1984年以降、これほど強力な人物がインドの政権の座に就いたことはなかった。

 モディ氏は議会で圧倒的過半数を得ている。選挙が行われたインド下院の543議席のうち、282議席をBJPが獲得したのだ。

 過去に単独過半数を獲得したことがある政党は国民会議派だけで、それも30年以上前のことだ。議会の勢力と個人の力を兼ね備えたモディ氏なら、各州政府を思い通りに動かせる見込みはシン氏よりも大きい。一方、国民会議派は大敗し、わずか44議席しか得られなかった。こんなジョークが流行っている――「インドには先週まで政府がなかったが、いまでは野党がない」

 モディ氏は経済改革に関する信任を得ている。モディ氏の中心的な支持層は、ヒンドゥーの過去の栄光に浸る宗教的な民族主義者だが、選挙で勝利できたのは、都市部に住む高学歴の若者の票を得たからだ。

 彼らは国民会議派の成り行き任せの政策と腐敗、そして機会促進よりも福祉のばらまきを優先する姿勢にうんざりしていた。彼らが求めているのは、自己開発のチャンスだ。それはお茶商人の息子であるモディ氏が体現し、また約束しているものだ。

●モディ氏の課題

 モディ氏の第1の課題は、脆弱な経済を安定させることだ。銀行をすっかりきれいにし(不良債権が経済回復を妨げている)、政府自身の財政を整理し(慢性的な赤字がインドのインフレの根底にある)、補助金を削減し、税基盤を広げ、中央銀行がより厳しいインフレ対策を実施できるようにしなければならない。

 第2の課題は、雇用創出だ。インドの労働法は硬直的で、工場用地はカネをいくら出しても確保できないことが多く、電力供給は不安定だ。全面的な土地改革に着手し、なかなか軌道に乗らない石炭・電力業界の現状を打破する必要がある。また、インドの単一市場化を進めなければならない。そのためには、道路や港などを整備するだけでなく、インド経済を分断している官僚主義に大なたを振るう必要もある。

 その点では、各地域で課されている無数の税金に代えて、全国一律の売上税を導入する策が効果的だろう。そうした比較的簡単な対策でも、大きな違いを生み出せるだろう。インドの成長率を、現在の4~5%から2ポイント、場合によっては3ポイント引き上げることもできるはずだ。

 パキスタンとの和解に動けば、経済面だけでなく、安全保障面でも利益を得られるだろう。印パ間の貿易は現時点ではごくわずかで、非常に大きな成長の余地がある。民族主義右派政党の指導者であるモディ氏は、イスラエルのメナヘム・ベギン元首相がエジプトとの平和条約を締結できたように、和解を実現するうえで有利な立場にある。

 差し当たり、良い方向に進みそうに見える。モディ氏はパキスタンのナワズ・シャリフ首相を自身の就任宣誓式に招待したのだ。

●すべてにあてはまるルール

 大きな危険要素は3つある。

 第1の危険は、モディ氏の経済改革者の側面よりも、ヒンドゥー民族主義者の側面の方が大きいことが明らかになる可能性だ。モディ氏は「全国民とともに歩む」と口にしている。だが、勝利後すでにガンジス川で礼拝し、ヒンドゥー教徒の聖地であるこの川の浄化を約束している一方で、人口の15%を占めるイスラム教徒については何も言及していない。

 第2の危険は、モディ氏がインドの複雑さに負けてしまう可能性だ。モディ氏の改革に向けた努力は、これまでのすべての改革者の努力と同じように、政治と官僚主義と腐敗の組み合わせに打ちのめされてしまうかもしれない。そうなれば、インドはさらに1世代か2世代にわたり不振が続くことになるだろう。

 第3の危険は、モディ氏が自らの力にのぼせあがり、インディラ・ガンジー元首相がしばらくの間そうであったように、民主主義者ではなく独裁者として支配するようになることだ。

 この懸念には根拠がある。長年にわたる国民会議派の成り行き任せの統治を経て、インドの政府機関の一部は腐りきってしまった。警察の捜査トップは政治家の支配下にあり、メディアは買収可能で、法的な独立性を持たない中央銀行は、これまでにも無理を通されたことがある。しかも、モディ氏には専制的な傾向がある。

 確かにリスクは存在するが、今は楽観的になるべき時だ。成長に力を注ぐ強力な政権があり、それを強く望む国民がいる今こそ、インドは、繁栄に向かって走り出すため、独立以来最大のチャンスを手にしている。

© 2014 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。

(貼り付け終わり)
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集団的自衛権でようやく出だした、世論調査の安倍政権支持率低下。

