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またまたイラン国営放送で、百田氏がぶっ放す原爆放言。佐藤優氏がコラムに記載。

2014年02月28日 13時25分21秒 | 日記
 28日東京新聞朝刊で、筆者の愛読している見開き2ページの「こちら特報部」に「本音のコラム」欄があり、元外務省主任分析官であった佐藤優氏が、「イラン訪問記」という題で非常に気になるコラムを書いておられる。

 誰のことかと思えば、例によって百田尚樹氏だ。

 イランは原油産出国であり、イランと米国の対立が激化するまでは、日本にとっては原油輸入で友好的な関係にはあった国ではあった。

 しかし、イラク崩壊後、米国はイランの核開発疑惑で鋭く対立し、最近は少しは雪解けの感触も出始めてきてはいる。しかし米国やイスラエルはイランをまだ要注意国家と見ているのは間違いない。

 そういう環境下で、百田氏はNHK経営委員という役職を背負ってイランを訪問し、驚くべきことに日本国内で発言したと同じ感覚で、アメリカの原爆投下を非難しているのだ。

 米国と敵対関係にあるイランはこの言葉に大喜びしたと記されているが、佐藤優氏ならずとも百田氏の行動に呆れ返らざるを得ない。

 単なる一作家の身であれば何を言おうが外交問題にはならない。しかし彼はNHKという国営放送の経営委員なのである。世界的には現政府と関連つけて見られても当然である。

 しかも彼を経営委員に推したのは安倍首相であることも広く知られている。

 これはどう見ても外交問題になる可能性大だ。

 中国韓国との対立だけでは済まず、イランにまで反米的なPRに出向いているこの男を、解任もしない安倍首相を、米国は黙って放置する程お人好しであろうか?

 TPP交渉もストップしているし、安倍首相はプーチン大統領には盛んに会いに行くし、オバマ大統領が4月に訪日する予定を、急遽キャンセルされてもおかしくないくらいだと思う。

 一体全体、安倍首相は本当にアメリカとの同盟関係が必要と思っているのであろうか?

 筆者にはさっぱり理解できない問題が、また発生したようだ。


(28日東京新聞 本音のコラムより貼り付け)

佐藤優 「イラン訪問記」

 イランを訪問した百田尚樹氏が現地で大歓迎されたようである。イラン国営「イランラジオ」は24日、同日にイラン南西部のアバダン訪問を終えた百田氏の記者団に対する発言について、こう報じた。

「(百田氏は)『私のこの訪問のメッセージは、イランと日本の両国がこれまで以上にさまざまな分野で協力を拡大することができるというものだ』としました。(中略)百田氏は続けて、広島と長崎の原爆投下に触れ、『私はあるときアメリカのやったことを強く非難したが、彼ら(アメリカ人)は私のこの言葉に不快感を示し、私を普通ではないといったが、私は普通ではないのはアメリカ人のほうだと思う』と述べました。
 
 また、『私は将来、イラン訪問について執筆しようと思っている』と述べました」わが国が国際社会から核兵器開発の疑惑を受けているイランと「これまで以上にさまざまな分野で協力を拡大すること」とは、具体的に何を意味しているのだろうか。筆者にはイメージがわかない。

 百田氏の「普通ではないのはアメリカ人だと思う」という発言に、反米を国是とするイラン当局は大喜びをしたと思う。NHK経営委員である百田氏の発言を米国やイスラエルは注意深くウオッチしている。百田氏のイラン訪問記が、日本外交に大きな影響を与える予感がする。

(貼り付け終わり)

円安が日本経済を本当に救うと、あなたは思いますか?

