ジジババのたわごと

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「炉心溶融使わぬよう」の真相は

2016年06月19日 | Weblog
5年前の福島原発事故の直後、清水正孝社長が記者会見していた武藤副社長に対し「炉心溶融」の言葉を使わないよう指示したという。
東電が依頼した第三者による「検証委員会」が発表した。

ところが、「炉心溶融という言葉を使わないように」と手書きのメモを渡したのは、首相官邸からの指示であったというので事が大きくなった。
清水社長の記憶はあいまいで、官邸の誰からどんな指示、要請を受けたかは不明だという。
検証委員会の無責任な発表の感が免れない。根拠があるのだろうから、もう少しはっきりしてほしいものだ。

これに対して、当時官房長官だった民進党の枝野幸男幹事長は厳しく批判している。
「東電や旧原子力安全・保安院にメルトダウンや炉心溶融という表現を使わないよう指示したことは一度もない」
「官邸の関与を示唆しながら、私や菅元総理に聞き取りの要請もなかった」
参議院選挙への妨害との疑いも免れない。法的措置も含めた対応に着手すると述べている。菅直人元首相も否定した。

さて、当時の枝野官房長官が繰り返した「ただちに人体健康に影響はありません」、「微量です」、「念のためです」の言葉。
今となっては嘘だったことが明白になっている。 

事故直後に記者会見で口をすべらせ、「メルトダウンの可能性がある」と発言した保安院の中村審議官が交代させられたいきさつも、これらと関連した官邸の関与であったと考えてよかろう。

とにかく「事故を小さく見せよう」という思惑が、東電にも政府内にも常に支配的だ。
それは、民主党政権でも変りなかった、ということ。


ところで、この検証委員会というのは、福島原発事故を独自に調査してきた新潟県の技術委員会が、メルトダウンについて記述した東電の社内マニュアルの存在を突き止めたことで、東電に申し入れ設置されることになったものである。

新潟県の泉田知事は「県の技術委員会に対して虚偽の説明をしていたことになり、極めて遺憾だ。東京電力と合同で設置することとした検証委員会で徹底した追及を行う。東京電力は組織として何事も包み隠さず、真摯(しんし)に対応してほしい」とコメントを発表した。

合同の検証委員会で、炉心溶融についてどこまで真相が浮かび上がるか。
東電の隠蔽体質を突き破るのは至難であろうが、少しだけ期待しよう。


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