最近のマスメディア、TV・新聞に関しては、視ない、読まないと言う人が、若い人たちを中心に増えているようだ。
筆者も、TVは結局NHKのニュースとNHKスペッシャル等の特集番組、民放ではTV朝日の「報道ステーション」とTV東京の「ワールドビジネスサテライト」等が定常的に見ている番組になろうか。
新聞は読売、朝日等を購読していたが、結局一年前から東京新聞に変えてしまった。
東京新聞はなんといっても「こちら報道部」が見開き二面を使って、毎日つっ込んだ解説記事がのる。
これが読みごたえがあり、筆者としては時の政府に迎合しないジャーナリスト精神を感じさせてくれる。
速報性では、TVやラジオにかなわないのであるから、東京新聞は新聞の役割を理解していると思う。
読売、朝日等を週のうち2~3回読む機会があるが、正直のところ両紙とも面白くも可笑しくもない。
東洋経済オンラインに、ホリエモンこと堀江貴文氏が刑期を満了して活動を始め、興味あるインタビュー記事が出ている。
彼がフジテレビの買収にかかわった頃の事を思い出すが、マスコミの現状が怠惰で眠っていると批判していたが、今もその思いは変わらないようで、ネット時代のTVや新聞に対する意見はなかなか面白い。
やはりITの可能性を探っていた堀江氏の観方には、参考になる意見が多い。
広告で埋め尽くされたTVや新聞では出来ない世界に、課金があっても見ごたえがあれば、視聴者や読者はカネを払ってくれると言う、彼の信念にも似た意見は貴重だ。
筆者も思う。今のニュース番組より、中身をグンと掘り下げもっと実情に詳しい解説者が登場し、見ごたえのある中身になるとしよう。
ネットの使用料で毎月一万円前後使っている、若者やビジネスマンの現状では、ネットやTVが融合され、そのような見ごたえのある番組が、どこででも見れるようになれば、ニュースの解説番組等でも、時間を気にすることなく見られるようになるだろう。
(東洋経済オンラインより貼り付け)
ホリエモンが、もしメディアの経営者だったら
堀江貴文氏インタビュー
佐々木 紀彦 :東洋経済オンライン編集長
2013年11月29日
インタビューのフィード
今年11月10日に刑期満了を迎えた、ホリエモンこと堀江貴文氏。ゼロからの出発となるタイミングに合わせて、新刊『ゼロ』を上梓した。出版界のドリームチームを結集し、ミリオンセラーを狙う同作で、ホリエモンが伝えたかったことは何か。1時間半にわたるインタビューを、動画とともに2回に分けて掲載する。
(インタビューの後編を以下に貼り付け)
テレビはNHKになるしかない
――本のメディアについて話をしてきましたが、次はテレビについて聞きます。テレビというメディアは、堀江さんが2005年ごろにいろいろ仕掛けてから、ネットとの融合などがある程度、進んでいる部分もあると思うのですが、堀江さんが当時、描いていたテレビの未来と今のテレビは近くなってきていますか。
堀江:全然、近くないです。やるべきことをやっていないですね。
――今、堀江さんがテレビ局の経営者だったら、何をしますか。
堀江:NHKになるしかない。
――具体的にはどういうことですか。
堀江:有料サブスクライバー(加入者)モデルにするしかないということですよ。
――テレビに広告が入っていて無料で見られてもですか。
堀江:広告が入らなくなっているから、経営が苦しくなっているわけでしょう。
――今、ちょっとだけ戻っていますけど。
堀江:ちょっと戻っているのは、広告収益が戻っているのではなくて、放送外収入が伸びているからですよね。テレビが不動産で儲けてどうするんだと思います。で、これまで入れていなかった広告を入れ始めている。パチンコ、消費者金融、アダルト、よくわからない健康食品とか、以前は絶対に入れなかったようなところを。
――NHKになるということは、月額料金を徴収して米国のケーブルテレビのような形で見せていくということですか。
堀江:いや、なぜ動画コンテンツのことしか考えないのかが、僕はよくわからない。フジテレビ買収騒動の頃によく言われていたのが、「まだテレビで動画配信を見るわけがない」ということ。そうじゃない。テレビ局が持っている価値は、実はリーチ(到達率)しかない。
――コンテンツ制作能力はありませんか。
堀江:制作しているのはほとんど制作会社ですからね。テレビ局は、国からもらった免許で安い電波使用料でリーチを仕入れているだけです
――アマゾンも自社でスタジオを持ってドラマを制作しています(関連記事:アマゾンがテレビ業界に殴り込み)。米国はネット企業がコンテンツ制作に参入して、業界をかなりかき回していますが、日本にはそういうプレーヤーがいないですよね。
