「犯す前に、これから犯しますと言いますか」と女性を犯すときに例えた暴言を吐いて、またも政府高官が解任となった。
沖縄防衛局長の田中氏が、普天間飛行場移設にからんだ環境影響評価書をめぐる記者たちとのやりとりの中で口走った。
とりわけ沖縄は、米軍の性暴力に悩まされてきた歴史的経緯がある。そういう地でこのような例えは資質を疑われる。弁解は通らない。
ところで、田中防衛局長の発言そのものも問題だが、報道関係者と居酒屋で懇談するというのは、一体どういうことなのだろうか。
政府高官と報道各社約10社が集まって居酒屋で懇談したというのだが、おそらくこれまでもたびたびおこなってきた慣行なのだろう。
参加したのは主要な報道関係社だったろうと推測がつく。
会費制でやったから、貸し借りはないと言い訳するかもしれないが、どういう趣旨の懇談会だったのか、説明が必要だ。
いわば仲間内でお互いに持ちつ持たれつの関係にあったと思われる。
記者会見にしても日本は前近代的と言われてきた。
先進国では、ジャーナリストであれば誰もがアクセスでき、自由に質問が可能なことは常識とされているのに、日本の記者会見は記者クラブに加盟していないメディアや外国の通信社を締め出しているというのだ。
官僚たちは、記者クラブをコントロールすることによって利権構造を強固にしてきた。一方大手報道機関は、役所などからの情報を独占できる特権に守られている、と批判されてきた。
気に入った記者にはおいしい情報を小出しにして、気に入らない相手には情報を伏せるというさじ加減する。
報道側は、取材源から情報が得られなくなることを恐れ、当局追従姿勢に陥りがちだ。情報をもらう側の矛先が鈍るのは必然だ。
特権的な間柄になって、政府内の情報をいち早く受け取る。片やある種の情報操作によって自分たちが進めようとしている政策を都合よくリードしていく。
こうして出す側ともらう側で癒着が生まれる。
居酒屋での懇談会も同根の土壌と言えよう。
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