2014年02月27日 15時46分29秒 | 日記
 最近の日本経済を冷静に見ていると、円安効果が続いても、実質的な輸出量の伸びには役立っていない。

 このブログでも何回か記しているように、日本経済は輸出で外貨を稼ぐ構造には最早なっていないのでしょう。

 身の回りの消費財を見ただけでも気がつくだろう。

 女性の購買が多い繊維製品は、有名な海外ブランドだけではなく、なじみのあるユニクロ製品だって、大部分は中国やタイ、ベトナムなどの海外生産品である。

 食料品も輸入に頼っている分野は幅広い。主食の米だけは国産だが、小麦や大豆などの穀類は昔から輸入品であったし、今や肉類は豪州、米国産が国産を上回っている。

 魚類も近海で捕れる魚は国内産と数えられるが、マグロを始め輸入魚類が食卓の多くを占めている。

 消費税値上げ前の買い替えが進んでいる白物家電も、国産メーカーのブランドはついているが、生産国は中国だったりマレーシアだったりといった具合だ。

 液晶TV等もエコポイントで買い替えが進んだ、アナログTV終了間際までは国産が幅を利かしていたが、その後販売量が大幅縮小に入り、収益見透しが期待できなくなり、パナソニックもソニーもTV事業は分社化したり、設備の売却を検討している。

 恐らく液晶TVなどのデジタル家電も、今以上に海外製品が流入する事になると予想できる。

 結論からいえば、人的コストがまだまだ高くつく日本国内での生産は、海外対比でコスト的に合わない製品は、生産拠点を海外に移すと言うのは、メーカーの経営者としては当然のことなのだ。

 しかも、市場規模としても発展する力を持っている新興国市場で、工場を建設すれば、コストも安くなるし、その地域の所得の貢献にもつながり、その生産地での販売も増やす事が出来る。

 グローバル経済とは、そういう世界を選択している国が背負う宿命なのだ。

 後は知的財産となりうるアニメやミュージック、エンターテイメントなどは、今ではまだ日本の競争力は有るであろう。

 米国がTPP交渉で、知的財産の保護期間を出来るだけ伸ばそうと言うのは、まさしくディズニーに稼いで欲しいからに他ならない。

 辛うじて自動車くらいが国産かと思えるが、自動車メーカーも現実には新興国での商売拡大を当然望んでいる限り、今後も着実に海外生産拠点を増やしていく。

 そのうち、技術的にも海外生産品が国産とそん色無くなれば、輸入製品の国内販売比率が増えていくことは十分考えられる。

 現実に海外自動車部品の装着は増えているのだから。

 日本経済は円安で、活性化できる構造ではない事を早く知るべきだ。輸入比率の高い燃料も輸入量としては省エネ効果もあり増えていないが、円安による輸入価格高騰につながってしまっている。

 そして先にあげた実例のように、円安による消費につながる輸入品のコスト増は、猛烈に国際収支に悪影響を与えている。

 黒田日銀総裁の采配による、デフレ脱却などと言って、無理に円安にするべきではない。見かけのインフレはこれから消費者に、大きな負担になって跳ね返ることは間違いない。

 そしてアベノミクスが描いたような、国民の給与が円安による物価の上昇を上回るほど、給与が上がる事はまず考えられない。

 なぜならば、企業の国内設備投資などはほんの少々で、今でも海外投資に重点を置いているのであるから。すなわち国内での生産活動に,企業は可能性を感じていなと言う事である。

 さあ、日本人はどういう生き方をすれば良いのでしょうか?

 一方で高齢化は進み、人口は減少傾向が避けられない。このような現実の中で、嫌中嫌韓を狂気のように叫んで、隣国と対立するのが本当に大事な事なのでしょうか?

 中国の軍事費が増大するからと、恐怖のあまり日本が軍事費にいくら国費を投入しても、人口が縮小し高齢化していく国は、もっと違った発想で生きるべき道を探るべきなのではないのでしょうか?

 現在でも介護で職場を離れなければならないと言う深刻な家庭も多くあります。

 周辺隣国から、介護や看護の人材を大量に受け入れざるを得ない時代が、遅かれ早かれやってくると筆者は予測します。

 今現在でも、相変わらずの景気対策の公共工事の大判振る舞いで、建設関係の人材が足らず、海外勢に頼らなくてはならないと言われているのです。

 安倍首相の、空元気のような威勢の良さに、むなしさを感じる筆者がおかしいのでしょうか?