2014年05月27日 14時20分02秒 | 日記
 最近のメディアの中で、テレビ朝日の系列であるANNの世論調査で、安倍内閣の支持率が45.7%に下落したと、結構大きく報じていた。

 もちろん、その大きな原因は集団的自衛権の、憲法解釈の見直しを安倍政権が行おうとしている結果だ。

 筆者は、安倍政権が常々60%台の高支持率が続いているのにも、不思議だなあと思っていたが、ここにきて朝日系の世論調査が、安倍内閣の支持率低下を、明確に表示しだした。

 筆者などは、この世論調査の方法は、質問する側の調査機関の対応次第で、かなりの数字が動くものと考えているため、そんなに数字の増減で、どうのこうのとは思っていないが、今度は朝日新聞の世論調査で、「集団的自衛権の手順「適切でない」67%」との見出しで、安倍内閣の進める政策にNOを突きつけた。

 まあ、今後の読売新聞や産経新聞の安倍政権支持派のメディアが、どういう世論調査を発表するか見ものだ。

 ただ、この朝日の調査の最後に、「自民に対抗できる政党として期待する政党を挙げてもらったところ、民主の17%が最多で、維新の5%、公明の4%、共産の3%が続いた。結いの党と合流を目指す維新は昨年7月の参院選期間中の13%から大幅に減り、「特にない」が52%に及んだ。」とある。

 確かに安倍政権を批判し、対決できる野党が余りにも結束出来ていない上に、50%もの人達が、こういう危険な政策を行おうとする現政権に、堂々と反対を打ち出す野党を、見いだせていないのだ。

 筆者は、かっての小沢一郎氏など本来の政治家の姿が、表舞台から見えなくなっているのに、日本の政界の不幸を感じる次第だ。

(ANNニュースより貼り付け)

安倍内閣の支持率、12ポイント下落 ANN世論調査(05/26 10:33)

安倍内閣の支持率が先月より約12ポイント下落して、45.7%と、おととし12月の就任以来、最低を記録したことがANNの世論調査で明らかになりました。

 調査は24日と25日に行われました。安倍内閣の支持率は、先月の前回調査と比べて12.3ポイント下落し、45.7%となりました。内閣支持率は、これまで最低だった去年7月の46.4%を下回り、おととし12月の就任以来、最低です。

 また、安倍総理大臣が集団的自衛権の行使を限定的に容認するため、憲法解釈の見直しを進めていることについて、「支持する」とした人が34%、「支持しない」と答えた人が44%でした。さらに、「自民党が憲法解釈の見直しをあくまで求めた場合、公明党は連立を離脱し、野党として対決すべきだ」と答えた人が47%に上りました
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集団的自衛権の手順「適切でない」67% 朝日新聞調査
2014年5月26日00時33分

 朝日新聞社が24、25日に実施した全国世論調査(電話)で、安倍晋三首相が目指す憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認について尋ねたところ、「賛成」は29%で、「反対」の55%が上回った。憲法改正の手続きを踏まず、内閣の判断で憲法解釈を変える首相の進め方については「適切だ」は18%で、「適切ではない」の67%が圧倒した。

 安倍首相は、私的諮問機関が「限定的に集団的自衛権を行使することは許される」と提言したことを受けて、与党の協議が整えば、憲法の解釈変更を閣議決定する考えだ。

 調査では、国会発議や国民投票を経て憲法を改正するのではなく、内閣の判断で解釈を変える首相の進め方について尋ねたところ、安倍内閣支持層や自民支持層でも5割前後、公明支持層では8割以上が「適切ではない」と答えた。

 また、集団的自衛権を行使できるようになったら、抑止力が高まり「紛争が起こりにくくなる」は23%で、周辺の国との緊張が高まり「紛争が起こりやすくなる」が50%だった。アメリカなど同盟国の戦争に巻き込まれる可能性が「高まる」は75%で、「そうは思わない」の15%を引き離した。

 首相は15日の記者会見で「抑止力が高まり、紛争が回避され、我が国が戦争に巻き込まれなくなる」と理由を説明したが、安倍内閣支持層でも「紛争が起こりやすくなる」や戦争に巻き込まれる可能性が「高まる」が上回った。

 自民1強体制が続くなか、自民に対抗できる政党が必要かも尋ねた。「必要だ」は79%だったが、昨年7月の参院選直後(83%)からはわずかに減った。

 自民に対抗できる政党として期待する政党を挙げてもらったところ、民主の17%が最多で、維新の5%、公明の4%、共産の3%が続いた。結いの党と合流を目指す維新は昨年7月の参院選期間中の13%から大幅に減り、「特にない」が52%に及んだ。

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