堀江:でも、これから変わりますよ。今度、ドリパスという、ヤフーの子会社になった会社と組んで、僕の小説『拝金』を映画化するのですが、これにヤフーが100%出資します。ヤフーは1年半前に経営陣が大幅に若返って、「爆速」というコンセプトで経営しているので、変わってきています。映画制作も爆速の一環ですよ。
ドリパスという会社は、みんなが見たい映画をネットでリクエストして、たとえば500人集まったら映画館を貸し切って見られるというサービスを提供する会社です。映画館からすると、確実に席が埋まるので効率がいい。そういうネット企業がコンテンツ制作に乗り出してくるので、映画業界に風穴が開くのではないでしょうか。
映画のビジネスモデルの難しいところは、配給です。東宝がだいたい牛耳っていて、年間の邦画ランキング20位中、16作品ぐらいが東宝ですからね。
――ドリパスみたいな動きが水面下で出てきているなら、いろいろ変わるかもしれないですね。
堀江:間違いなく変わるでしょう。
メディアの価値とは何か
――われわれはオンラインメディアを運営していますが、オンラインメディアはどうやったら稼げるでしょうか。有料課金は、日経新聞電子版以外はあまり成功していません。堀江さんが経営者ならどうしますか。
堀江:僕は今度、「NewsPicks」のアドバイザーになるのですが、ああいうニュースキュレーションという形が、ひとつの軸になっていくと思います。いいことを言っている人が、いろいろなところに分散していますよね。
――確かに。
堀江:あと、今の時代にストレートニュースはあまり響かないと感じています。
――価値が落ちていますよね。
堀江:なぜ価値が落ちているかというと、やっぱりソーシャルメディアの時代になって、当事者が発信するようになってきたからです。たとえば、自治体の市長が積極的にツイッターやフェイスブックを使って発信していっている。もうメディアをすっ飛ばして、ダイレクトにフォロワーに伝えています。この傾向はますます広まっていく。
では、メディアの価値とは何なのか。メディアの本質は、情報の仲介者ですよね。でも、仲介する必要がなくなった。ある意味、中抜きですよ。そこにあえて仲介者がいる価値って何だろうと考えたら、ニュースを翻訳することでしょう。
――池上彰さんのような。
堀江:大前研一さんとか。要はニュースをわかりやすく伝えるということが大事で、そういうメディアを作ればいいのになと思います。だから、僕はやりますよ。20人ぐらいの識者を集めて、市民のためのメディアを作ります。つまり、ニュースの解説をするのですが、ワイドショーみたいな可もなく不可もなくというコメントではないですよ。
今日もテレビをたまたま見ていたら、ホテルのメニューの偽装事件をやっていました。芝エビじゃなくて、なんちゃらエビを使っていた、みたいな話をねちねちと。それを識者の人たちが「とんでもないですね」「ありえないです」とかコメントして。でも、僕らが聞きたいのはそこではない。ぶっちゃけ偽装されて困るかといったら、たいして困らない。
多くの会社がおそらく同じようなことをやっていて、今、慌てて社内を調べさせていると思いますが、なぜそういうことが起きてしまうのか、背景を調べなければいけない。
消費者だって、マグロのトロがその値段で食えるのかとか、ちょっと考えようよと。明らかにおかしいじゃないですか。どういうふうにそのニュースをとらえるべきかを、解説してほしいですよね。
――では、新聞というメディアはどうですか。
堀江:新聞は、まさにストレートニュースですから、先ほど言ったようなメディアになっています。ただ、宅配のビジネスモデルがやっぱり強固ですね。特に地方新聞のシェアは化け物です。
僕はいちばん有力なのは地方紙だと思っています。地方紙って、ソーシャルメディア的なところがありますよ。ある地方新聞社の人に聞いたのですが、とにかく地域の読者を3回は紙面に登場させるんだと。生まれた時と、入学した時と、死んだ時。それが地方紙はできるから強い。
――ソーシャル化していますね。
堀江:地方のニュースはウェブメディアにはあまり載らないので、そこも強いです。ただ、僕的には新聞はコンテンツが多すぎ、広告も多すぎだと思います。ほとんど広告でしょう。
――今度、堀江さんが作る市民メディアは有料ですか。
堀江:基本、有料です。月額課金が強固なビジネスモデルだと僕は思っているので。
――いつ頃、始まるのですか。