北方領土返還の可能性は、プーチンロシア大統領と、安倍首相の信頼性にかかっている。

2014年02月25日 18時23分31秒 | 日記
 筆者は日ごろ安倍首相の右傾化やアベノミクスに疑問を呈しているが、安倍首相はソチオリンピック開催セレモニーに参加し、プーチン大統領と首脳会談も行っている。

 なんとはなく彼の行動に脱欧米を感じ取っていたが、元外務省欧亜局長の東郷和彦氏が、日ロ問題の最大の解決事項である北方領土返還の最後のチャンスだとみているのだ。

 そういう意味で、約1時間半の東郷氏、神保、宮台の鼎談は非常に興味深かった。

 確かにロシアはプーチン大統領が実権を握る今が、シベリア開発や天然ガスの輸出などで、日本の技術とカネが必要であり、安倍首相の良い意味でも悪い意味でも、独善性で政権運営を推し進める事ができる時に、北方領土の返還のまたとないチャンスであると、東郷氏は見ている。

 まあ安倍首相も、アメリカからも見放されようとしている時であるだけに、日露の領土返還交渉が成功すると、大きな主導権を得る事ができる事になる。

 まだ現時点では何とも交渉の行方が見えないが、可能性に炎が点火すると、一気に交渉が前に進むことになる。

 東郷氏も北方領土返還交渉を続けてきた人物であるだけに、外務省の交渉能力に賭けているようだ。

 もしもこの交渉が具体化すると、安倍政権の長期政権化も可能性が出てくる訳で、今後の日本の方向性が非常に興味のあるところだ。

(マル激トーク・オン・ディマンド 第671回(2014年02月22日)より貼り付け)

北方領土問題解決の千載一遇のチャンスを逃すな

ゲスト:東郷和彦氏(京都産業大学教授・元外務省欧亜局長)

 安倍首相は、2月7日の冬季オリンピック開会式に出席するためロシアのソチを訪れ、翌8日、プーチン大統領と首脳会談を行った。プーチン政権が進める同性愛規制などに対して、人権上の懸念から主だった欧米諸国の首脳が軒並み開会式を欠席したのを尻目に、安倍首相は五輪外交の機会を逃さなかった。それは日露関係が非常に重要な局面を迎えているからだった。

 日露関係は詰まるところ北方領土問題をどう決着させるのかにかかっている。その一点が解決できないために、日本とロシアは未だに第二次世界大戦後の平和条約を結ぶことさえできていない。そして、それが戦後70年近くにわたり、日本とロシアという東アジアの2つの隣国の関係を進展させる上での決定的な足かせとなってきた。

 実はロシアは2000年代に入って、中国、ノルウェーなど周辺国との国境を積極的に画定してきた。2月18日にはバルト三国のエストニアと国境を画定させて、残る大きな領土紛争は日本との北方領土を残すばかりとなっている。更にロシアのプーチン大統領は日本に対して「原則引き分けで領土交渉をやりましょう」とまで発言している。

 一方の安倍首相も、向こう3年は大きな国政選挙が予定されない中で、領土問題のような腰を据えて取り組むべき政治課題に手をつけられる立場にある。外務省で一貫してロシアを担当してきた東郷和彦京都産業大学教授は「この機会を逃すと北方領土は二度と返ってこないかもしれない。これが最後のチャンスになるのではないか」と、日露関係が千載一遇の、そして最後のチャンスを迎えていると指摘する。

 歴史的に見ると北方領土といわれている4島(択捉島・国後島・色丹島・歯舞諸島)は、1855年の日魯通好条約締結以降、1945年のポツダム宣言受諾まで約90年間日本が統治してきた。しかし、同年2月のヤルタ会談でルーズベルト、チャーチルと対日参戦を約束したスターリンの下、日ソ不可侵条約を破ってソ連軍が満州に侵入。9月5日頃までに北方4島も支配下に治める。その後、サンフランシスコ講話条約で、日本は国際社会に対して公式に樺太と千島列島の放棄を宣言している。ところが旧ソ連がサンフランシスコ条約に調印しなかったため、現在までのところ北方4島の領有権は国際法上日本とロシアのどちらも有していないながら、一貫してロシアが実効支配をしているという状態にある。

 日本には、不可侵条約を破って対日参戦をし、日本のポツダム宣言受諾後も侵攻を続け、満州で民間人を相手に殺戮や強姦などの蛮行を繰り返した上に60万人の日本人をシベリアに抑留したソ連に対する特殊な感情もある。更に日本は少なくとも1956年以降、一貫して北方4島は日本の領土であるとの立場を貫き続け、積極的にそのような広報活動もしてきているために、国民の多くも政府のその立場を支持している。4島一括返還以外の立場を日本が取ることに抵抗が多いのは言うまでもない。

 しかしその一方で、過去70年近くもロシアの実効支配下にあり、4島にはひとりも日本人がいないまま、この先もそれが続くとなると、日本への返還は事実上不可能になってしまうことは想像に難くない。加えて、ロシアは2007年からクリル開発計画と称して5千億円規模の予算を投じて北方4島の開発に取り組んでいる。これらの事情を考慮すると、今、より現実的な解決策を探らない限り、北方領土が日本に戻ってくる見込みは事実上消滅してしまうと言っても過言ではないだろう。

 東郷氏は北方領土問題は2島+α(歯舞、色丹の2島返還と残る国後、択捉の2島についても何らかの将来につながる合意)が落としどころになるだろうと指摘する。「まず1954年の日ソ共同宣言に従って歯舞、色丹を返してもらう。残る択捉と国後は日本、ロシア双方が関わる特別共同経済特区のような仕組みを作った上で、今後も交渉を続けていく」というのが東郷氏の提案だ。これならロシアも乗れる可能性が高いと東郷氏は言う。4島一括返還にこだわり、何も手にできないまま、結果的に両国関係を進展させないこれまでの道を選ぶのか、4島一括返還にこだわらず、まず2島の返還を実現するとともに、とにかく北方4島に日本人が住めるようにすることで、その後の2島の帰属にも可能性を残していくのかのいずれかの選択になるのであれば、これがベストな選択ではないかと東郷氏は言う。

 日露両国が北方領土問題を解決させ、友好的な隣人として新しい関係の構築に成功すれば、東アジア情勢はもとより国際的にも大きな意味を持つ。しかも、その時はこれまで両国間の対立の象徴だった北方領土が、友好と経済協力関係のシンボルとして機能することになる。

 果たして北方領土問題に決着をつけ、日露関係を大きく前進させることができるかどうかは、両国の問題であると同時に、日本国内の問題としての面が多分にある。東郷氏は、これまで日露関係が前進の兆しを見せるたびに、ある時はアメリカから、またあるときは日本国内の勢力から横やりが入り、期待が幻滅に終わるような苦い経験を繰り返してきたという。

 日露両国は、そして日本はこの千載一遇の機会をものにすることができるのか。北方領土問題と日露関係改善の前途に横たわる課題とその克服の見通しを、ゲストの東郷和彦氏とともに、ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

(貼り付け終わり)

自信がなさそうに見える、安倍首相のブレーン、エール大の浜田宏一氏のインタビュー

2014年02月25日 01時49分19秒 | 日記
 安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授がロイター
のインタビューに応じている。

 もともと浜田教授は消費税増税には時期尚早と反対していたようであるが、引き上げ後の夏場の経済指標に神経をとがらせているようである。

 もう一段の日銀による金融緩和策が必要だとし、2015年10月に予定されている消費税10%には、雇用情勢や需給ギャップの改善が足踏みするようならば、断固反対すると表明している。

 筆者はもともとアベノミクスの根幹を占める、金融超緩和による景気刺激策を経済活性化の主要政策に掲げている浜田教授の考え方を疑問視している。

 確かに、この日銀の政策で、株価が上昇したり為替が円安に向かったりと、今までの円高、デフレ時代とは違う方向に向かってはいるが、果して日本経済の内容は本当に大きく改善したであろうか?