堀江:来年になると思います。
(貼り付け終わり)
筆者も、TVは結局NHKのニュースとNHKスペッシャル等の特集番組、民放ではTV朝日の「報道ステーション」とTV東京の「ワールドビジネスサテライト」等が定常的に見ている番組になろうか。
新聞は読売、朝日等を購読していたが、結局一年前から東京新聞に変えてしまった。
東京新聞はなんといっても「こちら報道部」が見開き二面を使って、毎日つっ込んだ解説記事がのる。
これが読みごたえがあり、筆者としては時の政府に迎合しないジャーナリスト精神を感じさせてくれる。
速報性では、TVやラジオにかなわないのであるから、東京新聞は新聞の役割を理解していると思う。
読売、朝日等を週のうち2~3回読む機会があるが、正直のところ両紙とも面白くも可笑しくもない。
東洋経済オンラインに、ホリエモンこと堀江貴文氏が刑期を満了して活動を始め、興味あるインタビュー記事が出ている。
彼がフジテレビの買収にかかわった頃の事を思い出すが、マスコミの現状が怠惰で眠っていると批判していたが、今もその思いは変わらないようで、ネット時代のTVや新聞に対する意見はなかなか面白い。
やはりITの可能性を探っていた堀江氏の観方には、参考になる意見が多い。
広告で埋め尽くされたTVや新聞では出来ない世界に、課金があっても見ごたえがあれば、視聴者や読者はカネを払ってくれると言う、彼の信念にも似た意見は貴重だ。
筆者も思う。今のニュース番組より、中身をグンと掘り下げもっと実情に詳しい解説者が登場し、見ごたえのある中身になるとしよう。
ネットの使用料で毎月一万円前後使っている、若者やビジネスマンの現状では、ネットやTVが融合され、そのような見ごたえのある番組が、どこででも見れるようになれば、ニュースの解説番組等でも、時間を気にすることなく見られるようになるだろう。
(東洋経済オンラインより貼り付け)
ホリエモンが、もしメディアの経営者だったら
堀江貴文氏インタビュー
佐々木 紀彦 :東洋経済オンライン編集長
2013年11月29日
インタビューのフィード
今年11月10日に刑期満了を迎えた、ホリエモンこと堀江貴文氏。ゼロからの出発となるタイミングに合わせて、新刊『ゼロ』を上梓した。出版界のドリームチームを結集し、ミリオンセラーを狙う同作で、ホリエモンが伝えたかったことは何か。1時間半にわたるインタビューを、動画とともに2回に分けて掲載する。
(インタビューの後編を以下に貼り付け)
テレビはNHKになるしかない
――本のメディアについて話をしてきましたが、次はテレビについて聞きます。テレビというメディアは、堀江さんが2005年ごろにいろいろ仕掛けてから、ネットとの融合などがある程度、進んでいる部分もあると思うのですが、堀江さんが当時、描いていたテレビの未来と今のテレビは近くなってきていますか。
堀江:全然、近くないです。やるべきことをやっていないですね。
――今、堀江さんがテレビ局の経営者だったら、何をしますか。
堀江:NHKになるしかない。
――具体的にはどういうことですか。
堀江:有料サブスクライバー(加入者)モデルにするしかないということですよ。
――テレビに広告が入っていて無料で見られてもですか。
堀江:広告が入らなくなっているから、経営が苦しくなっているわけでしょう。
――今、ちょっとだけ戻っていますけど。
堀江:ちょっと戻っているのは、広告収益が戻っているのではなくて、放送外収入が伸びているからですよね。テレビが不動産で儲けてどうするんだと思います。で、これまで入れていなかった広告を入れ始めている。パチンコ、消費者金融、アダルト、よくわからない健康食品とか、以前は絶対に入れなかったようなところを。
――NHKになるということは、月額料金を徴収して米国のケーブルテレビのような形で見せていくということですか。
堀江:いや、なぜ動画コンテンツのことしか考えないのかが、僕はよくわからない。フジテレビ買収騒動の頃によく言われていたのが、「まだテレビで動画配信を見るわけがない」ということ。そうじゃない。テレビ局が持っている価値は、実はリーチ(到達率)しかない。
――コンテンツ制作能力はありませんか。
堀江:制作しているのはほとんど制作会社ですからね。テレビ局は、国からもらった免許で安い電波使用料でリーチを仕入れているだけです
――アマゾンも自社でスタジオを持ってドラマを制作しています(関連記事:アマゾンがテレビ業界に殴り込み)。米国はネット企業がコンテンツ制作に参入して、業界をかなりかき回していますが、日本にはそういうプレーヤーがいないですよね。