 10~5年前頃であれば、輸出産業として自動車、家電、産業機械、が大きく外貨を獲得したかもしれない。

 しかし、労働集約的な家電業界はとっくの昔に生産拠点を海外に移し、自動車業界はそれでもまだ国内生産能力が大きく落ちていないが、自動車も現地生産化は時代の流れであり、既に日本国内の生産台数より、海外生産拠点での生産台数がはるかに多い。

 そして円高から円安に変わったため、輸入物価がウナギ登りだ。

 政府は原発が稼働出来ないから燃料輸入費が大幅増とPRしているが、実際は円安による輸入価格上昇の悪影響の方がはるかに大きい。

 スマホの大幅輸入増や電子部品の輸入増などが国際経常収支の足を引っ張る事になる。

 果してこのような状態で、アベノミクスが雇用の増加にどこまで結びついているのか、筆者には疑問だ。

 やはり急速に高齢化や人口減少に向かいつつある日本の現状を考えると、従来通りの公共工事のばら撒きによる経済活性化戦略を追っていても、実質経済活動は空回りをしているのではないかと、疑問を感じてしまう。

 浜田教授のインタビューを読んでも、なんだか彼自身が描いた成長戦略に自信がなさそうに思ってしまった。

 結局、アベノミクスは一時的な絵に描いた餅に終わるように思えてならないのだが。

(ロイターより貼り付け)

インタビュー:雇用足踏みなら消費税10%に反対=浜田内閣官房参与
2014年 02月 24日 19:06 JST

[東京 24日 ロイター] - 安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授は24日、ロイターのインタビューに応じ、4月に迫った消費税率引き上げが日本経済に与える影響は不確実とし、日銀は夏場に公表される指標などを見極めた上で追加金融緩和の是非を迅速に判断すべきと語った。

また、2015年10月に予定されている10%への消費税率引き上げでは、今年4月の増税の影響などで雇用情勢や需給ギャップの改善が足踏みするような状況になれば「断固として反対する」と表明した。

<GDP低迷、注意深くなるべきとのサイン>

浜田氏は、今年4月に消費税率が現行の5%から8%に引き上げられることによる日本経済への影響について、日銀による異次元緩和政策と政府の経済対策を踏まえて「それほど心配していなかった」としながらも、17日に公表された10─12月期の実質国内総生産(GDP)が事前見通しを下回る年率1%の低成長にとどまったことことで、「注意深くならなければいけないとのサイン。心配している人も多いと思う」と語った。

昨年11月の講演では、消費増税で経済・物価に悪影響が生じた場合の日銀による追加金融緩和に期待感を表明。市場では、増税後をにらんで日銀が早期の追加緩和に踏み切るとの観測もあるが、浜田氏は「Preemptive(予防的)に金融政策を実施することが必要との考え方もある」としながら、「増税が量的にどれだけ悪影響を及ぼすかは不確実」と指摘。追加緩和の是非を判断するタイミングは「データなど実際の経済の動きを見た上で迅速に動けば十分ではないか」と述べ、駆け込み需要の反動減の影響が反映される夏場の経済指標などを見極めて日銀は政策判断すべきとの見解を示した。

もっとも、日銀が掲げる2%の物価安定目標に関連し、「雇用と生産が回復しているかが重要。私はそれほど物価をみているわけではない」と成長と雇用を重視している姿勢をあらためて強調した。

日銀は18日、金融機関による貸出増加と成長分野向け融資の取り組みを支援するため、貸出支援制度の拡充・延長を決定した。これを受けて市場では株高・円安が進行。浜田氏は、減速したGDPの翌日の決定という絶好のタイミングだったと述べるとともに、市場の反応を踏まえて「金融政策の有効性を投資家が信じていることが明らかになった」と評価した。もっとも、追加緩和策を実施する場合は量的な拡大が中心になるとの見方を示し、「国債以外にも買い入れ資産を多様化していくことも重要だ」と語った。

<法人税減税は「当然」>

2015年10月には消費税率が10%にさらに引き上げられる予定。安倍首相は、2度目の消費増税について今年7─9月の経済情勢を見極めた上で年内にも是非を判断する意向を示している。浜田氏は「財務省はそこ(10%への引き上げ)を死守しようとしているが、やはりちゃんと考えるべきだ」と指摘。4月の消費増税をきっかけに景気の低迷が続くようであれば「止めるべきだろう」とし、具体的には有効求人倍率など雇用情勢、需給ギャップの改善が足踏みしてしまうような状況になれば「増税には断固として反対しなければならない」と強調した。こうした指標は日銀が追加緩和を検討する際にも考慮すべきとの考えも示した。

アベノミクスの「第3の矢」である「成長戦略」については、官庁などの抵抗によってさまざまな分野で規制改革が進んでいないと苦言。それでも「安倍首相と菅(義偉)官房長官は、(官僚に対して)強く頑張れる政治家であり、期待している」とし、特に法人実効税率の引き下げは「当然」と主張。減税しなければ「外国人が、日本に投資せずにシンガポールに投資するような事が起こる。日本人だって日本に投資しなくなる」とし、「財務省は税率を下げれば税収が減ると考えているようだが、(法人減税でも)税収が増えることが理想だ」と述べた。

(伊藤純夫 金子かおり 編集:宮崎大)

(貼り付け終わり)

米国のジレンマを適切に書き記した、英フィナンシャル・タイム紙のコラム

2014年02月22日 14時57分25秒 | 日記
 昨日に引き続き、今回は英フィナンシャル・タイムズ紙のコラムです。

 日本国内のメディアよりも、海外メディアの論評には、冷静に日米中韓の立ち位置などを比較し、我々日本人にも参考になる見方をしている。

 特に、英フィナンシャル・タイムズ紙は米国に足位置を置いている訳ではないため、日本と米国の戦後の歴史経過をたどり、日本に軍備強化を働きかけようとしていた米国が、そういう意味で一番適任と思われる安倍首相を迎えたが、彼のナショナリズムの政治行動が、日本、中国、米国を含めた戦争状態に巻き込まれかねないジレンマに、困惑している状況を適切に記している。

 我々も周辺の日本人の意見を求めると、最近は対中、対韓政策でナショナリズムに高揚している人間が増えつつある様に思える。

 今現在の状況は、ほんの些細なきっかけで戦争の口火を切る可能性が、日本・中国両国に存在し、充分に注意する必要がある。

(2014年2月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙より貼り付け)

安倍首相を望んだことを悔やむ米国政府
2014.02.21(金) Financial Times

 安倍晋三首相が率いる日本と習近平国家主席が率いる中国との関係を評価するのは極めて簡単だ。どちらも相手をあまり好きではない。日中双方が、政策目標を推し進める道具としてナショナリズムを利用している。どちらも恐らく、相手側に押しがいのある「タフな男」がいることは都合がいいと考えている。

 評価するのがそれほど簡単でないのが、日米関係の状態だ。本来であれば、日米関係は日中関係よりもはるかに容易に読み解けるはずだ。結局、日本は米国にとってアジアで最も重要な同盟国であり、第2次世界大戦の終結後、米軍の戦闘機と部隊を受け入れる「不沈空母」だったのだから。

○緊張する日米関係

 そして今、数十年間にわたり米国から促された末に、ようやく強固な防衛態勢を築き、平和主義の日本が長年大事にしてきた「ただ乗り」の国防政策を見直す意思を持った安倍氏という指導者がいる。

 だが、長年求めてきたものを手に入れた今、米国政府はおじけづいている様子を見せている。

 その兆しの1つは、安倍氏が昨年12月に靖国神社を参拝した後に米国政府が「失望」を表明したことだ。靖国神社は中国と韓国から、自責の念がない日本の軍国主義の象徴と見なされている。

 以前は、米国政府は内々に靖国参拝への不満を述べたが、公然と日本を非難することはなかった。

 日本政府は今回、米国が日本語できつい響きのある失望と訳された「disappointed」という言葉を使ったことに驚かされた。

 ほかにも緊張の兆候が見られた。米国の政治家は、安倍氏の歴史観に対する懸念を表明している。

 バージニア州の議会は、学校教科書に日本海を表記する際には韓国名の「東海」を併記するよう求める法案を可決した。米国政府は、安倍氏の指揮下で、やはり米国の重要な同盟国である韓国と日本の関係も悪化したことを懸念している。

 日本の観点から見ると、論争になっている島嶼に対する日本の支配権に対し、中国政府が防空識別圏設定の発表で巧妙に対抗してきた時、米国政府は十分な力強さをもって日本を支持しなかった。