堀江:でも、これから変わりますよ。今度、ドリパスという、ヤフーの子会社になった会社と組んで、僕の小説『拝金』を映画化するのですが、これにヤフーが100%出資します。ヤフーは1年半前に経営陣が大幅に若返って、「爆速」というコンセプトで経営しているので、変わってきています。映画制作も爆速の一環ですよ。
ドリパスという会社は、みんなが見たい映画をネットでリクエストして、たとえば500人集まったら映画館を貸し切って見られるというサービスを提供する会社です。映画館からすると、確実に席が埋まるので効率がいい。そういうネット企業がコンテンツ制作に乗り出してくるので、映画業界に風穴が開くのではないでしょうか。
映画のビジネスモデルの難しいところは、配給です。東宝がだいたい牛耳っていて、年間の邦画ランキング20位中、16作品ぐらいが東宝ですからね。
――ドリパスみたいな動きが水面下で出てきているなら、いろいろ変わるかもしれないですね。
堀江:間違いなく変わるでしょう。
メディアの価値とは何か
――われわれはオンラインメディアを運営していますが、オンラインメディアはどうやったら稼げるでしょうか。有料課金は、日経新聞電子版以外はあまり成功していません。堀江さんが経営者ならどうしますか。
堀江:僕は今度、「NewsPicks」のアドバイザーになるのですが、ああいうニュースキュレーションという形が、ひとつの軸になっていくと思います。いいことを言っている人が、いろいろなところに分散していますよね。
――確かに。
堀江:あと、今の時代にストレートニュースはあまり響かないと感じています。
――価値が落ちていますよね。
堀江:なぜ価値が落ちているかというと、やっぱりソーシャルメディアの時代になって、当事者が発信するようになってきたからです。たとえば、自治体の市長が積極的にツイッターやフェイスブックを使って発信していっている。もうメディアをすっ飛ばして、ダイレクトにフォロワーに伝えています。この傾向はますます広まっていく。
では、メディアの価値とは何なのか。メディアの本質は、情報の仲介者ですよね。でも、仲介する必要がなくなった。ある意味、中抜きですよ。そこにあえて仲介者がいる価値って何だろうと考えたら、ニュースを翻訳することでしょう。
――池上彰さんのような。
堀江:大前研一さんとか。要はニュースをわかりやすく伝えるということが大事で、そういうメディアを作ればいいのになと思います。だから、僕はやりますよ。20人ぐらいの識者を集めて、市民のためのメディアを作ります。つまり、ニュースの解説をするのですが、ワイドショーみたいな可もなく不可もなくというコメントではないですよ。
今日もテレビをたまたま見ていたら、ホテルのメニューの偽装事件をやっていました。芝エビじゃなくて、なんちゃらエビを使っていた、みたいな話をねちねちと。それを識者の人たちが「とんでもないですね」「ありえないです」とかコメントして。でも、僕らが聞きたいのはそこではない。ぶっちゃけ偽装されて困るかといったら、たいして困らない。
多くの会社がおそらく同じようなことをやっていて、今、慌てて社内を調べさせていると思いますが、なぜそういうことが起きてしまうのか、背景を調べなければいけない。
消費者だって、マグロのトロがその値段で食えるのかとか、ちょっと考えようよと。明らかにおかしいじゃないですか。どういうふうにそのニュースをとらえるべきかを、解説してほしいですよね。
――では、新聞というメディアはどうですか。
堀江:新聞は、まさにストレートニュースですから、先ほど言ったようなメディアになっています。ただ、宅配のビジネスモデルがやっぱり強固ですね。特に地方新聞のシェアは化け物です。
僕はいちばん有力なのは地方紙だと思っています。地方紙って、ソーシャルメディア的なところがありますよ。ある地方新聞社の人に聞いたのですが、とにかく地域の読者を3回は紙面に登場させるんだと。生まれた時と、入学した時と、死んだ時。それが地方紙はできるから強い。
――ソーシャル化していますね。
堀江:地方のニュースはウェブメディアにはあまり載らないので、そこも強いです。ただ、僕的には新聞はコンテンツが多すぎ、広告も多すぎだと思います。ほとんど広告でしょう。
――今度、堀江さんが作る市民メディアは有料ですか。
堀江:基本、有料です。月額課金が強固なビジネスモデルだと僕は思っているので。
――いつ頃、始まるのですか。
堀江:来年になると思います。
(貼り付け終わり)