 米国政府は確かに中国の防空識別圏内に爆撃機「B52」を2機送り込んで不満を表したが、米国のジョー・バイデン副大統領は北京を訪問した時に、この問題をことさら取り上げなかった。

 東京の多くの政府関係者は、米国政府は事実上、中国の一方的な動きを黙って受け入れたと考えている。また、彼らは常日頃、中国にどっぷり染まった人々を周囲に置く傾向のあるバラク・オバマ大統領の回りに「ジャパンハンド」がいないことも嘆いている。米国政府が日本を支持することは、もはや当てにできないという感覚が広まっていると語る日本政府関係者は1人ではない。

 このような背景には、安倍氏にも当然分かる皮肉がある。1950年以降ずっと、米国政府は日本に対し、再軍備し、現在安倍首相が提唱しているような国防態勢を取ることを迫ってきた。ダグラス・マッカーサー元帥の命令で書かれた1947年の平和憲法のインクが乾くや否や、米国人は日本に「交戦権」を永遠に放棄させたことを悔やんだ。

 米軍による占領終了の交渉を任じられたジョン・フォスター・ダレスは日本に対し、30万~35万人規模の軍隊を構築するよう迫った。中国は共産主義国家になり、米国は朝鮮半島で戦争を戦っていた。東アジアに無力化された「従属国家」を抱えることは、もはや米国に適さなくなっていたのだ。

 何年もの間、日本はこうした圧力に抵抗してきた。日本政府は米国の核の傘を頼りにし、ビジネスを築く仕事に勤しんだ。日本の唯一の譲歩は、戦闘を禁じられた自衛隊を創設することだった。

 あれから60年経った今、日本には、米国を言葉通りに受け止める指導者がいる。安倍氏には、日本の憲法解釈を見直し、場合によっては平和主義を謳った憲法第9条そのものを覆す個人的な信念と地政学的な口実がある。

○中国を挑発しかねない日本のナショナリズムへの不安

 しかし、その瞬間が訪れた今、一部の米国政府関係者は考え直している。ある元ホワイトハウス高官によれば、ジョン・ケリー国務長官は日本を「予測不能で危険」な国と見なしているという。

 日本のナショナリズムが北京で対抗措置を引き起こすとの不安感もある。オーストラリアの学者で元国防省高官のヒュー・ホワイト氏は、これが意味することは明白だと言う。「米国としては、中国と対立する危険を冒すくらいなら日本の国益を犠牲にする」ということだ。

 安倍氏が靖国神社を参拝した時、米国政府にメッセージを送る意図もあったのかもしれない。日本の右派の奇妙なところは、最も熱心な日米同盟支持者でありながら、同時に米国政府が敗戦国・日本に強いた戦後処理に憤慨していることだ。米国の望みに逆らって靖国を参拝することは、日本は常に米国政府の命令に従うわけではないという合図を送る1つの方法だ。
ワシントンで見られる安倍氏への嫌悪感は、決して普遍的ではない。

 ある意味では、安倍氏はまさに米国という医師が命じた日本の首相そのものだ。同氏は日本経済を浮揚させる計画を持っている。沖縄の米海兵隊基地の問題を解決する望みが多少なりともある日本の指導者は、もう何年もいなかった。日本は長年、国防費に国内総生産(GDP)比1%の上限を自ら課してきたが、安倍氏は国防費を増額する意思がある。

 だが、これらの政策には代償が伴う。ワシントンの多くの人が不快に感じる修正主義的なナショナリズムである。

○米国のジレンマと日本の悩み

 「中国が成長するにつれ、日本が中国の力に不安を感じる理由がどんどん増え、日本を守る米国の意思への信頼がどんどん薄れていく」とホワイト氏は言う。

 同氏いわく、米国は日本の中核利益を守ることをはっきり確約するか、さもなくば、日本が「1945年以降に放棄した戦略的な独立性」を取り戻すのを助けなければならない。このジレンマに相当する日本の悩みは、一層強く米国にしがみつくか、米国から離れるか、という問題だ。
By David Pilling

(貼り付け終わり)